441. アメリカン・グラフィティ
前半は話が未整理でごちゃごちゃしていたのですが、後半は美しく収束していました。見ているときは、眼鏡の子のアホな言動にいらいらしたり、登場人物ほぼ全員のなーんにも考えてない行動様式に呆れたりしていたのですが、終わってみるとなぜか爽快な印象が残っています。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2004-06-14 00:24:30) |
442. ケンタッキー・フライド・ムービー
ギャグの中で笑えたのは3割ぐらいですが、こんなコンセプトでわざわざ映画を作ってしまおうというへそ曲がりの根性だけは評価したい。しかし、「裸の銃」の源流はこんなところにあったんですね。 [DVD(字幕)] 6点(2004-06-08 02:10:02) |
443. ジュリア
《ネタバレ》 前半はジュリアとの過去を一枚一枚回想していき、それが後半の一本のサスペンス・ドラマとして見事に結実している。その後半は、駅に着いて汽車に乗ってからカフェで無事目的を達して別れるまで、中途半端な盛り上げは一切ない。背景の説明もほとんどないし、言われた理由が本当かどうかも分からない。そのくせ、「箱を渡して」など、一言で彼らの真剣さと用意周到さを表現しきっている。一本の鋼線のような張り詰めた緊張感、各シーンにまったく無駄なし。ベルリンのカフェでのレッドグレーヴの演技には、神々しさすら感じる。 [映画館(字幕)] 9点(2004-06-05 02:55:32) |
444. オーメン(1976)
《ネタバレ》 日常生活の中に何気なく出てくる恐怖こそが、現実感があって何より怖いのです。だから、神父串刺しとか記者切断みたいなおどろおどろしいものよりも、最初の自主的(?)首つりの方が恐さのレベルは上です。途中、イタリアでの調査なんかが妙にのんびりしていて、そこでペースダウンしていますね。音楽に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2004-05-31 01:09:38) |
445. 北国の帝王
こんな設定でいったいどんな話になるのかと思っていたのですが、それなりの話にはなるのですね。浮浪者と車掌の両者の背景に何の説明もないところがいいです。 6点(2004-05-18 03:29:06) |
446. ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど
本来、傑作になりえた作品だと思いますが、全体的にテンポがのろくて、シーン自体も平凡なものが多く、標準レベルの作品にとどまってしまいました。 6点(2004-04-20 01:38:46) |
447. スケアクロウ
《ネタバレ》 分かりやすい事件とかはほぼなくて全体は地味で平坦でしかも微妙に長いんだけど、後からじわっと染み出てきます。噴水のシーンで、さしたる前振りもなくごく自然に一線を越えてしまうパチーノに(というかその演出に)、かえって生々しさを感じます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2004-04-04 20:36:00) |
448. チャンプ(1979)
一応よくまとまった話にはなっているが、一番肝心な、「なぜ再びリングに上がることにしたのか」の部分がきちんと押さえられていないため、全体の焦点がぼけている。つまり、ボクシング開始の時点から全然別の話になっているのである。なお、子役の彼は、力と熱がこもっている様子は十分に窺えるが、1人で走ってしまっており、まわりとコミュニケートする演技はできていないと思う。 5点(2004-03-11 04:08:38) |
449. チャイナ・シンドローム
単なる原発反対作品ではないのが良い。本当に怖いのは、原子力そのものよりも、それに関与する人間の心理なのであるが、この映画はそれをきちんと描写している。だから、内容に普遍性があり、20年以上経った今見ても面白いのである。主人公がヒステリックでも超人的でもなく、普通に冷静にきちんと段階を経ているのも、説得力を高めている。●再見して気づいた点。専門用語の数々を、見る側が理解できるかどうかとかいらん配慮なく、随所にちりばめているのが良い。登場人物のそれぞれが、自らの任務一直線(私生活の描写ほとんどなし)。だから、緊張感が最後まで途切れない。現実の厳しさや壁の高さと、それでも前を向く意志の力を同時に表現し、そしてさっと切り上げるラストも絶妙。 [DVD(字幕)] 8点(2004-01-31 04:33:59) |
450. ダラスの熱い日
事件後10年の時点でここまでのものを作り上げたのは見事。実際の映像を巧みに組み込んだ構成が、後々まで残る印象を与えている。ただし、陰謀の動きそのものは丁寧なものの、肝心のその前提(そこまでのことをするに至った経緯)の説明が弱いのが難点。 [DVD(字幕)] 6点(2003-12-01 02:57:44) |
451. グリース
途中から、ストーリーが全然存在していません。ところで、ダンサーのクレジットの中に、「ミミ・レダー」という名前を見たような気がするのですが、まさか別人ですよね? 4点(2003-10-03 01:21:33) |
452. 人間の証明
《ネタバレ》 まあ、突っ込みどころは一目で満載なんだけど、とりあえず、ストウハネタとか、恭子の過去とか、シュフタンの過去とか、結局の真相とか、そういうネタ割の数々を序盤から次々にあっさりと流してしまっているのは、見る側をなめていると思われても仕方ないのではないか。小山田と新見の側から見たストーリーがばっさり落とされているのも、手抜き以外の何物でもない。つまり、出来としては原作冒涜でしかないということです。映画的な見どころは、結局、最初のところでの刑事衆の揃い踏みくらいでした。あとはやっぱり、ホテルマン役で登場、昔取った杵柄の森村先生でしょうか(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2003-09-22 23:47:55) |
453. 狼よさらば
《ネタバレ》 何が凄いかって、最後、「街を出る」ですべて片付けてしまっていること。これって、都市型復讐サスペンスと見せかけておいて、実は裏テーマは、「ウエスタンを現代の社会に再構築させたらどうなるか」だったんですね。主人公と警視の関係は、ガンマンと保安官っぽくもありますし、それを考えると、最後に主人公が警視に発する一言も意味深です。そもそも主人公が復讐に立ち上がるきっかけとして、ウエスタンの撮影風景を見る、という分かりやすい一幕も挿入されています。 [DVD(字幕)] 5点(2003-09-20 02:44:03) |
454. ラストタンゴ・イン・パリ
途中から、何を意図した話なのかさっぱり分からなくなりました。 2点(2003-08-21 02:37:35) |
455. JAWS/ジョーズ
前半と後半が全然別の話になっているし、主演3人のチームワークがどうみてもあまり良くないのもマイナス印象。ただ、「見えない(見せない)からこその恐怖」という概念を明確に確立した功績は、今日も色あせない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2003-07-28 01:26:39) |
456. クレイマー、クレイマー
まったくどうということもないテレビドラマレベルの題材なのに、一切過不足なくすべてを表し尽くした脚本が凄い。冒頭からいきなりずばりと本題に入り、その後も、重要で印象的な場面を随所に挟みながら、先がどうなるか分からないまま終盤に至り、余韻と解釈を残すラストにつながるのである。もちろん、各場面の意図を的確に把握した3人(だけではないが)の演技も見事。特に、メリルの尋問の最中に目が合ったときのホフマンの一瞬の演技に至っては、神々しさすら漂っている。しかし、この映画の本当に凄いところは、20年以上を経った今でも、見た人の間で、夫婦とは、親子とは、家族とはということについていろいろな立場から議論ができるという、その問題意識と人物設定の先進性だろう。 [DVD(字幕)] 8点(2003-07-13 01:49:28) |
457. ゴッドファーザー
《ネタバレ》 冷静に考えれば、内容的にはどうということもない話。マフィアがクーデター的な逆襲に遭って、二代目が才覚を発揮して無事に乗り切りました、というだけのことであるし、特段ひねった行動や作戦があるわけでもない。しかし、各キャラクターの徹底した作り込みと人格設定研究だけでこれだけのものが作れることを呈示したという点において、この作品は後続にとっての一つの模範とされるべきである。また、男優陣の猛者連が注目されがちであるが、その中において、自分の立ち位置をきちんと意識した演技を行ったダイアン・キートンとタリア・シャイアの紅2点の存在意義も認識されるべきだろう。 [映画館(字幕)] 7点(2003-06-15 22:49:35) |
458. ある愛の詩(1970)
《ネタバレ》 テーマ設定だけでこの点数。当時の段階でもすでに手垢がつくほど古典的だったに違いないこのストーリーに、正面から堂々と挑んだ作り手の姿勢が眩しい。それは同時に、どんな状況でも決して自分を見失わずに前を向いて進み続けるジェニーの人生そのものでもある。だから、この作品は時を超えて輝きを放ち、語り継がれるのである。脚本の過不足なんかはないではないが、そんなことはどうでもよい。最後、ジェニーの死の瞬間をあえて描いていないところが、逆に切なさを増幅させている。 [DVD(字幕)] 9点(2003-05-28 19:56:49) |
459. 愛の嵐
雰囲気はまあまあ良かったのですが、中盤以降の展開がだれまくりで、眠くなりました。それと、どう考えても分からないのですが、マックスはルチアにとっては忌まわしい存在ではあっても、積極的感情の対象とはなりえないのではないでしょうか? 2点(2003-05-11 01:27:18) |
460. タワーリング・インフェルノ
30年近く経った今見ても全然退屈しません。それどころか、変にデジタルな特撮技術で飾り立てていない分、かえって身近な恐怖を感じますし、後々まで心に残ります。いろいろな立場の登場人物が火の巡りにあわせてそれぞれの人生を変わらせていく様子は、全盛期の森村誠一の長編を読んでいるようです。あと、作品を引き締めているのは、消防隊のすべての人たちが、どんな指示・命令に対しても、一瞬で即時に対応していること。 [映画館(字幕)] 7点(2003-03-04 19:56:16) |