21. 裏窓(1954)
冒頭、主人公のジェイムススチュアートが何故足にギブスして安楽椅子に座ってるか、そのプロセスと季節もろもろをカメラをパンさせるだけで、全部描ききってしまうヒッチはやはり天才。 8点(2003-10-22 21:12:09) |
22. 隠し砦の三悪人
評論家どもの間では、評価が低いらしいが。「面白い!!!」それで充分である。文句あるか。 8点(2003-10-20 21:11:11) |
23. 生きる
コメディだという指摘は鋭い。でもそのあまりに重いテーマと問い掛けに打ちのめされる。 9点(2003-06-28 01:57:19) |
24. 七人の侍
初めて映画館で見た時、見終わった後、しばらく立てなかった。感動して泣くとかなんてレベルではない。 なにか、とんでもない物を見たという感じ。 ある侍の1日を描こうとしていたのが資料不足から頓挫、日本の剣豪列伝になり、それもボツ。 黒澤監督が「武者修行って何だったんだろう?」と呟き、やがて室町から戦国時代は野武士、野盗の類が跋扈し 村を襲って略奪することがあり、治安が悪かった。だから、そういう村へ行って寝ずの番をする覚悟があれば 腹いっぱい飯を食わせてくれて翌朝干飯を与えて送り出してくれたという古文書の記録から、この奇跡のような映画が動き出した。 時代劇、アクション、悲劇、喜劇、人間ドラマ、群像劇、ラブロマンス・・・・映画のすべてが詰まっていて、そして何よりも エンターテイメントとして完璧。面白くないわけがない。 侍と農民の溝もキチンと描かれ、武士、農民の双方への尊敬だけでなく批判もちゃんと描かれている。 1回2回はただただ面白く、あれよあれよと見てしまうが、見返すとキャメラワークの凄さがまさまざとわかる。 人物と人物が被る場面がワンカットもないことの凄さ。それを望遠でやってることの凄さ。 侍と農民がとる作戦、勘兵衛の「守るだけでは城はもたん。いい城には必ず隙がある」と言う言葉の通り わざと弱点を野武士に教えるという作戦は、表敬訪問に黒澤を訪ねてきた自衛隊の幹部が「アメリカの作戦要務令とまったく同じ内容で 作戦として完璧。実戦で使えます」と驚いたリアリティの見事さ。 神様が作らせたような世界に日本が誇る大傑作。 [映画館(邦画)] 10点(2003-06-28 01:42:46) |
25. 十二人の怒れる男(1957)
これはもう脚本の勝利です。ヘンリーフォンダが惚れこんで作ったらしいですね。12人の座る位置から、何から何まで計算されつくしていて、どこか神様が作らせたような印象さえあります。真実と事実は違うということ。人が人を裁くことの怖さ。陪審制度万歳の映画じゃないんだよね。いや傑作です。 9点(2003-06-01 21:37:59) |
26. ライムライト
ほとんど絶望、そんな気持の中で撮ったんだろうな。諦観、プライド、不安と当時の自分をそのまま描いている。何て正直な人だろうと、そのことに感動した。説教臭いという人いるが、チャップリンのように説教の似合う老人になりたいよ。この映画の中で語られる一言一言が哲学だ。自分の孤独、周囲の無理解、悪意、そういう人間のいやらしさを逃げないで、とことん取っ組み合った果ての結晶がこの作品だ。それにしても、この作品でのチャップリン、何て立派な顔だろう。俺、こんな老人になれるかな・・・・。反省。 9点(2003-05-04 21:41:13) |
27. 道(1954)
綱渡りの芸人がジェルソミーナを励ます場面が大好きです。「小石だって役に立っている。君だって、きっと誰かの役に立っている。この小石が無益だと言うのなら、すべてが無益だ」、この言葉に支えられた人っていっぱいいるんじゃないかな。いまでも時々、無性に見たくなってビデオで見返す。その度に思い知ります。「ジェルソミーナもザンパノも僕らの中にいるんだ」 10点(2003-04-27 21:42:50) |