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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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341.  イン・ザ・カット
サスペンス仕立てにはなっているけど、最後くらいしかサスペンスだとは思わなかった、舞台はサスペンスでも「女」というテーマにこだわって描こうと努力している姿が見受けられる。 女の色とでも言うべき「赤」にはかなりこだわっている。 ただ「女」の本質を描くのは難しいのだろうか、そのため捉え所のない映画になってしまったが、「女」の本質は事実捉え所のないものだからしょうがないか。 ベーコンの役どころは全く大したことないけどカメオっぽい感じではないかな。
6点(2004-06-25 15:16:51)
342.  真珠の耳飾りの少女 《ネタバレ》 
一枚の名画から、隠されたストーリーを妄想するという試みはとても面白いと思う。原作者は名画「真珠の耳飾りの少女」から、画家(家主)とモデル(使用人)の禁断の愛を導き出したようだ。この二人は決して認められる関係ではない。もし、使用人に手をつけてしまったら、ライフェンと同じように悪名が噂されてしまうことになる。画家としては、致命傷にもなりかねない。 また、6人(まもなく7人)の子どもをもつ父として、嫉妬深い妻をもつ夫として、家庭を実質的に支配し厳格な威厳を醸し出す姑をもつ立場の弱い夫として、使用人を愛することも、使用人に手をつけることができない。そんな苦悩が、寡黙なフェルメールからはしっかりと感じられた。使用人のグリートも、同様に画家フェルメールに魅力を感じていたが、使用人という立場や、男を誘惑する術を知らないことから、どのような対応をとってよいか分からない感じをヨハンソンが熱演していた。 愛を成就できない彼らが選んだ方法は、「描くこと・描かれる」ことだ。肉体的ではない、精神的な意味での愛が描かれている。描くこと、描かれることで、お互いの気持ちを確かめ合った。「心まで描くの?」という言葉には、グリートのフェルメールを想う気持ちを見透かされてしまったことを表している。それをフェルメールが描くことで、彼女の愛に応えたのだろう。画を描く際の二人のやり取りにも、付加的な意味が加えられている。頭巾を取れというのは、「服を脱げ」と言っているのと同じような意味をもっており、グリートが頭巾を取る様子をフェルメールが覗き見しているのは、着替えのシーンを覗いているようなものである。ピアスの穴を開けるシーンは、他のレビュワーが言われているような意味があることは言うまでもない。若いグリートが、精神的な愛に満足できず、キリアンマーフィーの下へ駆けつけ、肉体的な愛を求めたのは、まさに代替的な意味をもち、フェルメールとグリートの関係が精神的な愛であったことの裏返しに過ぎない。 フェルメールのアトリエ前で別れを告げようか悩むグリートの姿は美しい。一方、フェルメールはじっと待ち構えるしかなかった。彼は誠実な対応は取れなかったが、愛の証として、真珠の耳飾りをグリートに送ったのは、唯一の誠意だろう。 なかなか面白いストーリーではあるし、フェルメールの絵画を切り取ったかのような演出方法は素晴らしいの一言である。
[映画館(字幕)] 6点(2004-06-25 14:41:23)
343.  デイ・アフター・トゥモロー
映像だけに金を払える出来かと言えば、まあなんとかアリなレベルでしょうね。 ニューヨークに大津波を襲うシーンなんかはCMで何度見せられたとしても大スクリーンで見れば鳥肌モノだし。 千代田区には思いっきり引きましたが。  エメリッヒなんでストーリーについて文句を言うのはおかしいのかもしれないけど、もっとベタベタに息子のために親父は死ぬみたいな展開で家族愛をテーマにしても良かったと思われる。  自分には親父の救出プランがあまり理解できてなかったため、いったい徒歩で歩いていって、そこからどうやって皆を救うつもりだという思いが消えなかった。 そのため、二人の再会にもイマイチ感動もできんかったな。 親父が呼んだからヘリが来たんだが、天候が回復しなかったらどうするつもりだったんだ。 そもそも最初からヘリで行けば良かったんちゃうんかとツッコミを入れたい。  それにしてもストーリーがないから無理やり強引に話を作り過ぎている気がする。 特に理由も無く救出隊を三人にして一人を殺したり、どうでもいい所で怪我をして敗血症を起こし、やむなく薬奪取のためのストーリーを作り、そのために船を持って来てオオカミを野に放つという訳の分からん強引なストーリー。  クイズの仲間を含め図書館の仲間たちも個性が全く無いため、キャラクターが生きていないなどの文句もあるけど、観ているこちらも体が冷え切るような思いを感じ、観終わった後の夜の暖かい風が妙に心地良かった。 それだけ映像にチカラがあったと言えようか。 しかし、この映画を観ても、地球の温暖化をなんとかしようとはモーニング娘でも思わんだろうな。
6点(2004-06-25 14:29:20)(笑:3票)
344.  みなさん、さようなら(2003)
アカデミー賞に値するかどうかと言えば、疑問だけど、 自分の最後の瞬間に、くだらない事をしゃべって、笑いあえる仲間がいて、手段はどうであれ自分のために骨を折ってくれる息子がいて、自分のために泣いてくれる娘がいる。  そんな人たちに見守られながら、そして最後の最後に太ももの記憶が蘇るレミの人生は恐らく幸せだったんだろうと思わざるを得ない。  何かの続編だとは知っていたけど当然前作など見ているはずも無く、フランス語のカナダ映画はヨーロッパ映画のような雰囲気であまり自分の肌には合わなかった。  ただ、人生、老い、死について、色々考えさせられる点も多かった。
6点(2004-06-07 23:41:53)
345.  オー・ブラザー!
映画館で初めて観た時は面白かったと感じたけど、久々に家で観るとそれほどでもないかという映画だった。「バーバー」とかは逆に二回観た方が面白かったんだけど。 ジョージクルーニーのポマードをこよなく愛し、とぼけた感じの表情が面白い。本当の宝とは120万ドルではなくて妻であり娘たちであり、家族であるというストーリーがあまり感動的には描かれてなかった。 タトゥーロともう一人も確かに旅には欠かせない仲間なんだが、友情というか、出番というか、キャラクターの必要性がそれほどなかったような気がする。 その他に随所に感じられる「神」や「宗教」といった匂いについてどう感じればいいのか難しい。 最近、神から目をそらしてないかというメッセージにも感じられたが。 結論としては、神話をよく知らない我々はあまり何も考えずに音楽や風景に酔いしれ、奇想天外なロードムービーを楽しむというのがいいのかもしれない。
6点(2004-05-27 22:12:04)(良:1票)
346.  ズーランダー
とにかく絶妙な音楽センスが素晴らしい。 ガソリンスタンドは最高だが、パソコンもかなりツボにはまる。 キメ顔も観客にも「全部同じやんけ」と最初に突っ込ませて、最後のオチに使うのもなかなか上手い。 ベンスティラーが監督や脚本までやっているとは思わなかった。 
6点(2004-04-20 20:51:35)
347.  N.Y.式ハッピー・セラピー
予想通りストーリーは全くたいした事はなく、自分と向き合い、自分の性格をいい意味で改善するというメッセージ性も一応あることはあるという程度ですが、見所はいくつかある、ニコルソンの怪演と豪華な俳優陣とカメオとウエストサイドストーリーの曲だけは評価できるでしょう。 
6点(2004-03-22 23:34:15)
348.  アドルフの画集
画家としての道と政治家としての道の岐路に立たされたオトコの人生をもっとドラマティックに描いたほうがいいのではという気がした。 どうせマックスなんていう人間は架空な人物だし、あのバーでもし会っていたらこのオトコの人生がどう変わっていたか? あの画集にはどういう未来が描かれていたか? というような想像を掻き立てるドラマティックなラストに繋がる演出が望ましかった。 どうも自分の演説により自分の画家としての道がふさがってしまった悲劇がこちらに伝わってこない。 マックスも架空な人物なので思い切って、戦争により片腕を失い画家としての道が閉ざされてしまった挫折感を満たすために、ヒトラーに自分の未来を重ねていき、自分の内面を見つめさせることにより眠っていた悪魔を起こすような結果になったという世界を描いた方が自分的には良かった気がする。 ヒトラーを美化することが出来ないという風潮がやや中途半端なものにしてしまったのかもしれない。
6点(2004-03-04 00:05:23)
349.  ミレニアム2 火と戯れる女 《ネタバレ》 
原作は当然未読。 ストーリーの進行を追っていけば、それほど飽きることはない。 しかし、前作での見所であったミカエルとリスベットの絡みがほとんどないので、前作に比べると何かが物足りなく感じられる。 また、事件の追及方法も極めてシンプルであり、天才ハッカーという設定の割には驚くべき手法が用いられるわけではなく、この点に関しては面白みには欠ける。 さらに、肝心のオチや黒幕ザラの正体にもビッグサプライズもなければ、派手な展開が待ち受けているわけではない(壮絶さはあるが)。 全体的に、たんたんとした展開は飽きるほどではないが、やや冗長にも感じられた。 2件の殺人事件や少女売春事件もなんとなく有耶無耶に置き去りとされてしまっており、“核”がボヤけている事件を注視するのはやや疲れてしまった。 ただ、複雑そうにみえるストーリーだが、非常にシンプルかつオーソドックスな作りの上に、字幕等でキャラクター説明をしているので、ストーリーを追うことに困ることもない初心者向けの作りとなっている。 第三章の法廷篇にどのように繋がっていくのか、ハリウッドでどのように味付けされるのかは楽しみだ。 ハリウッドでは本作と同じように製作されることはなく、もっと手の込んだものとなるだろう。 それにしても“火と戯れる女”とはどういう意味だろうか。 “銃弾を受けても死なない女”“バイクに乗る女”“土と戯れる女”の間違いではないか。
[映画館(字幕)] 5点(2011-04-16 12:45:22)(良:1票)
350.  GAMER ゲーマー 《ネタバレ》 
予告編に斬新さを感じたので、鑑賞してみたが、このゲームはいわゆるクソゲーという奴ではないか。 ルールも設定も不明瞭なゲームにつき合わされるほど、つまらないものはない。 銃弾を避けながら、銃をぶっ放してセーブポイントに向かい、そのキャラクターをどこかにいるプレイヤーが操作するというゲームだが、ゲーム自体には盛り上がるようなものが全くない。 そもそも全体的に何かが足りないと思われる。 ユニークな世界観ではあるが、世界観が十分練り上げられていないということが最大の問題か。 一生懸命に考えても矛盾だらけになりそうなので、あえてマジメに作り込んでいないのかもしれない。 本作には中身がほとんどないので、個別具体的なことを論じても意味はないと思われるので、それは避けたい。 映像はなかなか凝ったところもあるが、どこかで見たことがあるものばかり(確信的に「ブレードランナー」を意識しているところはある)。 設定やストーリーも陳腐で使いまわされたものばかり。 なんだかんだで最後は娘を取り返すというありきたりな落としどころとなっている。 映像はユニークなところがあるので、これがミュージックビデオならば評価できても、映画としては高い評価をするのは難しい。 しかし、ときたまクレイジーさやエログロさが良い感じまで振り切れたシーンがあるので、捨て切れないところはある。 ゲロなどで車を走らせる辺りや、いきなり踊り出すところなど、見所はあるので、もうちょっと愛すべきクソゲーになって欲しかったところだ。
[映画館(字幕)] 5点(2010-12-07 22:53:03)
351.  Sweet Rain 死神の精度 《ネタバレ》 
原作は未読。伊坂作品のいかなる作品の1ページも読んだことはない。 原作未読のためか、終始ズレを感じてしまった。 47年近い時間のズレを製作者は懸命に表現しようとしたのかもしれないが、それが上手くマッチしてないという印象。 難しいところだが、時間のズレなどは思い切って無視して演出してもよかったのではないか。 詰まらないことに監督はコダワリを持ったようであり、観客からするともっと他の事をきちんとして欲しいと言いたくなる。 また、ステレオタイプ型の表現が多く、それが違和感を与えているばかりか、全体的に表面の部分をすくったようにしか思えないために深みを感じられない。 さらに“死”を問い切れていないように思えたので、高く評価することはしにくい。 死神の立ち位置も曖昧のような気がした。 死神よりも、ある意味で藤木さんの方が達観しているのには違和感を覚える。 ラストでは成長しているようには感じられるものの、死神としての成長を描くということも重要なことではないか。 死神は全てのことは知っているが、人間の感情を理解していないということといった設定を付加するとよかったかもしれない。 そういう意図は込められていたようだったが、雨が止まないのは、死神としての途中の状態であり、人間の感情を理解して初めて一人前の死神になれるというようなことでもよかったか。 一人の女性を描くのならば、『なぜあの時に殺さなかったのか』ということをもう少し問うてもよかっただろう。 生き続けることによって、不幸で苦しい思いをしたことは間違いないが、生き続けることによって、素晴らしい経験もできたということを藤木さんに伝えてもよい。 映画内では、藤木さんの方で自己解決してしまっており、死神をただの使い走りにしているのはちょっと違うのではないかという印象。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-05 23:31:21)
352.  サロゲート 《ネタバレ》 
素材は悪くないが、煮込み具合が足りず、全体的に中途半端な仕上り。ディズニー映画らしく変にマジメっぽく説教臭いところは個人的には嫌いではないが、アクションとしてもサスペンスとしてもSFとしても物足りない。科学技術の発達に伴う人間性の喪失、夫婦の絆の回復を描いたヒューマンドラマ的テイストが盛り込まれており、それがいい意味での裏切りとはなっているが、上手くハマっていないところがもったいない。土台よりもメッセージの方が大きすぎて、バランスを欠いている。 サスペンスがメインの作品ではないにせよ、伝道師の正体、殺人事件の真相、両黒幕の存在などの見せ方に工夫がないのではないか。ただ、ストレートに“事実”を伝えるだけというのはあまりにも無策。例えば、伝道師が殺された際に、伝道師の正体をあの場面においてわざわざ見せる必要があっただろうか。伝道師が殺されたと観客にミスリードさせておいて、博士の家に着いた際に再登場させてネタ晴らししてもよいはずだ。刑事の相棒の女性についても乗っ取られたことをあからさまに見せるよりも、終盤まで観客に違和感を与えておいて、ラストにネタ晴らしすることで観客に驚きを与えることもできたはずだ。事件の真相についても違和感が残る仕上り。特殊かつ貴重な銃を殺し屋に渡しておいて、依頼主がその殺し屋をきちんとフォローしないという展開が許されていいのか。 また、「サロゲートシステム=悪」という単純な図式についても違和感があるところ。 “痛み”を感じないように殻に閉じこもっているところに問題があるが、生身の体になれば心の痛みに対して向き合えるかというのは分からず、擬似体だからこそお互いの気持ちに素直になれるということもあるはずだ。ネットやメールの方が素直に自分をさらけ出せるということがあるだろう。 よくよく考えると、「サロゲートシステム」の恩恵を一番受けていたのは、ブルース・ウィリスが演じた男だったのではないかとも思える。本気で妻と息子の死について向き合いたければ、初めから扉を蹴破って妻と話せばよいはずだ。妻が「サロゲートシステム」に閉じこもったことによって、ブルースは子どもの死や傷ついた妻と向き合うことから逃げることができていた。現実と向き合っていそうで、現実から目を背けていたのはブルース本人だったという気がしてならない。だからこそ、ラストの決断に繋がったのだろうが。
[映画館(字幕)] 5点(2010-01-28 23:29:30)(良:2票)
353.  2012(2009) 《ネタバレ》 
ステーキを食べようと思ったら、ステーキじゃなくてコンニャクだったというような映画。エメリッヒに期待するほうが間違いなのかもしれないが、物足りなさを覚える。壮絶な映像も見慣れてしまっているのか、期待していたほどではなかった。 ただのパニック・ディザスタームービーを作るのではなくて、人類が滅亡する際にいったいどういう光景ややり取りが見られるのかというリアルさがあるヒューマンドラマを製作したいというような狙いが見られるが、上手く成功したとは思えない。 ヒューマンドラマを作りたいのならば、きちっと“核”を設定しないといけない。本作ならば、“主人公たちが本当の家族になる”ということだろうか。離れて暮らす息子たちと本当の“絆”を築けた際には評価される感動作になることができた。父親のことをあまり好きではない息子がなんとなく父親と打ち解けて、なんとなく父親を助けようとしたのでは“感動”は生まれないのである。父親に対して激しく反発する中で、父親の良さや父親からの愛情を再認識して、嫌っていたはずの父親を最後は自分の命を捨てようとしてまでも助けようとするところまで彼らの絆が成長しないと面白くない。本来ならば、家族や息子を助けるために主人公が死ぬということが感動的な落としどころだが、そういうオチに持っていくことが難しくなるほど、本作は煮詰まっていない。本作では多くのキャラクターが死んだが、はっきり言って効果的かつ感動的に描けたものがほとんどなかったような気がする(評価できるのはロシアのオヤジくらいか)。誰かのために何かをして“死ぬ”という人間の美しさが伝わってこない。 また、何かしらの“悪”というスパイスが必要ではないか。人間の敵は自然ではなくて人間という落としどころにもなる。金持ちのロシアのオヤジと科学者の上司のような男の二人が“悪”の候補者になり得たが、どちらも存在感を発揮したとは思えない。人間というものは生き残るためには、誰かを犠牲してもいとわないという考え方もあるので、人間の浅ましさをも描いた方がよい。その方が、人間の美しさも引き立つだろう。いずれにせよ、困難にぶち当たった際に一致協力して立ち向かおうという人間の姿を描く濃密なヒューマンドラマか、自分だけが助かりたいという人間の醜さが招く悲劇か、何かしらのものを描かないと本作のような中途半端な作品になってしまう。
[映画館(字幕)] 5点(2009-11-21 22:49:19)(良:1票)
354.  ココ・シャネル(2008) 《ネタバレ》 
「アヴァン」と併せてみると、シャネルの人生・生き様がより理解できる。本作はココ・シャネルの歴史を描き、「アヴァン」はシャネルとして成功するまでの内面が描かれている。「アヴァン」が“陰のシャネル”とすれば、本作は“陽のシャネル”といえるかもしれない。数多くの苦労や失敗は描かれているものの、基本的にはいずれも好意的に解釈されており、美化されているように思われた。内容面については同じことを描いているが、同じ人間を描いたとは思えないほど、この2作の内容は異なっているようにも感じられる。 しかし、波乱に満ちた一人の人生を2時間程度で描き切ることはできないのも事実。どちらもが本当のシャネルでもあり、どちらもが本当のシャネルではないのかもしれない。「アヴァン」はそれほど面白いとは思わなかったが、個人的には「アヴァン」の方が好みだったようだ。映画としての質は「アヴァン」の方が数段優れている(もっとも本作はテレビ用として製作されたようなので比べようもないが)。「アヴァン」を観なければ、本作をもうちょっと高く評価したかもしれない。 ただ、ココ・シャネルという生き方を理解しやすいのは文句なく本作の方だ。ココ・シャネルという人間を全く知らない人にはこちらを薦めて、ココ・シャネルの生き様をよく分かっている人には「アヴァン」を薦めたい。 ココ・シャネルという人物の歴史を知るには、本作の方が適しているが、その描き方はどこか表層的だ。バルザンやカペルとの愛情、親友やマルコムが演じた男との友情といった人間関係に深みがない。カペルとの関係は「アヴァン」よりも時間が割かれており、よりよく理解できるが、「結婚する」「別れる」といった二面でしか捉えられていないので、やはり「アヴァン」の方が深いといえる。突然、復縁を申し出る辺りも“映画の流れ”の上でスムーズとは思えない。事実通りに継ぎ接ぎをしていっているようなので、その辺りに歪みが生じている部分があるようにも思える。 マクレーンは文句のない迫力・存在感を発揮している。カペルとともに作り上げた“シャネル”というブランド及び服飾に対する情熱、自分自身に対する自信が感じられる。しかし、若き日のシャネルを演じた女優はオドレイほど深みのある演技をみせることはできていない。オドレイやマクレーンと比較さえしなければ、文句のない演技なのだが、相手が悪すぎたようだ。
[映画館(字幕)] 5点(2009-10-24 22:04:36)
355.  ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT 《ネタバレ》 
最新作が公開される関係で、期待値ゼロでやむを得ず鑑賞。 どんなに酷い作品が待っているのかと思ったら、意外と普通に見られるレベルといえるかもしれない(もっとも高い評価はできないが)。 クルマについては詳しくないので、アクションの凄さのレベルがよく分からないが、ボケッと眺めていればそれなりに飽きずに楽しむことができた。 ラストのレースも意外ときちんと仕上がっているのではないか。 ヘンテコな日本・東京が描かれるのは、突っ込む方が野暮といえるかもしれない。 カーアクション作品や犯罪モノなので、必ずしもリアルな東京を描かれる必要はない。 むしろ、「ウワバキ」などの謎のやり取りや「学ラン姿のアメリカ人」を楽しむことができるので、ヘンテコさが一つの売りともいえるのではないか。 リアルで精緻な東京が描かれたら、それはそれで面白みが減ると思われる。 ストーリーは「トップガン」や「ベストキッド」の流れを汲むような“基本”に忠実となっている。 『友情や恋愛を絡ませながら、友人の死や挫折を経験して、それを乗り越えてライバルを倒す』という王道路線が描かれている。 しかし、友情、恋愛、挫折の乗り越え方もいずれも中途半端という印象。 メインがカーアクションとはいえ、もうちょっと工夫しないと良作にはなりようもない。 “GAIJIN”も有名なので単語だけ使ってみましたというレベル。 あまりこれに関わりすぎると、メインが疎(おろそ)かになるので、バランスが難しいが、やはり何か物足りない仕上りだ。 外人としての孤独や疎外感を描きながら、“クルマ”を通しての外人と日本人との交流・融合といった視点を付加してみると、もっと評価できる作品に仕上がったように思われる。 これでは、あえて東京を舞台にする必要があったのかいうほどのレベルだ。 鑑賞前は北川景子がそれなりに重い役柄を演じているとずっと思っていたが、まさかここまで空気だったとは思わなかった。 これも収穫といえば収穫だろうか。
[DVD(字幕)] 5点(2009-10-11 00:48:45)(良:2票)
356.  サブウェイ123 激突 《ネタバレ》 
オリジナル未見。 トニー・スコットに関しては、スタイリッシュかつなかなか凝った独特な映像を用いるので好みの監督なのだが、ときたまハズレの作品があるというイメージ。 今回はハズレではないだろうという期待があったが、どうやらハズレだったようだ。 極端につまらない作品ではないが、意外と捻りがなく盛り上がらない作品に仕上がっており、サプライズ感はほぼゼロに等しい。 予測どおりにストーリーが進み、予定どおりにストーリーが終わっている。 “地下鉄”という珍しくユニークな設定の割には“動き”がほとんどなく、地上で人質を取っている場合とさほど大差がなかったのもやや拍子抜け。 “地下鉄”という設定の良さを活かしきれていないように思われる。 “地下鉄”のプロとハイジャック犯との地下鉄を舞台にした頭脳戦が繰り広げられるという類の作品ではなかった。 本作は派手なアクションでもなく、濃厚なサスペンスでもなく、『かつて絶頂を経験した男が何らかの事情でどん底を味わうものの、再び這い上がって、男としての生き様・散り際をみせる』というテーマが本作の根底にあるように思われる。 これらのことはライダーもガーバーにも共通している。しかし、価値観は異なるものの、同じベクトルが向いているはずの二人の“出会い”が上手く表現されていないようだ。どん底を経験したガーバーだからこそライダーの気持ちは分かるはずだ。ライダーの気持ちを察してのガーバーの最後の行動という“エンディング”に向けての盛り上げ方がかなり足りないように思う。ベクトルが同じ方向なのか、それとも相対するものなのか、“家族”や“宗教的な要素”も交えながらまとめて欲しかったところだ。 また、“どん底を味わった”という想いを抱えているのは彼らだけではないはずだ。 不倫疑惑の市長、この事件で名前をあげたいはずのイタリア系の警察官、ガーバーの後釜の管理職、もしかしたら人質の中にもそういう者がいたかもしれない。 このような複雑に絡みあうはずの人間模様がカットされているのはもったいない。 ライダーとガーバー以外はほとんど“空気”と同じというのは良作とは言えないのではないか。 たとえ単純な事件であっても、それぞれの思惑を抱える登場人物が掻き乱すことによって、ダイナミックとなり、豊かで複雑なものとなっていくはずだ。
[映画館(字幕)] 5点(2009-09-23 22:43:04)
357.  カムイ外伝 《ネタバレ》 
原作未読。一度も見たことがない。 邦画作品らしく、マイルドな作品に仕上がっており、極端につまらない作品ではない。 CG丸出しの作品ではあるが、細部には多少こだわっているようにも思われた。 しかし、毒にも薬にもならない普通のアクション作品でしかなかった。 何を描きたかったのか、“本質的”な部分が見えてこない。本作の冒頭及びラストに明確なテーマが示されていたはずだ。確か「抜け忍であるカムイの夢」や「猜疑心・己との戦い」といったことが語られていたと思う。しかし、本作をいくら見ても、これらのことが上手く描かれているとは思えない。 原作を見たことがないので分からないが、カムイの夢とは追われることがなく、争いのない世界で幸せな家庭を築くことではないだろうか。本作の流れを踏まえると、猟師となることもできたはずであり、自分を好いてくれる娘と家庭を築くこともできたはずだ。そういったカムイの夢や希望のようなものが見えてこない。ノドから手を出るほど欲していた夢が目の前にあるのに、カムイからは苦悩や葛藤も何も伝わってこない。 そういったものを欲しないのならば、いったい何のために抜け忍になったのかが分からない。 そして、最も大事なことは「猜疑心・己との戦い」ではないか。サヤカが見た恐ろしい夢のようなものは、本来ならばカムイが見るべきではないだろうか。忍者に追われるということだけではなくて、半兵衛を売った男のように、いつ村人に囲まれてもおかしくないという“恐れ”のようなものが常に付きまとっているはずではないか。そういった“恐れ”や、自分が売られるというような“猜疑心”のようなものをフドウに利用されて、村人全員をカムイが殺してしまうというような展開になってもよかったと思う。 愛した女でさえ、猜疑心ゆえに殺してしまう。どんなに強い者でも、自分にはなかなか勝つことはできないということをクドカン辺りならば、描くことはできたのではないか。 そして最後には、誤りを犯して傷ついても、苦しんでも、どんなことがあっても、人は何かを求めて彷徨い、生き続けなくてはいけないということを描いて欲しかったところだ。“忍者モノ”という現代とは何ら関係のない作品でも、現代に通じるようなものを描いてこそ、優れた作品といえるだろう。
[映画館(邦画)] 5点(2009-09-20 23:57:57)(良:1票)
358.  アマルフィ 女神の報酬 《ネタバレ》 
事件の成り行きを見守ることができるので極端につまらない映画ではない。しかし、面白いとは思えないというのが率直な感想。風呂敷を大きく広げた割には、全体的にこじんまりとしてしまったか。 織田裕二は嫌いな役者ではなくて、むしろ応援している方だ。しかし、好意的に見ても、完全に“黒田”というキャラクターをモノにしているようには思えず、やや中途半端な印象を受けた。彼からは“個性”が見えてこず、“魅力”を感じられなかった。天海に対するいたわりのようなものは、テレビを付けない、間仕切りをする等の行為から読み取ることはできるが、苦悩も悲しみも焦りも苛立ちもなく、感情が伝わってこない。オーバーアクトをしたくないのは分かるが、もうちょっとキャラクターを作った方がよかったのではないか。似たようなキャラクターになるのを避けても、結局つまらない男を演じては仕方がない。本作では、もっと冷酷で“嫌な男”を演じてもよかったか。“任務”を遂行するためには、手段を問わず、汚い手を使ってでもこなすダークヒーロー的なキャラクターでも面白かったと思う。イタリア警察に反旗を翻すようなシーンがあったが、あの程度では弱い。 西谷監督については「容疑者Xの献身」しか知らない。「容疑者Xの献身」では監督としての“個性”がないと評価したが、本作は個性を出しているものの、悪い部分しか顔を出さなかった。全体的にメリハリがなく、のっぺりとしており、やはり好きにはなれない監督だ。本人は“面白い”と思って色々とやっているつもりだろうが、“計算”や“効果”を考えているとは思えないものばかりだ。“誘拐事件”という緊張感のある事件を扱っている割には、肝心の緊迫感も何もない。 “真相”についてもそれほど驚くべきオチというわけでもなく、どこかで見たようなことのあるネタだなと思う程度。当然、テロリストにならざるを得なかった“悲哀”というものも感じられなかった。そもそも、犯人が日本人、対象者が日本人、追い詰めるのも日本人というものを何故イタリアで撮る必要があったのかもよく分からなくなってしまった。予算の無駄遣いをできるのは外交官だけではなかったようだ。テレビ局というところも、どうやら無尽蔵に予算があるようだ。
[映画館(邦画)] 5点(2009-08-09 22:49:00)(良:2票)
359.  トランスフォーマー 《ネタバレ》 
元ネタに関しては知識なし。さすがはマイケル・ベイという映画に仕上がっている。派手さは超一流であり、期待感を煽っておきながら、中身はまるで大したことがない。変型シーンやバトルシーンは多少の見応えがあるが、基本的にはスピードでごまかされているような気もする。マイケル・ベイの映画だから中身は気にしなくてよいが、よく分からない展開が目立つ。きちんと説明されていると思うが、「ダムを捨てて市街地に向かう理由」や「サムがビルの屋上へ行って、ヘリコプターにキューブを持ち込む理由」がまるで分からなかった。「キミはもう立派な兵士だ」という一言で片付けてしまうところが、“さすが”といえるかもしれない(むしろ、このような展開がないと逆に面白さが半減するかもしれないが)。 その他の問題点としては以下のとおりか。 ①『オートボットの個性が中途半端』味方が5体もいるのに、存在感があったのが2体のみというのが寂しい限り。敵も何体かあったのだから、それぞれに見せ場を用意すべきではないか。ジャズが死んでも悲しみも何もないという状態に陥っている。ロボットがぶっ壊れたと思わせるのではなく、観客を泣かせるほどまで描いて欲しい。 ②『バトルが分かりにくく、盛り上がりに欠ける』何と何が戦っているのすら分かりにくい。リアルさを出したかったと思うが、もっと単純でいいのではないか。“良さ”を活かしきれておらず、味気がなく、爽快感がない。ラストのバトルももっとボロボロになるまで追い込まれないと面白みに欠ける。 ③『登場人物が中途半端かつ無駄に多すぎる』音声の分析官と友達ハッカーは、モールス信号などで存在感を示したとはいえ、敵側の弱点を発見するわけでもないので、存在自体をカットできる。タトゥーロも味方でも敵でもない中途半端なキャラクター。敵側に付くか、あるいはキューブのパワーを狙う第三者として、ストーリーをかき回す役柄を担うべきであった。存在感のある演技力をみせていたが、効果的な使い方ができていない。ジョン・ボイトとアメリカ軍の大尉もイマイチだが、そこまで求めるのは酷というものか。肝心の主役のラブーフについては、感情が伝わってこないので、あまり評価はできない。怒り、悲しみ、苛立ち、苦しみ、使命感などをもっと演技で観客に伝えるべきだろう。ミーガン・フォックスの方が、まだ怒りや苛立ちといった感情が伝わってくる演技をしていた。
[DVD(字幕)] 5点(2009-07-05 22:54:13)(良:1票)
360.  ある公爵夫人の生涯 《ネタバレ》 
つまらない作品ではない。「ジョージアナ=ダイアナ妃」とダブらせれば、面白みも増し、基本的には飽きることはなかった。ただ、飽きることのないのは、ストーリーがお昼のメロドラマ級に波乱万丈に満ちているからであり、映画としてのレベルは決して高くない。感情が全く揺り動かされることがなかったという点が最大の欠点となっている。それぞれのキャラクターに対して“深み”を感じさせないので、基本的には誰にも感情移入できず、ただストーリーを追うだけの展開になる。 自分が男だからかもしれないが、ジョージアナに対して、時代や背景を考えると大胆な行動力は感じられるが、愛のない満たされない人生から逃げ出したかっただけなのではないか。チャールズを本気で愛していたのかどうかは分からない。 むしろ、男の自分にはジョージアナよりも公爵の立場がより身近に感じられた。彼も彼なりの愛し方でジョージアナを接していたのだろうと思われる。幼いころから誇り高い貴族として育てられて、世継ぎを産むことが自分に課せられた唯一の使命というプレッシャー下において、一人の男性と一人の女性という関係を築けるはずがない。ストレートに愛情表現することができない男に対して、ジョージアナは理想の愛を求めすぎたような気がする。誇り高い公爵が歩み寄れるはずがないので、ジョージアナがもっと努力をすべきではないのか。友人を屋敷に招きいれたのはジョージアナであり、予期できる当然の帰結に対して非が無いとは言い切れない。 公爵は、ジョージアナが愛人の子どもを身籠ったとしても産まさせるほどの度量の広さを感じる。チカラを使って、連れ戻すこともせず、別れさせることもせず、“子ども達の手紙”を使って、自分の“役割”を再認識させて、自らの意思で戻させ、自らの意思で別れさせるという方法を用いている。ある程度の権力を行使しているが、やり方は実にスマートだ。 最後のパーティーでも、チャールズを会場に呼ぶことを許し、公衆の面前で会話させるというのも彼の度量の広さだろう。歩み寄らない彼女に対して、最後の最後には自分から歩み寄ろうとしている。そういう彼の気持ちを知ったのか、自分の死後にはきちんと公爵と友人との関係を認めているようだ。結局は全てキレイに収まってしまい、見所がさらになくなってしまった。見所はアカデミー賞受賞の衣装とノミネートの美術だけになってしまったようだ。
[映画館(字幕)] 5点(2009-06-06 12:49:59)
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