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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/22718/

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261.  ギャラクシー街道 《ネタバレ》 
三谷幸喜監督が去年の大河ドラマ「真田丸」の脚本を担当すると知った時、これで監督映画の新作はしばらくないかなと思った矢先に製作が発表されたのでちょっと驚いたことを覚えている。「真田丸」が面白く、最終回まで全部見てから本作を見たのだが、映画というよりはテレビのコント番組を見ているノリで、しかも三谷監督にしては笑いの部分に下品なネタが多く、見ていて寒いうえに、面白くもなく、三谷監督が本作を製作中も「真田丸」のことで頭がいっぱいだったのではと思えるほど、全体的に適当に作ってしまったような印象が残る。舞台を宇宙のハンバーガーショップ一か所にほぼ限定しているのは「THE 有頂天ホテル」よりも「王様のレストラン」を思い出さずにはいられないが、テレビドラマや舞台と違って映画(それもこういう公開規模が大きいメジャー作品。)という媒体だとスケールの小ささが出てしまっていて、何かこじんまりとしている。やはり映画だと「THE 有頂天ホテル」のような見た目の豪華さが必要になってくるのだろう。三谷監督の映画の中では明らかにいちばん面白くない映画だが、それでも印象に残ったシーンを挙げてみると大竹しのぶ演じるハナが調理場でタバコを吸うのは「王様のレストラン」の山口智子演じる磯野しずかへのセルフオマージュのように感じられて思わずニヤッとさせられた(映画の出来はもちろん「王様のレストラン」の足元にも及ばないが。)し、特撮ヒーローものを意識した防衛隊の三人の三角関係のくだりだけは個人的には面白く見た。あと、TM西川演じるヌルヌル宇宙人はほとんど筋に絡んでおらず、(絡みそうな一幕があるものの。)最後に歌うためだけに出てきたようなものなのが、演者の本業が歌手でありながらもったいなく感じた。あれならエンドロールのバックで主題歌として流したほうが良かったろうに。
[DVD(邦画)] 3点(2017-01-14 00:35:55)
262.  新・刑事コロンボ/復讐を抱いて眠れ<TVM> 《ネタバレ》 
シリーズの常連であるパトリック・マクグハーンが犯人役と監督をつとめていて、彼が犯人役として関わる回はアリバイ工作が徹底していて面白いという印象があるのだが、今回は葬儀屋役で、殺した相手の死体を火葬炉で焼いてしまうという大胆な証拠隠滅で、(アメリカは葬儀場と火葬場が一緒になってるのかな。土葬のイメージ強いけど。)絶対に死体が発見されることのない殺人事件をどうやってコロンボが解決するかというのが凝っているし、見る方としてもそこに注目して見ることになる。展開自体もわりとオーソドックスな「刑事コロンボ」という感じで、最近見た三本ほどが変化球ばかりの印象だったせいもあってか、久しぶりに面白かった。Eメールや携帯電話、パソコンが重要なキーとして登場していて、いかにも90年代末期の作品であることを感じさせている。しかし、さすがにここまでくるとこのシリーズには若干それが不釣り合いで似合わないような気がして、事実、コロンボはそういった近代的なハイテク機器は苦手そう。やっぱりこのシリーズにはアナログな感じが似合う。現場に呼ばれたコロンボがそこで飢えた犬を見つけて早く餌をあげるように促すシーンは、コロンボの愛犬家としての側面がよく出ていて、今回ここがいちばん印象に残った。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2017-01-08 15:16:36)
263.  人生劇場(1983)
なんと監督が深作欣二、佐藤純彌、中島貞夫の三人もクレジットされていて、オムニバスか何かと勘違いしそうな映画だが、一本の長編映画の群像劇である。どうして三人体制になったか気になって調べたら最初は深作監督が一人で手掛けるはずだったものを企画から公開まで時間がなく、佐藤監督と中島監督が手伝いに駆り出されたというのが理由らしい。大作映画は得てして大味になりがちだが、このせいか何やら統一感に乏しい印象で、見終わって一層大味な印象だけが残る映画になってしまっている。何度も映画化されている名作が原作とのことだが、ストーリーもまったく知らずに初めて見た者としては、話がごちゃごちゃしていてよくわからず、そのうえに永島敏行演じる主人公にこれっぽっちも魅力を感じることができず、むしろ飛車角や吉良常を主人公に任侠映画にでもしたほうがいいと思ってしまう。(これ以前の映画化作品はこの二人を中心にしたものもあるとのことでやはりそっちのほうが見たい。)この時期の東映作品らしく濡れ場も多いが、年明け一発目に見る映画としてはちょっと失敗してしまったかなという感が強かった。主人公の父親を三船が演じているが、使い方がもったいなさすぎる。西村晃演じるヤクザの親分が松方弘樹演じる飛車角を「角さん」と呼ぶのは「水戸黄門」を連想してしまい、なにか変な感じがした。
[DVD(邦画)] 5点(2017-01-03 23:29:50)
264.  網走番外地 悪への挑戦 《ネタバレ》 
シリーズ第9作。今回は網走で刑期を終えて九州へやってきた橘真一(高倉健)が鬼寅(嵐寛寿郎)が働く不良少年の更生施設で働くことになるところから話がはじまり、刑務所帰りの真一が不良少年たちを更生させていく話・・・にはなっていないのがさすがにこの時期の東映の健さん映画。ストーリーとしての見どころは施設を脱走した一人の不良少年(谷隼人)と真一の友情なのだが、これがやっぱり印象に残るものになっていて良いアクセントになっている。川津祐介がメインゲストとして出演していたり、敵役のヤクザの親分を演じるのが東宝専属の田崎潤だったりと、東映ではなじみのない俳優が出演しているのが新鮮に感じられた。(この時期の田崎潤の他社出演は当時の邦画の斜陽を感じなくもない。)不良少年の一人を演じる石橋蓮司も若いが、不良少年たちの中に「男はつらいよ」シリーズで博を演じる以前の前田吟の姿があるのはけっこう貴重だ。それともう一つ、いつもは主人公の仲間として出ている印象が強い田中邦衛がほんのチョイ役なのは意外に感じる。(久しぶりにこのシリーズ見るからかもしれないが。)ラスト、威勢のいいだんじり囃子の聞こえる中で殴り込みが行われるのは演出としてなかなか効果的だったと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2016-12-30 12:49:21)
265.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
シリーズ第5作。ストーリー的には5作目ということもあってかややマンネリを感じるものの、所属する組織から追われる身となった主人公というのはありがちに感じながらもやっぱりスリリングで面白い。冒頭の飛行機にしがみつくシーンとか、カーチェイスの階段のところとかどことなく往年のジャッキー・チェンを思わせるトム・クルーズのアクションも迫力があり、見ごたえじゅうぶん。ヒロインが味方なのか敵なのかわからない設定も良かった。(確かにイーサンが苦労して手に入れたデータをあっさりと横取りするシーンは不二子みたいだ。)前作にあったギャグシーンを無くして終始シリアスに展開するのも良い。前作同様にイーサンの一人舞台ではなく、イーサンの仲間たちにもしっかりとスポットが当たっているのも良かった。しかし今回はイーサンの超人ぶりに対して悪役の魅力が薄く、その点イマイチだったのと、ストーリーの細かい部分によくわからないところが多かったのが残念だった。この辺りが引っかかってしまい、1点マイナスの5点。まあこういう映画は細かいことを気にせずに楽しめればそれでいいとは思うけど。次回作も出ればまた見るんだろうなあ。
[DVD(字幕)] 5点(2016-12-23 15:39:59)
266.  寄生獣 完結編 《ネタバレ》 
テンポも良く、娯楽作としてそれなりに楽しめた前編に比べると、確かに特撮などは引き続き見ごたえがあるものの、ストーリー展開としてはかなりもたついていて、特に中盤の新一(染谷将太)と里美(橋本愛)のラブシーンは唐突で、すぐ近くに敵がいるかもという状況下ではリアリティがなさ過ぎて冷めてしまうし、どうしてあの流れでという疑問がわいてくる。(せめて「ターミネーター」のように何らかの意味を持たせていれば良かったのだが、ないわなぁ。)市役所での機動隊とパラサイトたちの戦いと、動物園での新一、田宮(深津絵里)、倉森(大森南朋)のやりとりを交錯させながら描いているが、意図として分からなくはないものの、それによって緊張感が分散してしまうのが残念だった。それに市役所での戦いで後藤(浅野忠信)が機動隊を捕食するシーンは想像に任せるよりも直接描いたほうが後藤の脅威をもっと印象づけることができたのではと思う。田宮の最期は深津絵里の熱演もあって印象に残るのだが、山崎貴監督のあざとい泣かせ演出が鼻についてしまった。新一とミギーが後藤に追われるシーンや、焼却炉での後藤との最終決戦は「ターミネーター2」を思い出さずにはおれず苦笑いをしてしまった。焼却炉に放射性物質が落ちているというのもご都合主義すぎて興ざめ。そのあとのミギーとの別れも見どころのはずだが、思ったよりもあっさりしていたのは良かった。でも、ここにも唐突感がある。最後の20分ほどは原作にはあるんだろうけど、映画の流れからいうと完全に要らないような気しかせず、このおかげでラストが冗長に感じた。素直にミギーと新一の別れで終われば良かったのにと思ってしまう。とにかく前編はうまくまとまっていた印象だったのだが、後編は詰め込みすぎで散漫な映画になってしまっていて結局実写映画よりも原作の漫画やアニメを見た方が面白そうと見終わった後思ってしまった。ただ、三部作とかだったらまた印象は違ったかもしれない。
[DVD(邦画)] 5点(2016-12-16 23:55:44)
267.  寄生獣 《ネタバレ》 
原作未読、アニメ未見の状態で全く期待せずに見たのだけど、それなりに面白かった。山崎貴監督は一般的にはブレイク作となった三丁目の夕日シリーズの影響からか一般的には感動作の監督として語られることが多いけど、本作は原点に立ち返ったようなSFパニック映画で、泣きの要素があるにはあるが、そんなにあざとくなかったのは良かった。(ただ後編は分からない。)元々ハリウッドで映画化が予定されていた作品だけに、それを日本でと聞くと原作を知らなくても不安になってしまうが、多少のB級くささはあるものの、CGにそこまで違和感はなくさすがに特撮スタッフ出身の山崎監督といったところで、この監督はやはり感動を謳う映画よりはこういうバリバリのスペクタクル映画のほうが合っているのではと思う。パラサイトに寄生された人物を演じる俳優陣の感情を殺した無機質で冷徹な演技は印象的で、中でも田宮を演じる深津絵里はとくに上手かった。島田を演じる東出昌大もいつもはその棒読み演技が気になってしまうのだが、役柄のせいかとくにそれを感じなかった。ただそれらに比べるとミギーのキャラはかなり浮いて見え、原作やアニメではもっと無機質な感じなのではとつい想像してしまった。とはいえ、きらいというわけではない。警官姿のAを演じるのは池内万作で、伊丹十三監督の息子である彼がかつて伊丹作品にスタッフとして関わっていた山崎監督の映画に出演しているのは縁を感じる。前後編二部作の映画で、結末は後編に持ち越されるのだが、前編だけでもそれなりに満足してしまって、見終わった後すぐに後編が見たくなるような感じではないのが少々残念。でも、後編も見る。
[DVD(邦画)] 6点(2016-12-09 21:37:09)
268.  新・刑事コロンボ/殺意の斬れ味<TVM> 《ネタバレ》 
不倫関係にある実業家の妻と鑑識の男が共謀して、邪魔になった実業家を陥れるために実業家と法廷で揉めている第三者を殺して、その罪を着せてしまおうというこのシリーズでは今までなかったような犯行内容は良く、コロンボも最初は真犯人ではなく、実業家を疑っていて真犯人に気づくのも今回は遅いという前半の話の展開は面白い。いつにもましてコロンボがどこで真犯人に気づくかに興味がいくわけで、そこに注目して見ていた。後半のバーニーの店でコロンボが二人と会っているシーンの鑑識の男の何気ない行動でコロンボが真相に気づいた(実業家の妻と会うのに鑑識の男の同伴を求めているが、これくらいは目をつぶろう。)ときには見ているこちらも思わず安堵した。あとは証拠で二人を追い詰めて解決するだけ。ハイ、解決。エンドロール。と、いつものように解決シーンで終わっていれば良かったのだが、その後、バーニーに今回の事件について説明するシーンがあり、これが完全に余計で、このシリーズらしさがこれで失われてしまっているし、こんなシーンを入れるなら今回の話は最初からコロンボの回想形式にでもしたほうが良かったんじゃないかと思えてくる。(もっともそれじゃあ今度は倒叙ものとして成り立たなくなるが。)せっかく今回は面白く見たのにこれで評価を下げてしまったのが残念。作品としてはこれまでシリーズに何本か出演したピーター・フォークの妻が晴れて犯人(計画立案者)を演じているのがみどころ。しかし、日本語吹き替え版では実行犯となる鑑識の男の吹き替えを2時間ドラマのスター俳優の一人である船越英一郎が担当していて、吹き替えだとこっちのほうがみどころ(ききどころ?)かも。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2016-12-04 14:49:31)(良:1票)
269.  お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷
沢島忠監督による錦之助主演の推理もの時代劇で、原作は横溝正史。横溝正史というとなんといっても金田一シリーズであり、それ以外の作品の存在を知らないのでなかなか興味深かったし、沢島監督と錦之助のコンビ作のせいか、おどろおどろしさがありながらもカラッとした娯楽作で、金田一ものとは違う面白さのある映画になっていてなかなか楽しめた。東映の時代劇ではよく共演している錦之助と中村賀津雄に加えて錦之助の実兄や実父もそのまま主人公の兄と父役で出演するというかなり豪華な仕様で、劇中に歌舞伎公演のシーンまで出てくる。この歌舞伎のシーンがちょっと長く感じるのが不満ではあるものの、沢島監督はやはり錦之助のお茶目でコミカルな部分を引き出すのがうまく、「宮本武蔵」シリーズなどで見せる重厚な演技とはまた違う錦之助の魅力を感じることができるし、後半に披露される錦之助の役者という設定を生かした数々の変装も面白い。結末も金田一のような後をひくような感じではなくて本当にめでたしめでたしという感じの終わり方で後味も良い。片岡千恵蔵演じる大岡越前がいいところ全部もっていくのもなんだか許せてしまう。シリーズ化していてもよさげな気もするのだけど、続編は作られていないっぽいのがちょっと残念。
[DVD(邦画)] 7点(2016-12-03 17:14:16)
270.  伊賀忍法帖 《ネタバレ》 
角川が「魔界転生」に続いて山田風太郎の小説を映画化した作品。本作も「魔界転生」のような雰囲気があり、二匹目のドジョウを狙って作られた映画なのだなとまるわかりなのだが、いうほど面白くなくはないとは思うものの、「魔界転生」と比べるとインパクトがなく、だいぶ落ちる印象があるし、二番煎じ感も強い。とはいえ、悪役となる五人の妖術師はしっかりキャラが立っていて、この後、「超電子バイオマン」でも悪役を演じることになるストロング金剛の存在感が中でもやたら際立っていて印象的だった。反対に佐藤蛾次郎は源ちゃんのイメージが強いせいか、頑張ってはいるんだけど、妙な違和感が最後まであった。それよりも「ラストサムライ」以前の福本清三がチョイ役でなく本格的に悪役として出演しているのがこの当時の作品としては意表をついていて驚かされるし、また同時に妙に嬉しくもある。中尾彬はだいたいいつもこんな感じなんで安心感を持って見ることができた。(千葉真一も。)ただやはりそんな個性的な悪役たちがあっさり倒されていくのはもったいない気がする。これがデビュー作の渡辺典子は薬師丸ひろ子や原田知世とともに角川三人娘と呼ばれるアイドルであるが、三人の中では映画よりもテレビに出てるイメージがいちばん強い。映画では「セーラー服と機関銃」や「時をかける少女」のような代名詞的な代表作が見当たらず、角川のアイドルとしてはあまりブレイクできなかったみたいだが、ルックスは良く、それが少し不思議に感じる。
[DVD(邦画)] 5点(2016-11-26 14:03:56)
271.  次郎長三国志(2008) 《ネタバレ》 
マキノ雅弘監督のライフワーク的代表作である「次郎長三国志」を、東映版シリーズにも出演した甥の津川雅彦がマキノ雅彦名義で自ら監督を手掛けた平成のリメイク版。思ったより悪くはなく、津川雅彦のおじの思いを受け継ぐという思いも伝わってくるし、東宝版や東映版にはなかったシーンもとくに不満はなかった。子分役の俳優陣の平均年齢が高めなのが見る前は不安だったのだが、みんないい味を出している。特に法印役の笹野高史がどことなく田中春男演じる法印を思わせている。しかし、温水洋一の石松に関しては前半、森繁久彌や長門裕之の石松に対してドモリを強調しすぎていてかなりの違和感を感じる。それに尺の都合上、追分と石松とお仲さんの道中記の部分や仲間との出会いが大幅に省略されているのは仕方がないとはいえ、東宝版や東映版ではここが面白かった部分でもあるのではっきり言って残念。お牒さんが死ぬシーンは本作でもジーンとさせられるのだが、ちょっと長かったかな。ただ、これまでの映画よりも次郎長とお牒さんの愛を強調したつくりで、東宝版や東映版にはない簪を重要なアイテムとして使った演出がそれを感じさせていて良かった。子分の人数も東宝版、東映版に比べて少なくなっているのだが、監督である津川雅彦が東映版で3作目まで演じていた増川仙衛門が本作では登場していないのが印象的で、ひょっとしたら途中で降板したのが嫌だったのかなと憶測してしまう。東宝版、東映版双方に出演している長門裕之が本作にもちゃんと出演しているのはなんだか嬉しいものがあった。しかし、次郎長(中井貴一)とお牒さん(鈴木京香)の結婚から、お牒さんの死までを2時間ほどで描いているため、全体的に急ぎすぎている感があり、とくに先週まで東映版シリーズを見ていたせいか、まるで総集編を見ているような感覚が最後まで抜けなかったのも事実で、この物語はやはり単発よりも連作シリーズとしてじっくり見た方が面白いと本作を見てあらためて思ってしまった。最初に書いたように決して悪い映画ではないと思うのだけど。
[DVD(邦画)] 6点(2016-11-18 21:12:31)
272.  新・刑事コロンボ/奇妙な助っ人<TVM> 《ネタバレ》 
解決方法に納得がいかないことが多い新シリーズではあるが、いつもそういうものだと思って見ている。しかし今回の解決方法は強引を通り越していて、もはや犯人をあげるためならなんでもありという感じになってしまっていて、いくらこのシリーズに寛容でもさすがにこれはないだろうと感じてしまう。マフィアの助けを借りて(確かに「奇妙な助っ人」だ。)犯人を追い詰めるコロンボというのは違和感しかなく、正直に言ってしまうと悪徳刑事にしか見えないし、新シリーズではコロンボの吹き替えは石田太郎なのだが、彼はほかの出演作では悪役が多い印象なのもそれに拍車をかけている感じ。解決後にマフィアのボス(ロッド・スタイガー)と話しているコロンボを見て、お前自首しろよと思わず突っ込んでしまった。旧シリーズで解決方法にいちばん納得できなかったのは「愛情の計算」なのだが、新シリーズでは間違いなく本作で、それどころか刑事ドラマなのにマフィアを肯定するような脚本もダメだろう。まだシリーズすべて見たわけではないのだが、今まで見た中では旧シリーズも含め、「刑事コロンボ」史上最低の作品だったと思う。
[CS・衛星(吹替)] 1点(2016-11-13 11:47:41)
273.  次郎長三国志 甲州路殴り込み 《ネタバレ》 
東映版「次郎長三国志」シリーズ最終作となる第4作。今回は前作ラストで捕らわれの身となったお仲さんを救出する部分から東宝版で言えば6作目の終盤となるお牒さん(佐久間良子)の死までを描いていて、東宝版最終作にあった中途半端なもやもや感はない。しかし、大木実が大政役に復帰している一方、今までと役者が交代してしまった人物が前作よりも多くなり、中でも前作で捕らわれたところで終わったお仲さんを演じる女優が交代してしまっているのは登場する冒頭部分から違和感がありすぎて戸惑うし、東映では後年の「仁義なき戦い」シリーズでも役者の交代は頻繁だったのだが、せめて前回と今回のつなぎのエピソードの主軸であるお仲さんは丘さとみで通してほしかった。(丘さとみはこの頃、活動を縮小してたみたいだけど、同時期の「宮本武蔵」シリーズ最終作にはちゃんと朱美役で出ているので、出ようと思えば出れたのではと勘ぐってしまう。)それでもやっぱり東宝版で大感動してしまったお牒さんが死の直前に次郎長一家一人一人に声をかけるシーンは分かっていても泣けてくる。しかしこれも次郎長一家を演じる俳優が一部交代してるせいか東宝版に比べると若干落ちる気がするのは気のせいか。さらに続編があってもおかしくない終わり方をしていて実際東宝版ではまだ続きがあるのだが、お牒さんの死で物語を閉じるのはここらへんがキリも良く、ちょうどいい終わり方なのだと思う。でも、個人的にはやっぱり東宝版のシリーズのほうが好きだな。とはいえこの東映版のシリーズも決して嫌いではない。
[DVD(邦画)] 7点(2016-11-10 23:24:21)
274.  新・刑事コロンボ/死を呼ぶジグソー<TVM> 《ネタバレ》 
「初夜に消えた花嫁」と同じくエド・マクベインの原作を基にした「刑事コロンボ」新シリーズの一篇。今回も倒叙ものではなく、なんとコロンボが嫌いな拳銃を携帯して潜入捜査をするというストーリーで、「初夜に消えた花嫁」に比べれば面白くなくはないものの、やはりこの話をこのシリーズでやるのは違和感が強く、「刑事コロンボ」ではない別の作品を見ているよう。ゲストとして「ロッキー」シリーズのポーリー役でおなじみのバート・ヤングが出演していて、(吹き替えが富田耕生でないのがちょっと残念。)ピーター・フォークとの共演が見どころなのだが、意外にチョイ役で、すぐに殺されてしまったのにはビックリした。
[CS・衛星(吹替)] 3点(2016-11-06 10:57:24)
275.  次郎長三国志 第三部 《ネタバレ》 
東映版「次郎長三国志」シリーズ第3作。旅に出ていた次郎長一家が清水に帰ってきて、石松(長門裕之)や三五郎(品川隆二)、お仲さん(丘さとみ)も清水にやってくる。東宝版で言えば第4作と同じだが、忘れている部分もけっこう多く、楽しめた。大政や三五郎など2作目までと演じる役者が一部交代しているのは少々残念に思うものの、それを感じさせない勢いがあり、途中からほとんど気にならなくなったし、むしろ次郎長一家の絆というものが深く感じられる作品になっている。中でも東宝版でもそうだったのだが、圧倒的不利と分かっていても人質となったお仲さんを助けるために甲州へ向かうラストシーンにはやっぱり次郎長一家のカッコよさや絆の深さをより一層感じられるのがいい。マキノ雅弘監督らしい盛り上がりももちろんあり、テンポもよく、東宝版とはまた違う魅力があり、安心して見ることができるし、マキノ監督の次郎長シリーズへの思い入れの深さも感じることができる。見終わってすぐに次回作が見たくなるような終わり方だが、東映版シリーズも次回で最後。なんだかんだ言ってやっぱり少しさびしさがある。
[DVD(邦画)] 8点(2016-11-05 11:16:56)
276.  続・次郎長三国志 《ネタバレ》 
東映「次郎長三国志」シリーズ第2作。今回は前作ラストで登場した森の石松(長門裕之)と追分三五郎(大村文武)の珍道中が中心の、東宝版で言えば第3作にあたる内容がほとんどそのまま再現されている。森の石松といえば東宝版で演じた森繁久彌がなんといってもハマリ役で、中でも東宝版第3作の小泉博演じる三五郎とのコンビぶりが絶妙で、かなり印象に残っている。その分、本作は分が悪いかと見る前は思っていたのだが、確かに長門裕之の石松は森繁久彌の石松に比べると物足りなさがあるものの、思ったよりは悪くなく、三五郎とのコンビぶりや、この二人とお仲さん(丘さとみ)とのやりとりも東宝版同様に楽しく、このあたりにマキノ雅弘監督のうまさも感じることができるし、シリーズとしてもこのあたりから本格的に面白くなっていく予感。東宝版でも印象に残った石松にお仲さんが酔った勢いで一緒に旅に出る約束をする一連のくだりはこの東映版でもやはり笑えて印象に残る。お仲さんを演じる丘さとみはかなり久しぶりに見るのだが、久慈あさみが東宝版で演じたお仲さんが大人の女という雰囲気だったのに対して、丘さとみのお仲さんはその可愛さが印象的で、久慈あさみとはまた違う魅力が感じられるのが良い。前作からの続きから始まる映画だが、前作よりも今回のほうが楽しめた。そうそう、松方弘樹と近衛十四郎が親子共演しているが、それもみどころの一つだろう。
[DVD(邦画)] 8点(2016-10-28 21:45:55)
277.  次郎長三国志(1963)
マキノ雅弘監督がかつて東宝で手掛けた「次郎長三国志」を自らの手で東映で再映画化したシリーズの第1作。7年くらい前に東宝版9部作を見たときからいつか東映版もと思っていたのだが、ようやく見ることができた。前シリーズが白黒だったのに対してカラーであり、当然のように次郎長一家役の俳優陣も違うのだが、それでもどこか懐かしさを感じるのは嬉しかったし、「次郎長三国志」といえばマキノ監督というイメージが強いのだが、それを裏切らない明るい作風で気軽に楽しめた。次郎長役は鶴田浩二が演じていて、粋でいなせな雰囲気があり、東宝版の小堀明男の次郎長とはまた違った魅力があり、けっこうハマっていたと思う。(鶴田浩二を時代劇の主役で見るのはかなり久しぶりのような気がする。)またそんな次郎長を慕って次から次に仲間が増えていくのが東宝版同様に序盤である本作の面白いところだ。でも、東宝版に比べてテンポが早く、1時間40分ほどの間に東宝版で言えば2作目の終盤あたりまで話が進んでしまったのはもっとじっくりと見たかった気もするので残念といえば残念。とはいえ、全体的に見ればやっぱりおもしろかったし、東宝版に続いてこの東映版シリーズも全部見てみようという気持ちも強くなった。それともう一つ、デビュー間もない藤純子が初々しくて可愛い。
[DVD(邦画)] 7点(2016-10-22 16:24:10)
278.  大殺陣 《ネタバレ》 
「十三人の刺客」のコンビである工藤栄一監督と脚本の池上金男が再びコンビを組んで製作された東映集団抗争時代劇。面白くないことはないのだが、なにか全体的に分かりにくい感じで前半からごちゃごちゃしててなんかイマイチだった。主演の里見浩太郎は「十三人の刺客」にも出ていて、そのときはなにも思わなかったのだが、このようなリアリズムを意識した時代劇で主役を演じているとなにか違う気がする。それにヒロインと思しき宮様の存在も重要な役どころなのかもしれないが、やたらと男に襲われ(こういうシーンを入れてくるあたりはいかにも東映らしい。)最後はほとんど筋と無関係なように絞殺されるという見ていていてもいなくてもいいような存在に映ってしまい、存在がかなり浮いてしまっているように思う。ただ、「大殺陣」というタイトルどおりクライマックスの乱闘シーンの迫力はじゅうぶん。(でも、「十三人の刺客」には劣るか。)三池崇史監督のリメイク版「十三人の刺客」に出演していた平幹二朗が工藤監督の集団抗争時代劇である本作に出演しているのはなにか興味深かった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-10-14 22:50:39)
279.  新・刑事コロンボ/4時02分の銃声<TVM> 《ネタバレ》 
久しぶりに見る「刑事コロンボ」だが、久しぶりに見るせいか、コロンボ独特の癖のあるキャラクターが妙に懐かしく感じた。(石田太郎が吹き替えるコロンボもかなり久しぶり。)以前この時期の別の回を見た時も思ったが、劇中に重要なアイテムとして携帯電話が登場しているあたりはいかにも90年代初期の作品という感じで、トリックにも電話が使われている。しかし、最後の解決シーンはいつもの新シリーズのコロンボらしい強引な展開で、ただ電話が使えないを証明するにしてはやり方が大げさすぎるし、何もそこまでしなくてもと思うが、それもこのシリーズらしいといえばらしい。ウィリアム・シャトナーが犯人役だが、「スター・トレック」をほとんど見たことがない自分でも、矢島正明の吹き替えがやはりすごく合っていると思う。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-10-10 10:46:06)
280.  百日紅 ~Miss HOKUSAI~ 《ネタバレ》 
葛飾北斎の娘 お栄と周囲の人々の日常を描いた原恵一監督の時代劇アニメ。「ドラミちゃん アララ♡少年山賊団」や、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」で戦国時代を描いていた原監督が江戸時代をどう描くかに興味があったのだが、原作である漫画(未読)のファンという原監督の丁寧な演出で、アニメでありながらもその時代の空気感を大切にしていて、しっかりと江戸の文化や情緒を感じられる映画になっているし、登場人物たちのやりとりや会話が見ていて心地いい。葛飾北斎が登場する映画というと新藤兼人監督の「北斎漫画」を思い出すが、本作は(原作が違うからか)「北斎漫画」とはだいぶ違う描かれ方をしていて、お直が病弱な子供に設定されているなど「北斎漫画」を頭に入れて見ると若干の戸惑いも感じなくはないが、それでも「北斎漫画」とはまた別の印象が残るのが良いし、北斎とお栄はじめ、登場する江戸の人々にとても魅力を感じることができたのも良かった。ストーリーとしてはエピソードの羅列に終始していて、この点はテレビシリーズでもよさげな感じなのだが、視覚や聴覚だけではなく、五感のほかの部分でも江戸の空気を伝えようという試みはあにやんさんも書かれている通り、挑戦的であるし、同時にすごく映画的な試み。そのために盲目のお直の存在が本作の中では重要で、彼女の目線を通して、映画を見ているこちら側も触覚、味覚、嗅覚という本来映像では伝わらない部分を想像して、江戸という街を感じることができる。これはじゅうぶんに成功していると思うし、まさに映画だからこそできる表現。最初のほうでお栄とお直が橋の上で行きかう人々を見ているシーンはそのうえでかなり重要なシーンだと思う。雪の積もった茶屋の前でお直が子供と遊ぶシーンも美しく印象的だった。
[DVD(邦画)] 7点(2016-10-08 16:08:05)
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