241. 真田幸村の謀略
せっかくの十勇士という美味しいネタを使っていながら、全然生かされてないんですね。それぞれの勇士の個性なり特技なりという要素が掘り込まれていないので、いざ勢揃いという局面になっても、ちっともぞくぞくしない。しかもその後も、活躍らしい活躍をするわけでもなく。むしろ、描写という点においては、家康の方がはるかに主役っぽい扱いでした。役者陣の演技も何かみんなつまらなそうで、脚本や演出における熱の低さみたいなものを物語っています。 [DVD(邦画)] 5点(2015-10-12 01:02:09) |
242. 赤穂城断絶
《ネタバレ》 こういう王道話で、こういう豪華キャストなのですから、次から次へと登場する役者の皆様を眺めているだけで十分楽しめるわけなのです。ただ、深作監督はやっぱり好き放題に自由な人物造形をさせた方が本領を発揮するのであり、忠臣蔵のようなキャラクターもストーリーもかっちり固定している対象は、演出にもどかしさを感じますね。吉良邸の図面なんかの内偵パートでは、「潜入した浪士が吉良側の手に落ちて、さんざん拷問に遭わされるが、口を割ることなく絶命し、遺体は報復として衆目に晒され、それを目撃した赤穂浪士が憤激し、さらに復讐の意志を固める」みたいなことをやりたかったんじゃないでしょうか、本当は。それと、処分決定後の四十七士切腹のシークエンスを延々とつないでいるのは、忠臣蔵が単なる美談ではないという制作側の強い表現の意地を感じますね。 [DVD(邦画)] 6点(2015-10-07 01:49:35)(良:1票) |
243. 名探偵再登場
せっかく美女軍団をこれほど揃えておきながら、全然使いこなせてないんだよなあ・・・。何とももったいない。謎の設定も解決もその場限りで流れているだけなので、緊張感がまるでないのです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-22 00:11:08) |
244. 小さな巨人
《ネタバレ》 とにかく、細切れのエピソードをひたすら最後まで都合よく積み重ねているだけなのですが、終わってみたら何となくまとまっている気がするのが不思議。主人公が最後までうだうだしていて、何かがあっても別に立ち向かうわけではないという設定で通しているのが(序盤で主人公は銃撃が得意であることが描かれながら、その能力を使う場面は最後まで登場しない)、作品に一貫性を与えている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-09-14 23:26:52) |
245. 名探偵登場
ものすごく凝ったことをしようとしているのは分かるのですが、いくら名探偵(のパロディ)を集めても、肝心の個性の描き分けができておらず、みんな同じような芝居をしているので、設定の意味がないのです。勢揃いモノはなかなか難しいですね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-13 00:00:34) |
246. 地獄の黙示録
《ネタバレ》 オープニングからいきなりドアーズの"The End"なわけじゃないですか。しかもそれと一体化したベトナムの炎上風景。ここで実はすべて完結しています。つまり、全体が一つの悪夢、地獄、あるいは走馬燈なのです。一人称ナレーション(しかも呟くような)がやたら多いのも、派手な映像や音響とは裏腹に、この作品の本質は単なる個人の物語、というのを暗示していますね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-24 01:29:00) |
247. 愛のメモリー
《ネタバレ》 主人公は誘拐事件で家族を失っても、取り乱したりせずに川面を見つめています。とても冷静沈着な常識人に見えます。しかし、フィレンツェの教会でサンドラに会ってからは、中身のネジが着実に外れていきます。その軌道は展開とともにひたすらずれていきます。しかし、彼の冷静な無表情ぶりは最後まで変わりません。つまり彼は、常識人の皮を被った堂々たる変態だったのです。そして、いうまでもなく、こういう人物を映像と物語の中で動かすことにおいては、デ・パルマの右に出る人はいません。 [DVD(字幕)] 7点(2015-08-18 03:22:48) |
248. トラ・トラ・トラ!
《ネタバレ》 中盤過ぎまでは、日本側が美術関係も会議の台詞一つ一つも異様にこだわっているのに対し、アメリカ側は司令室みたいな室内でああだこうだやっているシーンの繰り返しで、撮影の空気感自体がやたら呑気なのである。しかし、いざ攻撃シーンに入ると、突然怒濤の大反撃というか、やはり零戦が存分に宙を飛び交う(ただ零戦を撮るだけではなくて、背景と比較した見え方まで配慮している)迫力満載の映像大展開です。というわけで、真珠湾攻撃自体は、まあきちんと描かれているとは思いますが、これをきちんとしようとするのであれば、その背景になったアジア情勢とかヨーロッパ情勢とかも、ほんとはその前に盛り込んでおかないといけないんだけどね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-08-14 02:35:24) |
249. 大いなる勇者
《ネタバレ》 ショーン・ペンは、「イントゥ・ザ・ワイルド」を撮るときには、大分この作品を参考にしたのかなあ、とか楽しい想像もよぎる作品。導入部の静謐さがもたらす迫力はなかなかなのだが、話が進むほど、クロウ族との戦いに特化するような感じになって、主人公のスタートの立ち位置はどこに行ったの?と思ってしまう。最後の方で、主人公を何か伝説の存在っぽく持って行こうとしているのも、やや違和感。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-08-06 23:57:31) |
250. 狼たちの午後
《ネタバレ》 もっともらしく強盗に突入していながら、開始数分後には早くも1人が自発的に脱落するという衝撃の展開。人質側にもどことなく「何やってるの、この人たち?」というリアクションが漂っているのが、何とも言えない。そのままなら、とっとと小金だけ奪って逃げ去るか、とっとと警察に制圧されるかのどっちかなはずが、膨れ上がったマスコミや群衆が作用することによって、犯人も、被害者も、警察も、全部の歯車が徐々に狂い出す。誰も予測していなかった方向でありながら、必然性を持って展開する手腕が見事。●その中でも、細かい演出の芸がいろいろあって、例えば、守衛のおじさんを解放した後に女性人質と一緒に外へ出るとき、鍵を開けるのにもたつくパチーノに対し、人質女性が「こうするのよ」みたいに動作で教える、さりげない一瞬。いろんな変化がちょっとした技で象徴的に表現されている。●ほとんどの舞台は、決して広くはない銀行店舗内と、その外のわずかな範囲なのに、それを感じさせず、しかも、登場人物の表情や行動や周囲の光景まで的確に切り取ったカメラの腕も特筆すべき。 [DVD(字幕)] 8点(2015-08-04 00:28:04) |
251. サンダーボルト(1974)
《ネタバレ》 本題に入るまでにやたら時間がかかっているし、各シーンは継ぎ接ぎ感満載だし、かといってコメディチックに笑えるわけでもない。どちらの方向に物事を持って行きたいのか、よく分からない作品でした。ラストのところで、もしかしたらそういう作品だったのかもとは思いましたが、それであればもっと前振りが必要です。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-08-04 00:24:48) |
252. シャーロック・ホームズの冒険
シャーロック・ホームズという人は、もっと尊大で、高飛車で、芝居っ気と茶目っ気があって、頭脳が先走ったらほかのことは全部忘れてしまって、要するに一言で言うと変な人であるはずなんですが。こんな紳士的でおとなしい主人公、ホームズを見ている気がまったくしません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-07-29 20:39:56) |
253. 春琴抄(1976)
《ネタバレ》 いきなりヒステリックで高飛車な百恵ちゃんというのもびっくりしたが、その百恵ちゃんと、それにひたすら忠実に仕える友和さんという図式で最後まで一貫して押し通したのには、もっとびっくりした。こういうのができるところからも、やっぱりこの二人、単なるアイドルカップルではなかったんですね。何と百恵ちゃんは、作中で笑顔の一つすら見せない。結構演技の難易度が高い役柄だと思います。妊娠の背景説明ゼロで謎を残したまま平然と先に行っちゃうというような作り方も、今日でも参考になると思う。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-07-15 03:00:08) |
254. マジェスティック(1974)
《ネタバレ》 演出はところどころ妙に切れがあって面白いんだけど(最後の山荘の決戦、垂直方向と水平方向がクロスする構図とか)、肝心の前提がかなり強引で、どっちも何でそんなにムキになってるの?という感が拭い去れないのです。敵ボスも、逃走中にコケにされてムカついたというだけでは、ほかのことを全部放っといて主人公だけに固執する理由になるのかと思いますし、そもそもあれだけノーガードの主人公、その気になればいつでもどうとでもできたような・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-13 01:34:56) |
255. ブルース・リー/死亡遊戯
つくり方自体がアウトテイクのかき集めみたいなものなので、その時点で映画作品として成立していないが、その点を抜きにしても、延々と続くじめじめした雰囲気がもたらす脱力感は、拭いようがない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2015-07-02 18:43:42) |
256. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー
《ネタバレ》 リーが突く。リーが蹴る。リーが殴る。ただひたすらそれを鑑賞し続ける作品。もちろん、それだけでも価値はある。自分で監督までやっちゃったら、そりゃ、こうしたくもなるわな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-06-26 02:59:54) |
257. ミネソタ大強盗団
《ネタバレ》 このタイトル(原題含む)と設定からして、個性あふれる強盗団がいろいろ敵を乗り越えて大活躍、という光景を勝手に想像していたのですが…何か最後までチマチマジメジメした感じで、なぜこの素材を選択したのか分かりませんでした。野球のシーンはちょっと面白いけど、長すぎ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-21 21:33:05) |
258. ドラゴン危機一発
何か、ものの見事に内容がないというか、その場限りの思いつきシーンをつないだだけというか・・・リーがいくらアクションを頑張っても、環境設定がきちんとできてないと、それも生きないわけです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-06-14 00:40:02) |
259. ロング・グッドバイ
冒頭の「ただ単に買い物に行くだけ」のシーンを延々引っ張るセンスには惹かれましたが、その後は、事件の起こり方も主人公の巻き込まれ方も中途半端で、結果、悪い方にダラダラしたまま終わってしまいました。もっとも、原作もそんなに好きではないのですが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-06 00:08:55) |
260. 狼の挽歌
《ネタバレ》 導入部の、背景の説明一切なしのカーチェイスはなかなか。バックミラーの多用、狭い道のうねうね感がスリルを高めている。なんだけど、中盤は何となくだれてしまい、敵ボスも格好良く見えないのだが、結局これはラスト10分の鑑賞に行き着くための作品だったのだな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-04 02:36:29) |