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放浪紳士チャーリーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1465
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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441.  王妃の紋章
お金がかかってるのが一目瞭然の豪奢で厚みのある色鮮やかなセット、きめ細かな演出、ズラッと居並ぶ女官たちのハミ乳衣装に目を奪われます。ただそれに比するとオハナシのスケールがいささか小さすぎる。クライマックスにもうひとひねりどんでん返しがあるのかと期待していたんですが。チャン・イーモウ監督のミューズに再び返り咲いたコン・リーがひたすら輝きを放っています。彼女から一時期、監督の寵愛を奪った、チャン・ツィイーの同趣向の時代劇「女帝」(6点)を思い出しますが、あの映画でアイドル的演技を脱し切れなかったツィイーとの格の違いをはっきり誇示するかのように、ここでのコン・リーはやはり「女優」としての演技でした。それにしてもこのお二人って今回は時代劇風の髪型とメイクとはいえ、面立ちが特に似ているように見えます。結局チャン・イーモウの女性の好みっていうのは、こういう系統のお顔なんですね。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-31 10:00:14)(良:1票)
442.  レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで 《ネタバレ》 
レオ&ケイト&キャシー・ベイツのコンビと言えば、観客は嫌でもあのメガヒット作「タイタニック」を想起せざるを得ない。もちろん製作者側も、このメンツをキャストに揃えた時点で、彼らの「その後」を期待する観客動員を狙ったに違いない。10余年前のあのコンビは演技的にどう成長したのか?それを目にする我々観客自身も、自らが歩んできたこの十年間の人生の足跡を否応なく認識させられるという仕組み。ロマンチックなタイトルやポスターの図柄、「運命の愛」云々の甘いラブストーリーを期待させるキャッチコピーからは想像出来ないほど、これは地味だがそれゆえ見ごたえある辛口人間ドラマに仕上がっていた。「タイタニック」のような映画を期待する観客には拍子抜けだろうが、私はサム・メンデス監督作だけに、そういう映画にはなってないだろうと、ある程度予想していたのでなかなか面白く鑑賞出来た。ある意味この映画の主人公二人の喜怒哀楽感情の揺れ動きは、沈没するタイタニック船上よりも、この「レボリューショナリーロード」に建つ丘の上の家庭内での方が、より激しかったのではないだろうか。さしずめ、レオ演じる主人公の「パリ行き取りやめ」をケイトに宣言するシーンが「タイタニック」での氷河激突シーンに相当するのでは・・・?決して結ばれるべきではなかった二人が夫婦になってしまったが為に引き起こされた、ボタンの掛け違え悲劇。注目主役二人について・・・ケイトはあの頃と比較すると全身の肉が削ぎ落ちたみたいで凄みを増してきたが、演技者としてかなりの成長を遂げていると思う。後半四分の三以降は正に彼女の独壇場みたいな感じ。対するレオ・・・、これは脚本の問題かもしれないが、ここでは彼の役柄にそもそも芯がなさすぎて、かなり損な役回りだと思った。あの頃と同じく、ケイトの方がやっぱりどうしても姉さん女房に見えてしまう。ともあれ彼ら二人の再会を観るのは嬉しかった。また十年後くらいにでも是非また共演してもらいたいと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2009-01-27 14:24:46)
443.  クレオパトラ(1934)
エリザベス・テイラー主演のカラーワイド版「クレオパトラ」(7点)が色々な意味で映画史上に名を残す決定版として有名ですが、スペクタクル映画の巨匠、セシル・B・デミル監督作品という事で興味を惹かれ鑑賞。同年「或る夜の出来事」に主演したクローデット・コルベールがクレオパトラというのも食指をそそられます。作り自体は、前後篇長尺のテイラー版より単純。こちらは、はっきりとクレオパトラがシーザーとアントニーに色仕掛けで迫っていったように描かれているのが良いです。おそらくシーザーもアントニーも現代に生きていたら、彼女が出来た途端友人との付き合いを絶って嫌われるタイプかと思われる(笑)モノクロ映画にも関わらず、こちらの方が衣装の露出度が高いっていうのはすごいです。ただテイラー版に有った、シーザーが癲癇持ちで苦悩する描写も一切ないし、クレオパトラのローマ入城等、あっと驚く見せ場がごく淡々と描かれているのがデミル監督の「サムソンとデリラ」「十戒」での大仕掛けシーンに昔驚愕した記憶があるだけにちょっと不満。どうしても比較論になってしまいますが、リズ(=小川真由美吹替え版がベスト!)の迫力には敵わなかったという事で。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-24 10:24:38)
444.  亀は意外と速く泳ぐ
ゆ、ゆるい・・・。先日観た「転々」(8点)とこの映画で、僕は断然三木監督のファンになりました。今の日本映画で、監督の名前で映画を観に行く事なんかないのだが(大林宣彦監督くらいか?)次の新作公開の際、映画館まで行って観たいと思わせる、そんな力量のある監督さんに久しぶりに出逢えて嬉しい(←遅すぎ)いまや、ニッポンエンタメ界引っ張りだこ状態の上野樹里も蒼井優も、ちゃんと監督演出上の「まな板の上の鯉」的素材として使われているのが何より好感触。「転々」同様、ふせえり&岩松了コンビの会話の「間」が可笑しすぎっす!一体なんなんだろう・・・、公園の茂みで「バネ」がボヨ~ンボヨーンと音がするシーンつうのは・・・。今度の休みにでも、このロケ地の三浦市に行ってみたくなりました。やっぱり目立たず、フツーに、そして平凡に生きる人生っていうのが、本当は一番幸せなのかもしれんね。あ~あ・・・と、我が身を一瞬振り返り(←これも遅い)
[DVD(邦画)] 7点(2009-01-19 11:50:23)
445.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争
色恋沙汰がそんなに絡まない青春映画つうのはやっぱいいですね。みんなシャカリキにケッタ(←チャリの意)こいで、意味ない事に突っ走って体張ってる姿がなんとも微笑ましい。でもなんだろう、この設定を1979年にした必然性が、俺には最後まで観てもよくわからなかったなあ・・・。原作の人気ブログ小説がそもそもそうだったから?コンビニが登場したのがこの年だったから?石野真子を登場させたかったから?(←んなこたあない)携帯電話やポケベルがまだなかった時代ということなら、この十年後でもハナシは通用するような気がしました。みんな揃って垢抜けてるというかそもそも田舎のガキどもって、もっともっとダサダサだったんじゃね?(笑)各キャラを観客に解からせる為、それぞれ過去回想シーンを差し挟むっていうのも、この映画ではそれほど気にはならなかったけれど、通常は禁じ手だと僕は思っています。
[DVD(邦画)] 7点(2009-01-17 11:23:58)
446.  メル・ブルックスの大脱走
バックステージものって好きな作品がやたら多いです。ちょっと思い出しただけでも「雨に唄えば」「イヴの総て」「ブロードウェイと銃弾」「Wの悲劇」「女優志願」・・・。これも良い方向でのジンクス通り面白かった。練られた脚本に感心し、サリバン先生→ミセス・ロビンソン→アン・バンクロフトという女優さんが、いかに役の幅が広い役者だったのかを再認識させてもらいました。「プロデューサーズ」でも、ナチをおちょくったり揶揄する台詞やらシーンが多かったけれど、メル・ブルックス流コメディの視点っていうのは、ナチへの怒りから来ているのかな?なんて思ったり。あ、でもこれリメイクなんだよね。スパイのニセモノが発覚した時の、ナチの対応が何故かおざなりなのが少々気にかかったので減点1。コメディゆえ、ホロコーストジャンルで時に目を覆いたくなるようなユダヤ人連行虐殺シーン等がないのも小心者の自分には嬉しい。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-17 10:21:14)
447.  ロックよ、静かに流れよ
確かにアイドル映画として公開されたにも関わらず、当時非常に高い評価だったような記憶が有ります。タカをくくって観たら、なかなか良かったじゃんという感想を持つ方が多いのではないでしょうか。私はジャニ嫌悪症だったせいで、敬遠し(←単なるやっかみ)実際鑑賞したのは、彼ら男闘呼組が解散してからかなりの時期を経てから。長野かどこかの地方都市が舞台の丁寧に作られた、ごくまっとうなアツイ系青春映画でしたね。彼らがオーディションで上京するシーンでは、かの光GENJI(♪壊れそうなヤツばかり集めてしま・・・ったんでしょうか?)も賑やかしで登場していたような。この中で真っ先に消えるだろうと思ってた、高橋和也が映画界で一番息長く活躍するなんて思ってもみなかったです。彼は良い形で役者として成長しましたよね。「DAYBREAK」「TIMEZONE」「秋」・・・今でも彼らのヒット曲をフルコーラスで口ずさめる俺って一体・・・。やっぱ、何だかんだ言ってもやっかんでたんだと思われる。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-01-12 11:08:28)
448.  
長い間レビューしようかしまいか迷っていたんですが、思ったまま正直に書きます。この映画、今はなき浅草東宝のオールナイト「山本嘉次郎監督特集」にて、「綴方教室」(8点)「ハワイ・マレー沖海戦」(4点)等と計四本立てで鑑賞しました。私はとりわけ評価の高いこの作品を一番楽しみにしていました。主演した高峰秀子のエッセイ等を読むと、まだ監督デビュー前の黒澤明が演出したシーンも多かったとの由、それも含め期待して。ところがところが・・・東宝という会社はフィルムの管理が極めて杜撰な会社らしく、(成瀬巳喜男監督の遺作「乱れ雲」しかり)私が観た版は、ところどころブツ切りになっていて、常に小雨が画面にぱらついているような劣悪な状態でした。そもそもが東北地方のオハナシ、だだでさえ方言が多く、そういう状態では台詞も聞き取り辛くて、結局訳がわからないうちに映画は終わっていました。かの有名な童謡「めんこい仔馬」も流れなかったような気がします。なんだか狐につままれたような気分で、まだ暗い時間早朝の映画館を出ました。計四本観たうち、これが一番保存状態が悪かったです。戦前の日本映画って戦災等でフィルムすら残っていない名作が多い中、現物を観られただけもめっけもんと考えなければいけないのかもしれませんが・・・。もしDVDが出た際、クリアな画像で鑑賞して評価は改めてしたいと思ってます。映画会社のフィルム管理に抗議の意を込め、一旦はこの点数で。
[映画館(邦画)] 2点(2009-01-11 10:46:38)
449.  ミスター・ロンリー 《ネタバレ》 
これ2008年に映画館で観た洋画の中じゃ一番つまらなかったかなあ・・・。いや、この作者の言いたい事はわかるんですよ。マイケル・ジャクソンやモンローのそっくりさん達のニセモノ人生の悲哀とか、平行して描かれる神の奇跡を信じる尼僧さんのスカイダイビングに臨む姿とかね。しょっぱなから流れる名曲「ミスター・ロンリー」のゆったりしたメロディーに乗ってミニスクーターで登場する主人公の画から、なんだかやたらめったらあくびが(笑)おそらく感覚的にこの監督さんのタッチが生理的に自分とは合わないんじゃないかと思われます。ところで最近めっきり見ないんですが、コマーシャルで「♪聚楽よ~♪」と、体くねらせていたニセモノモンローの外タレさんとか今はどうしてんだろうなあ・・・などと映画とは直接関係ない事をついつい。
[映画館(字幕)] 3点(2009-01-09 15:21:20)(良:1票)
450.  モガンボ 《ネタバレ》 
男性を描くのが巧みだとばかり思っていた、ウエスタンの巨匠ジョン・フォード監督ですが、なかなかどうして。この映画ではエヴァ・ガードナー、グレース・ケリーという、タイプがまるで異なる天下の美女お二人の性格をかなり強く、しかも露骨に押し出していて感心しました。いや、逆に「キング」クラーク・ゲイブルの描き方の方があいまいで喰い足りないくらい。50年代初期のハリウッド映画に数多い、蛮地を舞台にした三角関係のメロドラマ。この直後からヒッチコック三部作に主演するグレース・ケリー、一見カマトトぶって取り澄ましているのに、その実パッションが秘められている「昼は貴婦人、夜は娼婦」的彼女独自のキャラクターの萌芽が、既にこの映画から顕著だった事を確信。明らかにセットとロケーションを合成で誤魔化したショットが多いのは興醒めだけど、大スター三人の魅力が絶大なので最後まで面白く鑑賞出来ます。私も豹がテントの中を「ただ」素通りしていくシーンのユーモアには大爆笑しました。個人的には「二兎を追う者一兎をも得ず」結末にしてもらいたかったかなあ・・・。まあこれはただのやっかみですが(笑)
[DVD(字幕)] 7点(2009-01-04 09:53:23)
451.  ノーバディーズ・フール
「人生ってなかなか捨てたもんじゃないぜ」っていうメッセージを、嫌味なく素直に受け取る事が出来る、有りそうでなかなか無い心温まる秀作。いまは亡きポール・ニューマンとジェシカ・タンディ、ニ名優がふとした拍子にみせるチャーミングな笑顔を見ちゃえばなおさら。脇に徹したB・ウィルスも良い味。「雪に閉ざされたスモールタウン」っていう舞台装置もある意味ひとつの重要な役割を果たしています。おそらくこれは女性より、ある程度の年齢に達した男性の方がより共感出来る内容のはず。「クレイマー・クレイマー」のベントン監督、ここでも子役の使い方が巧い。ポール・ニューマン晩年の代表作として、もっともっとたくさんの人に評価してもらいたいなあ・・・。
[DVD(吹替)] 8点(2009-01-03 21:59:02)(良:3票)
452.  赤い風船 《ネタバレ》 
『あの時助けてくれてありがと、君と出逢えた数日間ボクは本当に楽しかった、君の事は忘れないよ、さよなら、さよなら、さよなら・・・』・・・徐々に空気が抜け萎んでいく赤い風船が、少年にそう言って別れを告げているように僕には確かに聴こえました。大人の硬い頭だと、あの風船紐で引っ張って悪童どもから逃げるより、そのまま抱えて走った方がよっぽど早いんじゃないかってつい思っちゃうんだけど(笑)でもあの少年が風船と逃げる姿自体が、パリ下町裏路地の情趣溢れる風景と相まって、一幅の絵になってるんですよね。確かに勘繰りすれば色々な解釈が出来そうな作品だけれども、自分はこの映画良く出来たひとつの「寓話」として楽しみました。
[DVD(字幕)] 8点(2008-12-29 10:37:46)(良:1票)
453.  踊る大紐育(ニューヨーク)
意外にこれ評価低いんですね~。僕はジーン・ケリーの主演作では「雨に唄えば」(9点)の次に好き。よく映画ファンの間で、ジーン・ケリーとフレッド・アステア、どっちが好きか?って話になるけれど、自分は断然「波止場人足風体育会系ダンサー」ジーン・ケリー派。僕がアステアの「エレガンス」を未だに根本的に良く理解出来ていない不粋者だからかもしれません(汗)ミュージカルでは「ウエストサイド物語」(8点)がスタジオからカメラを街に出した先駆者という評価だれど、こちらの方が遥かに先にニューヨークの街中に飛び出してますよね。セット撮影ももちろん多いけど。24時間の休暇をもらったノーテンキ水兵3人による、ご都合主義に満ちた(←そこがいい!)ワンナイトスタンド・ラバーズ探し。ダイナミックな主役6人によるダンス&ソングをスピーディな展開で堪能できるミュージカル映画の秀作。特にエンパイアステートの屋上から、夜の街に繰り出す一連のシークエンスが好き。この時期のシナトラはまだ出しゃばり過ぎず、控え目なところが逆に好感が持てます。ダンスと衣装に誤魔化されてるけれど、お相手の女性陣がそれほど美人じゃないのがミソ(笑)特にチンチクリンなキャラクターとして登場する女性に対しての、ケリーの心優しいエチケットには「男意気」を感じました。見習わねば。ちょっと最近元気ないな~って時に観るのがお勧めっす!
[DVD(字幕)] 8点(2008-12-28 10:17:59)(良:1票)
454.  原子怪獣現わる
オープニングが北極基地からスタートする事で、先日見たハワード・ホークス製作「遊星よりの物体X」(5点)と印象がごっちゃになりそうです。でもクライマックスに原子怪獣大暴れスペクタクルシーンが待ち構えているので、こちらの方がずっと面白かったですね。50年代のハリウッド製モンスター襲来映画って、勿論怪獣の動きとかはチャチなんだけれど人肌のぬくもりというか手作り感があって、近年の同趣向の映画より自分はよっぽど好き。全く別の話になりますがレビュー未登録作品で、ガキの頃に観て強烈なトラウマだった「惑星アドベンチャー」っていう、同じく50年代製作SF映画があるんです。人間の中に別の何かが寄生し、まるで別人になってしまうっていう、子供心にも怖い怖い内容だったんですが、これをもう一度見直してみたい!スピルバーグも好きだったって、何かの本で読んだ事が有ります。早くDVD化されないかとずっと待ちわびているんですが・・・。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-27 10:48:01)
455.  虹を掴む男(1947)
タイトルバックから総天然色の美しいテクニカラーに目を奪われます。ニューヨークの街並み、背景、セット、衣装に至るまで上品で美しい。古き良き時代のアメリカ映画の豊饒な雰囲気に満ちた作品・・・と、絶賛したいところなんですが・・・。どうも観た時の体調がイマイチだったせいか、コメディにしては展開がおっとりし過ぎて盛り上がりに欠けるって印象を持ちました。もっと緩急自在キビキビした運びならより楽しめたかも。あ、でもそしたらこの得難い典雅な雰囲気は出せなかったのかな。難しいね。確かクレイジー・キャッツ谷啓氏が芸名の由来にしたと聞いているコメディアン、ダニー・ケイの作品、まともに見たのは私はこれが初めて。二枚目ながらズッコケ演技も可能なマルチタレントのハシリみたいな俳優さんだったんですね。ヒロイン、ヴァージニア・メイヨって今まで悪女役しか観た事なかったんですが、この映画では一癖ある可愛い役どころで好演。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-26 13:49:48)(良:1票)
456.  君のためなら千回でも
ゲーラカイトが蒼い空を悠々と飛翔する風景っていうのは、平穏無事な社会と友情や未来への希望の象徴でしょうね。東京に限って言えば、お正月に凧が空を舞っているっていう情景は、少なくとも私の家の近所ではもう全く見掛けません。田舎だとそういう風景がまだ見られるのかな?最早平和ボケ日本も、国内外平穏無事な状況でもないですからね。ちなみに私の郷里では毎年ゴールデンウイークに、この映画でも描かれていた大凧の糸切り合戦が町別対抗で行われています。国連主導で政治の全く関係しない場所で、国別対抗子供凧合戦って一度くらい開催してみてもいいのに・・・、な~んてこの映画を観ながらふと考えてしまいました。子役二人がホント良いですね。後半意外にもあっさりカブールから脱出出来てしまったのは拍子抜けでしたが。原題「カイトランナー」も内容をちゃんと現してはいるけれど日本語タイトルも最近では出色。「君のためなら千回でも!!」重要なシーンで二回繰り返されるこの台詞、僕もいつかプライベートで何らかの形で使ってみたいって思った(笑)これまでは良い素材を扱っているのに、ただ無難に映像化しましたって作品が多かったマーク・フォースター監督、これは初めて本領を発揮した作品じゃないですか?アミール役の子って誰かに似てるってずっと思ってたら、「羞恥心」野久保君でした。似てないか?成人してからはともかく。僕も六本木ソルジャーさんの深い洞察力に感服しました。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-21 10:17:06)
457.  イブの三つの顔 《ネタバレ》 
実話の映画化。1957年度アカデミー最優秀主演女優賞をデボラ・カーやエリザベス・テイラーを差しおいて新人ながら受賞した、亡きポール・ニューマン生涯の伴侶ジョアン・ウッドウォードの出世作。映画自体の展開は平板で、演出も特に傑出したものとも思えませんが、とにかく一見に価するのは多重人格者の女性を演じた彼女の的確且つ衝撃的な演技ですね。「内気な人妻」「享楽的奔放な女性」という、二つの人格まではメイクアップ等で何とかカバー出来そうな感じに思えたけれど、後半から出てくる「理知的で聡明」という三つ目の人格の彼女の演じ分けには、流石に「おおっ!これは!」と思わず声を上げそうになりました。顔を覆いうつむき加減に嗚咽していたと思いきや、顔を上げた途端ふてぶてしい女に変わっているシーン等、病気云々ではなく、プライベートでも演じる事が男性より格段に優れている思われる、女の潜在的女優的気質というか、変わり身の素早い多面的性格を見せつけられたようでマジ怖かったです。あ、いつの間にか映画の話じゃなくなってました。ごめんなさい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-20 10:50:38)
458.  神様のくれた赤ん坊 《ネタバレ》 
「男はつらいよ・寅次郎春の夢」の単なる添え物として公開されたプログラムピクチャーにもかかわらず、本家「寅さん」を凌ぐ評価を得た作品。ちなみにこの年のキネマ旬報ベストテン第四位にランクインしています。渡瀬恒彦&桃井かおり同棲カップルの、子連れ父親探しディスカバー西日本、極めて日本的なロード・ムービー。渡瀬(夜霧にむせぶ寅次郎)と桃井(翔んでる寅次郎)のお二人は、「男はつらいよ」の世界ではイマイチ雰囲気に馴染まない異邦人的存在だったので、基本的に松竹人情調の作品とは合わない役者さんなのかなあと思っていたところ、実は実はこんな佳作があったとは!!渡瀬恒彦兄いなんか、僕が今まで観た映画の中じゃ、この役が一番男の色気があってカッコいいです。多分シナリオ教室とかで「ロードムービー」の教材としてお手本になるような、これは優れた脚本だと思います。渡瀬と桃井の呼吸もぴったり。ただ旅の先々で現われる父親候補が、「売れない役者」「市議会議員」「結婚式を当日に控えた花婿」「元プロ野球選手」「ヤクザまがいの稼業の男」・・・う~ん、普通じゃありえない人物ばかりで、コメディとはいえ作為が過ぎ見え透いてしまった点がなきにしも有らず、そこだけがちょっと不満かも。中盤、桃井が酔っ払って仲居さん相手に唄う「昔の名前で出ています」猥歌篇が最高です。♪熊本にいるときゃ~熊子(←「疑惑」かい!)と呼ばれたの~、佐世保じゃ~○○子と~長万部じゃ~○○○○子♪って・・・おいっ!伏せ字満載大爆笑っす!
[DVD(邦画)] 7点(2008-12-19 13:45:30)(良:1票)
459.  ハイスクール・ミュージカル2<TVM>
純やなあ・・・みんな。純粋とか純情とかじゃなく、恋にも将来にもまっすぐに向き合っていてとにかく「純」なんですよ、ここに出て来る子たちって。私のようなもう全身薄汚れた人間が観ちゃうと、ホントいたたまれなくなるような気持ちに。ディズニー製作のハイスクールものだから、無論低年齢層を狙っているんだろうけど、音楽の質も含めトウの立った大人でも、エンターテイメントとして充分楽しめるクオリティ。子供のうちから世の中には「特別扱いされる人間」と「そうでない人間」の二種類がいるって事を知っておくには非常に良い教材なんじゃないかなあと(笑)何もかも「出来上がった状態」からの続編だから、前作と比べるとドラマ的に起伏が乏しくなったのはやむを得ないでしょう。来年2月日本公開の「ザ・ムービー」が今から楽しみですね。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-16 12:17:36)
460.  あの手この手(1952)
森雅之と水戸光子夫妻の家に突如として姪の久我美子が押し掛け、家の中をシッチャカメッチャカにかき回して・・・あれれれ?これって、どっかで観た事がある展開じゃん?と思ったら、川島雄三監督「女であること」(6点)の焼き直しみたいなシチュエーション。もちろんこちらの方がずっと製作は早いし、あちらは予想に反して意外にシリアス、こちらは終始軽いコメディタッチなので、作品としての印象はまるで違うんですけどね。でも似てる事に変わりはない。でも自分はこの映画の、変な下心のまるでない茶目ッ気一杯のアコちゃん=久我美子の方にずっと好感を持ちました。恐妻家の森雅之を心配した彼女が「あの手この手」を使い家庭内優位に立てるよう奮闘するという内容は一本筋が通っていて非常に解かりやすい。「奥さん、奥さん」を連発する森雅之、「また逢う日まで」で一躍有名になったガラス越しのキスシーンパロディが一番可笑しかったです。テクニシャンの市川監督、ここでも小技「あの手この手」を使って観客を楽しませてくれてます!DVDの画調がイマイチだったのが残念。
[DVD(邦画)] 7点(2008-12-15 12:02:00)(良:2票)
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