21. アルキメデスの大戦
《ネタバレ》 山崎貴監督にしては珍しく人間ドラマ部分も上手くいっている。原作のきめ細かさのおかげだろうか。大きく括ればミイラ取りがミイラになる話なのだが、こうも緻密に張り巡らされたシナリオには目を見張るものがある。 [DVD(邦画)] 7点(2024-09-08 17:43:01) |
22. 幕末太陽傳
《ネタバレ》 ほぼ全てのシーンが一遊郭の中で閉じるような舞台で数多くのイベントがテンポが良く回転。早回しのような速度ながら全ての役者が活き活きと活動。練られた脚本に感心する。とてもじゃないが真似出来そうにない世渡り上手で超明るい中に死の影を漂わせる渋さ。かなり完成度の高い作品である。 [DVD(邦画)] 7点(2024-09-07 16:32:15)(良:1票) |
23. 人生劇場 飛車角と吉良常
《ネタバレ》 いやーびっくり。予想だにしなかったことだが、驚くほどつまらなかった。役者は有名どころが揃っているのだが、いかんせん話がつまらない。かろうじて良い点を挙げるとすれば藤純子のしなる色気ぐらいか。 [DVD(邦画)] 3点(2024-09-07 12:33:47) |
24. さくら隊散る
《ネタバレ》 当時を語る人達が強く感情を高ぶらせるでもなく淡々と記憶を繰り出す様子に何かすがすがしささえ感じてしまう。客観に努めるコマ運びの冷徹さが原爆の惨禍に、戦争をやめない人類の業火に、原爆投下国とその遠因を作った日本国に、さんざめく刃を突き付けているようだった。 [DVD(邦画)] 7点(2024-09-06 19:53:52) |
25. インサイド・ヘッド2
《ネタバレ》 女子中学生の繊細な顔の変化に圧倒された。日本のアニメでは出せない質感だ。アイスホッケーシーンも素晴らしいのだが、完全に想像の世界のはずのインサイドのアイデアあふれる仕掛けや描写が良い。思春期の悩みや葛藤は世界共通な事をあらためて思い知らされた。変に異性への恋心シーンを挟んで来ない所がすっきりしていて良い。シンパイが選択肢を煮詰めすぎてパニくってるシーンは笑ったが、笑うと同時に根っから心配性の私にはあるあるなので、身につまされた。心の中に救ってくれる要素を持っている人は幸せだ。うらやましい。 エンドクレジットで日本語吹き替えに大竹しのぶと多部未華子という女性俳優が混じっていたのに気づいた。声優に交じって全く違和感なかった。 [映画館(吹替)] 7点(2024-09-05 19:14:50) |
26. 狼(1955)
《ネタバレ》 新藤兼人軍団揃い踏み、というかなんか出過ぎな感も。まあ相変わらず味のある映画作りがうまい監督だ。ストーリーとしては、戦後の悲哀に擦り切れていく庶民の悲劇であり、見るに辛いものがある、が、一方映画としてだからどうなのというか、そりゃあ皆きつい時代だったろうしやぶれかぶれにもなるだろうが、エンタメ的にはもうひとひねりほしいところ。 [DVD(邦画)] 6点(2024-09-04 19:40:16) |
27. 母なる証明
《ネタバレ》 むむ、これは推理物としてあなどれない面白さがある。始めはどうでもよい思わせぶりな描写が多く気疲れする。見る事を後悔し始めたちょうど中間から意外な展開でなぞ解きを畳み込む。うまい作りだ。終わってみれば、なぞ解き以外の要素は飽くまで風景程度のものでありあまり考えなくて良いと思った。 [DVD(吹替)] 7点(2024-04-09 09:28:48) |
28. 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編
《ネタバレ》 ガンダムファンではない。当時さほど乗れずほぼ見てない人です。哀戦士編から続けた見たせいかこちらの絵が素晴らしい。サービスショットがえぐいというかそこまでアニメファンに媚びを売るのかと思った。ニュータイプのインフラ傾向は恐れていた通りだった。ついにはとてつもなく巨大なレーザー兵器とか出現し。ドラゴンボールの強いやつインフラと似ていると感じた。切りがない。シナリオの組み立てが良いせいか有名台詞がさらに際立つ。特に、カスであると、がいい。これは売れるアニメだと思った、今更だが。西部劇のような、捨てられた砂漠のコロニーで穴が開いたら誰が塞ぐんだろう、捨てられているのにメンテナンス要員はいるのかと考えてはいけない事を考えてしまった。 [DVD(邦画)] 6点(2024-04-06 14:39:27) |
29. 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
《ネタバレ》 ガンダムのファンではないのでガンダムの基本のキを入力するにはちょうど良かったと思う。絵にやや粗さがあるかな。ストーリーの早送り感は否めない。TVシリーズの感動をそのままという訳ではないのは致し方ないか。あーそれと有名らしき台詞を入力するのにも役立った。 [DVD(邦画)] 5点(2024-04-06 14:21:57) |
30. スイート・チャリティ
《ネタバレ》 Loveに翻弄され Loveに救われる。良い話だが、ただそれだけのためにこれは長すぎる。歌も踊りもさほど素敵に感じなかった。特に煙草を持ったままのダンスシーンはそういう時代だったとはいえ嫌いだ。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2024-04-04 11:13:26) |
31. シークレット・サンシャイン
《ネタバレ》 母子家庭の母が主人公だが、母の心が揺れ動く様子が激しくて、見ているこちら側が転げ落ちそうになる。心痛が大きいのは分かるがそれをあたかも接近レンズで映し取っているような展開ゆえに、どうにも揺れ幅が大きくて、つかみ所がなくなる。映画の視点というか核が一個しかないもんだからそれを叩いて伸ばして叩いて伸ばして一本の映画にしましたって感じ。見ていて疲れが大きくて感動には至りませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2024-04-02 11:09:18) |
32. オッペンハイマー
《ネタバレ》 歯車は回りだしたら止まらない。科学も政治も人類破滅の日も。今もその日に向けて着々と回っている。 長尺だがあまり飽きさせないとは思う。全体的にわかりにくい。まず公聴会のくだりがわかりにくい。登場人物が多めで見分けがつかないというか聞き訳がつかない。セリフだけで誰それがと言われても欧米の人名と実際の顔は対応が付かないよ。またカラーのシーンとモノラルのシーンの使い分けがわからない。誰かの解説に頼ればわかるようになるのだろうが、そうまでしたいとは思わないし、そうしないとわからないのであれば作り方の失敗と言える。ああいう愛人なら私も欲しい。 [映画館(字幕)] 7点(2024-04-01 19:29:36) |
33. ポエトリー アグネスの詩
《ネタバレ》 悲哀のある話だが、映画として面白みが高いとは思えなかった。少年を含め皆芸達者。静かな流れが良い。 [DVD(字幕)] 5点(2024-04-01 19:00:46) |
34. こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
《ネタバレ》 手を貸してくださいと車いすの少年がサポートを申し出るシーンがいいですね。日本は弱者が救援を求めるとなぜか叩かれる恐ろしい社会になってしまった。映画として見た場合、日本の社会の不健全さ未成長以外は大きな悪役はいない、基本的に全員善人なので単調さは否めない。まあひどい出来ではないと思う。 [DVD(邦画)] 6点(2024-03-29 13:26:28) |
35. 哀れなるものたち
《ネタバレ》 猿は道具を得て人のようなものになったという。さて人のようなものは知恵を得て何になるのであろうか。聖書をなぞったといえば確かにそうなのだが、映像や道具立ての意匠がスタイリッシュで多彩な味付けが飽きさせない。ダンスシーンは素晴らしい出来。とはいえ娼館のくだりは長いし、遠慮なしのえぐい描写は悪趣味で気持ち悪い。最後、知恵を得て主人公周辺は社会正義と知識欲に固められ、あっぱれあっぱれめでたしめでたしと見える。しかしその一方、どうも慈愛からは遠ざかったように見えるのは皮肉であり滑稽である。人として生まれた以上どっちに向かってもどうあがいても誰も幸せになれないのかもしれない。 [映画館(字幕)] 7点(2024-03-25 20:18:58) |
36. 悪魔のような女(1996)
《ネタバレ》 不思議と言えば不思議、分かってしまえばあーなるほどねと推理物の王道展開ではあるが、どうも引き付ける力が弱い。コロンボ張りの女刑事がなかなか渋い。彼女の大活躍が始まるかと思った矢先に終劇となってしまい残念。いわゆる最後のどんでん返しに入ったら皆が勝手にべらべら白状し出してしまい、なんじゃこりゃ。女刑事いらねー。 [DVD(吹替)] 5点(2024-03-21 11:02:03) |
37. シン・ウルトラマン
《ネタバレ》 ウルトラマンという素材を使って好きなようにやってくれました。シン・ゴジラの残り香を強く感じた。連作とも言えそうだ。なぜかCGがしょぼい。またCGによる機械的なものの構造が全てシンメトリー過ぎるのが気になった。鑑賞する前に色々批判の声が入っていたが、その割に面白かった。 [DVD(邦画)] 6点(2024-03-20 18:36:59) |
38. 安城家の舞踏会
《ネタバレ》 戦後華族廃止により没落の道を進む安城家の最後の舞踏会を舞台に金策と政略結婚を取り巻く愛憎が渦巻く。舞踏会が始まるまでの背景説明がややうるさい。台詞もややくさいがまあ、よく練られていると言えるだろう。キャスティングもどんぴしゃり、調度品も使用人達もさもありなん。見ようによっては余りにもステレオタイプで、若干だが歴史の教科の副教材を見せられているような気になってくる。とはいえ映画としてまあ駄作ではないと思います。 [DVD(邦画)] 6点(2024-03-17 12:23:11) |
39. 陸に上った軍艦
《ネタバレ》 本作を見るまで新藤監督はてっきり戦地に行ってきた人だと思っていた。しかしまあ行くも地獄、残るも地獄。戦時中はなんでも理不尽ということがわかった。事実ベースで時間軸も単一で小難しい解釈は不要でわかりやすく親切な映画だった。 [DVD(邦画)] 6点(2024-03-17 09:38:40) |
40. ALIVEHOON アライブフーン
《ネタバレ》 昨年見たグランツーリスモに比べ設定が親近感が持て見やすい。今思うとグランツーリスモはSF感に振り切った感があってなんか地に足がついてない。予算規模は全然違うのだが面白さは同程度と見た。ゲームシーンが多過ぎないのも良い。 [DVD(邦画)] 7点(2024-03-13 15:11:04) |