Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧。21ページ目
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2258
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
>> カレンダー表示
>> 通常表示
401.  花のあと 《ネタバレ》 
北川景子の最初の素振りシーンを見た時は先が思い遣られましたが、殺陣はそれなりにサマになっていたと思います。なにより北川の美しい、いや美し過ぎる女剣士ぶりが自分的にはクリーンヒット。髪を下ろした胴着姿にウットリでした。勘解由との対決シーン。北川の動きをフォローする意味もあったのでしょうがカメラワークは酷かったと思います。あれではカタルシスを得られません。ただ、北川が相手から目線を外して心情を語る部分は上手いと感じました。あれで相手を油断させたのですから。物語の方はさすが藤沢周平原作。ツボを押さえたものでしたが、一番オイシイところを持って行ったのはヒロインの北川でも、ハンサム宮尾でもなく、食いしん坊甲本。第一印象が残念だっただけに、最後は殊更カッコ良く見えました。胃袋だけじゃなく、人間としての器もデカかった。甲本の好演でかなり助けられていると思いますが、如何せん北川の演技力が圧倒的に足りないのが厳しいところ。
[DVD(邦画)] 6点(2012-04-04 20:18:56)(良:1票)
402.  マイマイ新子と千年の魔法 《ネタバレ》 
新子のマイマイは想像力と感受性のアンテナ。千年前の人々の暮らしに思いを馳せ、友の痛みを自分の痛みとして感じ取る事ができます。新子の父親は研究者であることから、もともと好奇心旺盛な家系なのでしょう。しかしマイマイは新子の専売特許ではありません。貴伊子も新子と同じ千年の夢へ飛び込めたように、マイマイはどの子どもだって持っています。いや、我々大人にだって。ただ、新子のように「明日の約束を返せ!」と叫ぶのが“しんどい”事や、空想に割ける時間が限られている事を大人は知っています。だから、普段は仕舞っているだけ。でも使わなければ、どんなお宝も錆びてしまいます。自分のマイマイを久しぶりに出してみたくなる本作のような映画は、大人にとって貴重な存在だと思いました。類似作品として真っ先に思い出されるのが『となりのトトロ』。“ススワタリ(真っ黒くろ助)が見えるのは子どもだけ”と、空想と現実世界に明確な線引きがされていたトトロに対し、本作の境界はやや曖昧です。マイマイが有る限り、人はいつでも千年の魔法に酔う事が出来るのですから。そういう意味では、ファンタジー色の強いトトロの方が厳しい世界観だと感じました。トトロは成熟した大人が作ったアニメ。マイマイ新子は子ども心を忘れない大人が作ったアニメ。
[DVD(邦画)] 6点(2012-01-04 22:53:23)(良:1票)
403.  シェルター 《ネタバレ》 
(いきなりネタバレあります。ご注意ください。)  『シェルターさんが「あなたは神を信じますか?」と訊ねてきたなら、「私は神の僕です」と答えなければならない。もし無神論者だと告げようものなら、背中を斬られ、口から泥を吐き、7日以内に魂を吸い取られてしまうだろう。シェルターさんは若い男。又は少女とする説もある。』物語を都市伝説風に言うならこんな感じ。牧師は婆さんに操られているだけなので、主人公が呪術主の婆さんに救いを求めた方向性は正しいです。でも婆さんがすんなり術を解くはずもありません。そんなタマじゃない。ここで婆さんを殺していたらどうだったでしょうか。術が解除されれば勿論OKだし、死後も呪いが継続するようなら、もう打つ手はありません。ここが娘救出のラストチャンスだったと考えます。牧師から娘へデビッドの魂の移動が確認された今、主人公の対応は大変難しいものとなりました。呪いは解除されたのか?娘の魂は残っているのか?この後味の悪さは、悪くありません。
[DVD(字幕)] 6点(2011-12-24 23:41:30)(良:1票)
404.  呪怨 白い老女 《ネタバレ》 
驚きに感情が付帯するメカニズムを考えた場合、「笑い」と「恐怖」は実は近い関係にあることが分かります。ご指摘のレビュワー様もおられるように、物語の体裁はギャグ・コメディと酷似しています。例えば老女が手にするアイテムが“包丁”“蝋燭”“日本人形”であれば、判り易く「恐怖」サイドに寄りますし、“へちま”“カツ丼”“週刊大衆”ならば「笑い」で問題ないでしょう。匙加減一つで、ホラーにもコメディにも化ける。そういう意味では、“バスケットボール”を選択したセンスは悪く無いと感じました。とりあえず観客は戸惑います。純粋に意図が分からない。いわゆる、不条理です。『呪怨』は、この不条理を恐怖に転化することを基本様式とした作品だったと考えます。第1エピソード、「は~い。今手が放せないの。すぐ行きますから」は、条理が次第に不条理へと変化していくパターン。上手いし、怖い。ただし不条理描写に特化した結果、奥行きの無い恐怖しか生まなくなったのが『呪怨』の弱点でもありました。本作では“白い老女”の役割についてあまり考慮されていないのが難点です。単なる驚かし要員に見えてしまう。本当は違うのに。老女は孫を気に掛けていました。一度ロリコン男から少女を救っています。その思いをちゃんと観客に届けられれば、老女の登場場面に付加価値が出ます。痴呆による徘徊と見紛うのは、あまりに不憫な話。バスケットボールにしても、ロリコン男の所有物、切断した頭部のメタファー以外に、もう一つ観客の心動かす意味づけが欲しいところ。ワンランク上のホラー目指すなら、物語で観客を魅了する必要があると考えます。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-27 19:25:02)(良:3票)
405.  ガール・ネクスト・ドア 《ネタバレ》 
ラブストーリーを面白くするのは“障害”です。原因は大きく2つに分類できると考えます。優柔不断や消極的等、キャラクターの性格に起因するもの(内的要因)と、恋敵や遠距離といった2人を取り巻く環境に起因するもの(外的要因)。障害の匙加減ひとつで、恋物語の良し悪しが決まります。本作の場合はどうでしょう。主人公の恋愛経験値は低めながら、困るほどではないレベル。流石アメリカの高校生。キスまでが早いです。それに彼は大学進学決定済み。学業面での足枷はありません。内的要因、外的要因、共にクリア。唯一障害と呼べそうなのが、2人の“ステイタスの違い”。将来有望な学生とポルノ女優とでは、確かに釣り合わないかもしれません。でも恋愛で一番大事なのは2人の気持ち。それに結婚云々って話じゃない。この障害は問題になりません。物語終盤のピンチについても、恋愛とは直接関係ない話(このエピソードで彼も男優デビューすれば、彼女と同じステージに立てたのに!)。つまり本作では、メインとなる恋の障害が存在しないのです。コメディですから“試練”なんて必要ありませんが、程よい“ハードル”は欲しいと思います。「ああ、もどかしい!」とか「ライバルは手強いなあ」とか、ヤキモキするのがラブストーリーの醍醐味でしょう。ちょっと物足りなかったです。以下余談。ちなみに自分も『24』から流れてきたクチ。あえて日本語吹替えで鑑賞したのですが、ダニエルの声がキムバリー・バウアーと同じで嬉しかったです。吹替え声優が定着すると、洋画の楽しみ方が増えます。エリシャの可愛さに+1点。
[DVD(吹替)] 6点(2011-10-19 20:28:26)(良:2票)
406.  ワナオトコ 《ネタバレ》 
原題のままだと類似タイトル作品と判別が付かなくなるので、この邦題はイイと思います。それに実際のところ、コレクションしていませんし。正確には、“鮎の友釣り用餌鮎の捕獲”。餌以外の獲物に対する扱いがぞんざいなのも困りものですが、ご自慢の罠に対する拘りが感じられないのも頂けません。箱を開けて驚いたところを後ろから襲うって、あんまり意味ないような。折角仕掛けた罠ですから、ちゃんと活用しなくては。直接ナイフで襲い掛かるとか、トラバサミに突き飛ばすとか美しくありません。一般人が気にしない細かな部分に拘るのがオタクのイイ所だと思います。時間制限と子供救出というクリア条件をつけ、かつ主人公を“良い人”に設定したのは上手いです。ハラハラ・ドキドキさせて頂きました。ワナオトコVS人の良い盗人の第2ラウンドも期待していいのかな?
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-28 18:53:12)(良:2票)
407.  板尾創路の脱獄王 《ネタバレ》 
『脱獄もの』というジャンルは、数多くの名作・傑作を輩出してきた超優良カテゴリー。ただでさえ観客のハードルは高い。そこへ来て、このタイトル。そりゃ期待しますとも。奇想天外な脱獄プラン、看守とのせめぎ合い、手に汗握る脱出劇を!ところが、これら『脱獄もの』の目玉部分について、見応えはありせん。かといって、監獄生活における人間ドラマに重点が置かれている訳でもない。物言わぬ主人公が、脱獄を繰り返し捕まる。その繰り返し。正直、飽きてきます。雰囲気は思いっきりシリアスなのに、脈絡もなく中村雅俊を歌う主人公。観客は戸惑うばかりです。終盤にきてやっと物語の終結点が見えてきたと思ったら、まさかまさかのハングライダー!この土壇場で、ようやく観客は気づく訳です。「なんだコレ、コメディだったのかよ」と。観終えてみれば、首尾一貫“板尾創路の笑い”に違いないのですが、それに気づけというのは無理な話。何となく騙されたような気になってしまう。それが本作の評価にも表れているのだと思います。ただ、ここまで監督の色がハッキリ出ている映画もめずらしい。個人的には“アリ”と判定したいです。2回目以降が面白い映画だと思いました。
[DVD(邦画)] 6点(2011-09-01 19:29:37)
408.  運命のボタン 《ネタバレ》 
(いきなりネタばれあります。ご注意ください) 物語のポイントは“ボタンを押すか否か”ではなく、“夫婦はみな、子を救うために配偶者の命を奪う選択をする”という部分にあると考えます。キャメロンがボタンを押した瞬間と、別の被験者が妻を撃ち殺したタイミングが一致している事から、まるでボタンが別件の射殺の引き金になっている印象を受けますが、違います。箱に送信機能が無いのは確認済み。ボタンは、被験者夫婦の一方を殺す羽目になるスイッチでした(正確には、ボタンを押した者が配偶者に殺される)。宇宙人は多分こう考えています。自分の幸福のために他者に犠牲を強いるエゴイストならば、遺伝子的に無関係な配偶者よりも、血の繋がりのある子供の利益を優先させるだろうと。残ったクズたちは従業員として、こき使えばいいと。でも待って欲しい。最後の選択は、子供をトラブルに巻き込んだ親の罪悪感や責任感がさせること。我が身可愛さの選択とは違います。(もし子の障害が先天性のものなら、障害が消えるとしても夫は妻を撃ったりしない)。それに配偶者を失う事がどんなに辛いことか。血縁でなくても、自分の命と同じ、いやそれ以上の価値を認められる命があるのです。人間には。殺される妻だけでなく、殺した夫もまた苦しみます。だからもう人の弱い心に付け込むような調査は止めて欲しい。利己主義がいけないのなら、地球上全ての生き物の存在が否定されます。目先の欲に溺れてしまうのは愚かだけれど、我が身を犠牲にできる良心を持っているのも人間です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-31 19:26:16)(良:1票)
409.  ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ 《ネタバレ》 
ラスト、見事に真実の赤林檎が揃いました。それも1人を救うため全員がマイナス覚悟で赤林檎を投じている。感動も一入です。でも自分はここで逆に醒めてしまいました。いくらなんでもそれは無い。ファンタジーが過ぎます。そんなお人好しが集まっているのなら、ハナからこんなゲームは成立しない。もちろん、これまでの投票結果を通じて、プレイヤーは騙し合うことの不毛さを学んだのかもしれない。でも、1億円はオッサン一人を救うために諦められる額じゃない。1億円。それは庶民の生死を左右する額。倫理観の針が捻じ曲がる値。わが身を犠牲にしてまで他者を救いたいと願う神崎の心根は尊いけれど、それを他のプレイヤーにも求めるのは間違っています。彼女の主張からは、“みんな仲良く貧乏暮らしの共産主義”あるいは“手をつないで一緒にゴールする幼稚園の徒競走”のような、似非平等主義の臭いがする。赤林檎の教訓ってそうじゃないはず。“幸せは誰かの不幸のもとに成り立つものではない”そこに気づけたのなら、安易に自らの利益を損なう選択をしてはいけない。その場はよくても、無理は後から必ずたたる。赤林檎は、みんなが幸せになるために揃えられてこそ価値があると思うのです。神崎がどうしても仙道を救いたいのなら、ゲーム終了後に自らの才覚で彼を助ければいいのです。カネの事をマネーと言い換えていることからも判るように、『ライアーゲーム』は騙しあいの駆け引きを、ゲームと割り切って楽しむ趣向。そもそも倫理観を問うものではありません。ですから“流して”観る分には面白いのですが、事の是非を考えてしまうと駄目なんですね。
[DVD(邦画)] 6点(2011-08-16 21:27:19)(良:2票)
410.  大洗にも星はふるなり 《ネタバレ》 
結構笑わせていただきました。とくに佐藤二朗にはハマった。彼独特の口調はそれだけで笑いを誘うものですが、アクが強いため下手すると胸焼けしてしまう。本作のようにボランチ的な位置取りで、物語を組み立てつつ笑いを狙うのが丁度いい。ストライカーのポジションは山田。演技プランは悪くないと思いますが、肩に力が入りすぎ。枠外のシュートが目に付きました。コメディ対応に難ありか。山田に比べれば、ムロ、小柳、山本ら中盤勢は器用さを見せました。とりわけムロと小柳は今後ユーティリティプレイヤーとして期待できそうです。センターバックはNACSの安田。流石の存在感で要所を締めました。回想シーンのみ登場の戸田は一番おいしいリベロってところか。ただこの使い方では勿体ない。記憶の中のエリ子は、各人違って構わない。掴みどころのない魔性の女を創り上げてもよかったのでは。途中出場のスーパーサブ、天然男林を演じた白石は精彩を欠きました。ジュノンボーイ出身のイケメンだそうですが、ジャルジャルの後藤に見えました。キーパーソンなので、もう少し上手い役者の方が好ましい。物語の体裁は『キサラギ』を彷彿とさせる密室シチュエーションドラマ。それぞれがマドンナとのラブエピソードを熱く語り、誰が彼氏にふさわしいか競い合います。弁護士が彼らの証言の矛盾を突くという展開は面白いのですが、議論そのものが不毛なので盛り上がりに欠けます。結果的に佐藤二朗の面白演技を楽しむ映画との印象しか残りませんでした。それでも個人的には結構満足しましたが。おっと、キーパーが不在でした。作中登場しませんが、西田敏行似のムロの彼女ちゃんにお願いしときましょう。(注釈:本文中のサッカー用語は、にわかが調子に乗って乱用したものですので、本作との関係性は一切ございません。)
[DVD(邦画)] 6点(2011-03-08 19:00:02)(良:1票)
411.  サロゲート 《ネタバレ》 
不老不死は人間の究極の願い。とりわけ“不老”は魅力的です。10代、20代の若さを維持できるとしたらどんなに素晴らしいか。ですから、もしサロゲートが技術的に可能になったら、それを拒否できるほど人間は賢くない気がする。本体の健康管理や生殖活動、サロゲートの犯罪使用防止策等の諸問題がクリアされれば、人類総サロゲートもあながち在り得ない話ではない気がしてきました。ただし、自分だったら主人公のように若かりし頃の自分を模したサロゲートは使わない。日々衰えていく自分とのギャップに打ちのめされるだけだから。全く別人のイケメンを操作して、社交的で積極的な「もう一人の自分」の人生を楽しむでしょう。現実の自分とは正反対の。あれ、でもそうなると何処に自分のアイデンティティを置いたらいいのか判らなくなりますね。シュミレーションすればするほど、怖くなってきました。やっぱりサロゲートはいらないです。物語の方も、全世界のサロゲートが活動不能になり、人生の主権が人類の手に戻りハッピーエンド。でも一度取得したテクノロジーを破棄出来ないのが人間の性。いや業です。歴史が証明している。だから後味は良いようでほろ苦いのです。
[映画館(字幕)] 6点(2011-01-31 18:28:27)(良:1票)
412.  その男は、静かな隣人 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ご注意ください。)  床に落ちた銃弾を拾う主人公を同僚が探す場面が2度ある事から、その間の出来事は主人公の妄想と見て取れます。つまり一躍ヒーローになった事件や出世、女副社長との恋愛等、物語の大部分は現実では起きていません。彼が撃ち殺した銃撃犯は、彼自身の願望が作り出した幻だと思います。ただ気になるのは、前述のシーンが全く同じではないこと。主人公の服装やクリスマスデコレーションに差異がある。これをどう捉えるか。病んだ心は、自分を殊更惨めに、そして他人を幸福に見せてしまうもの。彼の瞳には、有りもしないクリスマスの飾りが映っていたのではないか。“クズどもがクリスマス気分で浮かれやがって”。ここで重要なのは現実か否かではなく、彼に見えているかどうか。それは彼の“体験”にも言えることです。単なる妄想で片付けられない。恋愛の日々は彼の心を癒しました。たとえ空想の中であったとしても、彼を変えました。だから同じ場面でも、1度目と2度目は同じじゃありません。その結果、愛する彼女を含む5人に命中するはずの銃弾は、放たれずに済みました。これは避けられぬ悲劇における救いです。彼にとってのクリスマスキャロルだった気がします。彼女の笑顔が言わば精霊。でも、彼自身に向けた引き金までは止められませんでした。空想は薬になります。上手く使えば、自分を救う手助けをしてくれます。でも効果があるのは軽症のうち。すでに彼の心は瀕死の状態にあったのでしょう。心が流している血に本人は気付けないもの。  そのシャツの染み、本当にケチャップですか?
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-13 19:28:08)
413.  ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない 《ネタバレ》 
主役に小池徹平を配したところがミソ。これがリアルに冴えないニート面ならば、痛々しくて笑えなかったでしょう。イケメンが持つある種の余裕が、物語から程よくリアリティを殺ぐ役割を果たしていました。かといって同じジュノンボーイでも溝端淳平あたりだと整い過ぎていてダメ。小池の低身長は、観客の感情移入を助ける親しみ易さでもあります。リーダー役の品川はハマリ役。お笑い芸人の中でノンスタ井上に次ぐと言われるムカツキ度を遺憾なく発揮していました。でもそれって褒めたことにならないかな。ブラック会社とは法に抵触するほど劣悪な労働条件の企業のこと。生活のため仕方なく勤めているだけだから、向上心など無く、良好な人間関係など望めはしない。そういういう意味では、曲りなりにも達成感を味わえるこの会社は、マシな方なのだと思う。高度経済成長期の会社員物語が植木等の無責任男シリーズとするならば、本作は格差社会を象徴する物語とも言える。寂しいことだけれど、嘆いてばかりもいられない。まずは自分が変わること。自分が変われば、周りも変わる。それがこの会社に芽生えたチームワークという芽。それを育てられるかどうかは彼ら次第です。これはどんな組織にも当てはまること。今風の題材ながら、テーマそのものはオーソドックスなものだったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-11-27 21:28:48)(良:3票)
414.  ボルト 《ネタバレ》 
自分の力を過信してしまうのは、幼少期に陥りがちな事。ボルトの場合、意図的にそう仕向けられていたとはいえ、井の中の蛙であったことに違いはありません。小さな蛙は大海を知ることで、己が無力さを悟る。本作は、典型的な若者の成長物語の体裁を有していました。ここで注意したいのは、ボルトの冒険は気づきの過程に過ぎないということ。本当の成長はこれからの経験で決まります。スタジオ火災は、偽りのスーパーパワーを捨て去るケジメ。少女を助けた後、ボルトは再び旅立つべきだったと考えます。巣立ちのとき。ところが本作には、そう出来ない事情がありました。ボルトは犬だった。ペットや家畜は、人と共に生きるのが本分です。ボルトは少女の元に留まらざるを得なかった。天下のディズニーがペットの野犬化を推奨できるはずもありません。この不都合を補正するため、成長物語よりも少女とボルトの愛情物語の色合いを強める必要があったものと推測します。ボルト役の声優に成人男性を起用したのは苦肉の策。なお、ボルトが天才アクター犬から愛玩ペットに成り下がったように見えてしまうのは上手くないです。警察犬とか災害救助犬として新たな道を歩み始めた、なんてエンディングのほうが分かり易いと思いました。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2010-11-12 18:21:35)(良:1票)
415.  妖怪奇談 《ネタバレ》 
彩度の低いざらついた画調が、物悲しい内容と合っていました。CGというより懐かしの“特撮”と呼びたいレベルの特殊効果は、時代遅れでもストーリーの雰囲気を壊すものではありません。実物と見分けのつかぬCGを提供できなくても、観客を物語の世界へ引き込む技術があれば、それで映画は成立します。脚本と監督次第でどうにでもなる。自分はコレ、気に入りましたよ。主人公は3人の女性。こなれてはいませんが、初々しく身の丈にあった演技を見せてくれます。みんな好印象(美人だし笑)。各人の願いや想いが、具現化したのが妖怪の姿だと感じました。例えば『のっぺら』。人の痛みを感じ取れないのは愛に飢えている証拠。寂しい心を隠すために付けた自己防衛の仮面。でもそれは本当の自分じゃありません。仮面を脱ぎたい。私でありたい。そう願う隠された気持ちが彼女を変えたのだと感じます。確かに望みは叶った。でも引き換えに失ったものは大きい…。3つの物語が交差する脚本は、異なる視点から事象を照らす仕組みで見応えがあります。独立した短編を集めたオムニバス作品より、手が込んでいて面白いと思いました。オチが弱いのが難点ですが、現実とは所詮こんなもの。解決策など見つかない。前向きでも後ろ向きでもなく、只あるがままに人は生きていかなきゃならない。リアリティのある結末でした。ファンタジーに使うホメ言葉ではないですが。
[DVD(邦画)] 6点(2010-10-31 19:29:32)
416.  THE 4TH KIND フォース・カインド 《ネタバレ》 
アビゲイル博士“本人役”の女優さんのインパクトが凄すぎます。彼女の病的な表情から目が離せない。役者さん本人の役作りは勿論のこと、色味を消した画作り等もお見事でした。彼女には個人的に“マジでDethする5秒前で賞”を差し上げたい。さて、それでは本題の物語の感想をば。実録映像とそれを元にした再現フィルムを併用したフェイクドキュメンタリーという手法は、なかなか手が込んでいます。この手法の長所は、“宇宙人拉致の現場を観客に見せない”という仕掛けをスムーズに実施できる事です。その結果、博士の妄想説の可能性を引き出せた。ただマズかったのは、見張りの警官が娘拉致の一部始終を目撃していたことです。アビゲイル側ではない人間の目撃証言は証拠として価値が高い。これで観客の中で、妄想説は99%打ち消されてしまった。あの場面は、“警官は意識を失い、ビデオカメラは砂嵐”という状況じゃなきゃいけない。もっとも、物語の本質は“事件の真相は何か?”という客観的事実の判断ではなく、“人は何を信じるか”という主観の方にあります。自分の経験を信じるというアビゲイル。目にしていない事は信じない保安官。経験してもなお、信じられるものしか信じない同僚博士。あなたはどのタイプに人間ですか?という問いかけです。ちなみに自分は、“許容範囲の余白はいつでも残しておきたい人間”ですかね。理想を言えば。面白かったですよ。自分が今まで観た同ジャンルの映画は『ブレアウィッチプロジェクト』『ノロイ』『クローバーフィールド』くらい。あ、あとダチョウの竜ちゃんシリーズ(笑)。その中では断然、実話っぽいです、コレ。純粋な人は間違って信じてしまう可能性があると思う。そういう意味ではタチの悪い映画です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-28 19:26:05)
417.  平凡ポンチ
いやいや参りました。軽そうなタイトルとグラビアアイドル主演というパッケージに騙されました。羊の皮を被ったオオカミ。いや偽パイを入れた貧乳娘か。お気楽バカコメディとタカをくくっていたら痛い目に会います。しっかり観ないとストーリーを見失う可能性すらある、虚実入り混じった妄想ドリームラブコメディでありました。もっとも、各シーケンスの解釈は放棄しても大丈夫なつくりなのは有難い。「人生とは映画さ」というメッセージを受け取れれば問題ないと考えます。“難解”とは少し赴きの異なる、不思議な味わいの映画でした。自分は嫌いじゃないです。収穫は主演の秋山莉奈。美尻を誇る愛称「オシリーナ」として、グラビア等で大人気。でも誌面からそのパーソナリティを伺い知る事は出来ません。大勢の水着ギャルのうちの一人。そんな彼女がここまでやるとは、正直言って意外でした。表情の付け方や感情表現の勘が良いです。やや滑舌に難がある気がしますが、磨けば十分女優として通用すると思います。期待してます。
[DVD(邦画)] 6点(2010-10-22 19:57:48)(良:2票)
418.  ドゥームズデイ 《ネタバレ》 
無法地帯で女が拘束されました。目の前には上半身裸のモヒカン男。普通、このシチュエーションなら貞操の危機です。でも主人公からはそんな悲壮感が微塵も感じられない。それが観客にも伝わるから、彼女を心配しなくて済む。きっと襲われる前に相手を殺すだろうな、仮に犯されても傷つかないだろうな、そんなオーラを彼女は纏っています。彼女曰く“心を無くした”状態。無機質な操り人形です。多分人形に魂を吹き込んだのは中世の城主ケインでしょう。「生き残った者が強者なのだ」その言葉に従い、彼女は自分を試したのではないか。自分は何者なのか。生き残れる人間なのか。バスの横っ腹向かって、アクセルを踏み込めるのは、そういう事だと思う。結果、彼女は新たに生きるための指針を得ました。己が力で生きればいい。猿山のボスを倒した者が次のボスになるのが道理ということ。めでたし、めでたし。ご指摘の方もおられるように、確かに『ニューヨーク1997(又はエスケープ・フロム・LA)』と『マッドマックス2』を足して2で割った、パクリ映画です。主義主張もオリジナリティもありません。正直言って出来は良くない。でもね、自分は結構気に入ったんです。孤高の女エージェント、エデン・シンクレアが。あのツカミどころの無さにビンビンきます。目玉の親父機能もカッコイイしね。と言う訳で若干甘めの採点であることをご容赦ください。ちなみに、原題そのままの『ドゥームズデイ』では判りにくいので、邦題は『ゲゲゲの姉さん』を提案しておきます。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-10 23:25:32)(笑:1票)
419.  ノウイング 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の方はご注意ください)  箱舟乗船の条件とは、何だったのでしょう。一つは“ささやき声”が聞こえる事。これは、ニコラスの息子を介し宇宙人が答えているので間違いない。問題はもう一つの要件、数字のメッセージの方です。「数字の意味を理解し、約束の日に約束の地へ来たまえ。」念入りにも宇宙人は、場所を示す小石まで該当者に手渡しています。少女の祖母(50年前にメッセージを受け取った少女)もその真意を理解していたから、かの地に住居していた。ですが、ニコラス息子と少女はこの要件を満たしていない事になります。2人は自力で約束の場所に辿り着けなかった。そう、そもそも設問が難し過ぎたのです。仮に意味を理解出来たとしても、指定場所に赴くにはそれ相当の知識と財力が必要です。子供にはハードルが高い。さぞや『アダムとイブ確保係(北米地区担当)』は焦ったことでしょう。自分の担当地区だけ合格者ゼロでは洒落にならない。宇宙人もノルマ達成に頭を悩ませているんです。そこで彼らは“拉致”という禁じ手に出たというワケ。ここが物語上の弱点でした。必死に問題を解き、かつ正解まで導きだしたのに、「合格者が出そうに無かったんで、クリアラインを下げちゃいました」では拍子抜けもいいところ。大詰めに来て、この基準変更はナシでしょうよ。頑張ったニコラス父ちゃんには、きっちり“使命”を果たさせてあげたかった。とはいえ、息子が人類代表に選ばれたのは喜ばしいこと。親父的には十分なハッピーエンドと言えそうです。個人的な好みを言えば、救いの間口は広く取って欲しかった。決定論も結構ですが、誤差や揺らぎも認めて欲しい。「約束の地に来た“聞こえる者”は無条件で乗船OK。その他も若干名なら乗せますよ」だったら良かったのに。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-04 19:56:59)(良:3票)
420.  ホースメン 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の方はご注意ください。)猟奇殺人を題材とした物語としては、犯人も、またその動機も明快な方だと思います。ただ伏線の張り方が正直すぎて、早い段階で犯人の目星が付いてしまうのは残念なところ。サスペンスとしては標準的な出来だと思いました。しかし、エピローグとなるラストシーケンスは秀逸でした。尺にして僅か1分ほど。刑事である父親とその息子(次男)の会話です。何気なく流してしまいがちですが、このシーンが意味するところ、2人の言葉の真意を測ることが重要と感じました。前提として押さえておきたいポイントは、①長男の部屋は3年ほど前から、異常を示す“白い部屋”であったこと。②長男は溺死の予定であったのに、実際は刺されており、致命傷に至っていなかったこと。③長男を吊り下げ、処刑のライブ中継をセッティングしたのは誰なのか?④刑事が連続殺人と黙示録の関係に気づいたキッカケは何だったか?これらの事項を踏まえて、父親と次男の会話を思い起こしてみたところ、ある可能性が脳裏を過ぎりました。父親が流していた涙の理由を想像しました。せっかく最悪の事態を回避して、穏やかな余韻に浸ろうとしていたのに。でも、この余韻は悪くない。苦いけど、悪くないです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-16 19:48:09)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS