381. 主人公は僕だった
《ネタバレ》 設定に惹かれて観たものの、内容はいまひとつ。もっとコメディコメディしたものかと思ったが、実際には笑いは少なめで、なんとも淡々と笑いどころもなくんでいくので拍子抜け。中盤過ぎからやっと少し面白いところもあったが、ちと遅すぎる。これでは実質コメディとは呼び難い。結末は、男が現実に存在するという設定にしてしまった以上、ああならざるを得んのでしょう。個人的には、飽くまで架空の世界の架空の人間である男が作家の殺意から逃れようとする話が観たかった気がする。まあそんなことより一番の問題は、散々指摘されてる通り、あの小説が全然傑作とは思えないこと。そのくらいはちゃんと傑作らしくしといてよ。 [DVD(字幕)] 5点(2008-02-28 17:31:08) |
382. ワンス・アンド・フォーエバー
《ネタバレ》 どうやらベトナム戦争の初めの戦いを描いた映画。ベトナム戦争というとゲリラ戦のベトナム軍との戦いという印象があるが、さすがに初戦とあってベトナム軍もゲリラではなくまとまっている。寧ろアメリカ軍の方が数において劣勢と立場が逆転しているのは目新しいか。しかし、果たして今更この戦闘を描いた映画を作ることに意味があるのかは謎。ベトナム戦争の意義を問うわけでもないし。戦場での混乱や恐ろしさを描きたいなら、何もベトナム戦争を舞台にする必要もないし、この戦闘である意味もない。今更ベトナム戦争を描くのなら、ベトナム側の立場に立って描くくらいでないと意義を見出せない。結局センチメンタリズムに支配され「俺たちは仲間のために戦った」で終わってしまうのではね。ベトナム側の司令部の姿を描き、それなりにベトナム側の配慮も見せても、結局兵士は無機質。死んだところで顧みられるところはない。じっくり描くのは飽くまでもアメリカ兵の負傷であり死。相も変わらずベトナム兵だろうが日本兵だろうが描き方は変わらんのですな。TVゲームの敵キャラと同様の扱い。それじゃあ意味ないじゃん。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-22 18:33:02) |
383. あかね空
良い時代劇の風味があるが、時々現代劇になってしまうのは致し方ないところか。CGは安っぽめだけど、そういう向きの映画ではないのでOK。ただカラーフィルター(あるいはカラー調整)使いすぎな気はする。ストーリーはちょっと良い話的内容。悪くはないけど、もうひとつぐっと惹き付ける何かが足りない。可もなく不可もなくというのがまさしくピッタリ。まあ、とりあえず豆腐を食ってみたくはなる。 [DVD(邦画)] 5点(2008-02-10 15:56:58) |
384. 放浪記(1962)
かつて原作を読んだときは内容に惹かれない上、やたら断片的な日記すぎて、読んでいて苦痛しか感じなかったが、さすがに映画とあってこちらはそれなりにまとめてくれてくれているので原作よりは楽しみやすい。原作になかった部分も程よく作品のバランスを取るものになってはいる。しかしやっぱり面白くない。この主人公の生き様になんら魅力を感じないのだからどうしようもない。ただ原作で主人公に感じたイメージにとても近いものを、主演の高峰さんがしっかり再現していて感心した。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-02-10 15:19:45) |
385. 34丁目の奇跡(1994)
《ネタバレ》 基本の流れもエピソードは47年版と一緒でも、当然ながら細部のアレンジがかなり違う。例の子供の要求は家と新しい父親と弟と何故かパワーアップ。強欲ぶりに拍車が掛かりました。判決理由もなんかややっこしい。この部分の吹き替えの方も聞いてみたけど、字幕以上にややっこしい説明のような気がした。子供向けとしてこれはどうなんでしょう。他もあれこれ変わっていて、どうもそれらが改悪に感じられて仕方がない。ライバル社同士が手を組んだりする展開や、最後の杖の演出もないのは寂しい限り。悪くはないけど、47年版に比べると相当落ちると言わざるを得ない。あちらよりも優れているのは母親の心理変化の描き方ぐらいか。 [DVD(字幕)] 5点(2008-01-14 18:22:51) |
386. 風林火山
《ネタバレ》 勘助の知略の数々が観られるかと思ったら、意外と佐久間良子とのロマンスがメインに据えられているような。その後は彼女が遺児でもある勝頼との擬似的親子愛も見られたり、戦乱における知略どうこうよりも人情的な話がメインなんですな。これがどうもたるい。TVドラマならすんなり見ていられるのかもしれないが、一度に見せる映画としてはこんな話で3時間引っ張るのは辛いようだ。勘助の智謀を際立たせたいがためなのか、信玄が凡庸にしか見えないというのもかなりマイナス。もっと信玄と勘助の考えが一緒という描写があっても良かったような気がする。台詞ではそんなことも言っているんだし。出演陣は豪華だけど、イメージに合う人があまり居ない。戦闘シーンもエキストラの数は多く使って豪華だが、イマイチまとまりというものにかけていて、訓練された軍勢という感じがまったくなくて萎える。場面転換も上手くはないし、散漫な印象が強い映画。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-01-14 16:36:38) |
387. 歌麿をめぐる五人の女(1946)
《ネタバレ》 タイトルから想像するようなものとはかなり違った内容。別段歌麿を巡ってないし。関係も浅い人が殆ど。5人と言いながら極めて影の薄い女性が多い。5人目にいたっては誰が五人目なのかも判然としない有様。てっきりおしんかと思ったら、解説によるとどうもおまんがそれらしい。これはさすがに影薄すぎでしょう。どうみてもおまんよりもおしんの方が5人目にまだ相応しい(解説者が間違ったのかな?)。歌麿よりも弟子入りした絵師とのかかわりの方が深い。全体に背景の描かれ具合が乏しく感じる。作品のいまひとつの説得力のなさはこの描かれ具合の低さが原因の一つなんでしょう。どうも困難なはずのことが困難に見えないことも問題。駆け落ちも楽々だし、御用絵師が身分を捨てて弟子入りするのは一大事のはずだが楽々。雪江にしても右に同じ。身軽な町人の行動レベルになってしまってるんですな。こういったことが作品の浅さに繋がっていきます。ところどころ見られるユーモアは良い味が出ているんですがね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-01-13 18:07:29) |
388. 危険がいっぱい
《ネタバレ》 出だしは面白げだったが、結構その後がもっさりしている。プレイボーイの男が何故あんな年増の女に夢中になるのか謎。金を狙っているのか、逃げる口実なのかと思ったがそうでもないらしい。よう判らん。途中ギャングの存在がないような行動が見られたり、女の計画もそこまで上手く行くようなものでもなかったり、ややご都合感が感じられる。皮肉な結末は古き良きサスペンスらしくて良かったけど、全体としてちょっと緩かった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-01-13 17:20:52) |
389. アルバレス・ケリー
《ネタバレ》 主人公を筆頭に登場人物の魅力がいまひとつ。もっとストーリーに活用できるはずのキャラクターも意外に沈んだままで終わってしまっています。ただ最後の牛を兵力として突破するというのは発想は面白く、迫力もあって良かった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-12-30 22:19:21) |
390. ラッシュアワー
《ネタバレ》 浅いというか、酷い脚本。後半に行くにしたがってどんどん破綻していく。誘拐した娘に猿ぐつわさえしていなかったりして、犯人達の間抜けな行動がかなり多い。最後にクリス・タッカーが何故かFBIに勧誘されたりするけど、いくら犯人を挙げたからって、あんな男をFBIに勧誘はしないでしょ。大体検挙もジャッキーの功績だし。ジャッキーらしいアクションはそれなりにあって、その点は楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-14 21:33:11) |
391. 尻啖え孫市
信長が勝新太郎とはびっくりだが、結構これはこれで良かった。栗原小巻さんが綺麗です。ただ彼女にまつわるエピソードがあまりスムーズとは言い難い。時間に追われた感じもしなくもない。メインの秀吉との交流は結構楽しめる。戦闘シーンはちょっと迫力不足。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-14 21:16:53) |
392. 続・サラリーマン清水港
《ネタバレ》 前作よりもこちらの方が面白い。笑えるところも若干増えたかも。何と言っても今回も三木のり平さんが面白い。小林桂樹の松は、生活のことは何一つ自分で出来ない。あんなに社長に振り回されているのでは結婚してもこの先大変そうだ。宝田明の酒造メーカーの二代目もボンボン丸出しで、今回は助かったけど、この男の下での経営ではこの先長くはなさそうだ。そんなわけで皆とりあえず丸く収まったけど、よく考えると皆先行き不安。それがらしくて、かえって良いとも言えるかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-14 21:07:55) |
393. サーカスの世界
《ネタバレ》 駅馬車強盗ショーなどで馬がガンガンサーカス小屋を駆け回るわ、銃まで撃つわでなんだか凄い。実際こんなショーがあったのかどうか判らないけど、迫力満点でこれだけで結構満足。他のサーカスの芸も意外にしっかり楽しめるし、サーカスと映画で二度楽しめると思えばお徳かも。しかしストーリーはそれ程面白味はなく、終盤などはグダグダ。少なくとも、あんなうやむやな解決の仕方はさすがにいい加減すぎます。みんな良い人で終わらせようという強引さも相まって、長尺使いながらとても残念な着地でした。娘役の方の声がやけにハスキーで役柄に合わないような気がする。母親役がリタ・ヘイワースだったとは観終わるまで気付かなかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-14 20:40:16) |
394. ああっ女神さまっ
原作は殆ど見たことないので細かいことは判らないけど、まあまあ楽しめた。しかし本当にどこもかしこも女性キャラだらけですな。そこまで偏らんでも。ストーリーの根はシリアス系だけど、仕方ないとはいえそこに恋愛話が入ってくるのがちょっと鬱陶しい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-05 19:19:00) |
395. 野望の系列
《ネタバレ》 確かに重厚に政治世界を描いてはいるけれど、結末があれではどうもスッキリしない。結局、元に戻ったというような結末はどうなのか。虚虚実実の政治の攻防などを期待して観たが、そういう部分は結構弱めで、実に判り易い感じ。どことなく議会の様子も現代に比べるとほのぼのとした感じまでしてしまう。共産主義がどうのという話がメインに据えられているあたり、いかにも時代ですな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-04 18:51:02) |
396. アクシデンタル・スパイ
《ネタバレ》 前に観たときはかなり微妙な感じだったが、今回観てみたらそれ程悪くない印象。ジャッキー・チェン特有のそこらへんにある小道具を上手く使ったコミカルなアクションは健在。病院での戦闘も電気ショック蘇生機を使い、トルコ風呂では裸で逃げ出し、市場に迷い込んでありとあらゆるものを使ってのアクション。裸だから股間を見せないようにいろんなもので隠すのだが、これが実に上手い。しかしストーリーはおざなり。CIAの女もジャッキーに復讐をけしかけるような情報を流してますし。タンクローリーのシーンは蛇足というか浮いているというか、いらんですなぁ。炭素菌抱えて燃えているタンクローリーに乗り込むし、オイル運搬車は何故か家族連れで乗ってるし。もう無茶無茶。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-04 17:16:11) |
397. 永遠のマリア・カラス
《ネタバレ》 冒頭からB級感満載。ジェレミー・アイアンズは良い役者さんだけど、この鬱蒼としたB級感に食われてしまっている感じがする。マリア・カラスの歌声はそのものを使っているようで、さすがに素晴らしい。オペラに興味のない自分がこれほど感じるものがあるのだから、好きな人には堪らないものがあるに違いない。カラス役の女優さんもクチパクを見事に合わせていらっしゃいます。実際彼女から発せられていると言われても不思議に思わないほどビジュアル的にも声質が合っている。劇中劇「カルメン」はとても出来が良く、普通に考えれば年齢的には無理があるにも関わらず、本当にカルメンに見える素晴らしさ。映画としてはイマイチだが、監督のカラスへの想いは伝わってくるし、彼女の歌声は今の人の心にも十分に響くだろうと感じさせてくれる。本物は時代を経ても色褪せない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-10-25 21:53:27)(良:1票) |
398. 見知らぬ人でなく
《ネタバレ》 主人公は飲んだくれの親父にお前は心がないなどと言われるが、お前なんぞに言われたかないし、心がないようにも見えない。そりゃ学費のために結婚したんだから、心がないと言われても仕方ないが、本当に心がないならもっと薄情なはずだ。間違ったことを教える教授に噛みついたり、他でも正しいことを主張しているのに、何故か周りは大人になれと丸め込まれることを進める。嫌な感じ。正しいことを正しいと言い、患者のことを第一に考えるこの男が、こうも責められるのか。嫌な世の中だ。心がないなら、患者のことより楽して金を取りますよ。フランク・シナトラが友人役で非常に美味しい役だった。何時もながら良い役持ってくね。特につまらなくはないが、ちと尺が長すぎる。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-10-19 21:47:18) |
399. 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
TVアニメ版の続きの話なので、TVアニメ版を見ていないと何のことだかさっぱり判らないだろう内容。まあ、このアニメを観るのは大体TVシリーズを観てた人が殆どだろうから、こういう割り切った作り方も悪くはない。しかし肝心の内容が今ひとつ面白くない。人物の行動も安直だし、根拠と動機づけが薄い。TVシリーズの方が余程出来が良い。これならTV版のラストでそのまま終わらせておいても良かったかな。 [DVD(邦画)] 5点(2007-10-13 22:15:36) |
400. 劇場版 XXX HOLiC 真夏ノ夜ノ夢
デフォルメ利きまくりのキャラにびっくり。一体何頭身あるんだろう。無駄に大げさな主人公のリアクションとか、片思いの子のデザインとか、変なミニキャラの生き物とか、付き人のような人たちが皆少女だったりと、いかにもそれ系のアニメらしい。まあそれはそれでいいんですが。ストーリー的には終盤の肝心なところでちょい破綻気味。あんま細かいこと言うなよって感じだ。面白いわけではないが、それなりに楽しんで観られたのでまあOKです。絵は綺麗だが、途中に昔の3Dゲームみたいな映像があり、これはさすがに安っぽく見える。無駄に3D丸出しはいらんなと。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-10-13 21:51:12) |