421. ダニー・ザ・ドッグ
《ネタバレ》 この人が主演なのでアクションシーンは必須だけど、体を使わない芝居でも頑張っていたと思います。そういう意味で、モーガン・フリーマンはさすが一流のバイプレイヤー。強い主人公には強い敵役が必要ですが、不死身のおっさんには笑ってしまった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-12-01 00:35:56) |
422. ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
う~ん、自分は主人公に人間に敵対する側に加担して欲しかったな。エルフの王子が人間に戦いを仕掛けたのは、自分たちの棲家としてきた領分を侵されたから。それは充分に宣戦の動機になるんだけど、それ以上に掘り下げられないままに終わってしまうのが残念だった。主人公がエルフ側に付けば、嫌でもその部分が強調されるよね。テーマが掘り下げられるだけでなく、ストーリーもダイナミックに展開するはず。有りがちなヒーローものに一石を投じた作品になったと思うんだけど…。 この監督が表現するクリーチャーたちの世界観には独特のダークな見応えがあるけれど、それを活かす為にも、もうひと捻り欲しかったという印象です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-30 23:58:36) |
423. そのときは彼によろしく
自分に置き換えられる部分が何ひとつ無いので、こういう映画はレビューの視点が定まらない。いろんな意味で設定が都合よく作られすぎていて、ストーリーが拡がらない。内容だけを考えると、とても辛口の点数になるはずが、なぜか最後まで普通に観られた。主演の二人のおかげかな。有名モデルになるような幼なじみが欲しかったけど既に中年。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-11-30 00:17:46) |
424. イーグル・アイ
《ネタバレ》 国家安全保障を機械的でプレーンな視線で判断した結果が行政トップの皆殺し。なぜか主人公は身を呈して阻止しましたが、止める必要はあったのか? ラストに出て来た某大統領のソックリさんを見て尚更そんなことを思った次第。あのコンピュータは暗殺のプロですね。キラとか名乗って、世の中を清浄にして欲しい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-25 02:54:49) |
425. 英雄の条件
原題を直訳すると交戦規定で、これは検事が被告に読ませようとしたら、被告が暗誦したやつのことだろう。攻撃前に威嚇や警告をせよとか、非武装の人に発砲するなとか…。たぶんこの映画が言いたいのは、交戦時に最も大切なことはそんな規則の中味ではなく戦友や部下の命ってことですね。それは正しいと思います。でも、その大切なことは規則にする類いのことではない。交戦規定の裏側に存在する明文化できないルール。それを表現した原題のはずなのに、邦題が酷いです。たまたま主人公は英雄的な働きをしてきた人物でしたが、英雄を定義している映画では無い。これを観た日本人は、邦題の為に少なからず視点がブレるんじゃ無かろうか。でもこれは、フィクション(ですよね?)として見ても、イエメンの人たちは怒るだろうなぁ。右傾傾向にある映画として批判され易そうな内容ですが、自分は銃弾が飛び交う中では奇麗事を言ってられないというのが現実だと思いますね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-19 01:34:35) |
426. 空へ ―救いの翼 RESCUE WINGS―
《ネタバレ》 ラストに山場らしきものはあるんだけど、特に感動するとかいう類いストーリーではなく、映画としては平板な印象。ありがちなエピソードの羅列だからだろう。どこまでリアルに描かれているのかは分からないけど、こんな仕事があることは分かりました。一種のリクルート映画です。素人目に見ても難度の高い操縦をしているシーンがいくつかあって、そこは自衛隊の熱心な協力が窺える。撮影当時15歳の高山侑子はとてもそんな歳に見えなかった。単なるフケ顔に終わって欲しくないので、今後に期待です。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-11-19 01:17:42) |
427. ソウ2
1作目に較べると失速した感がありました。刑事を拘束するために仕組んだ誘拐監禁だとしたら、そんな遠回りをする必要を感じない。最初からあの刑事を誘拐すれば良いはずですね。ジグソウじいさんは、最後まで座っていられれば息子が無事に帰って来るって言ってて、結果としてはその通りだったんだけど、その謎掛けの意味が不明。1作目の、命を軽んじている奴らに命題を与えるという動機と猟奇的な仕掛けは辻褄が合っていたんだけど、今作にはそれを感じない。すると、次々に登場人物が殺されて行くB級モンスターホラーと同じです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-10 20:09:20) |
428. 俺たちに明日はないッス
《ネタバレ》 森高が「17才」を歌ってから、すでに20年。南沙織のオリジナルにも親しんだ自分は時の流れの速さを感じます。これは高校生のリビドー映画ですが、あの年代の男の子はいつの時代も、やりたいの一辺倒で描かれても文句言えない精神構造だと思います。一方、女の子はどうなのか? この映画の女の子たちは個性豊かに描き分けられています。それも、したたかに男の子をリードしているように感じます。教師と不倫している女の子が、比留間クンと海へ行くのは脅迫されたからとは思わなかった。公園で倒れていた女の子は、男子以上に興味を持って励み、妊娠しました。面白かったのはおデブくんとくっついた巨乳ちゃん。とかく男性は「私の体が目的なんでしょ!」と責められることが多い(と思う)のだけど、男の体が目的で何が悪いと開き直った彼女の理屈には笑いながら頷いてしまった。3つのカップルに共通しているのは、見方によっては男の子よりもSEXに積極的な女の子たち。これが、現代の女子高生のリアルなヰタ・セクスアリスだとしたら、選択肢を持った進化を遂げている女の子を印象づけられる。やりたがっているのは男の子だけど、後の先を取って攻めているのは女の子ってところか…。タイトルは男の子の刹那的な性欲求を訴えていますが、本当の主人公は女の子たち。「あんた達の明日なんて知らないわよ」が正しいタイトル。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-11-05 00:45:45) |
429. 私の頭の中の消しゴム
韓流ラブストーリーらしいご都合主義があちこちに垣間見える。だけど致命傷にならずに済んでいるのは、そのことでお話の結末が変わったりしていないからだろう。主演二人の行動にもっと現実味を持たせれば、作品の質が高まったと思います。アルツハイマーの症状はあんなものじゃ無いと思うけど、現在の韓流に奥深いものを求めていないので、あれはこの映画オリジナルの記憶障害と思って流しました。ソン・イェジンって、最初は普通の人に見えるんだけど、ストーリーが進むに従ってどんどん可愛く見えてくる。このあたりもまさに韓流という印象です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-10-27 01:04:05) |
430. 空気人形
《ネタバレ》 心を持った空気人形は、その空洞を満たしたかった。愛で満たされることが最もシンプルで最も満足を得られる方法だろう。でも、本来男性の自慰のために製作される空気人形はあくまで道具であり、行為を通して愛情が注がれることはない。また、自慰行為が纏う後ろめたさは、人形の自我を否定する。持ち主の板尾が「元の人形に戻って欲しい」と言ったのは、残酷だけどよく分かる。もっと残酷だったのは、レンタル店のお兄さん。彼は空気を抜いては吹き込む、を繰り返した。男性観賞者は同意すると思うが、しおれて蘇るぺ・ドゥナの肉体に性的興奮を覚えるのである。恋心を抱いた相手からも道具として扱われる…。そんな扱いを受けても、彼女はその本能からか、献身的な姿勢を失わなかった。自慰行為の後ろめたさを全身に引き受け、アイデンティティを無視され、それでも健気に献身する彼女は性の女神だ。人の業を引き受けて十字架に磔にされた有名人にイメージが被るが、こちらは数名の下半身欲求に救いを与えただけ。人は心を満たすことを希求する。でも、満たされている人は滅多にいない。空気人形の視線を通して、心の飢餓感と、満たされることの難しさを見せられる映画でした。ペ・ドゥナの物怖じしない演技が、重たいテーマを優しく湿り気なく見せてくれます。 [映画館(邦画)] 5点(2009-10-09 02:31:23)(良:1票) |
431. ウォンテッド(2008)
《ネタバレ》 弾丸をカーブさせるのは、さすがのマトリックスでもやってなかったな。円形の部屋の周囲に散ってる人たち全員の頭部を一発の弾丸で、しかも自分も含めて撃ち抜くアンジーの手腕に感動した。リストと腰の使い方にコツがあるようだ。あの技術があれば、暗殺じゃ無くても食うには困らないだろう。それと、あの回復風呂のレシピが知りたい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-09-24 02:48:23) |
432. ハッピーフライト(2008)
《ネタバレ》 飛行機を飛ばすための手順が良く分かりました。一般論として、仕事とは多くのパートの複合的な繋がりの先に成立していることも感じさせる。先輩の操縦士や整備士にいじられる後輩という意味では、職場環境の厳しい面も見せている。社会人未満の人たちには、お仕事のオリエンテーションであり、航空会社のリクルート映画でしょう。この監督のシンクロ映画やジャズ映画は、現実感皆無のラストのパフォーマンスがいただけなかったけど、今作の出発点へ引き返すストーリーには成長を感じました。全編にわたる笑いの要素をどこへ帰結させるかという点は相変わらず余り考えていないようで、太いストーリーにはならない作り方。まぁ、ピンポイントごとに笑ってもらえれば良しということなんでしょう。乗客の立場に立つと、綾瀬はるかのCAは歓迎だけど、あんな頼りない副操縦士が飛ばしている飛行機には乗りたくない。映画全体の印象から、ひとつ間違えば飛行機は簡単に堕ちるんだ、ということが意識された。正直、飛行機に乗るのが少し恐くなった。その意味でANAはメリットと共にデメリットも引き受けていますね。常識的には、大企業にはありえない姿勢です。創作活動への協力という視点からは敬意を表したいです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-09-22 01:14:13)(良:1票) |
433. 石の微笑
《ネタバレ》 似たようなタイトルの映画がありましたな。そっちは、とびっきりと言っても良いイイ女に関わった男の転落話。こちらも女に関わって被る受難という意味では類似している。もちろん、邦題もそれを意識して付けている。決定的に違うところはその女である。ハッキリ言って美人じゃない。醜くは無いけど、ブ○という蔑称を使う男もいるくらいのレベルだろう。だけど、形容しがたい魅力がある。言ってることがエキセントリックで、狂気じみていて、変な地下室に住んでいて、いつも不機嫌な顔で、でも肉感だけはタップリとある。なんだか、気になる女という意味では、すごく説得力のあるフェロモンを発散しているのである。理屈では説明できない不可思議な女の魅力。この映画の狙いって、それを見せることだけじゃないかなぁ。でもそれには成功してますよ。人によっては、病み付きになる。ドリアンみたいなものでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-31 21:45:19) |
434. たみおのしあわせ
《ネタバレ》 最後はいきなり、ある名画のパロディになりました。あの展開には違和感を覚える人が大多数だと思う。以下、自分の解釈です。親父は至って真面目な人。息子の嫁=自分の娘で、手を出したりしたら禁断の関係という感覚。息子が大切で、義母にしろ、嫁にしろ、どんな女性が息子に相応しいかに腐心して生きてきた。嫁の思わせぶりな態度に戸惑っていたところ、式直前に抱きつかれ困惑極まれり。「こんな嫁はいらない」。これは、息子コンプレックスだ。一方の息子。死んだ母は唯一崇高な存在で、親父が付き合う女性を母と同格に考えることが出来なかった。父の愛人と叔父の関係を知り、自分の理解を超えた男女の関係に穢れたものを感じる。式直前に、その穢れを直接に目撃する。彼にとっては、無条件に信頼がおける女性は死んだ母だけ。「もしかしたら、女ってみんな穢れてるんじゃないか? 自分はそんなイキモノと暮らして行けるのか?」。母は亡くなっているので分かりにくいが、息子の症状はマザコンだ。女性の存在が巨大な恐怖として彼を包囲したとき、親父が救いの手を差し伸べ、そして二人で逃げた。誰から? 母以外のすべての女性からだ。ラストシーンが象徴的でした。母に見える女性を追って草むらに消えるマザコンの息子と、追従する息子コンプレックスの親父。きっと、この先も二人で暮らして行きます。それが「たみおのしあわせ」です。麻生久美子も大竹しのぶも、父子のコンプレックスの狂言回しです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-28 00:20:09)(良:2票) |
435. ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
《ネタバレ》 ストーリーは相変わらずですね。そういう映画ってことです。兄妹たちには身体的な成長が伺えたけど、相変わらず魅力ないねぇ。末娘のルーシーは、あと10年もすれば悪役が似合う面構えになるんじゃないかと心配してしまった。彼らに比べると「ハリポタ」のメインキャストでさえ、もの凄く魅力的に見える。そんなこと言ったらハグリッドに失礼か。カスピアンにも苛立った。先制をかけるために忍び込んだお城で何やってんだよ。ストーリーには何も期待していないが、不要なストレスはもっと期待していないぞ。それと、前作に比べてライオンのアスランが決定的な戦力を持っていることに違和感があった。彼も長い時間の流れの中で、レベルアップしていたってことなのかな。特に悪口を言うつもりは無かったんだが、文字面はかなり辛口になってますな。いや、良いファンタジーだと思います。最初から何も考えずに観ようと思い、最後までほとんど考えずに済む映画は貴重です。自分は楽しんで観ましたよ。ホント。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-25 02:25:27) |
436. ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
《ネタバレ》 ストーリーが幼稚なのは、元々がそういうお話なのでしょう。でも、キャストはあれで良かったのかな。主人公の兄妹たちに魅力を感じない。造形的にも、芝居的にも。それが英雄になってしまうのだから、もう少し映像的な説得力を持たせ欲しかったところ。特に弟君は動物も含めた全登場人物中で最弱の生物に見えました。それがあんなに活躍したら、子供が観ても違和感が残ると思う。動物たちの描き分けは見ていて楽しかった。特にライオンの描写には力が入ってました。「百獣の王」という形容は子供の頃から聞き続けていたけれど、ドキュメンタリーや動物園で見る雄ライオンはいつも寝そべってばかり。でも、この映画ではしっかりと王を務めている。あのたてがみの意味を初めて実感させてもらいました。ナルニアで老齢まで世を治めた後に、元の世界に戻ったら歳を取っていなかった、っていうのは憧れます。転生せずに二つの世界で2回の人生を送れるってことだ。今の記憶を持ったままクローゼットを通って小学生に戻れるのなら、私はたぶん行っちゃいますね。でも我が家に押入れはあっても、クローゼットは無い。 [DVD(字幕)] 5点(2009-08-25 01:39:52)(良:1票) |
437. 口裂け女2
《ネタバレ》 「2」となっているが、前作とはまったく違う映画です。前作では“口裂け女”をオカルトホラーの対象として扱っていたけど、今作にはしっかり実体がある。明るく健康的な少女が、ある事件をきっかけに、不幸な坂を転がり落ちて行きます。結果として彼女が“口裂け女”になるんだけど、原因となったその事件は彼女と関係のない三角関係から起こり、地方都市らしい噂の拡がりが彼女を追い詰める。もう、不条理感たっぷり。とどめは肉親の裏切り。絶望的な青春映画という趣きで、見応えは救いが無いところ、という類いの映画です。彼女の精神が壊れ始めて、身の内に“口裂け女”が育って行くところの見せ方が上手い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-19 01:14:47)(良:2票) |
438. シティ・オブ・ゴッド
自分は近所の子供たちと銀玉鉄砲で戦争ごっこをして遊びました。この映画の子供たちは実弾を使って戦争をして遊んでいました。このギャップ。遊びの延長上にいきなり死体が何体も転がるノリが笑えないエンターテイメント感を醸成していて、ブラジルらしい陽気な映画といえなくもない凄い作品。いや、怖い作品か。共感も感動もしなかったので、この点数。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-12 13:38:28) |
439. ブロークバック・マウンテン
主演二人の感情の微妙な動きが繊細に演出されています。マイノリティーが抱える悲哀が時代背景と共に、宿命的に描かれています。良い映画なのでしょう。でも、偏見は持っていないつもりだけど、最後まで観るのがかなりしんどかった。進んで見たいものでもない。みなさん、けっこう平気なようで、それが驚き。やっぱり自分は偏見を持ってるってことなのか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-11 01:16:59) |
440. クローズド・ノート
《ネタバレ》 引っ越してきた部屋にあった前の住人の日記を読んでしまうエリカ嬢。そこには彼女が目指している教職に就いている女性が、一人の男性への想いを綴っていた。エリカ嬢はその記述に共感し、アクションを起こす勇気をもらう。まぁ、同じ男を好きになっていたんだから、共感するのも当たり前か。あるコンテンツから何かを得るかどうかは、そのコンテンツに共感するかどうかと同義だと思う。ご大層な中味であっても、共感しないと自分の中を素通りするだけ。エリカ嬢は、教職という仕事と片想いの進捗に痛く共感して、色々なものをあの日記から授かったようでした。ちなみに、自分の名前が隆(リュウ)という字を使うタカシなので、伊勢谷友介の素性はすぐにバレました。そこが分かると伊吹先生の去就に関しても同様です。そもそも、日記を取りに来ないことが変だ。ほとんどの人が途中で気づくオチですが、それがこの映画の評価を下げることはないでしょう。小学生に戻って伊吹先生に教わりたくなる映画でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-08 04:16:28)(良:1票) |