21. JSA
終盤にさしかかるまでソン・ガンホ演じる北朝鮮兵士がホンモノの破壊工作員だと信じて疑わずに見ていたので、すべてのシーンで裏ヨミしてしまい、まったく感情移入できなかった。私って馬鹿。映画を見るときは下手に予備知識を入れないほうが良いと思っているが、たまにはこんな大ボケもかまします。しかし、そもそもなぜ私がそんな勘違いをしたかといえば、設定に無理があったからではないだろうか。手紙の受け渡しのシーンなど「絶対無理!そんなことやったらバレるって!」と思ってしまう。作品のテーマは良かったので、その点を評価してこの点数。 5点(2004-02-29 05:29:09) |
22. ダンテズ・ピーク
パニック映画の定石を踏みすぎていて、結末が読めてしまうのは痛い限りであるが、「心臓が弱いのでパニックものは見られない、けど見たい」という人にはお勧めかと…。またはパニックもの初心者とか…。 5点(2004-02-29 05:04:24) |
23. サタデー・ナイト・フィーバー
ディスコキングが踊り狂う映画だという先入観を持って見たのだが、ストーリーは想像以上に良かった。不景気による先行き不安、戦争の影、現実から逃避する若者など、現代社会と通じる部分が多く、古い映画なのにテーマは古さを感じさせない。若者と社会の乖離は映画の不変のテーマだな、と改めて認識した。ただ、70年代のファッションやら流行やらに、どうしようもない気恥ずかしさを覚えた。自分の親の世代が「フィーバー」しちゃってたのか、とかリアルに考えると、妙にこっぱずかしいぞ。これが50年前だと「歴史」になっちゃうから新鮮に見られるんだが…。20年後に改めて見たら点数上がるかな? 5点(2004-02-28 01:01:43)(良:1票) |
24. 陰陽師
同じ平安朝を描いた作品「千年の恋―ひかる源氏物語」の千倍良かった。野村萬斎さんの演技は最高だった。それだけで5点です。欲を言えば、もっと原作の持つ"おどろおどろ"した雰囲気が出ていればなぁ。 5点(2004-02-25 22:11:21) |
25. マジェスティック(2001)
この映画、基本路線がファンタジーなんですよね。そのことを知らずに見るとイタい映画だけど、ファンタジー映画だと思ってみると悪くない。ジム・キャリーのヘタウマな演技(けなしているのではなく、誉めている。コミカルな演技と言い換えてもいい)がファンタジックな雰囲気にピッタリはまっていて、私はその点を評価する。気になったことは、ファンタジーとアカ狩りの食い合わせが悪いこと。それと、当時の田舎のアメリカ人がアカ狩りの対象になった人物をああも暖かく迎え入れるはずがないじゃないか、ということ。アメリカ人のアカ嫌いは、すごいもんがありますからねー。ましてや時代は50年代。疑惑がかかっただけで白眼視ですよ、きっと。 5点(2004-02-24 23:46:05)(良:2票) |
26. ラスト サムライ
風俗考証がなってないとか、史実と違うとか、細かいところは「これは日本で製作された映画ではない。ハリウッド映画だ」ということで潔く諦める。が、それにしてもこの映画はちょっと…。片一方がサムライで、片一方が官賊というのはストーリー製作上のご都合主義でしかないし、そんな勧善懲悪でサムライを語られても説得力がない。サムライとサムライのぶつかり合い、これならば映画化する価値があったと思う。明治政府の中心人物にもスポットを当て、そのサムライ魂を描いていたら、もう少し点数高くできたのだが…。もちろん、政府高官になるにしたがって卑属に落ち、自分の権力を守ることに汲々とした人物はいた。だが、新国家建設に燃えていた明治初期、官側にもサムライ魂を持った人々がいた事実を忘れてはならない。また、当時の歴史背景に目を向ければ、日本政府は列強の食い物にされぬよう、富国強兵策に必死だった。もし内戦続きだったら、日本はそれこそアメリカあたりの植民地になっていたかもしれず、それを無視した勝元は狂信的な国粋主義者にしか見えない。民間人による近代的な軍隊の創設を目指した日本政府が、武士階級にのみ与えられる特権(武器を持たせる)を認められなかったのもムリはなかったのでは?勝元は、武士の力だけで列強諸国から日本を守りとおせると思ったのだろうか?更に、官軍側悪役の名前が「大村」という名前だった。大村といえば私は素直に大村益次郎を連想するし、映画の大村の人物設定は明らかに大村益次郎を意識している。大村益次郎は、日本の軍隊に近代化に貢献し、狂信的な国粋主義者達に暗殺されてしまう人物であるが、戊辰戦争のとき、江戸の町が戦禍に巻き込まれないように充分に気を遣って作戦を練ったというほどの知略の人。映画の大村とは似ても似つかない。架空の物語だと言うのであれば、特定の人物を連想させる名前は使わないで欲しかった。ストーリーは悪かったが、渡辺謙の演技はホントに良かった。セリフは少ないけど存在感たっぷりの真田広之も良かった。小雪も(役の設定に問題はあったが)良かった。トム・クルーズも頑張っていた。というわけで、役者さん達の熱演にこの点数。 5点(2004-02-24 00:30:56)(良:3票) |
27. 八甲田山
春の八甲田山のフラッシュバック、子供の頃のあり得ない回想シーン、雪山の仮死体安置所なのに加賀まりこがきちんと喪服を着ている点など、今見ると70年代日本映画の演出過剰が鼻につくが、雪山の映像は迫力満点。真夏に見ると体感温度が3度は下がる。真冬には見てはいけない。 5点(2004-02-23 21:56:20) |
28. サハラに舞う羽根
主人公の行動の動機が描き切れていないため、消化不良な内容になっている。原作ではその行動の背景について、丁寧に書き込んであるらしいのだが…。この時代のイギリス軍、及びその戦闘シーンが描かれている点がちょっと珍しかったので、ちょっぴりオマケのこの点数。 4点(2004-02-27 22:47:45) |
29. ギャング・オブ・ニューヨーク
テーマは悪くない。映像も凝っている。なのになんでこんなにつまらない映画になっちゃっているのか、考えに考えた。1.アムステルダムが復讐心を内に秘めているように見えない。生活の方便としてビルに接近したとしか見えず、あの映画のどこに内なる復讐心があるのかわからないため、復讐心と、ビルの人間性を垣間見てしまったことによる葛藤が感じられない。以上の理由から肝心のビルに刃向かう場面に緊張感が感じられない。2.アムステルダムにギャングのボスになるだけの人間的魅力を感じないため、ギャング達が彼のもとに集結する場面が嘘臭くなっている。3.妙なラブ・ストーリーを絡めたことで、下手をすると嫉妬心からビルに刃向かったように見えてしまう。脚本が悪いのか、演出が悪いのか、キャスティングの失敗か…。私は、レオの演技が下手だから、と言うよりは、キャスティングを間違えたと見る。レオは「ボスのお気に入りの若手組頭」というあたりがハマり役。決してナンバーワンに登りつめることのない、それゆえにボスのお気に入りっていうかんじの。 4点(2004-02-24 23:57:14) |
30. デアデビル
アメコミ、ダークヒーロー物としては、バットマン>スパイダーマン>デアデビル、かな?コリン・ファレルを見るためだけに見たので、その点においては裏切られませんでした。というわけで、コリン・ファレルに4点献上します。 4点(2004-02-22 22:05:05) |
31. マトリックス レボリューションズ
マトリックスで膨らみに膨らんだ期待が見事に粉砕された。前二作で話を膨らませるだけ膨らませておいてこの結末とは。あまりのショボさにがっかり。また、映画の内容とは直接関係ないが(間接的には関係あるが)、ザイオンが襲撃されるシーンで目が回ってきて、見終わって席を立った瞬間、貧血を起こして倒れた。映画館で倒れたのは生まれて初めてだ。とりあえずストーリーに決着がつき、もうこれ以上マトリックスの世界に振り回されずに済むので、この点数を献上しておく。 3点(2004-02-29 06:08:55) |
32. 硫黄島の砂
二次大戦終了後、アメリカで海兵隊不要論が席捲し、それに抵抗するために作られた映画だそうで…つまりそういう映画。戦闘シーンはわりと丁寧に描かれているが、一人のヒーローによって語られる戦争映画ってのがどうも性にあわず、私はダメだった。これを見るきっかけになったのが「硫黄島の星条旗」という、硫黄島に星条旗を揚げた青年達のその後を追ったドキュメント本だったので、余計に点数が辛くなったのかも。やっぱりドキュメントのほうが迫力があります。 3点(2004-02-23 21:17:36) |
33. 突入せよ!「あさま山荘」事件
原作を先に読んでおり、警察官僚の視点からしか語られないのは解っていたので、まぁこんなものかな?という予想の範囲内の出来だった。やっぱあさま山荘事件はドキュメントとして読むなり、見るなりしないと辛いのかもしれない。映画として致命的なのは、セリフが聞き取りづらいこと。DVDの字幕を見てやっとなにを言っているのか解ったシーンが多数あった。 3点(2004-02-23 21:06:38) |
34. 英雄の条件
タカ派映画が性に合わないのは見る前からわかっていたので減点対象にはしないが、「壁に残る弾痕を調べればどっちの方角から発砲されていたか判るんでないの?」という素朴な疑問が終始頭を離れず、ストーリー進行そっちのけで冷めた。戦闘シーンにはそこそこ迫力があるので、その点は評価できる。 2点(2004-02-29 15:47:49) |
35. 千年の恋 ひかる源氏物語
この映画のなにがダメって、全部ダメ。風俗描写(衣装、建物、内装、入浴、出産、婚姻等々)は嘘だらけだし、ストーリーは源氏物語からも紫式部日記からも逸脱している。映画を見た時は、私と友人(大学で平安朝の文化史を専攻した私と、大学院で源氏物語を研究する友人が2人連れで映画館に行った)が、なまじっか平安朝の研究をしていたために、専門知識が邪魔をして、この映画の面白さを理解できなかっただけなのかと悩んだが、皆さんの評価を見ると「やはりこれは駄作であった!」と決めつけて良さそうで、いやぁ安心した。天海祐希さんの所作はさすがに美しく、その点だけでも評価したいのだが、その他の内容がひどすぎて、どう頑張っても1点も出せません。 0点(2004-02-25 22:53:31)(笑:2票) |