401. ガメラ2 レギオン襲来
最初のパニック発生の部分で、人々の顔に少しも緊張感がない上にえらくあっさり淡々と進行していて、これはどうなるのかと思っていたのだが、まさか最後までそのとおりに進むとは思わなかった。住民の「変化」を捉えずに適当に右から左に動かしておいて都市壊滅などといわれても、何のことか分かりません。レギオンの造形が醜いだけなのも困りもの。敵が格好良くないとヒーローが光らないのは、怪獣映画でも同じです。水野美紀の演技も問題外。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-09-03 01:29:25) |
402. マイ・ドッグ・スキップ
犬を通じて主人公が何を学び、どう成長したのかが大事なはずなのに、肝心の主人公にほとんど変化がない。しかも演技もそんなに上手くないので、周りが何をやってもどうにもなりません。ダイアン・レインの登場シーンくらいですかね、安心して見られるのは。 [DVD(字幕)] 3点(2014-09-01 02:58:40) |
403. ガメラ 大怪獣空中決戦
主人公は緊急時でも化粧濃すぎ(それを消すほどの表情や演技もない)な上に、危機に立ち向かう立場としての有能さも見当たらない。政府関係者はただ狼狽してうるさく騒いでいるだけ。これでは怪獣がいくら頑張っても、格好良く見えないんですよ。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-08-30 15:08:40) |
404. 日の名残り
《ネタバレ》 冒頭、エマ・トンプソンの気品と迫力溢れるモノローグで、一気に作品に引き込まれる。職務に忠実であることを至上命題とする(しかし、それに嫌味がない)執事と、理知的でありながら自然に内面を表している女中頭の、無言の心理攻防戦。本を取り上げようとするシーンの一瞬の接近がもたらす官能性と、ホプキンスの冷たい一言にエマ・トンプソンが涙するシーンがもたらす感情の重さ。これこそ名演だと思う。さらには、音楽や美術や照明関係の充実も素晴らしく、まさに作中の使用人たちのような職人芸の誇りを感じさせる。つまり、この映画そのものが、私たちにとってのダーリントン・ホールなのだ。 [DVD(字幕)] 9点(2014-08-27 02:36:14)(良:3票) |
405. マイ・プライベート・アイダホ
《ネタバレ》 途中でちゃっかり結婚相手もゲットして、しかも元のポジションに収まっているキアヌに比べ、リヴァーの方はどこまでも救いがない。助けに来てくれる人も、引き上げてくれる人もいない。それでも、リヴァーはそれまでと何ら変わることがなく、冒頭シーンと同じように、同じ道をさまよい、ナルコレプシーで倒れ込む。その静かな悟りがもたらす哀しさ。本人が特に何かを意識しているわけではないのが、さらに哀しい。 [映画館(字幕)] 6点(2014-08-16 22:52:19) |
406. リトル・プリンセス
《ネタバレ》 冒頭の変てこなファンタジー的描写には一体どうなるのかと思いましたが、終わってみれば手堅くまとまったなかなかの作品でした。主人公に意思がきちんとあるところ、それと人間の「想像力」の価値をテーマとして賛美しているところがよい。イジメ描写が予想していたよりかなりあっさり風味なのもほっとしましたが、さすがにこれはあっさり過ぎるような・・・ラストが予定調和的に見えて、高揚感が減少してしまいます。 [DVD(字幕)] 5点(2014-08-05 02:40:10) |
407. ゴジラVSデストロイア
《ネタバレ》 都市襲撃のシーンで、下の方では車や列車が当たり前に動いている。この辺の志の低さだけで、どんなスタンスで作られたかが分かります。そもそも、どういう危機が起こっていて、それに対し、どういう人たちが、どういう対策を取ろうとしているのかという基本設計がまったくなくて、ただ怪獣が暴れていてただみんなが慌てているだけなんだから、制作者は何がしたかったのかさっぱり分からない。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2014-08-04 02:19:30) |
408. ゴジラVSメカゴジラ
怪獣たちの戦いを存分に見せきってくれるところは好印象。ただ、それに対して大きく足を引っ張っているのが役者陣で、使い方が全然考えられていない。これだけ揃えておいて、みんながそれぞれワーワー騒いでいるだけなんてね・・・。辛うじて演技が見られるのは小高恵美くらいか。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2014-08-03 03:43:40) |
409. 略奪愛
《ネタバレ》 この作品は、もともと、フジ系の2時間ドラマ「となりの女」として放送されたものなのです。あまりに出来が良かったので、脚本を一部修正して映画化されたということです。「となりの女」は、原田美枝子・奥田瑛二・南條玲子というキャストで、「危険な情事」的展開をベースとしつつも、主人公が段々とおかしくなっていき、かつその中でも孤独と哀切を感じさせる描写が実に見事で、ビデオに録画したのを何回も見ました(DVD化してほしい)。さて、「となりの女」と本作の最大の違いは、こちらでは、本妻が夫の浮気に途中で気づき、しかもその相手も特定し、夫に対してそれを明確に追及しているということです。そのため、三者間の心理的やりとりの綾の部分が削がれることになり、結末のインパクトを弱めています。また、「となりの女」では、ラストのところで、主人公が包丁を手に歩み寄る→夕方、夫がいつものように帰宅する→返り血まみれの主人公が洗濯物をたたんでいる→カメラが一人称で動き、血まみれの包丁と本妻の遺体が視界内に入る、という流れ(しかもこの間台詞なし)のフィニッシュが強烈だったのですが、こちらでは、主人公と本妻が延々ともみ合いになったり、不審を感じた夫がただちに家に急行したりと、三流のサスペンスもののような締め方になってしまっています(何でそんな改変をしたんでしょうか)。というわけで作品としては大きく落ちてしまうのですが、「となりの女」の存在を後世に残した価値はあまりにも大きいので、それも含めてオマケ。 [DVD(邦画)] 7点(2014-06-22 01:51:41) |
410. ソナチネ(1993)
《ネタバレ》 ヤクザものの皮を被っているが、中身は鬱屈挫折系裏青春映画。例えば港の沈めシーンなどは、クレーンの向こう側とこっち側との切り返し、無表情なオッサンたちが密着して直立している構図など、ただならぬセンスを感じさせるのだが、他方において、ぶら下げられている彼は、死の恐怖に直面している演技はまったくつけられていないし、1回目に沈められる前と後でも、違いが見えない。この辺に象徴される詰めの甘さが、何とももどかしい。肝心なところでのインパクトを結局は銃声音と爆発音に頼っているのも、ちょっと惜しい。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2014-06-15 00:58:11)(良:1票) |
411. ありふれた事件
そりゃ導入部分はインパクトがあるんだけど、結局は同じような表現方法を延々と繰り返しているだけなので、途中からは退屈にしか感じない。ギミックとしての映像だけがあって、一番怖いはずの「人の心」が表されてない作品は、怖くないのです。 [DVD(字幕)] 3点(2014-06-11 20:45:36) |
412. ブラッディ・ガン
《ネタバレ》 銃や馬や砂漠という彩りは完全にウエスタンチックなのですが、舞台はオーストラリアです。主人公が拳銃ではなくライフルにこだわり、遠距離からでも一撃必中を誇り、なのでガンガン派手な撃ち合いをするわけでもないところが新鮮です。また、少し触れる程度とはいえ、白人による先住民虐殺をきちんと映像化している点も興味深いですね。そろそろ終わるかなというところでいきなり主人公が完全捕獲されてしまい、どうなるのかと思ってしまいましたが、そこからの落とし方も上手く決まりました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-28 01:00:16) |
413. 十二夜(1996)
《ネタバレ》 原作自体、400年以上前に書かれたとはとても信じられないほど洗練されたラブコメなので、それをそのまま素直に映像化したら、つまらないわけがないのです。ただし、キャスティングには無難に行っちゃった感があり、オリヴィアはもっと若く無鉄砲なイメージがある人の方がよかったし、フェステはむしろ少年くらいの人にやらせてほしかった。登場人物があれこれ勘違いして混乱する中、一番アホっぽく見える道化だけが実は幾分冷ややかにすべてを悟り澄ましている、というところに面白みがあるはずなので。 [DVD(字幕)] 7点(2014-04-23 22:53:45) |
414. あふれる熱い涙
設定からそれなりに期待したのですが、冒頭の主人公が家を出て行くシークエンスで、物語としては終わっていました。あとは思いつきで決めたような場面が連続するだけなのですが、輪をかけて、ほとんどの役者の無感情棒読み台詞が、テンションの低減を増幅しています。 [DVD(邦画)] 4点(2014-03-27 00:46:39) |
415. ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版>
《ネタバレ》 ホネは一言でまとめられるくらい単純なお話なのに、デコレーションへのこだわりだけでここまでのものを生み出したスタッフの執念が凄い。真面目に筋を追いかけるよりも、独特の空気に身を委ねてたっぷりと浸る映画。というのは制作者の自己満足に終わってしまう場合が多いんだけど、この作品は貴重な成功例。そんな中にもいろいろ小ネタもあったりするから侮れない。 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-25 02:18:54) |
416. フォー・ルームス
タランティーノ的ダラダラ感がそのエッセンスだけでも味わえるだけで、十分楽しめる。ただ、ティム・ロスのベルボーイの設定を少し変えるだけで、もっと面白くはなったと思う。ああいうクネクネアクションは、ずっとやり続けるんじゃなくて、ここぞというところだけでやるからこそ意味があるんだよ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-23 02:40:51) |
417. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
音楽自体は、普段聴かない分野のもので新鮮だったのでこの点数。ただし、作品としての構成には疑問があり、例えば、事実を伝えたい、もしくは記録したいのであれば、単なるインタビューの丸投げや映像の垂れ流しではなく、最低限の周辺データを盛り込まなければ記録にならないし、他方、解釈や表現を伝えたいのであれば、演奏と語りが交互に挟まれるだけという貧困な構成ではどうしようもないだろう。つまり、見ようによっては、全体が制作者の壮大な自己満足にしかなっていないということ。 [DVD(字幕)] 6点(2014-03-16 22:14:37) |
418. 秘密(1999)
《ネタバレ》 この種の和製ミステリは、映画になると、扇情的な部分が幅を占めてグシャグシャになることが多いので警戒していたのだが、意外に悪くなかった。原作の肝の部分を上手く拾い上げて一本の筋でまとめているし、大きな脱線はしていない。台詞にしてしまうとかなりの説明を要するはずのオチの部分も、手際よく一瞬でまとめている(ただ、あそこまで分かりやすくなくてもよかったのではないかという気もするが・・・)。広末・小林・岸本というキャスティングも、原作の世界にフィットしていると思う。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-03-13 01:13:05) |
419. 遊びの時間は終らない
《ネタバレ》 設定は最高。ビデオを見直して銃弾の位置を確認する下りとか、空気札を下げたマスコミとか、その設定を最大限生かした凄い切れ味の部分もある。なので、他方でやたらださい部分もある(シュプレヒコールの執拗な繰り返しとか)のには目をつぶりたくなります。ただ、ラストはいかにも中途半端で、オチはきちんとつけてほしいところでした。 [DVD(邦画)] 7点(2014-03-11 01:07:54) |
420. クール・ランニング
《ネタバレ》 実在の対象なんだから、もう少しディテールは突っ込まないといけないと思うのだが、こんな表層的な描写だけで済ませるんだったら、モデルに対しても失礼ではないのか?他チームや解説者が最初は露骨にバカにする→途中から改心するというのも実に安直で、それだったら、初出場のジャマイカにも選手として敬意を払う→しかしレースでは圧倒的な力を見せつける→それでも勝利を目指して必死で食い下がる、の方がよほど現実的だし、またスポーツそのものに対しても誠実。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-03-02 01:59:09) |