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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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461.  ザ・センチネル/陰謀の星条旗 《ネタバレ》 
脚本家の人への不満はこの際無視して、なぜこの程度の脚本でフォックスは製作にGOサインを出せるのかという方が疑問に感じた。アメリカではここまで脚本が不足しているのか、それとも単にキャスティングだけで客を呼べると踏んだフォックスという会社だけの問題なのか。 ジャックバウワー捜査官も出演料以外に一銭の徳にもならない作品になぜ出てしまうのか。せっかく築き上げたキャリアを無駄にしてしまっている。こんな裏も何もない内容ならば、マイケルダグラスとジャックが共闘して、大統領暗殺を企むKGBと最初から最後まで壮絶に死闘を繰り広げる方がまだましだ。 【以下、なんとなく気になったところ】 ①ダグラス「分かった。内通者は○○だ!」観客「内通者は○○か…。で…誰??」という映画で面白くなるはずがない。 「内通者は誰か?」を推理するという観客の知的好奇心をくすぐる気はほぼゼロに近い気がした。内通者は不倫を清算したいベイシンガーとかベタベタでもまだよかったし、不倫に気付いた大統領が企てた陰謀とか、いろいろ手があるだろう。 ②ダグラス「防弾チョッキではなく、俺の頭を撃て!」ジャック「とどめをさすことはできない(銃を構えたままフリーズする)」。泣いていないで、肩とか脚を撃て!話はそれからだろう。数十メートル近くの容疑者をみすみす逃すのは正気の沙汰とは思えない。ダグラスとジャックの直接対決というのは中盤の山場なのに、まったく盛り上がりに欠ける。 ③大統領の奥さんとヤッちゃうような男が、親友の奥さんを寝取らないわけないだろう。常識的に考えて。主役の二人がクダラナイ私怨でわだかまりをもたれたら観客はちょっとヒクよ。てゆうか、妻の話がウソか真実か見極められないような男がシークレットサービス務まるのか。 ④「嘘発見器テストを受けていないのは誰だ?」「よし分かった。○○が犯人だ。」ってジャックオマエ真面目に捜査してなかっただろう。内通者も仮にも捜査のプロだったら、嘘発見器くらいなんとかできるだろう。先入観によるミスリーディングでも描きたかったのか。 ⑤シークレットサービスは140年間裏切り者を出していない組織らしいが、結局、ヤツは何が目的だったんだ。140年間裏切り者を出していない組織からなぜ裏切り者が出たのかという答えを全く出していない。家族を人質とられたのは最後の方だし。
[映画館(字幕)] 3点(2006-10-16 22:02:53)(良:1票)
462.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 
韓国で大ヒットしていることや、予告編がそこそこ面白そうだったので、鑑賞してみたが『この映画のどこに面白みを見出せばよいのか全く分からない…』と困惑するしかなかった。つまらない映画や駄作ではないと思うが、オチのないコントを延々と見させられる感覚に近いと思う。 「①モンスターパニックムービー」として観た場合、黄色の二人組の制服を襲撃した際はなかなか良いと思ったが、それ以外ではグエムルに対して、恐怖や畏敬といった感覚は抱かない。ジョーズやキングコングといった映画では感じた感覚はこの映画では感じられない。本作ではグエムルに対して「生命」を吹き込むことには失敗していると思う。 「②親子愛・家族愛」ヒョンソからは父親を信頼して助けを待っているようには感じられない。「ウィルス」という変なストーリーを織り込んだため、娘を助けたいというよりも、政府から逃げることが主題に変わったため、父親カンドゥの成長や家族の絆も上手く伝わらない。「殺人の追憶」同様に、娘がさらわれたり、父親ヒボンを死なせているのは自らの責任であるため、不条理感を感じにくい。 「③アメリカ・政府批判」モンスターより怖いのは、政府やアメリカなんだということを言いたいのかどうかは映画からは伝わりにくい。「ウィルス」の存在は決して悪くはないネタだと思い「これから面白くなるか」と期待したが、やはり効果的に利用することもできなかった。②で述べたように悪い効果も生じている。 「④現代の韓国に対する批判」賄賂、怠慢、浮浪者、両親のいない子ども達、無神経なマスコミ、デモ、環境問題等々、ボールは大量に投げてくるが、受け取り側のことはあまり考えてないようだ。これらは日本人にとってみればよく分からないことだ。 「⑤ラスト」ヒョンソが命を賭けてガキを守ったというのも観客への感情の揺さぶり方としては上手く演出されておらず、なぜ製作者がガキを助けて、ヒョンソを殺したのかはよく分からない。自分が製作者だったら、戦いの末に、グエムルはどこかへ消えて、行方不明にし、ヒョンソの生死も明らかにしないだろう。そして、新しい携帯電話を握り締めて、ただひたすらヒョンソのことを待ちつづける。カンドゥの姿を描いて、エンディングを迎えさせると思う。
[映画館(字幕)] 3点(2006-09-10 13:45:45)(良:4票)
463.  ほえる犬は噛まない 《ネタバレ》 
ワンちゃんにあまり愛着もないので、まったく不快には感じなかったが、ただ単につまらないという感想しか抱かなかった。 自分には「本作を通じて、この監督はいったい何を伝えたいのか」ということが一ミリも分からなかった。韓国のことを知らないからなのかもしれないが、どこがブラックユーモアなのかのどうかも分からずに、何も笑えない。センスの問題でしょうかね。分かる人には分かるけど、分からない人には全く分からないという映画。 自分には、このセンスが分からないので、0点や1点でもよいかもしれないが、映画内で描かれているストーリーは大部分は理解できるし、画的には面白い構図もあったので、ちょっと点数をつけたい。 それにしても、本作のどこに面白みを見出せばよいのかが分からなかった(本作を高評価する人を非難するつもりはありません)。 ①キャラクターはユニークだし、ストーリーをもっと展開させれば面白くなると思うけど、本作では浅く描かれていると思う。ネタ的には面白いと思うので、演出に問題があるのかもしれない。 ②二人の主人公にこれといった成長が感じられないと思う。アパート管理事務所のヒョンナムには、彼女の性格が感じられたが、結局何をしたかったのか分からずに、ただ会社をクビになるだけである。 大学教授を目指すユンジュもこの事件を通じて何かが変わったわけではなく、空ポストになった教授枠に入るために、不足部分を妻の退職金で流用し、ワイロを渡して教授になるだけである。 彼らの苦悩なりが上手く伝わらず、おまけに劇的な行動の変化もないので、なんらの共感や感情移入ができないと思う。 ③ワンちゃんを殺した(間接的にはオバちゃんも殺している)ユンジュは結局罰せられることなく(愛犬を失った苦しみは体験させられることになるが)、犬を鍋にした管理事務所のおっさんも罰せられることない。また、良心の痛みといったテーマでもないため、道徳的にも倫理的にも深みがなく、面白みが欠けていると思う。
[DVD(字幕)] 3点(2006-08-29 00:10:37)
464.  ダ・ヴィンチ・コード 《ネタバレ》 
原作が極めて素晴らしいというわけではないが、この映画は原作の持っている「良さ」をかなり失ってしまっている。 原作には「謎解き」の面白さが溢れていると思う。困難な謎が解き明かされるたびに、更なる不可思議な謎が待ち受けているという面白さに加えて、警察の執拗な追跡とオプスデイの不穏な動きがさらにストーリーをよりスリリングなものとしている。 しかし、この映画では肝心の「謎解き」がおざなりにされている。ソニエールが仕掛けた困難な謎が一瞬のうちに次々と解き明かされていく流れには興ざめしてしまう。 極めつけは、自家用機の中で謎の文字が書かれた文書をみつけた際にラングドンが「鏡をもってこい」と一言で片付けてしまっている点だ。原作では、古代文字に精通しているサーリーティービングでもラングドンでも判別不能な文字に両者ともに頭を抱え、行き詰まるところを、その困難な謎をソフィーヌヴーが解き明かすというシーンがある。そのシーンがあることによって、祖父と孫の見えない絆がみえてきて、二人が共にどうやって時間を過ごしてきたかが分かるというものである。この謎解きは、たんなる聖杯探求者では解き明かせないものであると同時に、ヌヴーとラングドンという二人が揃わないと解き明かせないということがよく分かるものである。 それが瞬時に「鏡をもってこい」では、ヌヴーの存在っていったい何かね?という感じになる。一つのシーンを除き単なるお飾りにしかなっていない。 ストーリーを進めることを優先して、ヌヴーに限らずこの映画のキャラクターはほとんど死んでしまっている。魅力ある俳優陣を揃えておきながら、ただセリフをしゃべって動いているだけであり、個性的で心に様々なものを抱えているキャラクターが全く活きていない。これでは誰が演じても同じではないか。例外としては、ヌヴーが自家用機内でシラスをぶん殴ったシーンと、ティービングの最後の瞬間に、その性格や気持ちが現れるのを知ることができる。 とにかく、この映画は原作のあらすじを2時間30分にスピーディーに収めたにすぎず、映画として評価することは難しい。全部描くのなら二部作にするか、大幅なカットが必要だろう。
[映画館(字幕)] 3点(2006-05-21 00:41:24)(良:3票)
465.  機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛 《ネタバレ》 
一言でいえば、こんなものはZでもなんでもない茶番だ。 鑑賞前から恐らくハッピィーエンドで終わるであろうとは思っていたが、単に強引にハッピィーエンドにしたところで、何も感じることもないものにして良いはずがない。 そもそもオリジナルラストでカミーユの精神が崩壊するのは、シロッコが死ぬ間際に「オマエの心も連れていく」と言ったからだけではない。あれは単なる引き金に過ぎない。カミーユは戦闘の中においても、「人は誰とでも分かり合えるのではないか」という想いを抱いて戦っていたが、レコア、サラ、ロザミアといった女性たちと最後まで分かり合えることなく、戦いを止めさせることができなく死なせてしまったという苦しみ。また、戦闘の最中にカツ、ヘンケン、エマという仲間が無残に死んでいく姿や、コロニーレーザー「グリプスⅡ」の圧倒的な力にニュータイプ一人の力では戦争を終わらせることができない無力感、そしてニュータイプは単なる人殺しでしかないのではないかという苛立ちなどが、たまりにたまってカミーユの精神を崩壊させたのである。宇宙空間でヘルメットのバイザーを上げたのも既に精神に変調を来しているからであって、「一瞬気絶してました」とかいう訳の分からない理由からではない。 それにしても創りが雑すぎる。ロザミアを描くことは時間的にできないにしても、最後のシロッコとの戦いにはでてくるのは問題だし、さもなければロザミアを描けないかわりに、レコアやサラとカミーユの関係はじっくり描くべきだろう。 そもそも結構劇中では出番があったのに、なぜレコアがエウーゴから離脱し捕虜ではなくティターンズに加わって戦っているのかが普通の人では感じ取れないだろう。オリジナルではクワトロが暴走したグワダンでの脱出の際に確かクワトロをかばってレコアは怪我をしたはずであり、その辺りでのクワトロとのやり取りを上手く利用すればよかったのではないか。なぜか普通に敵に撃たれていたのには理解が苦しむ。また、バスク大佐のドゴスギアを撃ち落としたのは、レコアのパラスアテネであってヤザンではない。あれではヤザンの立ち位置が余計ややこしくなる。 エウーゴとティターンズの間でキャスティングボートを握るアクシズを巡る三者の攻防に加えて、ティターンズ内のシロッコとジャミトフ+バスクの内紛も劇中ではごちゃごちゃさせただけで上手く描けなかったのも悲しいことだ。
[映画館(字幕)] 3点(2006-03-11 23:29:41)(良:3票)
466.  シリアナ 《ネタバレ》 
ジョージクルーニーのオスカー受賞に伴い、本作も注目を浴びるだろうが、本作に関しては是非鑑賞前に公式HPなどでストーリーや背景について事前に確認してほしい。ストーリーや登場人物などはいたってシンプルであるが、必要以上に細かく切り刻んだために物事の本質が何であるか、何を訴えたいのか、焦点がぼやけた演出となっているので、前広に情報を入手した方がよいだろう。 物事に対して批判しようとするとき、「ボウリングフォーコロンバイン」のように批判対象から完全に逆サイドに立って描くというやり方がある。一方、本作ではアメリカ、中東などの石油業界を取り巻く巨大な渦の中に人々が巻き込まれていく姿をかなり冷めた目で客観的に、かつ感情的にならないように描いている。しかし、「トラフィック」のようなアメリカでは身近な問題である「ドラッグ問題」ならばやや第三者的な描き方をして、鑑賞者に「どう思うか」を問いてもいいかもしれないが、石油問題に関しては身近に感じる人は少ないだろう。この身近ではない問題に対しては、第三者的ではなく、もっと踏み込んだ形で感情的に人々に問いた方がもっと説得力を増すと思う。この描き方では、あまり知らない一般人が映画を見たとしても、世界で最も恐ろしいタブーに震撼するというよりも、「へぇー、そうなんだ。」程度の感想しか持たないだろう。<以下ネタバレ>ジョージクルーニー演じるボブはテロとは無縁の中東の王子(アメリカ寄りから中国寄りにシフトしようとする)をテロの首謀者だからと殺害を命じられ、それに失敗し、あっさりとCIAから駒のように切り捨てられてしまう。真相を知った際の表情、ラストの行動にはそれなりに彼の感情を感じられるが、彼の長年信じてやってきたものが何だったのかという苦悩、悲哀は分かりにくい。合併話の調査を命じられたホリデイ弁護士はラストにはまさに羊を面を被った狼のような行動をするわけだが、彼の心情の変化と父親の関係も伝わりにくい。 アメリカから中国へシフトしようとしたナシール王子と、新米派の父親や弟の確執もあっさりとしすぎている。これらの確執の中で仕事を失い行き場をなくしたワシームをテロへと駆り立てた動機と神学校との関係もまた伝わりにくい。上手く描けばもっと面白くなる題材だと思うが、個人的には全く面白みを感じられる映画ではなかった。
[映画館(字幕)] 3点(2006-03-07 22:17:47)
467.  親切なクムジャさん 《ネタバレ》 
「復讐者に憐れみを」「オールドボーイ」両作ともに凄まじいパワーを感じ、この監督はかなりの切れモノだと思っていた。したがって、復讐モノ三部作の完結になると言われている本作にも期待せずにはいられなかった。 しかし、深く考える人の中には入りこめる人もいるだろうが、個人的には、全く入りこめない、全く面白くないの二言に尽きる。 イヨンエという女優は全く知らないのだが、役柄上からだろうか、あまり内面の苦しみや怒りなどが伝わらず、彼女の感情を上手く把握できなかった。復讐という血なまぐさいテーマにはあまりあっていない女優のようにも感じる。 ストーリーについては、大して深く描かれていない人脈を武器にさくさくと復讐に向けた動きが進むだけで、ほとんど捻りがなく、復讐に向けた抵抗勢力が二人組の男くらいだけで山が極めて少なく低いのが問題。 また、復讐をするか否かという葛藤もなさそうなので同情や共感もしずらい。子どもがいるのに「復讐=人生を再度棒に振る=子どもとはもう会えない」という発想がないのもちょっとおかしい。クムジャの頭の中には「復讐>娘」という関係があるように思われるので共感しにくい(復讐が終わってようやく娘と向き合えるというのも分かるが)。老いた警官も葛藤を与える役柄にしても良かっただろうに。 女性復讐者であることの最大限の利得である母性もこれまた上手く感じることができなかったのが残念だ。韓国語が分からない女の子という設定が、「通訳」を効果的に演出できるというメリットはあるものの、コミュニケーションが上手く取れないという欠点にも繋がったように感じる。なぜか彼女の「I’m sorry」や白いケーキが胸に響かなかった。 そもそも、子どもを殺された家族の苦しみと(子どもとともに過ごす)時間を失ったに過ぎないクムジャを同列に描くことはちょっと違うのではないか。犯人は子どもを嫌いと言いながらクムジャの娘を解放しているのにもやや矛盾を感じる。どうせならクムジャの娘は双子という設定にして片方が誘拐され殺されたとしたならばまだ分かるのだが。
[映画館(字幕)] 3点(2005-11-13 23:08:36)(良:1票)
468.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 
近未来を舞台にクローンをテーマに扱ってもマイケルベイにはお構いなし。相変わらずのベイ・ワールドが展開される。ある意味、凄えなと思わせるこだわりが彼にはあるようだ。本作は頭を空にしてアクションを楽しみたいという人に向く映画であり、クローンを扱ったアイデンティティや人間性をテーマにした映画を観たいとか、近未来の管理社会やクローンの危うさをテーマにした映画を観たいという人にはあまり向かない。そうは言ってもバッドボーイズとは違って、あまりおふざけなしの映画には仕上がっているので、なんとか観れる映画にはなっているとは思う。そして「バッドボーイズ」でもおなじみの激しいカーアクションは一つの見所になっている。「バッドボーイズ」では、クルマの上からクルマや死体を投げ落としていたが、今回もなにかを投げています(荷台から荷物が落ちて、後ろがとんでもないことになっているのに運転手は走り続けるところがマイケルベイらしいところ)。 以下ネタバレ【マイケルベイのここが嫌い】 ①「捕まえるのは無理だ!もう殺しちまえ」といきなり言ってしまうところ。一応、大事な「商品」らしいのだし、クローンの育成には恐らく莫大な時間と費用が掛かるのだろうし、サラ本人は死にそうな状態なのに、殺していいのか。契約とかもあるだろう。 ②「軍にばれたらやばいからオマエ達に頼む」というのが大前提。にもかかわらず、ブシェミを惨殺→(ブシェミカード使用により)警察の介入を許す→今度は警察を襲撃。そんなことしてたら、しまいには軍動くぞ。しかも、再度のカード使用では警察に動きなし。そもそも論を無視した激しいアクションには笑けてくる。 ③おもむろにジョーダンがパンツの中から拳銃を取り出すところ。セキュリティも何もあったもんじゃねえな。金属探知機か何かで調べられたら御仕舞のそんな無謀な計画が上手くいくと思っているのか。 ④全く途中のストーリーとは関係ない部分で、フンスーが裏切るところ。それは本当に勘弁して欲しい。ストーリーに多少絡ませるくらいできるだろう。汗かきすぎだし、そもそも銃持っているからって、リンカーンを撃ち殺すなよ。 ⑤ラスト大将一人で自らリンカーンに立ち向かうようなところ。あとから、いっぱい黒服も来たけど、その後、どっかに行ってしまっているようなところ。 ⑥「アイランドはあったわ。それはわたし達よ。」まじで意味分からねえ。
[映画館(字幕)] 3点(2005-07-24 02:14:42)(笑:3票) (良:2票)
469.  ザ・リング2 《ネタバレ》 
本作で何を伝えたかったというと、一言で表せば「親子愛」である。 確かに土俵はホラーではあるが、本作は間違いなく母と息子の親子愛を描こうとしている。このスタイルは恐らく「宇宙戦争」と同じではないかと思われる。あちらは宇宙人の地球侵略という舞台で親子愛を描こうとしている。したがって、この続編の方向性やその在り方自体は間違ってはいないと思う。 しかしどう考えても誰かがこのテーマを理解していない気がする。脚本家が親子愛なんて描くつもりも無いのに監督がその方向性に持っていったのか。監督が脚本家の意向を全く理解せずに演出してしまったのか。プロデューサーがこんなんじゃ怖くないと言い出して、監督がそれに逆らえなかったのか。そもそも「親子愛」なんてテーマにしていないのに、俺が勝手に思いこんでいるだけなのかは分からないが、これでは何もかも中途半端すぎる。 この程度で怖がらそうとしているのならば、もの凄い出来の悪いホラーであるし、親子愛を描くとしても伝わってこないので、何がやりたいのかさっぱり分からない。 自分が考えるこの映画の根本の欠陥は「サマラがエイダンの身体を乗っ取ろうとしていることをレイチェルが始めから分かってしまっていること」ではないか。 この部分は、レイチェル自身にも観客にも最後まで取っておく方が良い。サマラが何を考えているか分からないところに、ある程度の恐怖を感じることができるのではないだろうか。サマラの目的がはっきりしてしまったら、精神的な恐怖は何も無い。 ストーリーのプロットとしては、エイダンが謎の奇病を発症し、彼の周辺で不可解な事件が起きる。サマラの影に気づいたレイチェルは、原因を探ろうとして、サマラの出生の秘密とサマラの目的を知る。サマラの目的を分かったても時すでに遅く。エイダンの身体を完全に乗っ取られてしまうという流れの方が素直ではないか。 最後には、サマラにエイダンを乗っ取られようとも、それが本当の息子ではないことを知っており、息子の心の声を聞くことができるレイチェルの姿をもっとアピールした方がよかった気がする。そして息子の身体を救うために奔走するレイチェルの姿と母を想うエイダンとの心の絆を。この本当の母子の深い絆には、いくら母を求めるサマラでも断ち切れないとサマラ自身に思わせないとダメだろう。あんなコトするぐらいでサマラを封印することが出来るなら楽な話だ。
[映画館(字幕)] 3点(2005-06-19 00:31:26)(良:1票)
470.  フォーガットン 《ネタバレ》 
良かった点を強いてあげるとすれば、人間が吹っ飛ばされるシーン(劇場では失笑がちらほら)とジュリアンムーアの演技だけ。 ジュリアンムーアは実際にもさすがに母親だけあって、熱演をしていたが、果たしてこの映画にその演技が必要あっただろうか。 アメリカで流行っていたころ面白そうなストーリー(妄想系か、それともなんらかの事情で周りが病気にしたてている)だなと感じていたが、日本で公開というときに、すでに「彼ら」系という宣伝をされていたのでかなりガッカリとしていた。それでも見に行ったわけだが、やっぱり正直キツイね。 特にラスト間際の「彼ら」の一人が若干姿を変えるところは、タイプが違うものの「ドリームキャッチャー」を思い出したよ。あのシーンだけでもカットして欲しかった。興ざめもいいところ。 これだけ荒唐無稽なストーリーをどのようにオチをつけるのかを黙って見ていたが、多少納得のいく点はあるけど、一言でいえば「彼らって意外と親切だな」に尽きる。 「彼ら」の存在よりも、なぜこの映画にジュリアンムーアやゲイリーシニーズが出ているのか、なぜこの映画がアメリカでヒットしたのかが何よりも最大の謎だが、「彼ら」の存在は最後まで取っておくか、もっと表に出すかしないといけないだろう。この映画は、一番中途半端な描き方をしている。 一切のスリルも、どきどき感も、謎もない映画にはさすがに高い点数は付けられない。 しかし、ストーリーのネタとしては非常に面白いとは思う。息子は死んだと思っている母親に対して周りは息子なんて始めからいないという点に関しては。このネタに対して精神科医も絡めて、「記憶」の曖昧さや確かさをテーマに扱えば、もうちょい面白い映画にはなったと思うのだが。
[映画館(字幕)] 3点(2005-06-05 01:55:16)
471.  ライフ・アクアティック 《ネタバレ》 
天才マックスの時からこの監督の好きな人だけには薦められる作品で、はっきり言って一般受けはしないだろうと思われる。 何の面白くもない冒険ゴッコが繰り広げられるだけで、ズィスーの映画造りも上手くストーリーに活かされていない。 とにかく何もかも中途半端で何がしたいのか全く分からない。 海賊との戦いはバカ系なんだが、それで終始攻めるつもりでもなければ、また脱力系で攻めているわけでもない。 息子ネッドやジャグワーシャークの関係で感動させようとしているのかもしれないけど、これらではこれっぽっちも感動しない。 逆に観ている者にとっては「なんでそんなことするかなあ」と対応が困ってしまう。 思いきって、何もかもバカ系で攻めれば、結構面白くもなったんじゃないか。劇場ではかすかに笑い声がもれていたので勿体無い。自分も学生に単位を渡さないところで学生の反応には笑ったから。 この監督にとっては、ストーリーはあってないようなものが常だから、いまさら文句をつけるわけではないが、相変わらずどうでもいいダラダラとしたようなストーリーだ。 ストーリーで勝負しないのは分かっているので、この監督が勝負しなければならないのはキャラクターだ。 しかし肝心のキャラクター設定はイマイチだ。 どのキャラクターも「自分」というものを掴めずに演じているような気がする。どのキャラクターもしっかりとした「顔」が見えてこない。 顔や心が見えるのはネッドくらいではないだろうか。 また、海賊との戦いやイヌの扱いなどは、かなり度を越していると思われる。 船を半分に切ったようなセットは絶妙なのに、そのセットも上手く活かされていないのも残念だ。
[映画館(字幕)] 3点(2005-05-08 22:40:10)
472.  オーシャンズ11 《ネタバレ》 
120分のうち盛りあがることもなく準備に90分を費やし、我慢してようやく迎えたのがこの大したことのない仕掛け。 8000万残すから残りはクルマに金乗せろって、それ何やねんと思わないか? 大したことのないというのは言い過ぎかもしれない、確かにSWATネタは胸のすく思いをした。 この映画の何が悪いかを考えると、基本的に何かが微妙にズレていると感じざるを得ない。 停電させるために必要なピンチを強奪するときのライナスの間抜な単独行動や、イエンの手を怪我させて、金庫爆破の際に包帯を引っ掛けて観客をハラハラさせた電池ギレのネタ等、何が狙いなのか首を傾げたくなるモノが多すぎる。 最後にダニエルを計画から外そうとしたのもよく分からない流れだろう。 仲間であるライナスを騙して何の意味があったのだろうか。 結局は携帯をテスに潜ませたり、全ての計画に絡んでいるのだから、あれは流れが悪くなる要因にしかなっていない。 テスを賭けたベネディクトとのやり取りも強引の一言としか言いようがないだろう。 何故あの場面でベネディクトがあんな事を言い出すのか不思議と感じた。 もっとベネディクトに切羽詰まった感じにしないと普通ああは言わないだろう。 しかし、強引とはいえ11人全てに役割がしっかりとあり、効果的な機能を果たしている脚本はそれほど悪くない。 この計画に一人でも欠ければ確かに成功はしなかっただろうと思わせる脚本だった。 いつのまにか金庫室の防犯システムがなくなっているのとかがよく分からない部分もあったが。 問題は脚本ではなく、映画で触れられていたこの計画に必要な「綿密な計画」「実行力」「クソ度胸」が上手くかつ分かりやすく演出されていないのがダメな映画になった要因だろう。 更にリクルートに多少時間をかけた割にはバシャー(チードル)以外に盛りあがりや面白みを欠き、盗み出せない二つのものをプロ中のプロが大胆不敵に一気に盗むという恐らく映画化の当初の狙いが実際映像化してみると全くまとまり感やスマートさに欠けてしまったことも問題だろう。 オリジナルもこんなに面白くないんだろうかちょっと気になる。
3点(2004-12-31 16:53:31)
473.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 
相当の期待感を胸に映画館に足を運んだが、見終わった後の率直な感想は何を伝えたかったのかが全く分からなかったという思いしか残らなかった。特に強いメッセージ性を要求しているのではない、単純なものでいい、何かを伝えて欲しかった。もっとも全編を通して伝えたかったのは「愛」だろう。それは理解できる。しかしそれを伝える手段としては疑問を感じざるを得ない。ハウルへの想いの強さによってソフィーは少女のようにも、老婆のようにも姿が変わる。この描き方は面白いと感じた。かけられていた呪いも二人の愛の力によって解いたのだと思う。その点も本来は感動的なはずだが大事なのは過程だろう。個人的には、もっと自分の身を犠牲にしてでも相手を守りたいという点を強調しても良かったと思う。「守りたいものが出来た。それは君だ。」ということを、もっとはっきりと大きなテーマにすべきではなかっただろうか。確かに、ハウルはソフィーのために身を呈して爆弾を防いだりしていたが、あれでは盛り上がりに欠ける。一方、ソフィーもハウルのために、火を恐れずに荒地の魔女から心臓を取り戻した。しかし、もっとドラマティックに演出することはいくらでも可能だっただろう。そもそも荒地の魔女とのやり取りをあんなにあっさりと終わらせるのはもったいなさすぎる。あそこは最大のクライマックスしても良かった。チカラを失っていたと思われた荒地の魔女が、我を忘れて異形に近いような姿になるのを、ソフィーが愛の力で取り返すという展開にした方がまだ面白い。荒地の魔女も本来の人間の心がまだ片隅にあり、ソフィーに親切にしてもらった気持ちやソフィーのハウルに対する愛情を感じていて、改心するという方が良かっただろう。そうすれば、荒地の魔女の存在意義も大きなものになってくる。はっきり言って荒地の魔女だけでなく、ハウル、ソフィー、師匠、ソフィー母等、キャラクターの描き方・存在理由に違和感も覚えざるを得ない。 そしてもう一点、戦争の描き方に対しても疑問を持つ。あそこまで不明確に描く理由があるのだろうか。大体は流れでなんとなく分かるが、誰が何のために争っていて、解決策があるのか、ハウルがその戦争にどのように関与しているのかは少なくても明瞭にすべきだったと思われる。そうしないと「かかし」の存在も意味がなく、「こんなくだらない戦争終わらせないと」のようなラストのセリフも生きようもない。
3点(2004-11-22 22:39:45)(良:2票)
474.  モナリザ・スマイル 《ネタバレ》 
伝統や慣習や世間体にとらわれ、世界観が狭まり広い視野で物事を見れなくなっていた学生たちに新しい世界、モノの見方、考え方を教えてくれるというストーリーと女性の自立というテーマを期待していたんだが、浮ついた全くキレのない脚本と演出のおかげでせっかくのいいテーマが台無しになってしまってる。 一番の失敗はジュリアロバーツの演じたキャサリンに全く魅力がないこと。 ジュリアロバーツ自体は嫌いではないので何の偏見ももっていないつもりだが彼女や彼女の生き方から学生たちが何かを学んだような気が全くしない。 キルスティン(ベティ)だって家庭不和が原因であって離婚という当時は珍しかった選択肢を選んだのにはジュリアが少しは影響があったかもしれないが、映画からは何も影響は感じられなかった、見せかけの幸せではなく本当の幸せを見つける決心をしたのは彼女自身の選択だったし。 ジュリアスタイルズ(ジョーン)に至っては、何も変えられないばかりか、逆にこれが自分の道を貫いた結果だと教わる始末。 イタリア語教師の言うように、自分の価値観の押しつけているだけで結局、学校も学生も自分自身も何も変えていないように思われた。 ラストに至っては急に皆から好かれまくって感動の別れって…一体何がしたかったんやと訳分からん強引なラストには興ざめします。 目的をもった迷える人という締めくくりは多少良かったけど。 人物の描き方もイマイチだった。 古い考えをもった同居人と新しい革新的な考えをもった同居人がいるんだから彼女らをうまく使って欲しかったし、元彼やイタリア語の彼とかの存在意義がイマイチ感じられなかった。 コニーとチャーリーの話なんてこの映画に何か必要あったか? 彼女の美術講義はなかなか面白かったが、脚本が間違っているのか、なっちの翻訳が間違っているか知らんがゴッホが生前一枚も絵が売れなかったというのもデタラメで、一枚しか売れなかったというのが正しいはずです。
3点(2004-08-22 23:32:48)(良:2票)
475.  スチームボーイ STEAM BOY 《ネタバレ》 
科学は使い方によっては、人々に幸福を与える善にもなるし、全てを破壊する悪にもなる。 全ては使う人の心の持ち方にかかっている。 それでも人間の文化の進歩は科学によるものであるし、未来に光を与えるのは科学のチカラだと、まあ言いたいことは分かるけど。 ストーリーは全く面白くありません。 スカーレットも主人公レイになんら影響を与えるキャラクターになっていない、ただのうるさいだけの存在のキャラだし、親子の葛藤もほとんど描かれてないのが致命的、この設定ならダークサイドに陥った親父をレイが改心させるのが定石だろうし、ダークサイドに陥りそうなレイがスカーレットによって踏みとどまるとかの展開のほうがまだ良かったと思われる。 普通、最後は親父はかばって死ぬというのが盛りあがる展開だがオチもなし、どこをどう楽しめばいいんだろうか。 「画」もイノセンスとかに較べれば驚くべきものではないし。 遊園地とか出てきている時点でこれはもう子ども向きなんでしょうね、でも「AKIRA」は好きです、本作ではあの世界観は陰を潜めています。
3点(2004-06-22 21:34:22)
476.  ヴェロニカ・ゲリン
製作者は美化したくなかったのかもしれないが、ジャーナリストとして誰も書けなかった真実を描きたいという「情熱」も、幼い子どもを持つ母親として子ども達が安心して過ごせる未来を願うという「想い」も何も感じられなかった。 こういう視点をぼやかしてヴェロニカが死ぬのは冒頭で分かっているはずなのに、終盤で長々と描く必要性が分からん、その後の音楽も場違い甚だしいし。 ブラッカイマーのプロデューサーとしての手腕は認めるし、シューマッカー監督はやや好きな部類に入る監督だったが、この二人の手によって、この映画は創られるべきではなかったような気がする。 題材がいいだけに、もっと社会派の監督に創ってもらいたかった。 死後、一気に憲法改正までいくのだが、生前この問題に関わった周囲の人々をもっと描かなければまるで感動もない。 動かなかった人々を描き、彼らがヴェロニカの情熱や勇気で動いてこそ感動するというものだろう。 ただギリガンがボコスカ殴るシーンだけは良かった、あそこだけはリアリティがあった。
3点(2004-06-01 23:18:51)(良:1票)
477.  踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 《ネタバレ》 
途中まではそれほど悪くはなかった気がする。 しかしながら、「リーダーがいない組織が最強の組織」「自分たちの判断だけで勝手に行動し始める組織が最高の組織」といったようなあまりにもバカらしい展開に呆れてくる。 一人の刑事が勝手に動くのは許容できるが、SATという組織が勝手に動くのは許容できるレベルを超えている。 「俺たちも自分の判断で来た」と得意げに語る姿を見て、唖然としてしまう自分の方がおかしいのだろうか。 警察組織とは異なる新しい形態の組織を対抗軸としてきちんと描き込めれば、誰もバカにはしないと思うが、リストラされた普通の5人の男が適当に動くような稚拙な組織では呆れるだけだろう。 このような幼稚な組織ともいえない組織に警察組織が振り回されるため、余計に腹が立ってくる。 警察はそれほど愚鈍ではないはずだ。 脚本家はきちんとした組織に属したことはあるのだろうか。 最強の組織は“軍隊”であることが分かるはずだ。 真矢みきの存在自体は悪くはなかったが、リーダーシップと傲慢さを勘違いしているキャラクター設定に問題があったようだ。 兵隊がきちんと兵隊をやってくれればよかったが、所轄の刑事が兵隊ではなく、自分の命令を聞かないことを分からなかったことが真矢の失策だろう。 頭の切れが良く野心家という設定の割には、責任問題を回避することに躍起になる設定もいただけない。 意味もなく各所を封鎖したり、拳銃をもって人質を抱えている者・刑事に発砲した者に対して発砲を許可しないというのは、事態を悪化させるだけであり、頭の切れが良いとは思えない。 むしろこちらの方が、責任問題が発生するのではないか。 それにしても、SATに囲まれた犯人が、人質を抱えながら白昼堂々にどこかに消え失せるという展開に誰もおかしいと異議を唱えないのだろうか。 映画は会議室で作られているのではないのか。 真矢みきから室井に代わって、皆が勝手な行動を取り始めるのも違和感がある。 責任を取ることも確かにリーダーの仕事だが、状況を冷静に判断して的確な指示を出すこともリーダーの仕事だろう。 専門家ではないので自分も偉そうなことは言えないが、組織論やリーダー論を語っている割には、お粗末なほどにメチャクチャな仕上りになっている点は大きな減点材料とならざるを得ない。
[DVD(邦画)] 2点(2010-07-17 23:09:41)(良:1票)
478.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
原作やオリジナルを知らずに、本作を単独で評価すれば、5点か6点かという評価になるだろうか。松本清張原作作品なので、ストーリー自体の面白さは保証されている。 しかし、オリジナルを見てしまうと、本作は“酷い”としか形容のしようがない。途中退席をしようかと考えるほど、“憤り”を覚えたので、正確にジャッジできているとは思えないが、カラクリを全て知ってみると、ネタの出し方、編集や構成、脚色全てにおいてバランスが悪く、ことごとく裏目に出ていると感じられる。観客に“驚き”を与える気持ちが感じられず、ストーリーを単に流しているだけ。自分の頭に血がのぼっていたので、女優陣のせっかくの熱演も『茶番だ』としか感じられなかった。 現代において、当時の北陸を再現することは難しいが、冬の北陸を上手く表現して活かしているとも思えない。 こういうことになるのは分かっていたので、オリジナルを見るのは本作鑑賞後にする予定だったが、偶然オリジナルを見る機会が先に来てしまったのが問題だった。 松本清張の原作を読んでいないので、自分の批判が適切なものかは分からない。 ひょっとするとオリジナルが原作とかけ離れており、本作が原作に沿っているのかもしれないが、オリジナルの良さをことごとく消し去ってくれている。 オリジナルはただの殺人事件を描いたわけではないのに対して、本作はただの殺人事件を描いたに過ぎない。 オリジナルは“時代”や“過去”に翻弄された同情すべき悲しい事件なのに対して、本作は同情の余地が一切ない、自分勝手な人たちが巻き起こした事件となっている。 監督・脚本を兼ねている犬童監督はオリジナル作品をきちんと見たのだろうか。 もしオリジナルを見ているとすれば、彼の才能を高くは評価できない。 しかし、逆に穴が空くほどにオリジナルを見たのかもしれないとも感じられた。 オリジナルとは180度と言っていいほど、完全に真逆の作品に仕上がっているからだ。 単にコピーして劣化版を作成するのではなくて、自分の“オリジナル”作品を仕上げるという壮大な狙いを込めたのだろうか。その壮大な狙いが失敗しただけなのかもしれない。リメイク自体は否定するつもりはなく、自分としては歓迎をしているが、比べられる対象があるだけに、製作するサイドとしても、鑑賞するサイドとしてもリメイクというものは本当に難しいものだと感じさせた。
[映画館(邦画)] 2点(2009-11-16 23:05:00)
479.  チェ 39歳 別れの手紙 《ネタバレ》 
ゲバラが死を迎えるときですら何も感じられず、「つまらない」以外の一切の感情が沸かなかった。 ソダーバーグはいったい何を伝えたかったのかが全く分からない。 「一人の英雄がジャングルで死んだ」という15文字程度の出来事を4時間も掛けて見せられたら、怒りたくもなる。“英雄”を描いてくれればいいが、“英雄”すら描いていないのも問題だ。ゲバラの生き様を描くというよりも、ゲリラ活動のドキュメンタリーかHOWTOモノでも見させられている感じだ。 ボリビアのゲリラ活動を描くとしても「なぜゲバラはボリビアでの革命に失敗したのか」というポイントに絞っているわけでもなく、前編に引き続きストーリーは何に等しく、山中行進や逃避行や脱走などが繰り広げられているだけだ。肝心の緊迫感・緊張感・追い込まれ感といった観点からみても何かが足りない。 ゲバラについてはほとんど知識がないので、何も知らずにこんなことを書くのは恥ずかしいことだが、素人考えではゲバラの「ボリビアのゲリラ活動」はゲバラを語る上ではそれほど重要ではないと思っている。 本当に重要なことは「別れの手紙」を書くに至るまでではないのか。 キューバでの革命に成功させたゲバラが理想の追求により、キューバ政府内において孤立していき、カストロとの距離が徐々に大きくなり、国際会議での演説によりカストロとの亀裂が決定的になったことが重要ではないのか。 カストロ個人宛に書いた別れの手紙を、自分の意思には反してキューバ国民に公表されてしまい、アルゼンチン人の外国人であるゲバラがキューバに居場所をなくして、アフリカのコンゴ・南米のボリビアへと新たな居場所もしくは死に場所を求めたことが重要ではないかと思っている。 ゲバラを描く上で必要不可欠な“カストロとの関係”という肝心なことをすっ飛ばして、どうでもいいことを描いたと感じれば、点数は低くせざるを得ない。自分が思い描いた作品ではないという理由ではなく、ポイントがズレていると感じるので評価を下げたい。 本作を見る前に「モーターサイクル・ダイアリーズ」を見直してみたが、あれこそまさに“革命”への想いが感じられる熱い映画だった。本2部作とは何かが決定的に異なる作品だ。ソダーバーグ作品には「スゲぇ面白い」という作品もあるが、多くは「何が言いたいの」としか感じられない。本作をもって彼の作品には別れを告げることになりそうだ。
[映画館(字幕)] 2点(2009-02-07 23:38:30)(良:1票)
480.  12人の怒れる男(2007) 《ネタバレ》 
アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされており、評判もかなりいい映画のようなので、恐らく世間一般的には良い映画なのだろう。 しかし、個人的には恐ろしいほど相性が悪かった。見ていて「オマエラいい加減に話進めろよ!」と怒りが何度もこみ上げてくるほどの苛立ちを覚えた。 「12人の怒れる男」というよりも、「12人のイカれた男」ではないかというほど、クレイジーなやり取りが繰り広げられているとしか思えなかった。 タチが悪いことに、オリジナルのネタを下手になぞっているから、怒りがさらにこみ上げてくる。 オリジナルも日本版は好きなのに、ロシアのリメイク版には何一つ良さを見出すことができない。 事件の本題にはほとんど触れずに、勝手に自分の話をして、話が終わったとたん、いきなり「無罪」に変えるといわれても、「はぁ?」としか感じない自分の見方が悪いのか。 なぜ「無罪」に変えるのかがオリジナルに比べて、何一つ理解も共感もできなかった。 本作は陪審員制度を通して、陪審員のそれぞれの思想やバックボーンなどが自然と明らかになり、国が抱える問題点や闇が浮き彫りになるという仕組みではなくて、それぞれが自分のことを事件とは関係なく喋っているようにしか思えない。 訳の分からないロシアのおっさん達が自分の悩みをぶちまけて、演説を単に繰り返しているようにしか感じられない映画を自分は評価することはできない。 また、彼らは“議論”をしているというよりも、根拠も証拠もなく、ほとんど推論と思い込みだけで一方的に話をしているとしか感じられなかった。 とてもではないが、知的な会話や、高度のやり取りがあったとは思えない。 ロシアという国は陪審員制度とは相容れない国であるということを伝えようとしているのならば納得できるが、恐らくそういう趣旨の映画ではないだろう。 オリジナルとは異なるラストも結局何を伝えたかったのかが理解できない。 有罪を超越した「有罪」という概念は素晴らしいが、落とし方がすっきりしない。 結局、彼らは偽善者だったということか(ホームレスを世話しているのならば、面倒みられないのか)。 また、何度も繰り返し描かれる犬のシーンと、少年をイメージしているつもりの鳥のシーン、少年のダンスシーンもうざいとしか感じれらなかった。 恐らく見方を完全に誤っていると思うが、こういう見方をする人もいるということをあえて伝えたい。
[映画館(字幕)] 2点(2008-09-27 00:53:21)(良:1票)
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