2541. 迷子の警察音楽隊
《ネタバレ》 導入部分に顕著な絶妙な「間」と、横並びを多用した構図、そして堅苦しい制服や重そうな楽器と荒涼とした風景のギャップだけで、コメディとしては完成しているわけです。あえて一足飛びに関係を発展させることなく、ぎこちなく礼儀正しく交わされる会話にも、何ともいえない味があります。その中でも、最低限の台詞で登場人物の心理の揺れを表し切っている脚本が、よく見ると凄く練られています。また、ユダヤとアラブの対立背景を全部削ぎ落とした潔さも、かえって作品世界に緊張感を与えています。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-11 03:49:01) |
2542. ブルーバレンタイン
結婚後の男女関係に着目したドラマって意外と少ないので、期待も大きかったのですが・・・どこまで進んでも2人がそれぞれグチグチ文句を言っているだけで、何かをしたいという空気が感じられなかったのには面食らいました。なおかつ、不必要に細かいカット割や、すぐにアップになりたがる落ち着きのないカメラが、俳優陣の演技も邪魔しています。これはもったいない内容でした。 [DVD(字幕)] 5点(2011-11-11 02:16:56) |
2543. レッスン!
《ネタバレ》 類作の先例がいくつも見えてしまう単純な作りではあるのですが、バンデラスの久々の真面目な演技と真剣な表情によって、強く印象づけられる作品となっている。生徒たちとどうこうという部分よりも、一番の肝は、校長先生とのダンスシーンですね。これによって作品の軸足が座っています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-11-10 04:09:35)(良:1票) |
2544. ジェリーフィッシュ(2007)
ごく普通の3組の人々の並行する道行きをじっと見続けるという視点は好みだし、ひっそりと息をひそめるかのように落ち着いた雰囲気も悪くないのですが・・・3組の話は交錯するようでしないし、そもそも全部が似たような描き方で似たようにうじうじ悩むキャラばかりが出てくるので、作品としての意味合いを削いでしまっている。結果、設定のための設定のようになってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-11-08 23:58:13) |
2545. サンシャイン・クリーニング
《ネタバレ》 もっと明るく楽しく前向きな内容かと思っていたのですが・・・全体の雰囲気が妙にじめじめしていて、いざ開業というときでも、何かを突き破ったエネルギーや勢いというものが感じられない(結果、後で出てくる挫折の部分でも、その意味合いが薄くなっている)。ラストも辛うじてゴールしたという感じで、開放感や達成感がないですね。結果、題材に寄りかかったような感じになってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-11-08 05:13:39) |
2546. キック・アス
《ネタバレ》 設定からして、オタクが何の能力も技術もなくオタクの執念だけで悪に勝ってしまうという素敵なお話かと期待していたのですが・・・ビッグ・ダディやヒットガールが出てきた頃から変に重くなって、後半は、作品世界自体がバットマンやスパイダーマンの美味しいところ取りですね。せっかくのオタクのキャラがもったいない。途中で突然流れるスパークスの"This Town Ain't Big Enough For Both Of Us"に+1点。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-11-08 03:23:16) |
2547. 砂の上の恋人たち
《ネタバレ》 いきなり「私たちはどうして3Pを開始するに至ったか」を堂々と、正面から、真面目に描写しているオープニングの20分間が凄い。その後も無意味な全裸トークやら海辺でのいちゃつきシーンの連打で、もう楽しすぎ。で、そのまんま完結できるはずがないわけで、そこからどう展開するのかが課題になるのだが、全体がどこまでも一直線なので、これだけエロくても一抹の清涼感を感じる。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-07 12:37:14) |
2548. アヴリルの恋
《ネタバレ》 静謐性と神秘性を感じさせる出だしのところはよかったのですが、途中からえらく描写が俗っぽくなってきて、ラストなんかはいかにも枠を突き破ろうとしてかえって枠に囚われた感がはっきり見えてしまいました。この展開だったら、最初のところで外界との接触がなくて云々という設定もいらなかった気がします。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-11-07 12:35:40) |
2549. 九月に降る風
《ネタバレ》 前半は、台湾版「アメリカン・グラフィティ」(!)といった趣で、ぎこちないながらもそれなりに作品として成立しているのですが、後半に強引に事件を盛り込んでおかしくなってしまいました。男子と女子の描写がうまく絡んでおらず、それぞれ浮いているのも難点。ただ、ジェニファー・チュウという女優さんは初めて見ましたが、可愛いですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-11-07 12:30:20) |
2550. HACHI/約束の犬
《ネタバレ》 何がショックって、リチャード・ギアが堂々と「おじいちゃん」を演じてしまっていること。やはり月日が経てばそうなってしまうのね。もともと、ラッセ・ハルストレムが何でこんなそのまんまなリメイクをするのかが不思議だったのだが、音楽を除いては新鮮味はほとんどなく、各登場人物の人格面も深められてはいない。巧者ジョアン・アレンにも出番なし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-11-01 03:52:31) |
2551. 秋刀魚の味(1962)
説明台詞の連続、なぜか分からない棒読み演技、わざと面白くなくしているとしか思えない単調なカメラ。見ていてイライラし通しでした。どこがよいのかほとんど理解できませんでした。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-10-31 22:53:25) |
2552. トゥルー・ヌーン
《ネタバレ》 のどかな村落に突然国境が出現という設定が凄いし、それがなぜか村の風景とマッチしているのも凄いが(私は「ノー・マンズ・ランド」を思い出した)、今ひとつ現実の切迫感の描写が弱いような気がする。ただ、ラストの原始的な容赦なさは、それとは別の次元で強烈。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-28 02:54:13) |
2553. ミルコのひかり
《ネタバレ》 もう少し感動があるかと思っていたのですが・・・ハンディキャップのある人物が何を達成したかというだけではなくて、そのプロセスやステップ、そして心の動きをもっと見たかったところでした。ラストが予定調和に見えてしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-28 01:08:20) |
2554. スパイナル・タップ
架空のバンドをここまでもっともらしく作り込んだ執念には敬意を表したいし、それを迷いなく作品として完結させる根性は称賛されるべき。ただし、あまりに実際のドキュメンタリーっぽく見せるべく突き進んでしまったため、デフォルメの要素が少なくなり、逆に笑える部分は減ってしまったのですね。現実と架空のギャップの部分がもう少し欲しいところでした。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-23 23:54:29) |
2555. アイス・カチャンは恋の味
《ネタバレ》 マレーシアの作品というのもあまり見る機会はないし、タイトルからは甘甘の青春初恋ものが出てきそうで期待したのですが・・・中盤まで、登場人物を整理しきれずに描写も雰囲気も拡散してるし、よせばいいのにあちこちで中途半端に笑わせようとするしで、テンションが下がってしまいました。ラストは切なくまとめているっぽい感じで、本来ならそれで美しく結実するはずなのですが、それなら途中の部分でもそこに焦点を絞っていないといけません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-22 22:40:33) |
2556. トンマッコルへようこそ
あっちこっちで演出の方向性がばらばらで、その場その場で思いつきで撮っていったようにしか見えない。異なる環境の人たちが一同に会してドラマが生まれるわけなのだから、なおさらそれぞれの心理描写には慎重になる必要があるはずなのに・・・。終盤へ向けての盛り上げも、どうみても無理矢理です。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-10-17 02:40:30) |
2557. ライトスタッフ
ところどころに演出や映像に気合の入ったパートは見られるが、全体としてはあまりにも未整理、長すぎ。どこに照準を合わせた作品なのかよく分からなかった。 [映画館(字幕)] 5点(2011-10-16 22:24:31) |
2558. ひとごろし
主人公が武士のくせして陰湿で卑怯な方法を延々と繰り返すというのは新鮮味があったが、結局はそれの繰り返しというか、アイディア一発で終わってしまった気がする。そういうアホな設定だからこそ、周辺人物の背景はきちんと作り込んでほしかったと思うのだが。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-10-16 03:48:50) |
2559. キャプテン アブ・ラーイド
《ネタバレ》 前半は、オッサンの日常生活をそのまま撮っているという雰囲気で、あまりドラマも感じられないし、キーアイテムの帽子の描き方も弱い。後半はDV被害への対応が中心となるが、いきなり対象が絞られてくるので、前半とのつながりが切れているように見える。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-15 02:20:05) |
2560. ピノイ・サンデー
《ネタバレ》 前半は前置きとしてはあまり意味がない割に妙に長いし、後半はソファの話ばかりなのだが、それなら最初からそれに絞っていくべきだった。主題が何なのか結局はっきりしません。それに、たかがソファにむきになるところに面白みがあるはずなのに、主人公の2人が割と淡々としているので、設定の意味が半減しているのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-10-11 03:25:11) |