441. THE LAST MESSAGE 海猿
《ネタバレ》 毒にも薬にもならない作品とはまさにこういう映画。 2作目が個人的には傑作だったもので、正直この作品にはがっかりした。 もちろんそれなりのキャストを揃えて予算もかけているみたいですから、面白くないわけがありません。それなりの映画には仕上がっています。 ただあまりにも前作通りのパターンすぎて、もはや興醒めするレベルです。2匹目のどじょう狙いなのがミエミエです。 脚本や演出にまるで工夫がないものですから、とにかくクサイ台詞で無理矢理感動させようとする演出のごり押し。ワンパターンのピンチとクサイ台詞の連続。過去シーンの挿入は少々クドイ。この辺も、脚本やストーリーが全然面白くできなかったので、過去のヒット作にすがっているようにしか見えません。 好きなシリーズなんですけどね。この作品に関してはいまいちと言わざるをえません。 役者さんたちの演技はとても良いです。相変わらず加藤あいはかわいい。 [DVD(邦画)] 6点(2021-04-02 03:51:03) |
442. ゾンビ大陸 アフリカン
《ネタバレ》 かなり真面目に作られたB級ゾンビ映画。 ゾンビは『のろのろタイプ』。私の好きなタイプです。 緊張感あります。緊張感の作り方はややずるい。 画面を暗くする。視野を狭くする。アップを多用する。突然目の前にゾンビが出てくる。 手法として否定はしませんが、それに頼りすぎるのはどうかと思います。そればっかりだとお化け屋敷です。 登場人物は少ない。 モブキャラはいっぱい出てきますが、メインは2人だけ。 ゾンビ映画では『サバイバル』『人間ドラマ』の2つをいつも楽しみに見ています。 ですので、私にとって登場人物の人数ってのは極めて大事。 やはり5人以上は欲しいところですね。 まったく立場も違えば国も違う2人が協力していくっていうシチュエーションは嫌いではないです。 ですが1人が退場すればあっという間に1人ぼっち。しかもその退場の仕方が寝込みを襲われるっていうのはどーなんでしょう。ってゆーか普通あの環境下で2人共寝ますか?交代で見張りにつくでしょう。 最後が八方塞がりのバッドエンドで終わっちゃうってのは終末感が出て良かったのですが、後味はよくありません。 サバイバル系のカタルシスはぎりぎりの状況下をくぐりぬけて最後は助かるというその1点のみ。 実はロメロ作品ではその終わり方が非常に多いのです。 ただゾンビ映画としてのクオリティは守っているし、この映画の雰囲気は大好きです。 時間は長すぎ。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-29 16:59:08) |
443. ドリーム・ホーム
《ネタバレ》 あるマンションで起きた連続殺人事件。まさかの動機に唖然とする戦慄のサスペンス。 物件の価値を落とすためだけにあれだけの事件を起こしちゃうとはぶっ飛んでいます。 主人公の女はなぜあれほどまでにあのマンションの海が見える部屋に固執したのでしょう。過去のエピソードにその答えがあるのでしょうか。 幼い頃に祖父に言われたから? 母を新しいマンションに住まわせてあげたかったから? どれも決定打と言うには弱い気がします。 それに家族は弟以外全員他界。ある意味自由になれた今、もはやあのマンションに固執する理由はあまりないような気もしますが・・・。いや、理由なんてもはや無いのかもしれない。それが人生の目的になってしまっている感じです。 ストーリーだけを見てみれば普通のサスペンススリラー。ですが過激なグロ描写がこの映画を普通のサスペンスとは一線を画すものにしています。 これだけの犠牲者を出し、自身も大怪我をし、やっとマンションの価値を下げることに成功。 その翌年、サブプライムローンの不良債権化問題で勝手に下落する住宅価格。 恐ろしいほどに皮肉の効いたストーリーですが、むやみに時系列がいったりきたりするのと、悪趣味の粋を超えるスプラッタに多少辟易したので、やや減点。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-29 14:24:15) |
444. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 とてもこじんまりとまとまってしまった感はありますが、ハウルやポニョのようなぶっとんだ展開よりかは好きです。 とても狭い世界のストーリー。なのでそこで描かれる人間関係なんかがストーリーの主軸になっていくのでしょう。 ですがこの作品で描かれる人間関係って結構希薄。病弱の男の子。小人のアリエッティ。アリエッティの家族。小人を捕まえようとするハルさん。おまけで猫。基本はこの人たちだけのストーリーなんですけど、登場人物が少ないわりに、心の交流みたいなもんが後半僅かにしか描かれません。 そもそもアリエッティたちが引越しを余儀なくされたのは、翔のエゴが原因。なのにわずかな交流で、まるで旧知の間柄のようにアリエッティと翔が別れの挨拶を交わすラストシーンには若干の違和感を感じます。 また、翔がなぜアリエッティ達が住んでいる場所をいとも容易く見つけられたのか、説明不足な部分も多い。 とは言え、アニメ映画として非常に完成度が高いのも確か。 小人目線の世界の再構築はとてもわくわくして面白い。 また、ハルさんがからみはじめてからはちょっとサスペンスフルな展開が面白い。ハルさんがアリエッティの母を見つけちゃうシーンはもはやホラー。『みぃ~つけた~』は怖すぎるでしょう。 翔の部屋に鍵をかけちゃうハルさん。クビにされたっておかしくないでしょうにそこはスルー。 ハルさんがこの作品を盛り上げてくれたのは間違いないですが、なぜハルさんが小人の捕獲にそこまで情熱を燃やすのかは謎のまま。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2021-03-24 13:43:02)(良:3票) |
445. エール!
《ネタバレ》 家族がみんな自分の事しか考えていなくて、主人公の女の子に頼りきっている感じが好きになれなかったです。 特に母親の娘に対する態度、扱いが酷い。 障害者かもしれませんが、母親です。娘に夢が見つかったのであれば、親として応援してあげてほしいものです。 映画としては、主人公の女友達と、弟の情事が不要。要らないでしょ。あのエピソード。 とゆーわけで中盤からまあ後半くらいまでこの映画に対する印象はあまり良く無かったです。 転機が訪れたのはデュオで完全無音になるシーン。ちょっと驚きましたね。思い切った演出です。なんて説得力があるんでしょう。批判的な目で見ていたぶん、軽く怒られた気分です。いっきに目が覚めましたね。 そしてクライマックスがオーディション。とゆーか入学試験?手話を交えた歌に心の底から感動。 試験管の『良い選曲だ。』に激しく同意。 歌詞とメロディーと手話が完璧にマッチした最高のシーンでした。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-03-21 18:14:37) |
446. 武士道シックスティーン
《ネタバレ》 ごくごく普通の青春部活動ストーリー。 『剣道をする美少女達』というテイストのみでおしきる2時間弱。 ぱっと見どんくさい女の子、西荻(北乃きい)が実は剣道の才覚があるっていうのはマンガチックで好き。 そんな西荻にまさかの敗北を喫した全中チャンピオンが、西荻の高校に入学してくるっていう展開もマンガチックで好き。 メインの2人以外にも、村山主将のような強キャラがいる人物配置も好き。 ただ、キャラの配置、状況設定、役者の演技も悪くないのに、いまいち盛り上がりに欠けるのはなぜでしょう。 ああ、そうか、ライバル校がいないからか。共通の宿敵の不在。立ちはだかる高い壁を、いがみ合っていたチームメイトが協力して倒す。そんな少年漫画あるあるの王道ストーリーではなく、終始メインの2人の人間関係と心の成長だけを追っていく。それだけで2時間弱だから、要らないシーンも増えるし、間延びもする。西荻の父親や岡君のような中途半端なキャラも出てくる。どうりで見ていて中だるみしたわけだ。 北乃きいはかわいい。成海璃子演じる磯山のキャラが面白い。そして剣道の練習や試合での気迫のこもった声出しが良い。だから最後までなんとなく見ていられるのですが、映画としての面白みは大分薄味かもしれないですね。 [DVD(邦画)] 6点(2021-02-25 14:46:06) |
447. レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳
《ネタバレ》 ドニー・イェンのキレッキレのカンフーアクションが見られるのが良い。 マスクをつけて正体を隠すっていう一昔前のセンスが好き。こーゆーのを相変わらずかっこいいと思ってしまいます。 オープニングから圧倒的な強さを見せるドニー。もはやある種ヒーロー映画を見ているような高揚感があります。 ただ、そんなテイストを戒めるかのごとく、ストーリーは暗い。 戦友、盟友、同胞、ヒロイン、みーんな殺されます。妹はレイプされます。 日本軍は徹底的に悪役であり侵略者。中国は正義。そして中国は日本軍に敗け、どんどん侵略されるのでした。 もちろん私は日本人ですが、ここまではっきり日本人を極悪人に描かれるともはや清々しささえ感じます。それはもうドニーたちの応援をするわけです。 ですので、ドニーと刑事以外はみーんな不幸になっちゃうわけで、たとえ敵を殲滅しても、ハッピーエンドは望むべくもなく。アクション映画特有のカタルシスも弱ければ、ハッピーエンドで感じられる多幸感とは無縁の作品なのです。 [DVD(吹替)] 6点(2021-02-18 05:55:11) |
448. ミニオンズ
《ネタバレ》 『月泥棒』と『危機一発』ですっかりミニオンのファンになり、期待していた3作目。 遂にミニオンズ、主役の座へ。 ですが期待値が高かったせいか、何か見たかったものとは若干ずれたものを見せられているような感覚が。 おそらく、『使命感』とかそーゆーものがミニオンズとは相性が悪いのかもしれません。ミニオンズはもっとあっぱっぱーな感じで、良いんじゃないでしょうか。スチュアートとボブはまだ良いのですが、ケヴィンがちょっと真面目すぎるかな。 ラストでケヴィンが巨大化して逆転、ってのも何か違う気がします。せっかくなら仲間と合流して、数で圧倒してほしかったですね。ミニオンズは個々人の能力ではなく、何と言ってもそのチームワーク、チームプレーが最大の魅力なのだから。 とは言え、ミニオンズの楽しさやおかしさがいっぱいつまった映画ということに変わりはありません。少なくとも見ている間は何も考えずにただ楽しい時間を過ごせます。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのロゴが出るオープニングをなぜかミニオンズが歌う演出。つかみはばっちり。 ミニオンズが仕えた歴代のボスたちが、ミニオンズたちのせいでその命を散らしていくのはブラックだけどユーモアに溢れていて面白い。なんといっても『仕えるボスがいないと生きる気力が湧かない』というミニオンズが愛らしくて良いじゃないですか。 映画としては少々いまいちではありましたが、ミニオンズの良さは随所に感じられる作品です。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2021-01-21 13:04:17) |
449. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 その臨場感、緊迫感。映画としては最高の出来なのでしょう。ただ好きか嫌いかと問われれば、間違いないく嫌いなジャンル。やはり戦争映画とは相性が悪いと再認識しました。 特に、少年の足や頭をドリルで貫くシーンは一瞬ではありましたが吐き気がしました。『目を背けてはいけない。』というクリント・イーストウッドのメッセージなのかもしれませんが、不特定多数の人間が見るコンテンツにおいてここまで過激な描写が本当に必要だったのでしょうか。 戦友たちは次々とその命を散らし、最後まで救いの無い結末で物語りは幕を閉じます。実話みたいなので仕方がないのかもしれませんが・・・。どうにも気が滅入りましたね。 ただこの映画を見て、一人でも多くのアメリカ人やテロリストが、『戦争はいかん』『人の命を奪ってはいかん』と思えば、反戦映画としての価値はおおいにあるかと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-12-29 12:51:24) |
450. 必死剣 鳥刺し
《ネタバレ》 誰か上様を切ってください。胸糞悪くて仕方ないです。 『上様』『家老』『側室』の三大悪。この3人にそれ相応の報いを受けさせてこそ溜飲も下がるというもの。 連子を切り捨てるシーンも冒頭ではなく中盤くらいのほうが良かったのでは。冒頭でいきなり切り伏せ、物語は『何故兼見は連子を切ったのか』のミステリー仕立てでスタート。当然鑑賞者の興味はそこに向きます。中盤、連子に仕えていた出家した女性が『兼見様にお会いしたら聞きたいことがございました。何故連子さまを殺められたのですか』と尋ねるシーンのおまけつき。そこを明らかにしないというのはミスリードというより反則ではないだろうか。 また、別家の帯屋と兼見が切りあうクライマックスは見応えはありますが、どちらも正義なので、どのような結末になっても悲劇。とゆーかこの二人が家老の手の平で踊らされていたかと思うと腹が立ちます。 私は小さい頃『暴れん坊将軍』やら『水戸黄門』やら『遠山の金さん』やらを見て育ったので、どうしても時代劇には勧善懲悪を求めてしまいます。そーゆーわかりやすいもの、爽快な結末を期待する人にははっきり向かない映画。 ただ映画としてはもはや完成されていて、キャストも演技も良く、所作は美しく見応えがあります。 連子の横暴ぶりを見せる前半、そして悲劇の終盤は盛り上がりますが、中盤がやや中だるみ。また、悲劇を強調したかったのでしょうけど、兼見と里尾の恋愛は不要。 [DVD(邦画)] 6点(2020-12-14 02:39:10)(良:1票) |
451. ターゲット(2010)
《ネタバレ》 一流の殺し屋がターゲットと仲良くなっちゃうよくある話。 結構人が死んじゃうサスペンスコメディ。どちらかと言えばコメディ寄り。それもブラックユーモア満載のコメディといったところ。 ヒロインのローズはビジュアルは良いけれど、登場シーンからして軽犯罪やりまくりのとんでもない女。 ビクターは紳士的だけど、試着室に入っていた無関係な一般人を誤って殺しちゃったりしています。 とても共感できない2人ではありますが、なんか憎めない魅力もあります。 完全に無関係なトニーも良い味出しています。 ローズを殺すために殺し屋を雇ったファーガソン。その部下。ファーガソンに雇われたディクソン。それぞれ個性的な悪役。と言いたいところですが、実際は悪役ではない。ファーガソンはローズに大金を騙し取られた被害者。なのにディクソンたちは殺され、ファーガソンとその部下は重傷を負って入院。騙し取られた大金も戻ってこない。冷静に考えればとんでもない話。 ビクターとローズはその後結婚して子供ができたようでして。トニーも仲良く一緒に暮らしています。トニーはともかく、とんでもない犯罪を犯してきた主人公2人が幸せそうに過ごすハッピーエンドで終わるような映画。これを割り切って楽しめるかどうかで評価が変わりそうですね。 ちなみにビクターの母親が最高に良いアクセントになっています。 [DVD(字幕)] 6点(2020-12-11 14:32:26) |
452. 義兄弟 SECRET REUNION
《ネタバレ》 韓国のスパイものにしてはマイルドな作品。シリアスなサスペンスを基調としながらも、ゆるいコメディも差し挟む。そのバランス感覚は結構良い感じです。 ただ映画としてきれいにまとまりすぎて、これといった『ウリ』がなく、パンチに欠ける作品になっちゃっているかもしれません。 イ・ハンギュがソン・ジウォンに、北朝鮮のスパイだと知っていることを告げるシーン、『影』と呼ばれる暗殺者が出てくるシーンなんかは緊迫感があります。それ以外のシーンのゆるさが良くも悪くも作品全体を弛緩させてしまっているのでしょう。 個人的にはバディものとして面白くなりそうだったのに、バディものならではの爽快感をあまり見せてくれなかったのが物足りない。ソン・ジウォンと組んでからのイ・ハンギュが完全にコメディ要員と化してしまい、無能な人間に描かれてしまっているのが良くない。そうではなくて、ソン・ジウォンとは違うタイプの辣腕ぶりを見せて欲しいものです。 ちなみに私はカン・ドンウォンが出演する作品を見るのはこれが初めて。ソン・ガンホはもちろん知っていますし、上手い役者さんなのは知っていますが、カン・ドンウォンがこんなに上手い役者さんんとは知りませんでした。体捌きもきれいです。そして陰のあるイケメンっぷりがかっこいい。 ラストはまさかの超ハッピーエンドで意外。韓国映画もなんかテイストが変わってきた頃なのでしょうか。今までだったら絶対切ないエンディングになる流れだったのに。 [DVD(字幕)] 6点(2020-12-10 14:35:34) |
453. ドライブ・アングリー3D
《ネタバレ》 ニコラス・ケイジが出るアクションやサスペンスはだいたい見るようにしているので。 普通のバイオレンスアクション。かと思いきや、なんか人外のものが暴れまわる話。 ジョン・ミルトン(ニコラス・ケイジ)は何故死んだのか。どうやって現世に復活できたのか。神殺しの銃とは何なのか。監査役とは何者なのか。一切の説明がなし。すべてご想像にお任せします状態。ここまで開き直りまくりのまる投げ状態だと逆に清々しいというかなんというか。まあ、ザ・バカ映画って感じで。 ただB級グルメに位置する作品なんでしょうが、そこまでおバカに徹する気もないみたいでして。 復讐劇であり、救出劇。そしてニコラス・ケイジの要所要所での迫真の演技。ミルトンの過去の独白なんか、どーゆー気持ちで見ればよいのか。おそらく、ストーリーに深みを持たせようとか、そーゆー気持ちは製作側にあるんじゃないだろーかとも思われるわけです。ですが演出やCG、展開はバカ映画そのものでして。なんともちぐはぐな作品になっています。 ですので、復讐劇ならではのカタルシス、救出劇ならではの爽快感、そんなものとは無縁の作品となっております。 ミルトンを追っかけていたマッド・ポリスの方々が最後まで絡んできて、三つ巴戦とかにしちゃえば、もうちょっと盛り上がったかもしれないですね。それからジョナ・キングでしたっけ?ミルトンの相手をするには、ラスボスとして小物すぎた印象。悪役にもそれなりのカリスマが必要ということでしょう。 最高に良かったのは監査役。ヒロインはいまいち。 [DVD(字幕)] 6点(2020-12-06 13:38:20)(良:1票) |
454. 洋菓子店コアンドル
《ネタバレ》 お仕事ドラマが好きなので、そういった意味ではまあまあ楽しく見られました。 海君との別れ。シェフのケガ。十村の過去。ちょっといっぱい詰め込みすぎちゃって、1つ1つのエピソードや人物造形は薄味に仕上がってしまった印象。いや、十村の娘のエピソードは辛すぎて逆に印象が強すぎますね。 先輩マリコとの確執や衝突は良いんですが、最後までそれでいってしまうのはいかがなものかと。めっちゃあたりのきつい先輩が、なつめの頑張りや、なつめのケーキを認めるようになるエピソードがあれば、もっと心情的に盛り上がったかもしれない。 諍いからの歩み寄り。和解。承認。現実世界ではなかなかそーゆーことが起きないから、フィクションの世界に夢や理想を見たいと思うんですけどね。なつめはいつまでたっても半人前扱い。マリコは最後まで嫌な先輩のまま。もう少しサクセス要素を入れてくれても良かったんじゃないでしょうか。リアルをリアルに見せられてもなぁ。 十村がいずれ合流するであろうことは想像に難くありません。オーナーシェフとなつめが信頼を築き始めていただけに、終盤オーナーシェフが戦線離脱したまま終劇ってのは、ちょっと寂しいものがあります。 [DVD(邦画)] 6点(2020-10-13 08:37:15)(良:1票) |
455. 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
《ネタバレ》 思っていたより重く暗い話でした。ですがぱっと見明るくポップなテイスト。なんとも変わった味わいの作品です。 邦画ならではの雰囲気と言えなくもないです。(嘘だけど)こーゆー雰囲気は洋画では決して味わうことができない。(嘘だけど)もちろんドラマでもこーゆーのは撮れない。(嘘だけど) ですので、こーゆー作品は貴重だと思います。(嘘だけど)良い、悪いは別にして。面白い、面白くないは別にして。 この作品は、大政絢のファンあれば問題なく楽しめてしまうのがある意味問題かもしれません。(嘘だけど) 大政絢がかなりかわいいので、プロモーションビデオとして楽しめてしまう。(嘘だけど) ラブストーリーとして、みーくんを羨ましいとさえ思ってしまう。(嘘だけど) まあ、実際はみーくんではなかったわけですが。まーちゃんにとっては自分ひとり逃げた道真より、最後まで一緒にいてくれた主人公のほうがみーくんなのでしょう。 それにしても大政絢が出演している映画を初めて見たのですが、演技が上手でびっくりです。(嘘だけど) まーちゃんの壊れっぷりを見事に表現出来ていたと思います。(嘘だけど) [DVD(邦画)] 6点(2020-09-22 03:41:02) |
456. ゾンビ・ガール
《ネタバレ》 本当に好きな相手がゾンビに・・・ではなく、別れようとしていたサイコ女がゾンビになるわけですから、ただただはた迷惑なだけ。 そこには『好きな人を助けてあげられない苦悩』とか『それでも好きでい続けられるか』なんてものは一切描かれません。そもそもゾンビになっていなくても、この女性と別れ話になったら血の雨が降りそうです。むしろゾンビになっちゃったことで、別れることへの大義名分を与えてしまった気さえします。 オリヴィアがとても魅力的。イヴリンも一方的ではあるが一途。いっそ普通の三角関係ラブコメにしちゃったほうが面白かったんじゃないだろうか。 こーゆー人の感情が残ったゾンビドラマって今まで結構見てきたけど、本作はそーゆー設定の必要性が最も希薄な気がします。 オリヴィアがとっても良い娘だったので面白かったけど、彼女がいなければとても見ていられません。少なくともゾンビものとしては楽しめない作品です。ラブコメとしてもホラーとしても中途半端です。 [DVD(字幕)] 6点(2020-09-08 03:30:28)(良:1票) |
457. Happy! School Days!
《ネタバレ》 それぞれ30分の2つのエピソードを楽しむ短編作品。 濱田岳が出演している『卒業までにしたい3つのこと』が面白い。 『卒業まで付き合おうよ。』『あの、誰ですか。』でつかみはばっちり。 『カップルってこういうもんでしょ。』のノリに終始付き合わされるシンジ(濱田岳)がいい味出しています。 ラストの卒業式直前で、『僕達の関係もこれで終わりなの。』と尋ねるシンジ。そのときのリコ(南沢奈央)の今までに無い真剣な表情が好き。形式から始まった恋人の真似事も、いつしか本当の関係に変わりつつある、そんなことを示唆する瞬間。『とりあえず春休みまで延長しようか。』が最高に良い。きっと2人はこれからも延長を続けていくのだろうと幸せな余韻を残します。 2つめのエピソード『Hello Goodbye』は悪くはないけど、面白みに欠けます。それに、濱田岳に比べると、賀来賢人の演技がいまいちです。こちらを先に見ていたらまた評価は変わったかもしれません。 また、こちらに出演している足立梨花が、個人的にはヒロインの南沢奈央よりかわいく見えてしまったのもいけなかったかもしれないです。これは私の個人的好みによるものですが。 リコが友達とのカラオケの約束をすっぽかして、ワタル(賀来賢人)と学校でいつまでもだらだらとしているのが好きじゃないので、後半は全然気持ちが入っていきませんでした。 好きな演出は2ショット。このシーンが2回あるのですが、笑っているのはいつも相手を好きなほうだけってのがわかりやすくて面白い。こーゆー言葉じゃなく映像で、現在の恋愛感情のベクトルを表す演出ってのは、映像作品ならではですね。 [DVD(邦画)] 6点(2020-09-07 14:56:45) |
458. ザ・ウォーカー
《ネタバレ》 信仰心がないのでストーリーにはまるでひきこまれず。 『世界の終末』はいろんな映画で見てきたので、その世界観にもひきこまれず。 とゆーか、個人的に『世界の終末』ってのが好きじゃないんだな。でも『北斗の拳』(もちろんマンガのほう)くらいアクションエンターテイメントに徹してくれたら、ヒーロー映画として楽しめます。 ですのでこの作品で良かったのはアクションくらいかなー。もはやヒーロー並の圧倒的戦闘力でスッパスッパと悪党共の首をはねていくのは爽快。 ただ終盤は防戦一方で盛り上がりはするがカタルシスは皆無。 全体通してエンターテイメントにしたいのか、布教活動をしたいのか、よくわからん映画であります。 テイストとしては好みのタイプではありません。ですがストーリーはつまらないものの要所要所のアクションは楽しめたので、そのプロセスを楽しむ映画と言えそうです。 個人的にはラストのバーでの暴徒騒ぎ、クローディアの離反、カーネギーの高熱が凄く好き。今まで築いた文明や社会や秩序が崩壊していく瞬間ってのが昔から好きなので、このシーンが一番好きかもしれないです。 疑問点はいくつかあるのですが、やたら爪をチェックし、『やつらとは違う』というセリフが出てくるので、てっきりクリーチャーかなんか出てくるのかと思っていたのですが、何も出てきやしませんでした。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-09-06 20:03:08) |
459. アラサー女子の恋愛事情
《ネタバレ》 キーラ・ナイトレイもクロエ・グレース・モレッツも好きなので、二人がメインでストーリーが進んでいくだけである程度の満足感はあります。 映画としてはどーかな。まず主人公のメーガンが好きじゃないな。彼氏が良い人なだけに、ラストのあまりに身勝手な結論には怒りさえ覚えます。 おそらくテーマは少女から大人へと成長していくなかでの変化なのでしょう。 周りが大人になり、社会の一員となっていくなか、大人になれない自分との価値観のズレ。これはまさに今私が経験していること。ただ私の場合は逆で、友人が大学の頃からまったく精神的に成長していないのです。そーゆー人間は『自分』ではなく『周り』に問題があるとほざくわけです。まさにこの作品のメーガンと同じ。まあ、メーガンはまだましなほうで、私の友人は最悪なのですが・・・。 ラブストーリーとしてもいまいち。だってメーガン、ただの浮気じゃん。今の彼氏と結婚したら、昔のしがらみと永遠に離れられないから違う男に走っただけじゃんか。メーガンがフリーの身であれば、まだ素直に応援も共感もできただろうと思います。 ストーリーは起伏が少なく、笑いどころもなく、恋愛ドラマ特有のドキドキ感や多幸感もありません。かと言って深みがある音なのドラマってわけでもない。もう役者の魅力のみで成り立っています。 最語に、邦題からバリバリのコメディ連想しちゃって、このタイトルは最悪だと思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-09-04 01:47:26)(良:1票) |
460. 恋人まで1%
《ネタバレ》 『遊び人』ではなく『遊び人を気取りたい20代』という感じ。 金もあれば元気もある。学生ではないから社会的な縛りもない。将来のことを漫然と考えつつ、でもまだまだ遊んでいたい誰しもが経験のあるお年頃。 真っ先に所帯をもった医者の友人は奥さんが浮気。とても幸せそうには見えない。そんな友人がいれば、結婚どころか真剣な付き合いさえまだいいか、と考えちゃうバカ二人。そんな惰性で生きる若者2人が、運命の人と出会っちゃったら、さあどうする?みたいな、ストーリー。 テイストとしては嫌いではありません。 面白いのは唯一真面目に、一途に奥さんを愛していた若き医師は、奥さんではない別の女性と次の一歩を踏み出してみようと決意すること。ある意味、他の二人とはまた違うカタチの希望を見出すわけです。 ベクトルは違っても、3人がそれぞれ人との付き合いを通し、人間的に成長していく様子が微笑ましい。 ただ映画としては盛り上がりに欠けるし、少々共感しづらい部分もあります。 コメディとしては笑いどころが下ネタオンリーではあまりに稚拙。 ヒロインがイモージェン・プーツなので、それなりに魅力ある作品に仕上がっているだけという気もします。 悪くはないですが、今一歩です。 [DVD(字幕)] 6点(2020-08-19 13:08:33) |