3521. スペースキャンプ
《ネタバレ》 昔見たときは、最初から最後まではらはらしっぱなしだった強烈な記憶が残っていたのですが、今見てみると、本題の開始までは40分ぐらいかかっているし、危機として提示されている課題は2つぐらいしかないしで、「あれ?これだけだったっけ?」というようにはちょっと思いました。でも、登場人物たちの誠実で前向きな姿勢、そしてだんだんとお互いを理解して団結していく過程はやはり見ていて気持ちいいし、無重力映像や管制局の描写など、突飛な話であっても隅々まで手を抜かない姿勢はさすがです。ロボットがしつこく出てくるのだけ、ちょっと鬱陶しいかな。 [DVD(字幕)] 7点(2007-06-09 13:41:04) |
3522. ギャラクシー・クエスト
《ネタバレ》 一番素晴らしいのは、オタクが団結して地球とみんなを救っているところ。最後はそのオタクどもに最高のプレゼント。これだけで感動しました。脚本も細かいところまで配慮されていて、展開もスピード感があって、フィニッシュまできちんとまとまっています(石怪獣のところだけ、ちょっとしつこかった気もするけど)。しかし、シガニー・ウィーバー・・・これでこのとき50歳ですか・・・「ヒーローものに出てくるチャーミングなお姉さん」を舞台裏も含めて真剣に役作りしているのが凄い。 [DVD(字幕)] 8点(2007-06-07 00:34:16) |
3523. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
私が一番驚いたのは、最初に出てくる少女時代のエリザベスが、顔のつくりも体型もしっかりキーラに似ていたこと。こういう細かいところでも手を抜かないのは偉い。そんな風に隅々まで親切に作ってある作品なのだから、あとは素直にワクワクドキドキしながら楽しめばいいわけです。単純エンターテインメントとしては十分です。 [DVD(字幕)] 6点(2007-06-02 00:37:10) |
3524. おもいでの夏
《ネタバレ》 最初の方では、主演二人のあまりの演技の下手さにコケそうになりましたが、終わってみれば大事なところをきちんとまとめた好作品でした。特に、クライマックスのラブシーンでは、もっと二人のそれまで抑えていた感情爆発!みたいになるのかと予想していましたが、意外に淡々とした、むしろ事務的なような(!)雰囲気で、しかもそれが追憶の切なさを増幅しているというのが見事でした。それから、薬局のシーンの、どんなサスペンス映画もアクション映画もかなわない手に汗握るスリリングな7分間も忘れがたい(笑)。映画館でのエロスマイルも、アホ青春モード全開でいい感じです。綺麗さっぱりと切り上げるラストや、背景の余計な説明なしなどの点も含めて、当たり前のことを正面からきちんと撮った作品はやはり好印象です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-06-01 03:39:28) |
3525. キングの報酬
ギアの口ひげ、全然似合ってないなあ・・・。選挙参謀の専門家を正面から取り上げた映画なんてほかにはそんなにないと思うので、貴重な作品のはずなんですが、出来がこの程度では意味がありません。そもそも誰と誰がどう敵対しているのかも途中までよく分からないし、主人公の本来の凄腕・冷血ぶりがきちんと描かれていないのも、作品のテンションを下げています。邦題も趣旨不明。 [DVD(字幕)] 4点(2007-06-01 03:08:25) |
3526. 禁じられた遊び(1952)
《ネタバレ》 この作品の中では、戦争も宗教も周辺人物の死もほのかなロマンス的交流も、すべてが少女視点からの素朴な淡いトーンの観察眼で統一されている。その半ば期せずして生まれた奇跡的な融合により、この作品は、多様な解釈と拡がりのある世界を生み出し、後世に語り継がれるものとなったと思う。鳥肌が立ったのは、ラストでついに(しかもさりげなく)発される「ママ」の一声。あそこで少女は何を認識したのか、それまではどのようなことを考えていたのか、物語的な興味は尽きない。もっと分かりやすく泣かせにかかる内容を予想していたのですが、意外に奥の深い作品でした。難点は、少年の家族の描写が妙にコメディチックなこと。あの辺はもっと普通でよかったと思う。あと、やはり、邦題とテーマ曲では得をしていますね。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-30 02:46:34)(良:1票) |
3527. バベル
《ネタバレ》 4つのストーリーに共通するのは、言葉や想いがもう少しで伝わりそうなのに伝わらないことに対するもどかしさ、苛立たしさ。そして、一つの出来事を巡ってどこかで互いにごく薄くは関連していながら、そんなことを露知らずに我々は生きていること。そのことを念頭に置いて見れば、これほど分かりやすい作品もない。その中で、落ち着いた描写でじわじわと「ちょっとずつ進んでいく」雰囲気が実に心地よい。ただし、脚本としては、冒頭はやはり説明抜きで銃撃の場面から始まり、そこから遡るべきだったと思うし、東京のセクションは銃がモロッコへ渡ることでつながるのだから、「渡るまで」のものとして構成し、最後は銃を渡すシーンで閉じられるべきだったと思う。あと、ほとんどが横になって呻いているだけの演技なのにこれほどの強烈な存在感を示すケイト・ブランシェットという人は、しみじみ凄いと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-28 01:03:37) |
3528. 赤ちゃんに乾杯!
ミルクやりとかオムツ替えとかの日常生活の場面を地道に描いていて、話を変に拡げすぎていないのが好感が持てる。なんだけど、男同士で怒鳴りあっている場面がやたら多くて疲れるのと、せっかく3人組を用意していながらキャラクターの対比がそれほどなされていないのはマイナス。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-28 00:49:59) |
3529. アイ,ロボット
一直線に最後まで駆け抜けるスピードに溢れており、視覚効果面もなかなかであり、SFアクションとしては悪くはない。ただ、中身はほとんど関係ないとはいえ、「アイ・ロボット」といえばアラン・パーソンズがそれを借用してアルバム1枚作ってしまったほどの作品であり、榊原郁恵も「そうよ、私、ロボット♪」と歌ってしまったほどの作品なのだから、そのタイトルを使う以上は、もう少し哲学的で思索的な部分も期待したかったのだが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-27 23:45:24) |
3530. ブラザー・サン シスター・ムーン
《ネタバレ》 最初の15分くらいは何の話なのかさっぱり分からなかったし、途中でも眠くなるところは数か所あるのだが、やはり、内なる真理に目覚めて冨を捨て去り野に出て行くシークエンスの緊張感、そしてラストの謁見の場面の力強さは強烈。こういうところでポイントをしっかり押さえられると低い点はつけられない。映像も美しいです。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-25 02:42:38)(良:1票) |
3531. ツインズ
《ネタバレ》 シュワとデビートの見た目のギャップというのが最大のウリなのだから、それをきちんと利用したらばんばん笑いがとれそうなものなのに、妙に演出が正統派すぎて、普通の一直線のホームドラマになってしまっている。なので、ちょっと肩すかしでした。ただし、ケリー・プレストンがあんな綺麗な人だったというのはびっくり。●そして再見してやっと知ったのですが、あのクラブのダンスシーン、ニコレット・ラーソン本人登場(!)のヴォーカルを、ジェフ・ベック/テリー・ボジオ/トニー・ハイマスという「ギター・ショップ」トリオが本人登場(!!)の演奏で支えるという、実はとてつもないシーンなのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-24 00:41:47) |
3532. 心みだれて
《ネタバレ》 ちっとも「心みだれて」ないじゃん・・・。ニコルソンとストリープなんだから、どんな男女間の微妙な心の動きとか感情のゆらめきでも表現できるだろうと期待するのに、脚本が全然それについて行っておらず、二人ともあらかじめ定められたレールの上を淡々と進んでいるだけです。大体、100分を通じて二人の間に生じる問題が一方の特定の一人との浮気だけってのも、想像力が貧困すぎる。まあ、脚本がノーラ・エフロンという時点で予想すべきでした。そんな状況でも頑張った真面目なメリルに5点。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-22 02:38:58) |
3533. デッド・カーム/戦慄の航海
《ネタバレ》 もう、突っ込みどころがありすぎてどうしようもないんですが、一番笑ってしまったのは、せっかくニコールが海に投げた鍵をわざわざ取りに行っちゃう犬君。普通、こういうときはペットの動物は何かと活躍するんですが、ここまで分かりやすく足を引っ張る動物も珍しい。オマケに最後はあれだし・・・。ハリウッド・デビューしたての若々しいニコールに3点。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2007-05-21 23:37:17) |
3534. 暴走機関車
《ネタバレ》 単純にはらはらして面白かったです。主人公と所長の無駄に熱い対立図式もよろしい。最後の強引な盛り上げ方にもびっくりしました。ただし、女車掌と脱獄囚が妙にあっさり仲良くなってしまうのは、どうみても変。それと、危機回避ネタの仕込み方については、「新幹線大爆破」の方がはるかに上ですね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-19 01:28:00) |
3535. ワン・フロム・ザ・ハート
単なる恋人同士のドタバタ喧嘩にこんなに金かけてどうするんでしょう・・・。しかも、それによってかえって映像世界がチマチマしたものになっているため、金かけてるのがまるっきりの逆効果なのです。カップルたちのやりとりにも面白みがないので、ラブロマンス映画としても存在意義はあまりありません。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-18 01:31:35) |
3536. ノーマ・レイ
《ネタバレ》 労働運動の尊さ、団結することの価値を高らかに讃美してみせたという志の高さだけで、低い点はつけられない。ストライキの発生原理についてまで話に即してさりげなく見せてくれるのだから、さらに好印象です。ノーマが「UNION」の札(それもただの手書き)を掲げて立ち上がり、延々と続く機械音の中、1人ずつ労働者が機械を止めていくシーンは、映画史上屈指の名場面だと思います。ただし、終盤までは少数の協力者で頑張っていたのに、最後はいきなりみんなで大喜びしていたのは、若干違和感がありました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-15 01:07:41) |
3537. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 何と、あれだけの空間設定と時間設定(わずか1日の話)の中に、これだけ多くの要素を凝縮してみせた手腕にびっくり。最初はひたすら塹壕とその近辺を舞台とする心理ドラマかと思っていて、国連やらマスコミやらが出てきたときは、話拡げすぎでは?と思いましたが、終わってみれば、見る者を突き放すラストとして結実しています。舞台劇でもできそうですね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-14 02:09:07) |
3538. 五月のミル
《ネタバレ》 ちょっと変な人たちがとぼけた会話を交わす雰囲気は嫌いではないのですが、前半などは意味が分からないシーンがたくさんあって、内容についていけませんでした。ただし、何事もなかったようにほのかな寂寥感を漂わせて終わるラストはなかなか印象的。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-05-13 22:50:20) |
3539. 炎の戦線エル・アラメイン
《ネタバレ》 妙に生活感の漂っている前半の戦場描写が、全体の作品のカラーの描出に効果的に機能しています。登場人物は誰も活躍などしません。ひたすら敵を警戒し、攻撃に備えて待機し、上からの指示に振り回され、武器と水の不足に悩み続けます。そしていつしか誰からも見放された存在になります。戦場というのはそういうものです。砂漠をほとんど放浪状態でのろのろ進む一隊、英軍の包囲にのろのろ投降する兵士たち、そして余韻と解釈を残すラストの別れなど、強烈な印象を残すシーンも多数あります。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-13 11:56:19) |
3540. コンフェッション(2002)
かりにCIA云々が本当だという枠に乗ってあげるとしても、どこがポイントなのか分からない地味で平坦な作りはいただけない。ところどころのドキュメンタリー調のインタビューも余計。気合と雰囲気だけは評価してこの点数。 [DVD(字幕)] 4点(2007-05-12 23:15:44) |