321. スリーメン&ベビー
私自身は子供を育てたことがないので、おそらくこの男性たちの気持ちにかなり肩入れできる立場なのではないかと思う。独身貴族を楽しむ無骨なオトコたちだって、無力な赤ん坊を目の当たりにしたらとりあえず何とかしなきゃ、とは思うのね。現実には即座に預かってもらえる人を探しに奔走するんじゃないかと思うけど、そうならなかったら、という点に目をつけたのはとっても新鮮だったと思う。普通のコメディとして普通に笑える内容だと思うけど、なんか観ているこっちまでだんだん赤ん坊に情が移って来てしまって、力を合わせて赤ん坊を育てている錯覚に陥れるところがミソ。実はみんな赤ちゃんが好きなのね、ということを今さらながら教えてくれる、観ていて楽しいハートウォーミングな映画。楽しい、っていうのは映画にとってかなり重要な要素であると私は思っているので、この作品はかなり好き。 8点(2003-12-20 14:29:20) |
322. スパニッシュ・プリズナー
残念ながら期待割れ。正直、ミステリーとしては今さらこの程度のネタで勝負できると思うのはちょっと甘いんじゃないでしょうか。タイトルの「スパニッシュ・プリズナー」は欧米では有名な詐欺。これで主人公が詐欺に遭うのね、では当たり前すぎて捻りもへったくれもない。経過を楽しむ分にはそれなりに雰囲気もあって、タネも仕掛けも工夫もないけど日本人から見た異国情緒は楽しめる仕立てになっている。監督デビッド・マメット、主演スティーブ・マーティンにキャンベル・スコットっていうメンバーに釣られて観に行ったけど、特に「観といてよかったぁ」という感慨はなかった。もう一つ、何かハズした味わいを求めてしまったのがいけなかったのかなあ。もう一度観てみたら評価が変わるかな?というほのかな期待はあるので、駄作ではなかったんだろうと思うけど。 5点(2003-12-20 14:23:18) |
323. スネーク・アイズ(1998)
デ・パルマだから、映像の魔術師だからってついつい大目に見てしまう周囲もイケナイとは思うが、俯瞰で長回しでミラーでスプリット画面、というデ・パルマ得意技の集大成と思えばけっこう笑える作品ではある。目撃者14,000人、容疑者14,000人という大仕掛けのわりにストーリーが5人ぐらいの間でチマチマとまとまっているのが非常に気になるが、要するにどんなに容れ物を大きくしてもこの人に見合ったスケール感というのはこのぐらいがちょうど良いのでしょう。本来「群集」という物の持っている圧倒的なエネルギーがまったく伝わって来ないあたり拍子抜けは避けられないのだが、なんだかデ・パルマだしなぁ、で許せてしまうのは世代的にちょっとデ・パルマに甘すぎるんでしょう。どう考えても意外性もへったくれもないゲイリー・シニーズのいかがわしさとか、良くも悪くも期待を全く裏切らない凡作にすぎないと思うのだが、「いやぁ~。デ・パルマ節健在ナリ」と思わず頭を垂れさせられてしまう問答無用さを評価してあげたい。だってやっぱり、周囲に惑わされずわが道を行く人っていまどき貴重じゃないですか? 7点(2003-12-20 14:17:12)(笑:1票) (良:1票) |
324. ストレンジャー・ザン・パラダイス
のっけからスクリーミン・ジェイ・ホーキンスのシャウトにうっかり巻き込まれてしまった私も素直だが、この世界に入り込める人はけっこうハマると思う。独特のテンポで、どっちへ向かっているのかよくわからないユルい展開。日常を忘れて静かなムードに浸り、時々「ぷ。」と笑いたい方にはお勧めできる。あんまりストーリーとかメッセージ性とかをクヨクヨ考える作品ではないように思う。なんとなく、雰囲気に浸れれば良いのではないでしょうか。アメリカ映画とはちょっと思えないくらいヨーロッパの香りが漂いますね。ジョン・ルーリーのとぼけた表情が良いです。 8点(2003-12-20 14:10:04) |
325. ファンタズム(1979)
決して面白い映画ではないんだけど・・・70年代ホラーはさんざん観たけど、中でも強烈にコワかったのはコレ。ストーリーをほとんど覚えていないということから考えても、たぶん大した話ではなかったんだろう。覚えているのはもう、とにかくコワかったこと。スプラッターが流行り始める前のあの手この手の中でも最後のオカルト映画という感じだったが、悪魔を持って来なかったところに創意工夫が感じられる。関係ないけどこの映画、同じドン・コスカレリ監督、マイケル・ボールドウィン主演だからと言って「ボーイズ・ボーイズ」との2本立てはいくらなんでも無理がありすぎたと思う。おかげで当時10歳だった弟は不眠症に苦しみ、連れてった私は両親からこっぴどく叱られる羽目になった。10歳にもなって、ホラー映画ごときで眠れなくなる弟も弟だったと思うのだが。 7点(2003-12-20 04:16:33) |
326. ジャンヌ・ダルク(1999)
フランスが誇る不滅のヒロイン、ジャンヌ・ダルクを敢えて祈祷性精神病患者の疑惑を漂わせて描いたのがリュック・ベッソンだったというのが面白い。これをフランス人以外の人がやっちゃったら大変ですよ。実際のジャンヌ・ダルクが本当に神のお告げを聞いたのか?それとも単なるイカれた姉ちゃんだったのか?というある種のタブーを取り上げた、非常に興味深い映画だったと思います。ただし私は異常に戦争映画が好きなので、この映画でもジャンヌが「Follow me!」と叫んでダーッと軍隊の先陣を切るところですっかりコーフンしてしまい、必要以上に面白がってしまったという意味では公平な判断が出来ているのかどうかもう一つ自信がありません。女性が軍隊を率いて闘う戦争映画って普通あんまり観られませんので、戦争映画好きの女性という立場からはこれがそこそこ面白いのは当然なのではないかと。ただし後半、妄想なのか神なのかはっきりしないダスティン・ホフマンの執拗なささやきなんかは、あーこれは狂気を扱った映画なんだと気づいてちゃんとそれなりに興味を持続できました。おそらくこの映画では、ジャンヌ・ダルク精神病患者説を主に主張していると思えるのですが、それで勝てちゃうプラシーボ効果みたいなものもまた否定できない事象ではあるので、歴史物としても戦争物としても、ある程度のクォリティは保てていると思います。実は私、公開当時この映画が気に入って3回観ました。後で周りの評判を聞いたらすごく悪かったので驚きましたが、よっぽどウマが合ってしまったのでしょうか。 8点(2003-12-20 03:51:11)(良:2票) |
327. アナライズ・ミー
作品のスケール感を正確に見極めてミニシアターなんかでひっそりやればよかったものを、「デ・ニーロ主演」「アメリカで大ヒット」の2点に騙されて大箱で公開してしまったために客席のしらけっぷりがバカ寒かった作品。一部の品ある客だけをターゲットに絞り、クスクス笑わせてくれれば観るべき物はあったのに、なんだかもう「ジュラシック・パーク」に集まる週末のデート組みたいなのが押しかけてしまって、彼ら一般客の落胆ぶりが暗闇の中でも手に取るように伺われてしまい、気の小さい私がまるで自分のせいみたいに不条理な罪悪感を感じてしまった。内容的にはいかにもアメリカ人好みのおバカなコメディなのだが、日本でマスに受けるのが難しいことぐらい配給会社に入るぐらいの人間なら新人だってわからなきゃ駄目だろう。こういう風に、公開ルートを間違えてしまったために起こる不幸について私は非常に憤りを感じる。が、個人的に自宅でビデオで鑑賞する分にはそこそこ問題ない仕上がりであるとは言える。重ねて言っておきたいが、「デ・ニーロ主演」で「アメリカで大ヒット」の「爆笑コメディ」を期待したらバカを見る。小粒でクスッと笑える地味なコメディぐらいを想像して見れば、アメリカ人でなくてもちゃんと楽しめる映画だと思う。 6点(2003-12-20 03:39:35)(笑:1票) |
328. 死の接吻(1991)
へちょちょ星人さんのコメントに著しく同意。原作を読んだことのある方なら見るまでもなくおわかりでしょうが、はっきり言ってこの小説を映像化するのは無理。「映像化不可能」という売り文句を良く見かけるが、そういう次元ではなくもう物理的に絶対無理。ひょっとしたら原作に忠実に撮るという道もなくはなかったかも知れないけど、実はこの小説、アイラ・レヴィンが映画界に仕掛けた挑戦状だったような気がする。「絶対に、映画化できない小説を書いてやれ」と思って書いたような作品なのに、これを映画化するなんて無謀にもほどがある。それでもやっちゃった人たちの厚顔無恥ぶりと勇気と根性には敬意を表する。本当にもう、誰か止めてあげる人はいなかったんだろうか。マット・ディロンに3点。 3点(2003-12-20 03:28:34) |
329. シド・アンド・ナンシー
これはイタかったですねぇ。私はシド・ビシャスにもセックス・ピストルズにもなぁ~んの思い入れもない単なる映画ファンですが、こういうあからさまな泥沼系は決して嫌いじゃないです。この話は絶対に浮かんで行かないことが保証されている泥沼なので、まさに泥沼中の泥沼という意味で胃の痛くなるような辛さを感じました。真実についてはもはや想像するしかないわけですが、私の想像では、この映画に描かれたシドはファンが想像するよりショボいですが、実際よりはたぶん美しく描かれているんじゃないかと思いますよ。この時代のロックってそういう世界ですよね。筋金入りのダメ人間が、不幸な偶然の導きで神がかった存在にまで押し上げられてしまう。でも当人は神様でも何でもないタダの生身の人間ですから、そのジレンマに押しつぶされて行くわけですよね。そういう世界で運命の波を上手に泳ぎ渡って行く人たち、たとえばミック・ジャガーみたいな人って、本当にタフな精神の持ち主で、もちろん相当頭も良いんだろうな、と思います。最近ではロックの世界にも最初から頭良くないとなかなか入って来られないようになって来ましたが、創成期にはこういう不幸な人たちが多かったみたいですね。 6点(2003-12-20 03:22:30)(良:1票) |
330. 地獄の逃避行
あーこれ、デビュー作だったんですか?国内ではもう全然ビデオが手に入らないんで、アメリカ行った時にテレビで観ました。シシー・スペイセクとマーチン・シーン、この後長らくサイコ役者で生きて行く羽目になった理由が非常に良く理解できました。映画史上稀に見る境界性人格障害者ですね。もう目がイッちゃってますもん。正直私は今でもシシー・スペイセクという女優さんって、演技に道を見出してなかったらただの境界線上の人だったんじゃないかと思っています。演技をするということはある意味、祈祷性精神病に近い物がありますよね。たとえば恐山のイタコなんかね、死者の声を聞いてその声で語るみたいなところは、要するに俳優業と本質的には一緒なんじゃないのかな。そういう意味では、シシー・スペイセクって生まれて来る時代を間違えなくて良かったですよね。この人、中世ヨーロッパに生まれていたら間違いなく魔女狩りに遭って処刑されてます。でもオスカーの授賞式にスーツで来るのはちょっとイタダケないですね。やっぱり本業はイタコじゃなくて女優なんですから。 7点(2003-12-20 03:07:11) |
331. 地獄の黙示録
フランシス・フォード・コッポラにやりたい放題やらせちゃイケナイ、とハリウッドが悟るには充分な映画でしたね。でも突き抜けたおバカさ感があって私は好き。これ本当にやっちゃうんだから、やっぱりコッポラって相当な映画バカでしょう。作品としてまとまりに欠けるとか、言いたいことがちゃんと言えてないとか、とにかくもうありとあらゆる欠点だらけの映画なんだけど、監督の「誰が何と言おうとオレはこれがやりたいんだぁ~~~っ」という有無を言わせぬイキオイがガンガン伝わって来るので気の弱い私なんかうっかりゴメンナサイとか言ってしまう。これはそういう映画なんであって、シナリオ作法の教室にこれを持ってったら落第食らうのは必至。でもね、こういうクレイジーなことが出来た頃のコッポラってやっぱりステキだったんですよ。私にとってジゴモクって、横山ヤスシの漫才と一緒。さすがに当人も凝りたのか、その後あんまり大バカはやらかしてないみたいだけど、守りに入っちゃったなぁおとーちゃん。という感じですね。この映画、必要悪と違いますか? 8点(2003-12-20 02:49:42) |
332. 潮風のいたずら
ロマンチック・コメディとしては、これを超える作品には滅多にお目にかかれていない。いくら記憶を失くしたからって、あれほどの高慢ちきがあそこまで劇的にイイ人になってしまうなんてちょっとあり得ないとは思うけど、そこはファンタジー。ゴールディ・ホーンが大きな目をギョロつかせながら、悪ガキたちを相手に悪戦苦闘する様は楽しい。最悪な性格だった彼女の中にも、密かに眠っていた母性があって、いつの間にか子供たちを守るスーパーお母さんに成長して行くという設定も楽しい。対するカート・ラッセルの無骨で無教養な大工も、実は人間味溢れる優しくてタフな男だったりする価値観の逆転ぶりが面白い。コミカルにハートウォーミングに笑いを取りながらも、さりげな~く「人間ってお金や学歴じゃないんだよ」という深遠なメッセージを混ぜ込んでいて全然押しつけがましくないところにも好感が持てる。四の五の理屈をこねるような作品ではないのだろうが、こういう楽しくて心も暖まり、なおかつこっそり良いメッセージの隠された作品って私は大好き。だってやっぱり映画って楽しい方がいいでしょ。 10点(2003-12-20 02:41:16)(良:1票) |
333. 市民ケーン
天邪鬼な私としては、誉めなきゃいけない義務感に負けたような気がして非常に悔しいところなのだが、正直、この作品にはごめんなさいと言おう。負けました。確かに傑作だと思います。何しろ映像が恐ろしいくらい凄い。この作品が1941年に撮られたということを抜きにして考えても、やっぱりこれは凄い。ということは、1941年に撮られたということを考慮に入れたらもう、想像を絶するくらい凄い。綺麗なパンフォーカス。白い壁。薄靄の中に佇む豪邸。何もかもが凄い。決して観客に媚びず、着いて来たい者だけ来なさい、というスタンスで物語を運びながら、嫌でも食いついて行かされてしまうストーリーも凄い。こういうエネルギーって、傑作と言われる作品を観ていても滅多に感じられるものではない。あまりにも多くの人から、長い間傑作と絶賛され続けている作品。こういう作品を誉めることはまったく本意ではないのだが、いかに天邪鬼な私でも、この作品に意地悪なツッコミを入れられる余地が全然見つけられないのは悔しさの極みでもある。でも凄い。「完璧な映画」はあり得ないというのが私の持論であるが、この映画は少なくともそれに限りなく近いと言えるだけのものは持っている。映画を発明した人々がこの作品を観たら、自分たちの仕事には間違いなく意義があったと、きっと泣いて喜ぶだろう。この作品のためだけにでも、映画は存在した価値がある。 10点(2003-12-20 02:30:20)(良:2票) |
334. スパイダーマン(2002)
クランクイン前から本国のサイトをチェックしまくり、死ぬほど期待していた作品。本来私は、期待すればするほど自分の期待感の凄さに圧倒されてしまい、実際にフタを開けてみるとガックリさせられることが多いのだが、浮き足立ちやすいこの私が、ここまで期待に期待を重ねてまったく落胆を感じなかったというのはほとんど天変地異にも等しい事態。要するにバカおもしろかった。なんでトビー・マグワイヤなの?あんな地味で繊細で、お世辞にもタフなイメージとは言えず、むしろ文学の香り漂う気品のある役柄が似合う彼が、なんでアメコミのヒーローなの?というものすごい疑問はあっという間に解けた。この物語は、どん臭くてダサくて内気な少年が、ヒーローに育って行く話なのだ。最初から大活躍するのではなく、なんであのトロいヤツが、と思わせてくれるところがおいしいのだ。だからトビー・マグワイヤなのだ。正直なところ、キルスティン・ダンストはピーターが幼い頃から片思いを続ける女優志願の美少女には全然見えないが、あの程度のフツーのコにすら愛を語れないピーターのどん臭さを強調する役には立っている。つまり彼女はちょっとズレたコなんですね、あの器量で女優になりたいって言うんだから。で、ヒーローになってもピーターは彼女にメロメロ。その一途さが可愛いんですね。強くなった途端、美女に囲まれちゃったら女性ファンは総スカンでしょ。結局これは、ヒーロー物であってヒーロー物でない、フツーの男のコがヒーローに成長して行くお話。だからおもしろい。ただ断言してもいいけど、続編は絶対につまらない。だってピーターはもうヒーローの力量を備えてしまったから。成長し切ってしまった元ドン臭いアイドルに、お姉さんはあんまり興味がないのです。まあ、サム・ライミのことだからちゃんと次の手は考えてあると願いたいですが。 9点(2003-12-20 02:21:52)(良:3票) |
335. スピード2
周りが騒ぐほどつまんなくなかった。強いて言えば、タイトルの「スピード」は間違ってると思った。クルーザーがのろいので、あんまりスピード感のない「スピード」になってしまったが、アニーの後日談と思えばけっこう楽しく観られると思う。ジェイソン・パトリックも予想外に素敵だったし、なんか最後の方ではけっこう彼に恋していたような気がする。サンドラ・ブロックもチェンソー振り回してカッコよかったし、特に映画で何かを得たいとか、そういう難しいことを言わなければそれなりに楽しめる作品だと思う。もちろんデフォー様は何をなさっていても素晴らしい。愛ですよ、愛。 8点(2003-12-20 00:26:20) |
336. スピード(1994)
よりによって、私が31歳にして運転免許を取ろうと決意し、創設以来最もメーワクな受講者として近所の教習所に入学して実習を始めた途端、この映画がCATVで毎日のように放映され始めた。すっかり度胸をつけた私は講師陣を恐怖のどん底に落とし入れながら怒涛のように教習所に通い、なんと実習18日間で運転免許を手に入れた。ちなみに実習中、私が最も良く聞いた教官の台詞は「ブレーキ!ブレーキ!」である。キャンセル待ちの受付をするカウンターの兄ちゃんは心からホッとした顔をしていたが、何と言っても一番恐ろしい思いをしていたのは愛車を命がけで可愛がっていた当時の彼氏だったに違いない。あまりにも話がズレてしまったが、これはすごくおもしろい映画でしたよ。クリスチャン・スレイターが続編のオファーを断ったのは、大失敗だったと思います。 9点(2003-12-20 00:21:36) |
337. スターリングラード(2001)
ジュード・ロウが敵を撃って撃って撃ちまくる映画なんだろうと思い込んで戦争映画好きの血をめらめらとたぎらせて駆けつけてみたらなんだか渋い戦場を舞台にしたラブストーリーだった。どうでもいいけどジョセフ・ファインズってどうしてこんなに間男役が似合うんだ。ヘタレ顔なのにフェロモンきつすぎだ。「恋に落ちたシェイクスピア」ではすっかりそのフェロモンにアテられてしまった私だが、さすがに飽きた。それに舞台は寒くて渋い戦場だし主演はジュード・ロウで対決するのはエド・ハリスだ。なんでこんなところにオマエのフェロモンが必要なんだ。しかも女はミイラ映画のオッパイ役だ。この異常な違和感と、期待とはまったく違った物凄い緊張感に疲れ果ててしまった。私はジュード・ロウが戦場を走り回る大仕掛けの戦争映画が観たかったのだ。そんなもんあるわけないが、期待させた宣伝屋たちにもそれなりの責任は問いたい。 3点(2003-12-20 00:14:51) |
338. スター・ウォーズ/帝国の逆襲
他にも過去にこういう例はあったのかも知れないが、少なくとも私が映画館で映画のラストに「TO BE CONTINUED」の文字を観たのはこれが初めて。映画というものは原則一話完結、テレビとの決定的な違いはソレである、と信じて疑わなかった私は大いに憤り、地団駄を踏み、腹立ちのあまりパンフレットを破り捨てた。(後日、つなぎあわせた。)こういうものを「二匹目のドジョウ」と言うのだと思うが、呆れたことにこのシリーズは三匹目、四匹目と今だにドジョウすくいを続けている。いちいち振り回されている我々も我々だが、いい加減このシリーズの1作目が単なるコロンブスのタマゴであったことに気づこうよ、みんな。この映画が現れるまで、この世にスター・ウォーズなんかなくたってみんな無事に暮らしていたし映画もちゃんと流行っていたんだ。このシリーズで、1作目以外に、単品として評価できる作品が本当にあったか?ない。全然ない。その証拠に、EP-1公開前夜には最初のスター・ウォーズ三部作がレンタル屋で売れに売れた。シリーズの他の作品なんか1本も観てなくたって、単独で充分鑑賞に値する作品が撮れることは「007」と「男はつらいよ」が証明済みである。シリーズ化というのは、そういうもののことを言うのだ。残念なことに、本作品はそういった致命的な欠点を背負うスター・ウォーズシリーズの中でも最低の最悪だ。物語は暗いし、話は作品内で完結しない。ヒットが約束されている作品にありがちな製作者たちのナメた態度に、今なおこみあげる怒りがおさまらない私である。 1点(2003-12-20 00:08:53)(良:1票) |
339. スクリーム(1996)
「最終絶叫計画」を観るために予習として観たのですが、驚いたことに予想したほどつまらなくありませんでした。登場人物のキャラが立ってるのが良い。やっぱり続編が作られる映画というのは、少なくとも1作目はけっこうちゃんと楽しめるものですよね。2作目以降はなんとなく惰性で観てしまう部分もあるとは思うのですが・・・。B級ホラーにこういう表現が適切なのかどうか、あまり自信がないのですが、意外にも佳作、という印象です。 7点(2003-12-19 23:57:39) |
340. バック・トゥ・ザ・フューチャー
これもコロンブスのタマゴかなあという気はしますが、やっぱりシナリオ良く出来てますよ。無駄なく、テンポよく、キレイにまとめてると思います。大作っぽいイメージがありますが、SFXの大連発というのでもないし、むしろ普通の庶民の普通の生活がメインですよね。おバカなマッド・サイエンティスト役のクリストファー・ロイドの個性が際立つ一篇でした。主人公がヘビメタ命のギター小僧というのも、いかにもこの時代っぽく、なおかつ伏線としてもかなりオイシかったです。アメリカ人らしい会話のセンスもシャレてて楽しい。続編はほとんど記憶に残ってないですが、やっぱりこの作品のノスタルジーと今どきの若者との感覚のズレがこの作品の要だったんじゃないでしょうか。 8点(2003-12-19 23:53:08) |