281. モンスター(2003)
《ネタバレ》 シャーリーズ・セロンがこの作品のためにどんだけ頑張ったか、テレビ番組で観てました。彼女はあまり好きになれない女優さんだったのですが、この作品を観て初めて敬意を持ちました。あれほど捨て身になれる役者さんなら、もっといろんな役で活躍させてあげて欲しいです。どの程度事実に即しているか分からないので、純粋に映画のストーリーをそのまま受け止めた上の感想を述べます。短絡的な感じはあるのに、なぜか「バカな女だ」とは感じられず、かわいそうに感じました。最初の殺人は「そりゃ仕方ないよ」と味方する気持ちにもなりました。その一度の境界越えで、人の感覚って少しずつ麻痺しちゃうのかもしれないですね。はじめのうちは殺す相手を選別してた感じがするけど(「激しいのは好きじゃない」「こういうことするの初めてだ」と言った男は多分殺されてないですよね?)、林で撃たれた警察や「孫の顔が見たい」と命乞いした優しい紳士のことはやはり赦されないです。恋人を見送るとき「救いが欲しい」「私は自分が赦せないから」と言う彼女の気持ちが痛々しくてたまりませんでした。彼女は自分がしたことをちゃんと分かっている。でも、それと同時にこういう道しか与えられなかった自分の生い立ちや社会環境への赦しがたい思いにも飲み込まれていて、それが自分の行為を正当化もしている。誰も自分を大切にしてくれず蔑み、そんな中で自己肯定感を持つことなんてなかなか難しいだろうに、その上に自分の犯した罪で自分自身でも自分を嫌う。もはや自分自身だけの世界にさえ安らかな居場所がない。その地獄から救われるため、世界にたった一人でいいから、自分を大事に思ってくれる存在が欲しかった。自殺目前に、一途に純粋に人を愛するチャンスが訪れて、それを維持するためにがむしゃらに頑張れば、自分自身も愛されて、きっと人生が好転すると信じたのに、多大な犠牲を払っても彼女は結局信じた全てに裏切られた。「勝手にほざけよ」で締めくくられるラストのナレーションは、主人公の立場に寄り添っていてかなり好感持ちました。罪なく殺された人がいるので、主人公に対して「お前が死ぬのは当然」と考えることも出来ますが、主人公の悲痛な感情がそういう部分に押しつぶされない力を持って描けていて良かったと思います。生まれに左右されず平等に生活環境や教育が得られる社会はまだまだなんだなぁとあらためて思わされました。 [DVD(吹替)] 9点(2012-05-29 21:04:25)(良:2票) |
282. 127時間
《ネタバレ》 ダニー・ボイル作品にいい印象がなかったので、ハズレの疑いを持ちながらレンタルしたのですが、この作品は素直に良かったと感じました! ラストになるまで実話だとは全然知らずに観ていたので、ずっと作り話だと思いながら鑑賞していたのですが、作り話だと思っていても、あの切断シーンは身がよじれる強烈さでした。自分にとってはスプラッター映画なんて目じゃないグロさとリアリティで、これが実際にあったことと知った瞬間には呆然としてしまいました。他人に無理矢理ではなく、自分自身でやるのだからたまらなすぎる。宣伝キャッチにおいて「決断」なんて言葉が使われてるし、予測は出来ていたけど、そのうえ作り話とまで思っていたのに、決行に移した時は「マジかよ!」と思いました。自分ならきっとあれを出来る根性はなく、衰弱して死んでいく方を選ぶような気がします。この決断場面の凄さのために、誰にでもお勧めできる作品ではなくなってしまっているのは勿体なくもありますが、しっかり描いている姿勢に好感を持ちます。映画のインパクトについて、このシーンが何よりも強烈に刻まれてしまうのですが、映画の語るべきことが決してそこではなく、きちんとした人間ドラマと命が刻まれているので、良質なストーリーに仕上がっているなと感心します。軽快な音楽をバックに流れる飲料水のCM映像も力強い印象を残すし、主人公がビデオを巻き戻して初めて知る映像のエピソードや、反省の思いの中で「この岩はずっと自分を待っていたんだ」と語る心の声などがとても印象的でした。泳いだプールサイドに待つ親兄弟達の画面にはホロリとしました。幻影を見た時の子供の姿が、将来の自分の子供という希望の象徴だとは気づけず、そこがちょっとだけ残念でしたけど、とにかく力強くて良質な作品だと思います。「死ぬ気になれば何でもできる」とか、そういうセリフを本気で言ってもいいのは、この主人公のような人でしょう。 [DVD(吹替)] 8点(2012-05-27 19:15:31)(良:3票) |
283. アナザー プラネット
《ネタバレ》 タルコフスキーの映画を観ているような気分になりました。詩的で真面目な雰囲気には好感を持ちました。しかし、もう1つの地球の同姓同名の同じ体験をした人物と交信した場面が示されたことで、どちらの地球でも人々の運命は同じだと感じられてしまいます。だから、主人公の女性があちらの地球に旅立つことになれば、当然あちらの地球からももう一人の彼女がこちらへやってくることは観客の想定内です。しかし「二つの惑星が遭遇しあった時点で同一性が失われた」とする理論が出てきて「じゃぁ、どうなるのかな?」と期待も出来るわけなのですが、最初から想定内のことをまるで驚くべきことのように見せるラストに唖然とするばかりでした。二つの地球に同一性が失われて、こちらの地球の彼女は搭乗チケットを男性に譲る。「あっちでは奥さんも子供もきっと生きている」と言って。そこから変! 生きてるとは限らず別の事故かもしれないし、それよりも何よりも、あっちに行って家族が生きていたとしても、もう一人の自分が既に夫ですよ!! 彼女が男性の家に急いだとき、てっきり「あっちの地球に逃げても、ここと同じなだけ」と気付き、この地球で物事にとことん向き合う覚悟をしたのかとばかり思っていました。そうじゃなかったわけですが、普通に考えたらラストは家族を失った男性が向こうからやって来ることは想像します。そうではない驚愕のラストを考えるに当たって「向こうの彼女はチケットを譲っていなかった」というだけでは面白くないです。まぁ、二つの地球が同一性を失ったことで、あちらにいた彼女はどんな人生に変わっていたのか分かりませんが、事故を起こしていない場合、その自分自身と向き合うことになるというラストに大きな意義は感じられません。それがあるなら、せめて事故を起こしていない自分自身から救われるセリフ、あるいは意図するとせずとに関わらず責められてしまう何かを、しかと描いて欲しかったです。【追記】和解に至らなかった二人は、それぞれの星でもう一人の自分に苦しむという意味のラストなのかな? それで漂白剤おじさんの伏線なのかな? (しかも双方二度と会えないので赦し赦されることはない) だとしたらまぁまぁのラストだけど分かりにくいなー。ビジターはいつか帰るのかな? それともそれぞれの星でダブった者同士はどちらかが消える(自殺とかもう一人の自分に存在否定されて殺されるとか)? [DVD(吹替)] 5点(2012-05-24 16:18:37) |
284. 100,000年後の安全
《ネタバレ》 電力会社のコマーシャルや誘致関連の広報を見る度「土深くに埋めれば安全なのかよ?!」と、その愚かで無責任な解決策に寒気を感じていました。僕個人がどこに何を叫んだところで何も止められるわけでもないので、大バカ野郎だと思うだけで黙認・・・そんな日々のなかでこの作品に目が留まったのでレンタルしてみたのですが、まずはそれほど大した歌詞でもない歌をバックに意味のないスローモーションや眠くなるようにノロノロ這い回るカメラワークで尺を伸ばしているような作りに幻滅。ドキュメンタリーというのはただそれだけでもかったるいイメージがあるのに、ダラダラやられると余計に辛い。多くの人々に知らせるべきミッションを持つなら、もっと工夫すべきではないだろうか。核廃棄物が無害になるのに10万年かかるということは分かった。「それを地中深くに埋めれば安全なのかよ?!」という誰もが持つ疑問と不安に具体的に迫るものが、あまりにもない。何の材質がどれほどの遮断力と耐久性を持つか、地震や火山活動や地殻変動や腐食などに対してどれほどの数値を持っているのか、そういうところが全く示されない。だいたいウェルズ原作の『タイムマシン』でイメージしてしまうような10万年後の人間(あるいは新生物)の安否より、自分の子供や孫やひ孫の世代にどれだけの安全が保障されるかということのほうが心配なんです。気の遠くなる未来の社会のことばかりずっと言われてもね~・・・百年とか千年は何の心配もないって事ですか??? [DVD(吹替)] 4点(2012-05-22 21:11:00) |
285. コンテイジョン
《ネタバレ》 エリオット・グールドをものすごく久々に見られたのが嬉しかったです。豪華でどっしりした出演者たちと、見応えあるストーリーでワクワクしましたし、ジュード・ロウの役どころが興味深かったです。遺伝的に感染しないマット・デイモンはその特性が物語をどう左右するのか気になっていたけれど、その点では肩透かし。物語はどういう方向へ収束し、何を骨格としたドラマとしてラストを迎えるのか、見る側はそこを期待して成り行きを見守るはずだけど、デジカメを手に涙するマット・デイモンの画はそこに至るまでのドラマがとくにないのでイマイチだし、グィネス・パルトロウのラストシーンもすごく当たり前なところを最後に持ってくるところが、なんだか「手はきちんと洗いましょうね」と教育ビデオぽい感じがして、ドッとこけてしまう気分でした。無垢な笑顔で握手する彼女の写真を見る時に、握手の起源のエピソードがスッと出てくれば、意味深いラストシーンに思えたかもしれないですが、自分の場合、残念ながら握手の起源のエピソードがすぐには出てきませんでした。お悔やみに来て追い返された少年がワクチン接種者のリストバンドをして彼女に会いに訪れる微笑ましいシーンなどから思うに、多分にこの映画では「接触」「握手」などの要素をもっと見る側に意識させたほうが良かったかなーという気がしました。 [DVD(吹替)] 6点(2012-05-22 17:37:31) |
286. アマデウス ディレクターズカット
《ネタバレ》 学生時代、自分はどちらかというと持っている能力を妬まれる側の人間でした。そんな時期に劇場公開を観たときには、とくに誰に感情移入もなく、レクイエムの依頼のシーンと病棟の廊下を車椅子で移動するサリエリの笑い顔のラスト以外、なにも印象に残していませんでした。社会に出て足引っ張りに辛酸をなめたり、どん底生活の中で他人をはじめて妬んだり、そんな体験もしたあとに、このたび初めてディレクターズカットを鑑賞してみたところ、いやぁ予想しなかった面白さでした。まぁ自分の場合さして秀でた能力があるでもなし、こんなところで油売ってる暇もある凡人ですから、サリエリの持つ不公平感も理解が出来ることごとも経験しましたし、モーツァルトにもサリエリにも同情してしまう感じでした。どちらもそれぞれに苦しんだのだなぁと・・・。そして学生時代にはさっぱり覚えていなかったモーツァルトの最後のセリフは泣けそうなものがありました。よく考えてみると複雑な気分になります。双方、お互いの存在によって苦しんだのだけど、モーツァルトは自分を嫌っていると思っていた人間が実はそうではなく協力者だったと思って死に、サリエリは惨い不公平を与えた神に復讐を遂げたわけで、結局ふたりとも最後はある意味幸せを感じたのかな??? とも思えてみたり。神を信じ神に仕える者の非力な描きが、ちょっと子気味よかったりした自分はかなり若い頃の純粋さは失ったのだなーと思ったりしました。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-19 23:49:28) |
287. プリンセス トヨトミ
《ネタバレ》 つかみはいいと思いますし、全体的な雰囲気もいい感じだと思いました。原作はどの程度の話なのか知りませんが、映画の柱は男親から息子へ代々と継がれてゆくものを描きたかったのかなと思います。けれど、男が次の代の男に継いで行きたい精神がどんなものなのか、ピンときませんでした。オカマちゃんになってしまった息子でも受け継ぐことの出来た魂というのは、女性に寄り添い護っていくという精神なんでしょうか・・・けれど堤真一が、あの父から何を受け継ぎそびれてしまったというのか、あまり感じるものがありませんでした。多分むかしなら、こういう雰囲気に似たことは祭りや式典のなかにあったんでしょうけどね、失われつつある大事なものかもしれませんが、それを再考するには描き方に説得力が全くなくて残念でした。この映画を家族で観た際の最大の突っ込みどころは、人っ子一人いない大阪の街を映すたびに「旅行者は?」でした。それと冒頭とラストで出てくる富士山の十字架のことは、いったい何なのか、さっぱり分かりませんでした。日本国内に隠れたもう1つの国家と戦争が勃発したら(あるいはその寸前までの危機が実際にあったら)、どんな感じなんでしょうね?(大阪住民とそれ以外の国民の分け方や、経済や流通の在り方などいろいろ大変そうだ) そういうのをきちんと描いた物語を観てみたくなりました。 [地上波(邦画)] 5点(2012-05-19 21:49:17) |
288. ボックス!(2010)
《ネタバレ》 お決まりで王道だけど、印象的なエピソードもあり良い作品だったと思います。ルールとか気になる部分もありましたが、エンドクレジットの最後にお断りが出て納得しました。けれど、経験上から思うに、よほど消耗して動けないとかじゃない限り、防御に偏ると相手がどんどん打ってくるので、打たれたくなければ自然と手を出すものだと思うのですよ。打つ方もガードガチガチなところにやみくもにラッシュするかなー? 無駄に疲れるだけじゃ? と思うのですが、コーナーに詰められて防御しっぱなしの相手に対して、ラッシュを浴びせまくるというシーンが多かった気がします。両者完全に足止めて打ち合うとかも嘘っぽいし。そんなこんなでボクシングシーンについてはそれほど乗れませんでした。カメラでアップに撮りやすい戦況ばかりやってた感じがします。同校の親友同士が大会で決勝というのも、普段からスパーたくさんやり合ってるはずで、それが無かったかのように大会の時だけ特別な対峙緊張の描写とか、負けて心が折れるとかは、リアリティが遠くなってる気がしました。そういうところで減点です。負けっぱなしの先輩には一度どこかで勝ちを味わって欲しかったけど、それが無かったのも残念。けれど「誰かのためにやってるんじゃない」と言っていた主人公が親友のためにサウスポーになってパートナーを務め、それが後に自分の糧になるというところが良かったと思います。親友のためにサウスポーに切り替えるシーンがあまり印象的ではなかった点が残念でもありますが。努力せずに天性の才能だから簡単に捨てられる、そんな主人公なのだから、2度の挫折の中、友のためにサウスポーになるのに、ちょっとしたハードル感じさせて欲しかった。それがあったら、クライマックスが読めてしまうからボカしたんでしょうかね。栄養ドリンクの選手のキャラは普通にいい奴でも良かったのでは? ベタ過ぎです。挨拶しに来たのに優紀が無視するシーンはなんだかなー。女性教師の役は見かけが嫌いな女優さんなんですが、そんな彼女に適した役所に期待をしたものの、彼女の角が取れていってグッと共感するような印象的な場面がなかったのは残念でした。映画が盗まれている・・・の女の子は「中高生の頃こういうコいたなぁ」な感じを自然に演れていたし、清水美沙を久々に見れたのも良かったです。 [DVD(邦画)] 7点(2012-05-10 21:40:57) |
289. スターシップ・トゥルーパーズ2
特撮のフィルティペットさんが監督ということで観てみましたが、酷すぎました。スケールがこじんまりしているのはもちろんですが、画面に色調がなさ過ぎ。ずっと一面暗い茶色の世界(『エイリアン』や『ピッチブラック』のそれとは大違いな単調で深みなしの茶色世界)。『デスパレートな妻たち』で離婚した弁護士の役柄だったバージが頭を坊主にしてヒゲ生やして別人なのに印象を残しただけ。 [DVD(字幕)] 1点(2012-05-03 02:21:13) |
290. 28日後...
『逃走中』ならテレビでタダで見れます。 [DVD(吹替)] 2点(2012-05-03 01:39:04) |
291. 戦艦ポチョムキン
《ネタバレ》 「一人はみんなのために みんなは一人のために」この言葉、なにかにつけよく聞くなと思っていたのですが、この映画で連呼されるとは・・・。『三銃士』に出てくる言葉なんだそうですね。もともと良い言葉だろうし、素直な善人ばかりの小さなグループならば通用する誓いかもしれないけれど、価値観が多様化し過ぎて何が正しいことなのかもハッキリ分かりづらい社会においては、乗り切れない言葉だなーと思います。ただ映画の発端自体は、ウジのわいた腐った肉のスープに満足の意を強要される理不尽にあるので、こういうことにはきちんと怒ることが出来るのが正常だと思います。日本では怒りを表現すると正当な怒りでも「大人げない」なんて言われかねないですが・・・。水兵たちの当然の怒りが民衆に通じて良かったですが、現代社会でまじめに考えると「水兵たちの主張は事実なのか?」という第三者の冷静な疑問の余地や、「私なら文句言わずに働きますぜ」と仕事にあぶれた人々が混ぜくったりや、新聞やテレビの思惑忍ばせた記事に簡単に誘導されちゃう人々や、デマを流したりそれを鵜呑みにする人々などで、この映画のような単純構造には落ち着かないんだろうなーと、そんな冷めた気持ちで鑑賞していました。今や民衆そのものが「勝ち組」「負け組」「格差社会」とかに踊らされ一体化できない時代だし・・・たしか『蟹工船』の紹介でこの映画が取り上げられた記憶が・・・。けれどオデッサの階段の逃げ惑う人々に添って流れるカメラワークにかなり引き込まれました。作られた時代を考えると、あのシーンの演出はかなりスゴイと感じます。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-03 00:49:26) |
292. トータル・リコール(1990)
《ネタバレ》 演出がものすごくダサい! マンガよりひどい。シャロン・ストーンとの夫婦演技も、リコール社でのアクシデントも、バレてからの奥さんのベタな色仕掛けも、逃げ方も格闘も、とにかく何もかもひどい!! 人が体当たりしたくらいで割れるゲート。発砲したら穴が開く火星ドーム。火山からの大気噴出で、ものの数分で人間が生きられる火星に・・・ビックラ!! バカ映画ならバカ映画と分かるデザインがあるだろう。 [映画館(字幕)] 3点(2012-04-02 20:23:37)(良:1票) |
293. マイ・フレンド・フォーエバー
《ネタバレ》 『依頼人』でレンフロに注目して、この作品は彼の演技に興味があって劇場に足を運びましたが、まるで心に響きませんでした。なんかワザとらしい話。『ジュラシック・パーク』の少年マッゼロが「僕の血は毒だ」とか言って不良に威嚇するシーンとアイスを食べるシーンだけしか印象に残ってません。多分、アナベラ・シオラのなんか陰気くさい感じとか同情を誘うっぽいオーラとかが苦手なんだと思います。彼女って、目を赤く腫らして泣く(もしくは苦しむ)ような演技ばっか印象に残ってるんです。いかにも「お涙頂戴映画です。泣いてください!」みたいな構えに引いていたかも。 [映画館(字幕)] 3点(2012-03-29 02:26:36) |
294. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 これがアラン・パーカーの作品だったなんて、ちょっとビックリ。かなり引き込んでおきながら、結局は全然社会派でもなんでもない単なる3番煎じドンデン返しサスペンスに仕上げてしまった駄作。これ、ひどい濡れ衣に苦しんだ経験のある人間が観たら、すっごく迷惑で腹立たしい話のような気がする。他の方も書いてらっしゃいますが、「冤罪」と「死刑」をごちゃ混ぜにするようなストーリーも嫌い。冤罪晴れてからもずっと苦しんでる人はいるでしょうに、命は助かっても奪われた人生は返ってこないし、受けた痛みはそう簡単に癒えないはず。「死刑にさえしなければ、命以外のものは何だって取り戻せる」わけではないのだから。そういう事態に無実の人間を追い込んだものが、それ相応の罰や責任をどう負うのかってことは全く問題にされず、それどころか「冤罪って、ほんとに全て冤罪なのかね?」みたいな何とも無神経なことをやらかして終わるとは・・・。そういう思いをさせられる人間というのは極々少数であるから、そういう立場の人にどう思われても痛くないしーみたいな精神を感じてすごく嫌な気分。「冤罪かもしれないし、冤罪じゃないかもしれない」みたいなことを映画で遊びたいなら、も少し「これは単なる現実離れしたサスペンス映画ですよ」という体を最初から成して欲しい。冤罪を受けた者にとっては非常に大きな問題だというのに、なんてお気楽な道楽精神でフィルム使ってるんだろう? あんなオチがどうしてもやりたいのなら「冤罪で無実の者を死刑にした者は、自分の死で償わなければいけない」というくらいの均衡を持たなきゃフェアじゃない。 [DVD(字幕)] 4点(2012-03-29 01:46:00)(良:1票) |
295. ダークナイト(2008)
全く入っていけませんでした。ノーランてどれも全く面白くない。正直、興味ある企画を彼に監督して欲しくないと思う唯一の監督。ものの語り方を知らない映像オタクとしか思えない。 [DVD(吹替)] 1点(2012-03-28 19:14:55) |
296. プラダを着た悪魔
面白そうな気がしてレンタルしてみたら、全くつまらなかったです。内容をまるで思い出せないほど、何にも印象に残ってないです。平均点にびっくり。 [DVD(吹替)] 1点(2012-03-28 19:06:51) |
297. タワーリング・インフェルノ
《ネタバレ》 小学生の時に劇場公開を観ました。ニューマンとマックィーンは有名俳優だけど、当時自分が彼らに持っていた印象は「車とか銃とかでアクションするカッコつけ専門俳優で、演技力は評価されてない人」というものでした。僕は今でもこの二人にとくに「豪華なキャスト」とは感じないし、渋さもカッコよさも感じないです。華があるとも感じないし、どこか軽い(薄っぺらい)感じがして仕方ありません。『ポセイドン・アドベンチャー』のジーン・ハックマンやアーネスト・ボーグナインみたいな厚みのある存在感を見た目から感じないんです。そういう「ちょっと強い風が吹いたら飛ぶんじゃない?」的な物足りなさを、ウィリアム・ホールデンとフェィ・ダナウェイがカバーしていたような感じに思っています。それでも、女優陣はおばさんばっかの印象でティーンエイジャーくらいの若々しい女性の存在がなかったですね。少年が手すりを渡ったのも、幼女がおばちゃんの犠牲によって命拾いしたのも、猫が助かったのも覚えてるけど・・・。あと、子供心に「最上階のタンクの水程度で消える?」と疑問で、ビルの頂上から流れ落ちる水の映像を見て「心細いな」「あれでビル火災おさまったら嘘やろ」と思ってしまいました。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-20 19:20:31) |
298. シャドー(1994)
♪ジョンロンジョンロンジョンロン 楽しいジョンロン 愉快なジョンロン ジョンロ-ン ジョンロン が 一回り瞳が大きく見えるコンタクトしてたこと以外、何も思い出せない。ので0点。 [映画館(字幕)] 0点(2012-03-18 21:42:04) |
299. スネーク・アイズ(1998)
《ネタバレ》 長回しで撮ったからって何か意味がありますか? 映画そのもの以外のメディアで謎解きの補足をさせようとするような作品の在り方も嫌いです。デ・パルマは大作っぽいものをやるとどうも構えが大げさなわりにちっとも面白みがない。『キャリー』『殺しのドレス』が大好きでピノ・ドナジオの音楽と映像のシンクロに心酔したクチなので、日本の坂本龍一がパルマの映像とどんなシンクロを見せてくれるのか期待したのに、それもべつに面白いところはなくガックリ。『フューリー』でカーク・ダグラスを起用し、音楽も大御所ジョン・ウィリアムスで製作したのに、ガックシだった時と同じ。 [映画館(字幕)] 1点(2012-03-18 21:26:50) |
300. カプリコン・1
《ネタバレ》 ストーリーが知れてNASAの協力が得られなくなったという作品。ソ連てものがあった冷戦時代の技術競争や緊張を知らない人は動機に乗れない人もいるかもしれませんね。ソ連に対する優位を保つために有人火星宇宙船を無人で飛ばし、宇宙飛行士たちは秘密のスタジオで火星到着の演技。しかし、地球へ帰還した宇宙船は大気圏突入時に事故で焼失。お芝居をさせられていた宇宙飛行士たちは生きていてはならないことに・・・その展開が面白かったです。当時だとこのごまかしもアリに思えなくもないですが、今ほど技術や知識が一般に広まる時代となると、これでごまかし通すのはかなり無理がありますね。もっと面白くリメイクして欲しい作品なんですが、騙しの技術背景の問題でかなりリメイク難しそうなのが残念です。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-18 20:35:33) |