241. スカーレット・レター(1995)
なかなか気合の入った歴史系ロマンスであり、やや大味な展開ながらも丁寧に筋を追っていて退屈しない。また、美術と衣装の頑張りは特筆すべきである。しかし、根本的な問題として、やはり、デミもオールドマンもデュバルもまったくのミスキャストであり、表情や立ち居振る舞いだけをみれば、とても背徳の愛に燃え上がるカップルとかそれに憤怒の情を燃やす夫には見えない。また、ラストもテレビドラマ並に安直で、一気に拍子抜けしてしまった。 [地上波(字幕)] 6点(2005-09-10 19:57:19) |
242. ラスト・リミッツ/栄光なきアスリート
特に波乱も意表をつく展開もなく、彗星のように走り抜けたアスリートの姿を淡々と誠実に追っています。トラックを走るランナーの集団を、集団の中から(ランナー視点で)、フィールドから、スタンドからと贅沢に撮り尽くした映像が凝っているなあと思ったら、コンラッド・L・ホールだったのですね。しかし、98年製作とは思えないほど、画面の感じが懐かしさを漂わせています。 [地上波(字幕)] 6点(2005-09-07 01:53:46) |
243. マルコムX
長尺の割にはだれることなく最後まで見通すことができたが、やはり、刑務所収監までとそこでイスラム教に目覚めるまでが長すぎると思う。運動家の伝記である以上、運動がどのように浸透・拡大していったのか、またどのように方針が変わり、その後はどうしたのかというところをじっくりと見たかった。デンゼルの演技は、アジテーション場面などはさすがだが、日常場面における年や状況や人間関係の変化による差異はあまり浮き彫りになっておらず、どの場面も似たような顔に見える。 [DVD(字幕)] 6点(2005-07-26 02:41:55) |
244. スパイシー・ラブスープ
《ネタバレ》 どの話も、特段目新しい設定はないもの、それぞれの関係の本質を端的にえぐり出すことによって、短時間ながら忘れがたいドラマを残しています。以下、作品に倣って感想もオムニバスで。【1話目】かつての自分がそのままいるようで、見ていて辛い(笑)。うまくいかないときのヘソの曲げ方が特に・・・。とはいえ、テープを編集しての告白なんて、やってることは相当キザではないか?【2話目】初対面の人間同士に、そこはかとなく漂う「ぎこちなさ」の表現が優れている。オチにはやや不満。【3話目】登場人物が一番好きなのはこの話なのですが、おもちゃというキー・アイテムにやや寄りかかりすぎかな。【4話目】結構希望を持たせる雰囲気で進んでいると思っていたので、ラストの容赦の無さには唖然。【5話目】この話だけ、かなり雑な作りだと感じていたのですが、オチにはびっくり。まさか、全部が女性の妄想だったってことではないよね?【番外】進行役的な位置づけのカップルにも、最後は「おつかれさま」と言いたくなってくるから不思議。【余談】どの話もそうなのですが、10代から老婦人まで、世代を問わず女優様方が美人揃いなのには驚いた。 [地上波(字幕)] 6点(2005-07-07 03:11:39)(良:1票) |
245. ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ
《ネタバレ》 ありえない路線お馬鹿コメディの設定のはずなのに、中身がしゃれにならなすぎてちっとも笑えないという困った作品。途中の戦意高揚曲のレコーディング風景が思いっきり"We Are The World"のパロディだったところは笑えた。 [DVD(字幕)] 6点(2005-06-20 01:51:17)(笑:1票) |
246. シコふんじゃった。
弱小のクラブがみんなで奮起して頑張ります、というだけのごく単純なスポーツ作品なのだが、余計な付属話や無用の技巧的演出を入れず、最後まで相撲の風景を誠実に追い続けているところが良い。もっくんの相撲技術が結構しっかりしているのはちょっと驚いた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2005-06-19 04:49:37) |
247. 告発
濃い内容の話が約2時間の枠内でうまくまとめられているし、ケビン・ベーコンの名演は必見ものだとも思う。ただし、法廷シーンがかなりひょいひょいと進んでいて拍子抜けなのと(検察官はどうみてもイモだし、よく見ると裁判官にかなり助けられている)、クリスチャン・スレーターについては「なんか、1人で騒いでいた」という印象しかなく、内面の表現ができていないのがマイナス。 [DVD(字幕)] 6点(2005-05-01 00:02:50) |
248. プライベート・ライアン
この作品によって何が表現したかったのかはよく分からないし(いくつか想像はできるが、そうだとしたら目的と中身が合っていない)、トム・ハンクスはどうみてもミスキャストだし(少しも軍人に見えない)、ラストの雑な締め方は何じゃそりゃという感じだし、突っ込みどころはたくさんあるのだが、どんなに地味に真面目に決めようとしてもどうやってもにじみ出てしまうスピルバーグのエンターテインメント系演出センスによって3時間以上そこそこ退屈せずに見られてしまうという、何ともたちの悪い作品。あと、音響効果は素晴らしいと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2005-04-11 02:17:09)(笑:1票) |
249. アラジン(1992)
《ネタバレ》 単にハッピーな童話というだけではなくて、画面の構図とか細かいキャラの動きとか、隅々まで凝っているのがいいですね。特に、四角い布というだけでもちろん台詞もない絨毯が、表情やアクションまできちんと見せているのにびっくり。あと、キスシーンをちゃんとやってるのもいいです(戦略的誘惑キスまで・・・)。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2005-04-10 02:20:36) |
250. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
音楽自体は、普段聴かない分野のもので新鮮だったのでこの点数。ただし、作品としての構成には疑問があり、例えば、事実を伝えたい、もしくは記録したいのであれば、単なるインタビューの丸投げや映像の垂れ流しではなく、最低限の周辺データを盛り込まなければ記録にならないし、他方、解釈や表現を伝えたいのであれば、演奏と語りが交互に挟まれるだけという貧困な構成ではどうしようもないだろう。つまり、見ようによっては、全体が制作者の壮大な自己満足にしかなっていないということ。 [DVD(字幕)] 6点(2005-04-09 15:20:04) |
251. バットマン リターンズ
最初に見たときはさっぱり意味が分からなかったが、ほかのバートン作品をいろいろ見た後だと、特色がより深く出ているのが分かる。ちっとも強そうにも頼もしそうにも見えないペンギン軍団が相手というのがミソだったのですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-04-01 02:46:24) |
252. 奇人たちの晩餐会
《ネタバレ》 最初に見たときは終始イライラさせられただけだったのだが、オチを知ってから見た方が楽しめる。脇役の自然な登場と自然な退場、そしてわずかな登場でもきちんと個性があるのが見事。また、適度に外の光景が挿入されるのも上手いアクセントになっている。作品としては、脚本上のひねりが巧くできているだけで、それ以外の拡がりはないといえばないのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2005-03-13 01:53:43) |
253. Fカップの憂うつ
あっけらかんとしたおっぱい談義が天真爛漫で楽しい。まるで、80's脳天気系青春映画のような雰囲気なのだが、ストーリーはそんなに明るいわけではなく、登場人物も揃いも揃ってちょっとずつずれた変な奴ばかりだったりするので、むしろ、感触としては「ハイスクール白書」あたりに近いかもしれない。しかし、マリサ・トメイのサービスショット全開(ナースルックまで!)なのは何よりも素晴らしい(笑)。 6点(2005-01-29 22:42:14) |
254. マイ・プライベート・アイダホ
《ネタバレ》 途中でちゃっかり結婚相手もゲットして、しかも元のポジションに収まっているキアヌに比べ、リヴァーの方はどこまでも救いがない。助けに来てくれる人も、引き上げてくれる人もいない。それでも、リヴァーはそれまでと何ら変わることがなく、冒頭シーンと同じように、同じ道をさまよい、ナルコレプシーで倒れ込む。その静かな悟りがもたらす哀しさ。本人が特に何かを意識しているわけではないのが、さらに哀しい。 [映画館(字幕)] 6点(2005-01-05 04:42:27) |
255. ロミオ&ジュリエット
これはパロディなので、パロディとして楽しまなければなりません。元ネタを知らずして見れば、何じゃこりゃ以外の何物にもなりませんが、知った上で見ると、非常に良くできたパロディです。アホなヤンキー集団が、口を開けば揃いも揃って仰々しい台詞回しになってるのなんて、そこだけで十分笑えますし、楽しめます。でも、そんな作品でも、最後は無理矢理にでもしんみりさせられてしまうところでは、原作の別な意味での偉大さを実感します。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-01-02 04:42:51) |
256. バッファロー'66
《ネタバレ》 “Moonchild”で踊ってしまうという発想にもびっくりしたが、トップレスバーのBGMに“Heart Of The Sunrise”を使うのはやめてくれよな。しかし、エンディングテーマが“Sweetness”というのはセンスが良い。●再見して、実は朝から深夜までの一日の出来事だったという様式美に気づいたので+1点。 [映画館(字幕)] 6点(2004-12-31 18:53:20) |
257. スリーピー・ホロウ
ストーリー上の深みは何もありませんが、ナルシストでありながら間が抜けている主人公のキャラクターが面白く、この部分で大幅に得をしています。ヒロインがあまり魅力的でなかったのが残念でした。 [DVD(字幕)] 6点(2004-12-28 03:58:27) |
258. 母の眠り
《ネタバレ》 ありがちな内容のようにも見えますが、よく見るとなかなか味わい深いです。母の闘病という変化を軸にしながら、それはあくまでも軸にすぎず、作品の主たるテーマは、母と娘の間の確執、そして娘の父に対する反発と理解。そして、一番破綻するように見える父と母の間こそが、最も安定した関係であることが徐々に分かります(メリルの「私はあなたよりもずっとお父さんを知っている」の一言が意味深)。ただし、メリルとレネーの演技の相性は決して良いとはいえず、それぞれが別の方向を向いて独自に芝居をしているような印象を受ける。それと、130分は長すぎ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2004-12-25 14:52:55) |
259. 青蛇転生
無意味にエロティックな雰囲気が笑う。だいたい、人間になるべく修行を積んでいる蛇の美姉妹だなんて、設定自体が馬鹿馬鹿しくて良いではないの。 [地上波(字幕)] 6点(2004-12-15 03:59:58) |
260. ドラゴン・イン 新龍門客棧
全体的に、台詞も各種音響も非常に騒がしいのですが、ハイテンションな時代劇として普通に楽しめます。アクションだけではなくて、意外に多くの箇所で無言の心理戦が展開されているのも良いです。血気盛んなマギー・チャンとクールで言葉少ないブリジット・リンの対比も面白かったです。 6点(2004-12-05 22:22:57) |