401. ザ・タウン
《ネタバレ》 主人公が堂々と冒頭から銀行強盗をしている時点でハッピーエンドはありえないわけで、正直暗い気持ちで鑑賞していました。 2回目の強盗で完全にFBIから目をつけられたのに、3回目のヤマをするなんて狂気の沙汰としか思えず、まったく共感できません。 案の定最後は妹の裏切りもあり強盗は失敗。このまま全滅パターンで終わるのだろうと思いきや、主人公が生き延びてしまうのはかなり意外でした。まあこれだけ罪を重ねてきた人間がのうのうと平穏な生活を手に入れるのはそれはそれでどうかと思っちゃうわけですが。 ですから個人的な好みでいけば決して好きなタイプの作品ではありません。ですが途切れない緊張感で、見ている間はハラハラしっぱなし。サスペンスドラマとしては上質の味わいと言えるでしょう。 犯人のタトゥーを見てしまったクレア。その事実を知っているダグ。クレア、ダグ、ジェムの3人が鉢合わせるシーンの緊張感がすごい。そしてこのシーンでのクレアのセリフが、ラストの『どうしても会いたいの。今日は晴れた日だから。』につながっていく完璧な伏線。 個人的な好みでいけば点数はこれが精いっぱいですが、完成度の高いクライムムービーだと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-09-10 03:34:14)(良:1票) |
402. ガリバー旅行記(2010)
《ネタバレ》 ジャック・ブラックがそもそもちょっと苦手。『スクール・オブ・ロック』も自分の肌には合いませんでした。 ですので見ようかどうしようか正直迷いましたが、『そもそもガリバーってどんな話だっけ?』と急に気になりだして結局見ることに。 映画は面白かったです。アドベンチャー要素もあります。とは言え、航海のシーンがピークのような気もしますが。波にのみこまれていくシークエンスはすごい迫力です。 そこから先はおとぎ話へと突入。小さな人たちが住むリリパット王国へとやってきてガリバー旅行記の始まり始まり。 で、こっから先はジャック・ブラック演じるガリバーの人柄を許容できるかできないかで評価が大きく変わることでしょう。 私はぎりぎりアウト。ガリバーは悪い人間ではありません。ですがどんどん思い上がっていく様子がどうしても好きになれません。あんな小さな人間たちに自分用の豪邸を建てさせただけでも人間性を疑います。 次から次に嘘をつくのもアウト。 そもそもの嘘の始まりは人間世界でのガイドブックの引用から始まっています。この時点ですでに眉をひそめていたのですが、その嘘がばれるやいなや、元の世界に帰るのが嫌になって『ここに残ってもいいかな?』と言い出す始末。挙句の果てにはニューヨークの街並みを再現させ自分の欲望を次々と実現させてしまう。思考回路が独裁者と一緒。 ラストで今までの自分を猛省。生まれ変わろうと決意して、なぜかロボットとタイマン。なんだかんだでハッピーエンド。だからまあ映画としては悪くないのかなあ・・・ [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-09-07 13:37:37) |
403. メガ・ピラニア
《ネタバレ》 登録したのが恥ずかしくなるぐらい超しょぼ映画。これはもうB級以下な作品。こーゆー映画に限ってやたら核やら世界やら大風呂敷を広げたがります。身の丈に合った内容にすれば良いのに。 途中のストーリー展開なんかはちょっとだけ面白い部分もあるっちゃーあるんですが、肝心のピラニアが人や船を襲うシーンがあまりにもしょぼい。ヘリからダイブする軍人をパクって食べちゃうシーンなんかもはやコントです。 で、やめときゃ良いのにこーゆー作品はA級映画の真似事をしたがるんです。 その最たる例がベネズエラのディアス大佐との確執。 『ピラニア対人間』の構図だけにすれば良いのに、『人間対人間』の構図も入れて別の角度からのサスペンス色を出そうと欲張っています。結果この人間同士の諍いがもうダルいダルい。70分くらいにまとめれば、まだ単純なバカ映画として笑ってみられそうだったのに、変に色気を出して拷問のシーンやらカーチェイスやら入れるもんだから中盤のテンポがとにかく悪い。よほど自信がない限りはこーゆー映画にピラニア以外の要素は入れないほうが無難でしょう。 極めつけはラストの終わらせ方。え?まじでこれで終わりなの?これでピラニアは全滅したことになるの?この脚本のラストにだれも異論は唱えなかったの?頭の中はお花畑でいっぱいか。 [DVD(字幕)] 3点(2021-09-07 11:43:56) |
404. フランケンフィッシュ
《ネタバレ》 期待していなかったのですが、小粒ながらよくできた作品でした。 『ジョーズ』以降のサメ映画やピラニア映画はおふざけに走ったものばかり。そんな中これはまさに私が見たかった王道のモンスターパニック映画。ジョーズを初めて見たときの緊張感が蘇ってきます。 舞台や登場人物をあえて絞ったのも良かったのでしょう。 『水辺に近づかなければ大丈夫』とたかをくくっていると、そのちょっと斜め上を行く魚たち。肺呼吸もできる雷魚とやらの特性を活かして恐怖演出の幅を広げています。 血を洗い流していたら、排水された血の匂いに寄って来るシーンなんか非常にうまいと思います。惨劇が起きるまでの雰囲気づくりがとても丁寧。 で、人が死ぬときは『じわじわ系』ではなく割と『一瞬系』が多い。この緩急のつけ方、バランスが抜群に良いです。母親や生物学者の女性の最期は衝撃的です。 大作でなくとも、面白い映画は作れるというベストオブB級な作品。 ジョーズ系が好きな人にはおススメです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-09-07 11:14:00) |
405. マチェーテ・キルズ
《ネタバレ》 悪くはないですが前作のほうが好きです。 ジェシカ・アルバが好きなのに、彼女が早々と退場しちゃってテンション下がります。 ストーリーは話が飛びまくり。前作はまだ良かったのですが、今作のお話は支離滅裂です。 こちらが1作目であれば、おバカ映画と割り切って楽しむこともできたでしょう。1作目をなまじ真面目なストーリーにしちゃったことで、あの世界観を壊してほしくないという心理が働いたのかもしれません。 あと前作では感じなかったのですが、今作は登場人物がやけに多く感じてしまいました。数が多いわりに本筋と絡まない人物も結構いるので、せっかくの豪華キャストがなんだかもったいないです。前作に比べると随分捨てキャラや一発キャラが多い気がして、映画そのものが散らかりすぎている感じがします。 宇宙とか大統領とか、あまりにスケールがでかくなりすぎたのも良くなかったのかもしれません。 マイナスなことばかり言っちゃいましたが、決して駄作というわけではありません。映画の出来はともかく、目を見張るほどの豪華キャストがこんなおばかなB級映画で共演するシチュエーションがまずお目にかかれない。そういった意味では貴重な作品と言えそうです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-09-05 19:07:46) |
406. マチェーテ
《ネタバレ》 豪華キャストの無駄遣い映画。いや、もはや無駄ではないのかもしれない。これだけたくさんの人を楽しませていることができているわけですから。 これだけの面子をそろえて、主役がダニー・トレホになっちゃうのは後にも先にもこの映画だけでしょう。ジェシカ・アルバとダニー・トレホのカップルなんて誰が想像できましょうか。ある意味私も含めて世の中の逆イケメンにとって希望に満ち溢れた映画と言えるでしょう。 更にはスティーブン・セガールが悪役っていうのもすごい。いや、確かに彼は悪役顔なんですが、『沈黙』シリーズですっかり正義のヒーローのイメージがついちゃっています。『俺も元は捜査官だった。知っているだろう。』のセリフに、いや、知っているけど!って心の中でつっこんじゃいました。 架空の予告映画を本当に1本の映画にしちゃった本作。もっとおバカでどーしよーもない苦笑失笑の作品を予想していたのですが、蓋を開けてみれば意外にストーリーが真面目。まさか移民問題やら政治的思惑やらを混ぜ込んでくるとは。 でも演出はありえないくらいぶっとんでいてやはりまともな映画とは言いづらい。 一言で言うなら、『映画好きな人たちが集まって、自分たちで好きなように撮りましたよー』って感じです。 そんななか個人的に一番サプライズだったのはリンジー・ローハンのビッチ役でした。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-09-02 14:52:21)(良:1票) |
407. 世界にひとつのロマンティック
《ネタバレ》 こんなに適当なタイトルにはなかなかお目にかかれないっていうくらい邦題が適当。原題の「アクシデンタル・ラブ」はひねりはないが単刀直入でずっと良いです。こーゆー作品があると、毎回原題もチェックせにゃいかんかなと少々うんざりした気分になります。 主人公のアリスはスコット、ハワードという二人の恋人候補がいます。こーゆー場合たいてい一人がダメ人間で本命を引き立てるものですが、今作ではなぜか二人ともダメ人間。スコットもハワードも自分の事しか考えていません。似たり寄ったり。なぜスコットがダメでハワードがOKなのか、説得力のある展開がほしい。こーなってくるとアリス自身も男を見る目がないダメ女に見えてしまって、魅力半減です。ですので、ラブコメとしては正直いまいち。 で、もうひとつのサブストーリー。月面基地計画法案の代わりに医療保険法案を通すというラブコメとは全然関係のないこっちのストーリーがちょっと面白いです。一般市民のアリスが演説を通して人々の心をわしづかみにしていく様子が楽しいです。 ただこちらも最終的には医療保険法案は否決され月面基地計画の法案が通っちゃう。終始クソ女でクソ議員のパムが殺人を犯しているのに野放しのまま。どーにもすっきりしないもやもや展開。ハワードの裏技で結局医療保険法案も通って、最後は無理やりみんなをハッピーエンドにしちゃいましたが、なんか残尿感の残る感じ。 つまらないとは思いませんが、納得いかない展開や無駄なエピソードがあるのは間違いない映画。 ハワードの森の儀式のエピソードなんてまじで不必要でしょ。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-30 13:31:30) |
408. 特攻野郎Aチーム THE MOVIE
《ネタバレ》 昔の特攻野郎Aチームを見たことはありません。だからなのか、純粋にアクションコメディとして凄く楽しめました。 決して順風満帆とは言えないストーリーなのに、終始楽しそうなメンバーが良い。1人1人の能力が高く、どんな逆境でもはねのけていくのが爽快。裏切りや黒幕の正体など、ストーリーも面白い。 そしてなんといってもこの映画ならではの見どころがあります。 予告で見たことがあるのは戦車のシーン。予告で見たときはなんてバカな映画なんだと思ったものですが、実際映画の中で見てみると、バカバカしくも必然性を感じるからすごい。 戦車も笑ったのですが、更に面白かったのはスクリーンから飛び出してくるリアル3D。マードック大尉を脱獄させるシーン。ここは爆笑必死です。 最後はハンニバルのおかぶを奪うフェイスの頭脳プレーで見事にリンチを捕獲。これで自分たちの汚名をそそぎ、軍に復帰・・・かと思いきや脱獄の罪で再び逮捕。無実の罪で投獄されても、脱獄したらその罪に問われるってなんだそりゃ。どーせおバカコメディなんだから4人が復帰して新たな任務で活躍するような終わり方でスッキリさせてほしかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2021-08-29 22:52:02)(良:1票) |
409. アデライン、100年目の恋
《ネタバレ》 序盤が結構かったるいんですが、中盤、ハリソンフォードが出てきたあたりから俄然面白くなります。 アデラインを知っている人は当然いるわけです。自分の正体を知る人物に思いもかけない形で再会するというちょっとハラハラな展開。ハリソンフォードの『アデライン』の一言は衝撃的な名シーンです。 アデラインの誤魔化しかたもたくみで、咄嗟に『母です。』と言ったあとは娘を演じ切る。さすが100年も真実を隠し通してきただけあって機転が利きます。とはいえ、どうせどっかでばれちゃうのはこーゆー映画の性質上明白なわけです。必ず爆発する爆弾。いつ爆発するのかは誰にもわからない。そんな緊張感。 また、ラブストーリーとしてもなかなかよくできています。切ない気持ちと幸せな気持ちを同時に感じられる作品です。 ベンチに座る若き日のウィリアムが手に持っているのは婚約指輪。それに気づいたアデライン。そのままタクシーで通り過ぎ、涙を流すアデライン。このシーンは今作屈指の名シーン。ここではあえてウィリアムの姿を映さなかったので、大変印象に残るシーンとなっています。ここのインパクトが強いので、ウィリアムに真実を告げるときのシーンが感動的になるのだと思います。 それにしても私自身はやはり年相応に自分の年齢に近い人に心惹かれるので、体が歳を取らなければ思考や価値観も歳を取らなくなるものかとちょっと不思議。 唯一の難点を挙げるなら、序盤がちょっと冗長すぎるところでしょうか。 白髪を見つけることがこんなにも感動できるものなのかと、なんだか大切なことを教えてくれる映画です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-08-29 19:16:56) |
410. トロール・ハンター
《ネタバレ》 結構バカにされている作品のようですが、個人的には面白かったです。 で、これも個人的な感想ですが、ちょっと怖かったです。私的には『ホラー』のジャンルに入ります。 最初のトロール出現シーンに始まり、トロールの怖さがしっかり描かれた力作です。 これは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』をトロールに変えただけですね。 『ブレア~』や『REC』や『クローバーフィールド』といった類の手持ちカメラホラーが大好きなので、この映画も例にもれずはまりました。この臨場感がクセになります。もしかすると、映画というよりアトラクション的面白さを感じているのかもしれません。 思っていたよりトロールが次から次に出てくるのも楽しい。 『山トロール』とか『森トロール』とか、マウンテンキングとかなんとかかんとか、種類が豊富なのも良い。 トロールハンターの詳細なトロール蘊蓄が、どれももっともらしい説明ばかり。設定を作りこみ、真実の物語感が増します。『成長するたびに頭が増える。増えた頭はただの飾りで、相手を威嚇するために使う。』なんていかにもって感じで、よく思いつくなと感心します。キリスト教が狙われるっていうのは胡散臭いですが・・・ で、途中までは思いもかけない掘り出しものを見つけたものだと8点をつけようかと思ったのですが、ラストがいただけません。 まるで某類似作品みたいな終わらせ方ですが、この作品には合いません。こんなあやふやで終わらされて消化不良感がすごかったのでマイナス2点です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-08-29 18:57:03)(良:1票) |
411. ピラニア リターンズ
《ネタバレ》 前作のほうが良かったようには思いますが、これはこれで嫌いじゃありません。 まあ映画というよりは、作成者たちの悪趣味の詰め合わせのような作品ではありますが。 モテ男のアソコがピラニアに食いちぎられるのもそう。 うるさい子供が最後に悲惨な末路を辿るのもそう。 最後に子供が頭食べられちゃって、容赦なくその変わり果てた姿をさらしたときに、その子供に向かってみんなが携帯を向けているのが今の時代を象徴しているようで寒気がしました。 もしかすると、バカ映画なふりをして、何かの警鐘を鳴らしているつもりなのか。 もしくは、ただ個人的に嫌いな人種を映画という媒体でめちゃくちゃにしてやりたかっただけなのか。 でもこーゆーバカまっしぐらの映画が結構好きです。悪趣味上等。人間体に良いもんばっかり食べていると、時には体に悪いものも食べたくなります。これはそーゆー映画。必要悪みたいなもんです。 でもまあやっぱりホラー色やパニック要素を強めにしてもらってもう少しスリルを味わいたかったのが本音。 主人公と女友達が桟橋で襲われるシーンがありましたが、あーゆー真っ当なサスペンス路線が特に後半もっとあれば評価はずっと高くなったかもしれません。 前半から中盤にかけて真面目にホラーをやって、後半からラストにかけてギャグテイストが強くなっていますが、逆のほうが良かったんじゃないでしょうかね。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-18 03:43:58) |
412. トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男
《ネタバレ》 正直見ようかどうか迷った作品。なぜなら伝記もののようなお堅い作品は娯楽ばかり求めている今の自分には向いていないと思ったからです。で、そんな精神状態で見た本作ですが、これがなかなか面白かった。純粋に映画として面白かったです。 赤狩りを題材にした映画は数多くあります。そんななか、これは割とソフトに描かれたほうかもしれません。ですが実際には共産主義というだけで財産を失い、家族を失い、無実の罪を着せられて投獄された人々がたくさんいたわけですから、恐ろしい時代だったのは間違いありません。 で、この映画の良かったところは、そんな時代背景を色濃く映しながらも、負の側面ばかりをとらえなかったところにあります。 トランボという希代の天才脚本家の壮絶ながらも輝かしい人生。あくまでそれがメインなので、ある種のサクセスストーリを見るかのようなカタルシスを感じることさえできます。 その一方で、『ローマの休日』や『スパルタカス』といった名作が生まれた背景にそんな事情があったなんて、この映画を見なければ知る由もなかったでしょう。 政治的弾圧を受け不当に投獄されながらも名作を生み続けたトランボ。 信念を貫く一方で家族を愛し、隣人を愛し続けたトランボ。 その人間の偉大な功績とそこに至るまでの軌跡を描いた物語。 私の知識不足のため、時代背景やストーリーが完璧には理解できていない可能性があるため7点とさせていただきますが、これは映画としても映画史的資料としても貴重な映像作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2021-08-18 03:24:40)(良:1票) |
413. ゴールデンスランバー(2009)
《ネタバレ》 過程はすごく面白い。でも結末はものすごく気に入らない。 森田は青柳をはめたわけですから、あのような結末になっても仕方がありません。自分の家庭の金銭トラブルを解決するため、早い話友人を売ったわけです。 それに対し青柳は善良な一般市民。理不尽なトラブルに巻き込まれるのは良いとして、そのまま報われない結末を迎えるとはいかがなものか。 こーゆー理不尽系サスペンスってのは最後に大逆転してカタルシスを得られるから良いのです。最後まで理不尽なままで終わってどーする。 だいたいあんな形で生き残っても社会的には死んだも同然。顔を変え、戸籍を失い、身分を証明するものは何もないのに、これから先どうやって生きていくのでしょう。仕事も失い、家族や友人に会いに行くことさえできません。 好きだった人は別の人と結婚し、幸せな家庭まで築いています。 冒頭のシーンと最後のシーンがつながっているからってそれがどうした。ただ辛いだけです。そんな辛いだけのサプライズなんていらないです。 『大変よくできました。』をもらったって全然嬉しくない。『よくできました』のほうで良いから、竹内結子と2人で生きていくほうがずっと良いに決まっています。 壮大なカタルシスを期待して2時間以上も我慢して見続けた結果がこれか。期待させるだけ期待させておいてこれはないです。 こんなに怒りを抱えてしまうということは、それだけ作品に没入できたわけですから、映画としては悪くないんでしょう。 でも『私も見たかった』という妻には『見なくていーよ。』と言っときました。 [DVD(邦画)] 5点(2021-08-15 14:51:11) |
414. ジャックと天空の巨人
《ネタバレ》 思っていた以上に映像がド派手。特に大きな豆の木が一気に成長していく様子は一見の価値ありです。 巨人が恐怖の対象としてちゃんと怖く描かれているのが良いですね。とりわけ巨人の登場シーンは最高に良かったと思います。 走って逃げても巨人が走ればあっという間に追いつかれる当然の理屈をきちんと描いているのが良い。 ロデリック卿の陰謀が最大の見せ場かと思いきや、そこからもう一波乱用意されていて、とにかく最後まで目が離せません。 ストーリーは単純明快。ですが物語に起伏があり、演出が良いので、ちょっとレベルの高いおとぎ話を見ているかのような満足感があります。 騎士が窯に入れられちゃうシーンや、大勢の巨人が走って追いかけてくるシーンなど、とにかく『怖さ』をきっちりと描いてくれているので予想以上に楽しめました。自分たちの城の中でまさかのラスボス登場のシーンもかなり怖かったですね。見つかったかと思ったら鏡。そんなちょっとしたスカシなど、映像の力だけに頼っていないのが良い。モンスター映画としての面白さがいっぱいつまった隠れた名作。アクションとしてもサスペンスとしてもアドベンチャーとしても申し分なし。 最後は英雄になった主人公ジャック。 お姫様とも結ばれて最高のハッピーエンド。 年代問わず楽しめる爽快なエンターテイメントに仕上がっています。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2021-08-15 03:25:13) |
415. プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂
《ネタバレ》 こーゆーアイテムが出てきた時点で覚悟はしていたのですが、やっぱり今までのことを無かったことにされちゃいました。 もともとこーゆー『タイム・リープ』&『リセット』のコンビはそれまで見てきた時間を無駄にされちゃったような気分になるので好きではないです。ただこの作品ではあのタイミングで序盤に戻るのはもはや必然だし、結果ハッピーエンドなので、気にはなっても気分を害するほどではなかったです。善良な兄弟や父王、黒人ハンターの死もなかったことになるので、それはそれで良かったかと思います。 それにしてもなかなか都合の良いところまで巻き戻りましたね。 タミーナ王女も当然すべての記憶が失われているわけですが、タミーナ王女だけはなぜかすべて覚えているという設定でも面白かったかもしれません。 映像的な面白さも2010年の作品だけあってなかなか良かったです。特に時間が巻き戻るときの映像は結構好きです。 それにしてもやたら叔父のニザム(ベン・キングズレー)をダスタンは信頼していたようですが、どう見ても悪人にしか見えないです。こんな顔した人間が良いやつなわけないじゃん。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-08-15 02:47:24) |
416. 若葉のころ
《ネタバレ》 こーゆー映画の良さ、面白さというのがいまだによくわかりません。 私には主演の女の子のかわいさと、ノスタルジックな雰囲気に頼りまくった映画にしか見えませんでした。 母親の若いころのエピソードと娘の現在のエピソードが交互に流れるのですが、それがうまくリンクしているとは思えません。それぞれのストーリーは独立していて、その時代だけで物語が成立しています。だったら、どちらか片方のストーリーをメインとし、もう片方の時代はあくまで添え物的な扱いにしてもらったほうが、より感情移入できた気がします。 親友の裏切り。ちょっと好きだった男の子とのケンカ別れ。しかもこれは勘違いというか思い込みに近い。 このエピソードの結末は放置。 母親は目覚めず、結局このあとどーなったのかわからない。 リッチー・レンの抱える様々な問題だって、何一つ解決していないんじゃないだろーか。 いろんな布石をうった挙句、放置したまま突然終わりを告げる映画に、私はただ唖然とするばかりでした。 [DVD(字幕)] 3点(2021-08-09 00:53:10) |
417. スモーキン・エース2(OV)
《ネタバレ》 前作のファンだっただけに、今作の出来は残念と言わざるを得ません。 殺し屋がたくさんいる、という設定だけを借りてきた、中身は全く別物の作品でしょう。 前作にあったスタイリッシュさは影を潜め、ただの下品で凡庸なアクションに成り下がってしまいました。 そのアクションも、前作にあった見所シーンはほとんどありません。これは演出が悪いのか脚本が悪いのか、あるいはその両方か。少なくともアクションの出来は雲泥の差です。 前作のトレモア兄弟の親戚みたいなのと、ラズロ・スートの再登場はまだ良し。 ただ『外科医』と『女殺し屋』は、ただ銃を撃ちまくるだけでせっかくの個性が台無し。最初のキャラクター紹介による強烈な個性づけが全部無駄。これは明らかに脚本が悪いでしょう。なぜこんなことになってしまうのか、理解に苦しみます。 こーゆーのはそれぞれの殺し屋がそれぞれの個性を活かして暴れまわるから面白いのです。わかってないなー。 ストーリーだって、前作のほうがはるかに面白かった。 舞台も前作のホテルのほうが断然良かった。 気付けば文句ばかり書いている・・・。 スモーキン・エースの続編としてではなく、数あるB級アクションの1つだとして見れば、楽しめるほうだとは思います。 [DVD(字幕)] 5点(2021-07-31 04:09:22) |
418. ピラニア 3D
《ネタバレ》 『ジョーズ』や『オルカ』や『ピラニア』といった海洋パニックを見てきた世代。 小さい頃からこーゆーの好きだったのですが、大人になるとさすがに『怖い』とは感じなくなるものですね。 そういえば、『13金シリーズ』や『バタリアン』を大人になって見た時も同じ感覚に陥りました。 当時あれだけ怖かった映画が、今見るとそのチープさにため息が出てしまう、みたいな。 ところが今現在製作されているホラー映画やパニック映画はちゃんと怖い。だとしたら今の子供達は、今現在制作されているホラー映画の類は見ないほうが良いかも。刺激が強すぎます。絶対トラウマになりそうです。 話が横道に逸れましたが、グロ描写が好きな私としては、本作なかなか楽しめました。ビーチでのパニックも良かったと思います。 他の人を助けようとする人もいれば、自分だけボートに乗って逃げようとする人もいる。それも人を撥ね飛ばしながら。なんかそーゆーところだけ変にリアルで面白い。この終盤のパニックはB級映画とバカにできないくらいのクオリティです。 主人公や登場人物たちはバカにしていいほどバカな行動しかしませんが。 とりあえず今キスしてる場合じゃねえだろうと、一番イライラさせてくれたのは他でもない主人公でした。 [DVD(字幕)] 6点(2021-07-31 03:55:58)(良:1票) |
419. スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい
《ネタバレ》 かなり好きです。 プロの暗殺者とFBIが入り乱れるバトルロワイアル的展開にずっと興奮しっぱなし。 暗殺者の紹介シーンも良かった。 『最高の二人組みだ。ある組織を壊滅させている。』に始まり、『破壊屋』の異名をもつアコスタ。北斗の拳から出張してきたかのようなトレモア兄弟。変装の達人で天才暗殺者ラズロ・スート。 どいつもこいつも個性的でイカしたキャラばかりです。 対するはFBI捜査官のメスナー(ライアン・レイノルズ)とカラザーズ(レイ・リオッタ)とその他大勢。 どちらかというとサイコパスなイメージのあるレイ・リオッタが、あえて真面目な捜査官。レイ・リオッタがわりと早く退場しちゃうのがもったいなかったけれど、エレベーター内での激闘は個人的に名シーン。アコスタと同乗したときに、まだ戦わないだろうと思っていたら、突然始まる殺し合い。この出し惜しみの無い容赦の無い感じがたまらないです。 トレモア兄弟が海辺で三人組を瞬殺するシーンも凄い。 この2つのシーンで、いつ誰が殺されてもおかしくないという緊張感ができあがったように思います。 レズッけのある女スナイパーの長距離射撃も見所。まじでかっこいいです。なにせ撃たれた人間がふっとびます。 いろいろ批判のあるストーリーですが、個人的には好きでした。 暗殺者たちのバトルに気をとられて深く考えずに見ていたので、まさかそんなからくりがあったとは驚きです。 まず息子ということにも驚きですが、息子の心臓を手に入れて自分に移植するためだったとは。心臓が欲しいとは、言葉通りの意味だったのですね。 そしてスパラッザの正体に二度びっくり。 殺し屋とFBIによる殺し合いだけでも十分面白いのに、それに加えてストーリー的面白さも用意されている。 ストーリーもアクションも全く手を抜かず、面白さを追求した極上のエンターテイメントです。 [DVD(字幕)] 9点(2021-07-25 16:46:16) |
420. バーニング・ブライト
《ネタバレ》 女子大生の主人公と自閉症の弟。この2人が家に閉じ込められ、虎に襲われるというだけのシンプルなアニマルスリラー。 だから怖いのだと思います。そして、はっきり言って面白い。 虎はもちろんですが、自閉症の弟の行動も予測不能。先が読めない、久しぶりに面白いシチュエーションスリラーに出会いました。 あまりミステリーにする気はないみたいで、継父が黒幕というのが早い段階で判明。 こいつがまじでとんでもないやつで、姉弟の母親を殺したのも実はこいつ。 そして姉弟に保険金をかけ、虎に殺させようとする超のつく極悪人。 『ハリケーンが来るから』という理由で従業員に家の壁や窓に板を打ち付けさせる。その辺はぼーっと見ていたので、これが実は姉弟が家から逃げ出せなくするためだったとわかって、恐れ入りました。そーゆーことですか。完全犯罪です。状況設定の作り方が上手い。 主演女優の方が、おそらく初めてお目にする方なんですが、なかなか魅力的な人でした。すごく応援したくなる人物だし、なかなかの美人さん。 ラストはカタルシスと恐怖を同時に感じられる終わり方で申し分なし。 B級作品ながらA級作品にひけをとらない風格と完成度。 ダクトみたいなところに隠れるシーンはかなりの名シーン。これぞ隠れた名作。 時間も短めですし、かなりオススメです。 [DVD(字幕)] 8点(2021-07-19 03:58:08) |