461. 星のない国
ジェラール・フィリップの映画初主演作だそうで、この頃はかなり若々しいです。主人公の断片的に残る過去の記憶を辿り、前世の世界にまで入り込んでいくというファンタジックストーリー。もう一つの人生やデジャヴといった摩訶不思議なテーマには惹かれるのですが、全体的に起伏がなく物語も単調に進んでいくのでやや退屈してしまいます。途中で話のタネが明らかになって先が読めてしまうのですが、それでもラストの展開には驚かされました。始終寝ぼけているかのような表情のジェラール・フィリップは見物です。 6点(2004-07-27 22:11:57) |
462. 2ペンスの希望
《ネタバレ》 イタリア特有のせわしな~い映画。やっと働き口を見つけたかと思ったら恋人カルメラのせいでパーになったり、必死に働いて稼いだ日当を家族に奪われてしまうといった繰り返しはちょっと笑える。実際かなり深刻な話のはずなのに、コミカルな展開になっているためか安心して観られるんですね。このテンポの良さはハマります。それにしてもあんな些細なことまですぐ噂になってしまう村には住みたくないな~、主人公が移住したくなる気持ちも分かるような気がする(笑)。ラストも何の説得力もないのに、見ていて「人生は素晴らしい!」と思えてくる。前向きな映画ですね(^^) 7点(2004-07-27 21:55:20) |
463. ドッグ・ショウ!
ちょっとツボにハマった(笑)。これは犬好き&映画ファン以外の方は観なくていいです、ていうか観ても面白くないでしょう。もう分かる人にだけ分かるような感覚の世界です。 7点(2004-07-23 19:20:50) |
464. こちらブルームーン探偵社<TVM>
第1話にはさり気なくティム・ロビンスとかも出ていましたね。一話一話の完成度はそれほど高くないのですが、続けて見るといつの間にかハマってしまいます。そこがTVドラマの魅力なのでしょうね。何と言ってもブルース・ウィリスとシビル・シェパードの掛け合いが面白い!吹き替えもノリノリで大いに楽しめます。これ原題は「Moonlighting(兼業)」という意味なのですが、邦題の「こちらブルームーン探偵社」というのも非常に分かり易くて良いです。TVドラマは微妙に場違いなような気もするけど、やっぱり好きなので8点です。 8点(2004-07-20 21:54:28) |
465. デス・サイト
ダリオ・アルジェントの新作ホラー。誘拐犯との人質を賭けたポーカー勝負に、イタリア警察の面々が挑む。初めからあまり期待はしていなかったのですが、やっぱりと言うか何と言うか・・・アルジェントにしては随分と凡庸な感じの作品だなぁと思いました。いつの間にか人質を助けることよりも、ポーカーの勝負に夢中になっているイタリア警察の面々には唖然。異様な現場の盛り上がり風景には思わず笑みがこぼれます。邦題も「デス・サイト」なんてのより、原題の「カードプレーヤー」のままでOKでしょうに。 5点(2004-07-17 20:19:23)(良:1票) |
466. アイズ ワイド シャット
今回初めて見た巨匠スタンリー・キューブリック監督の遺作。評価は賛否両論に分かれているようですが、個人的にはけっこう好きです。別に他夫婦の性生活に干渉するつもりはないんですけどね。幻想のような世界観に次第に引き込まれています、特に乱交パーティーのシーンは尋常じゃなさすぎ。独特のカメラワークにシンメトリーの構図、セットで作られたニューヨークの街並みも味があって良いです。それから気になったのがニコール・キッドマンの出番は思ったよりも少ないんですね、それでも存在感は際立っていたと思います。トム・クルーズも個人的に嫌いな俳優じゃないんで、面白く観ることができました。ただの官能映画に終わっていないところが凄いです。 7点(2004-07-17 11:14:23)(良:1票) |
467. ヘルハウス
《ネタバレ》 正直役者の演技に尽きるような・・・。映画が始まる前に「この物語はフィクションだが、 劇中に出てくる現象は事実だと思っていい」とかいうテロップが流れて、信じちゃって良いの!?と思っていたけど信じるのもアホらしい気分でした(^^;。古臭いのは仕方ないだろうけど、ホラーとしてあまりにも怖くなさすぎ。ラストの展開もちょっと強引だし、パメラ・フランクリンに至ってはただ単に自滅しているだけとしか思えない。逆に雰囲気はおどろおどろしくて良かったです、家の外見なんかは本当に”地獄邸”って感じがするし。それから時間表示が効果的に使われていたかな。文句ばっかり言ってすみません、これだったら個人的には『エクソシスト』の方が好きです。 6点(2004-07-15 22:12:04) |
468. マリアンの友だち
中国人の物真似(?)をしたりするのが好きな、ちょっと変わった少女二人組みの青春コメディ。その二人に追い掛け回されるのが、これまた一風変わったピアニストに扮したピーター・セラーズ。ちょっとしたプレイボーイの役なのですが、いつも少女二人に付きまとわれてノイローゼ状態になっているのが面白い。うんざりした表情に、ピアノを弾くときの崩れた髪形も笑えます。とまあ、最初から最後までピーター・セラーズが痛い目に合うような物語なんですけどね。どちらかと言うと焦点は、少女たちが思春期から大人へと移り変わる様子を描いているのだと思います。友情あり、家庭問題あり、謎の儀式ありと、やや異色な青春コメディです。 7点(2004-07-15 21:57:53) |
469. 回転
けっこう真面目にゾクゾクさせられる。恐怖演出というか、デボラ・カーの怯えきった表情に始終ドキドキさせられっ放し。パッと一瞬映って「あれ、今の見えた?」的な仕掛けには脱帽。近年の『アザーズ』などのゴシックホラー映画の元ネタはこれでしょうかねぇ。ホラー映画にして凄く上品で、とても丁寧に作り込まれているという印象を受けました。 7点(2004-07-15 21:48:21) |
470. ミスティック・リバー
《ネタバレ》 ショーン・ペンとティム・ロビンスの悲哀を背負った役柄に心がヒリヒリしてくる。特にティム・ロビンスの演技はオスカー受賞も頷ける素晴らしいもの、彼の存在無しにこの映画は有り得なかったと思う。ケビン・ベーコンも良かったけど、如何せんこの二人の前に立つとどうしても影が薄くなってしまう。観客に登場人物に感情移入させる隙を与えなかったのは正解かな、あれでデイブなんかに思いっきり感情移入してしまったらラストがあまりにも救われなさ過ぎます(これでも十分に暗いけど)。それ故にこれで感動したって言う人の気持ちがよく理解できない、ジミーの娘さんが殺害されたところでホロっとくるのかな?役者の演技に敬服したっていうのなら分かるけど。最近観た後に何も心に残らないような映画ばかり作っているハリウッドのことを考えれば、この映画は観た後に強く印象に残るのでそういう意味では良い作品だと思います。いろいろと考えさせられますし、勿論万人受けはしませんけどね。舗道に残った「JIMMY SEAN DAV・・・」の文字が印象的です。 8点(2004-07-14 17:46:44)(良:1票) |
471. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
《ネタバレ》 記念すべきコロンボ第一作目、タイトルデザインがめちゃくちゃ凝ってる。まずはお決まりの倒叙スタイルから始まり、たっぷり観客を焦らしたところでコロンボ登場。この頃はまだ初々しいというか、やけにキチッとしていて全くコロンボらしくない。その後も共犯の女性を追いつめて脅しをかけるという、大胆な行動にまで打って出る(あの場面は怖かったなぁ)。犯人は他人の精神を分析するというだけあってしたたかな男、それでも最後は「人は固定観念で物を見る」などと言いつつも見事に自分でハマってしまいました。コロンボも犯人もあっぱれ!そんなわけで刑事と犯人の心理対決は見応えがあったけど、いつものホンワカ感は皆無に近いので、コロンボシリーズとは切り離してこれ単体で観るのが一番良いのかもしれません。 8点(2004-07-12 20:22:54) |
472. 一日だけの淑女
《ネタバレ》 泣く子も黙るギャングの親分が、路上売りのお婆さんのために一肌脱ぐ!終いには警察や街の市長までもが全面バックアップという、まさに御伽噺のような物語。現実では有り得ないだろうことだけど、実際にこんなことが起きたら良いなーと思わせられる。フランク・キャプラならではの夢のようなお話です。 7点(2004-07-12 20:01:07) |
473. 砂の女
《ネタバレ》 砂が少し、また少しと崩れていく光景に異様な美しさを感じる。昆虫採集をしに砂丘へとやって来た一人の教師が、どういう訳か砂の穴の中に閉じ込められてしまう。そこにいた女の正体も謎だし、男を閉じ込めた張本人の人々がやけに親身というところも不気味。最終的に脱出することに成功した主人公も、結局はまた自ら穴の中に舞い戻ってしまう。穴を掘るという行為から、都会では見つけることの出来なかった自分の居場所を砂の中で見出してしまうというオチ。何か妙に”現実的”な感じのする話、順応するって怖い・・・。 8点(2004-07-07 22:42:55) |
474. 奇跡の人(1962)
《ネタバレ》 あまりあからさまに感動作とか言われているのはそれほどピンと来ないのですが、これは素直に感動しました。障害に苦しめられながらも必死に生きていこうとするヘレン・ケラーの姿も凄いですが、やはり何よりもそのヘレンを支えるアニー・サリヴァン先生こと、アン・バンクロフトの忍耐強さに驚かされました。特にサリヴァン先生がヘレンにスプーンでの食事の仕方を教える場面はひたすら壮絶、まず並の人には真似できない芸当でしょう。そして最後にヘレンが名前というものの意味を知った時の無上の喜び、何とも言えない感情がこみ上げてきます。自分も頑張って生きていこう!という気持ちにさせられる、久しぶりに心が洗われた気分です。 9点(2004-07-05 21:49:30) |
475. 暗黒街のふたり
《ネタバレ》 タイトルはギャング物っぽいけど、中身はジャン・ギャバンとアラン・ドロンが織り成す友情物。「地下室のメロディー(63)」でお互いにピリピリしていたのが、今度は恩師と弟子みたいな関係になっているのが面白い。それにしても主人公のあまりの不幸っぷりには同情する。前科がある、という理由で罪を償ったにも関わらず執拗に刑事から追い回され、次第に平穏を失っていく。次々と不利な証人が現れるシーンでは怒りすら覚えるし、ショッキングなラストシーンには見ていて胸糞が悪くなった。なので決して良い気分にはなれない映画、観る時にはそれなりの覚悟が必要である。 7点(2004-07-05 21:21:29)(良:1票) |
476. チキンラン
ちょっと血生臭いから子供向きじゃないかな?でも大人だけが観るようなものでもないという、そこがアードマンの良いところ。結局は大人も子供も楽しめます(何じゃそりゃ)。粘土で作られたニワトリ軍団、さすがに「ウォレスとグルミット」のグルミットほど可愛くはないけど、丹精込めて作られただけあってそれぞれ個性が豊かです。個人的にはやっぱり主人公キャラのジンジャーがお気に入り、冒頭で一人キャッチボールをやっているシーンなんて堪りません。それからオマケキャラのネズミ二匹も良い味出しています。観る前の予備知識としては、脱走映画の有名どころは押さえておいた方が吉ですね。 7点(2004-07-05 15:55:01) |
477. ユリシーズの瞳
催眠効果は強そう。伝説的監督の残した幻のフィルムを探しに行く、というストーリーはけっこう惹かれるんですけどねぇ。とにかく長くてしんどい、観るには根気がいるかも。映像は綺麗ですね、一面の雪景色だとか、川辺の風景といった自然映像は美しいの一言。それからレーニン像を運ぶシーンもやけに圧迫感がありました。終盤の舞台がサラエボに移ってからは、今度は銃声やら爆音やらでゾクゾクしてくる。ところで今回初めてこの監督の映画を観たのですが、とにかく場面ごとの長回しが凄いですね。肝心の物語よりも、そういうところばかり気になってしまいました。 6点(2004-07-04 22:05:21) |
478. リストラ・マン
「ファイト・クラブ」になる一歩手前みたいな作品。おそらく共感できる人には大いに共感できるのではないでしょうか?ヒロイン役のジェニファー・アニストンが可愛い。とりあえずこのトンチンカンな邦題はいただけない。 6点(2004-07-01 19:37:16) |
479. 夜の騎士道
監督ルネ・クレールに初挑戦。プレイボーイのジェラール・フィリップが、パリからやって来た女性ミシェル・モルガンを振り向かせようと大奮闘。初めは賭けの対象にしか思っていない彼だったが、付き合っていく内に次第に心惹かれていき・・・というラブロマンス。初めは傍から見ていてどうでも良いような恋愛話だと思っていたのですが、物語が進むにつれて恋仲のライバルが現れたりするとなかなか話も面白くなっていきました。まるで映画の中のジェラール・フィリップみたい。個人的に多少性に合わないところもあるのですが、なかなか小味の効いた良い作品だと思います。ラストも自分好みですし。 6点(2004-06-29 22:03:04) |
480. 刑事コロンボ/秒読みの殺人<TVM>
《ネタバレ》 犯人の犯行シーンがかなりスリリング、前置き部分でここまで引き込まれたのも珍しいかも。中盤で犯人女性が昔住んでいた家にコロンボがやって来る場面がとても良いです。こうやって犯人とコロンボがお互いに向き合って腹を割って話すようなシーンがあると物語にグッと深みが出るような気がします。お互いに義務を負ったプロフェッショナルという感じで。たまに見ていてあまりにも執拗なコロンボの姿に、ちょっとムカッと思うようなことがありますが、本作でも少しそれに近い感覚を覚えます。それでも最後は犯人の女性が意外に気丈そうな人だったので安心しました。 8点(2004-06-26 17:45:44)(良:1票) |