481. 情婦
《ネタバレ》 この映画の場合は「ネタバレ」が完全に致命傷になるので、未見の人はこれを読まないように絶対に注意してください。 この映画に「どんでん返し」が有るとういうことは有名で、相当こちらもいろんなオチを想定しながら身構えて見ました。 まず、傍聴席に看護婦と一緒にいた女性。毎回熱心に傍聴していて、涙も見せていました。この時点で彼女が最後に事件に関わってくることは分かりました。(綺麗な女優さんだということも手伝いました)。 僕が予想したオチはこうです。「ボールのドイツ人妻は夫の浮気に気付いていた。その浮気相手をお金持ちの婦人と勘違いして殺害する。すると、上手い具合に夫が容疑者となってしまう。依然として夫の浮気が許せなかったドイツ人妻はボールに罪をかぶせようとする為に不利な証言を始める。しかし本当の浮気相手は傍聴席にいた女性だった。」というものでした。 絶対に自信が有る推理でしたが、見事に玉砕されました。 この映画のオチを完全に予想できる人っているのかな? [映画館(字幕)] 7点(2003-12-23 14:38:17) |
482. バカヤロー! 私、怒ってます
「バカやロー!私、怒ってます」・・・。 その言葉そっくり制作者側にお返ししたい。 1点(2003-12-23 11:09:02) |
483. 不思議の国のアリス/アリス・イン・ワンダーランド<TVM>
「オズの魔法使い」に限りなく近い作品。 世界の人に親しまれる名作物語ということで、話し自体が面白くて、それを摩訶不思議な世界観で映像化している。不思議の国の住人の台詞が興味深く、深い意味合いを感じさせる。 ただ、アナログでいくのかデジタルでいくのかが中途半端、お金のかけ方を間違ったように思える。 5点(2003-12-23 11:03:50) |
484. オズの魔法使
《ネタバレ》 「脳味噌の無いカカシ」「心の無いブリキ」「勇気の無いライオン」は、当時のカンザスの労働者を表している。 地主が幅をきかえている時代の労働者たちは、ひたすら「何も考えず」「無心」に「逆らうこともできず」に働いていた。それ故に、働くことにより「自分の家」を持つことが大切でもあった。当時の世相を反映して、それをファンタジーにしたものと受け取れるのではないでしょうか。 最後は、それぞれが卒業証書や勲章などを受け取ります。3人は、すでに考える脳も有り、優しい心も有ったし、勇気も有った。失っていたものは「自信と確信」だったのでしょう。 ドロシーは虹の向こうに夢を見ますが、やはり大切なのは「ホーム」でした。家族や周りにいる人たちがいかに大切な存在か・・・、「ホーム」はそれを物語っていると感じた。 8点(2003-12-23 10:57:19)(良:2票) |
485. 南極物語(1983)
タロとジロは、たまたま生きていただけで死ぬ可能性は十分有った。いや、死ぬ可能性の方が限りなく高かった。犬を見殺しにした物語を感動ものとして演出しているところが許せない。 子供の頃にこの作品を見て激怒した思い出が有ります。 1点(2003-12-22 15:17:33) |
486. マグノリア
非常に難解なメッセージですね。僕の勝手な解釈は、「人との出会いや繋がりが重なり合うことで、時に奇跡を誘発して信じられない事を引き起こす」「他人との出会いは大切である」ということを言いたいのではないかと思う。 ちなみに、以前見たドキュメンタリー番組で、ハリケーンによって空高く巻き上げられたバッタの大群が上空に停滞して、一週間ほど後になって大量に降ってくるという実話を見ました。イギリスのBBCテレビだったと思います。故にカエルが降ってくるという事は実際に起こりえるものです。 特に優秀だなと思った点は音楽と主題歌の選曲です。 6点(2003-12-22 15:13:47) |
487. ぼくの伯父さん
無声映画のような独特のタッチで、日常の暖かに日々を描いた作品です。 僕が一番心に残っているシーンは車の縦列駐車のところですね。何とも言えない「間」が大好きです。 最後に犬がピョンピョンはねてるシーンなんかは何か幸せな気分になれます。 6点(2003-12-22 15:13:01) |
488. エアフォース・ワン
この手のハイジャックムービーは、よほど良いアイデアがないと厳しい。他の幾多の同テーマの作品と比べても、まさに「並」である。非常に平凡。もう少しコンセプトというものにこだわって欲しい。 3点(2003-12-21 11:55:40) |
489. バンド・オブ・ブラザース<TVM>
戦争の真実を忠実に描いている。 スピルバーグ&トム・ハンクスは既に「プライベート・ライアン」で、超激戦区と言われたノルマンディー上陸作戦を語った作品を作成している。「バンド・オブ~」は「プライベート~」で語り尽くせなかったドラマを「より現実的に語る」というテーマのもとに作成されたようだ。 テレビのシリーズとして作られた作品だが、制作費からも分かるように映画以上のスペクタクルである。実際にノルマンディー作戦に参加した兵士のコメントを冒頭に流すとによりリアリティーがかきたてられ、一連のドイツ攻略による軌跡が、ウインタースを初めとする勇敢な兵士とともに体験することが出来る。仲間を思いやる心と勇気、その一方では容赦なく敵を打ちのめす闘争心。兵士たちの、やり場のない矛盾した感情というものが赤裸々に描かれている。 8点(2003-12-21 11:24:57)(良:1票) |
490. ベン・ハー(1959)
《ネタバレ》 キリストまでも絡めた壮大なストーリー、CGなしの豪華なフルセット、どうやって撮影したか不思議なぐらいの豪快な戦車戦、個々の場面にマッチした音楽・・・。世間で言われる通り、全てを兼ね備えた一大スペクタクル。 強者が弱者に対する理不尽な虐待・・・。民族間や宗教観の相違による争いや問題点は当時からのテーマである。そして、それに立ち向かうベン・ハーはまさに正義の象徴として描かれる。 メッサラは幼少の頃はベン・ハーと親友関係にあった。ところが、学ぶ環境や生活する環境から、2人の間には深い溝ができる。有る意味、人間は「環境に洗脳されて生きている」のではないだろうか。作品の中でベン。ハーは、ローマの司令官を救うことにより、出世してローマ屈指の剣闘士になる。しかし、その恵まれた「環境」にあまんずることなく、家族のもとへ戻る。その環境に溺れず流されない人物像は本当の勇気を示していると感じた。 故郷に戻ったベン・ハーは母と妹を殺されたと思い、メッサラへの復讐に燃える。復讐は成功するが、後に残ったものは無かった・・・。それゆえに、キリストの最後の言葉である「神よ彼らを許したまえ」はグッとくるものがあった。 7点(2003-12-21 11:01:51) |
491. アパートの鍵貸します
《ネタバレ》 温かい感じがして、好感の持てるコメディーですね。もちろん脚本も良いですが、「笑い」という面では、むしろジャック・レモンの動きや行動で楽しませているという印象が強い作品です。 ただ、僕が感嘆したのはシャーリー・マクレーンです。役作りが上手い。フランはバクスターに対して、最初は恋心は持っていませんでしたが、最後の最後に彼の優しさに気付き、花が咲いたような笑顔を見せます。劇中の表情の変化で、フランの気持ちがバクスターに向けられた瞬間を見事に好演しました。その笑顔は優しく、思い深げで、印象深い。 8点(2003-12-20 18:56:13)(良:1票) |
492. 素晴らしき哉、人生!(1946)
《ネタバレ》 天使が降りてきて窮地に陥った主人公の手助けをする。本来ならば「幼稚で在り来たりな設定!」というような烙印を押してしまう自分だが・・・。この作品に関してはそんな考えはとんでもない間違いだ。 「幸せな人生を送る」ということはどういう事を指すのか?、誰でも一度は真剣に考えることが有るだろう。「お金持ち?」「有名人になる?」「好き放題やりたい事をやる?」。この映画は一つの理想を語っている。もちろん、この作品に出てくる主人公のような人にはなれそうもないが、出来るだけ思いやりを持って人と接しようと思わせてくれ、反省させてくれる。見返りを望まない優しさというものは本当に難しいものです。 一人の人間の一生が、いろんな人の人生にかかわっているなんて、すごく自分に対する人生の教訓になる作品でした。 素晴らしき哉、この名作に10点を投票させてください。 [映画館(字幕)] 9点(2003-12-20 17:42:57)(良:1票) |
493. 我が道を往く
初日から破天荒ないでたちで登場したオマリー神父に驚いたフィッツギボン神父は、最初から彼に対する印象を悪くする。考え方の相違による行き違いでぎくしゃくした雰囲気が続きましたが、「論法は違うが思いは同じ」の台詞にあるとおり目指すところは同じなのでした。 幸せの伝道師であるオマリー神父の「我が道を往く」という人生観。その魅力に人々は引きつけられ感化されていく。 この作品の設定は、まさに王道といえるシナリオで、この後たくさんの似た作品を生み続けているが、ここまで「優しさと微笑み」を歌と映像に込めることの出来た映画は有りません。 「天使にラブソングを…」のような子供っぽいコメディーも楽しくて良いけれど、この作品のような「本物」の正統派作品を多くの人にも見て欲しい。 ラストも本当に嬉しくなるような演出です。感謝の1本。 9点(2003-12-20 14:47:50)(良:3票) |
494. ドライビング Miss デイジー
《ネタバレ》 黒人のお抱えドライバーとユダヤ人の元教師。 頑固なデイジーは、息子が勝手に運転手を雇ったことが気に食わず、ホークに対して嫌みなことばかり言っていた。しかし、車内での会話を通して少しずつ歩み寄っていき、2人の間には「友情」が芽生えてゆく。 ひたすらドライブという作品ですが、その中で2人の人生観を醸し出し、「解り合う心」と「優しさ」を詰め込んでいる。人は理解しあえるというメッセージが強く表現された作品です。 不器用で、上手く相手に気持ちを伝えることが出来ない2人だが、ラストの車が通り過ぎていく回想シーンは、ドライビングを通して築かれた「2人の豊かで貴重な時間」が象徴されたように思う。 8点(2003-12-20 09:19:34) |
495. 市民ケーン
《ネタバレ》 市民のために善意で新聞社を立ち上げたケーン。最初は正義感あふれる意気込みで、会社もどんどん大きくなる。しかし、彼は本当の善人にはなれなかった。いや、完全な善人などいないのである。生々しく主人公の生態を表現した作品は問答無用に素晴らしい。 『バラのつぼみ』という謎の言葉。延々とこの言葉の意味について探求していくが、、まず最後まで気付く人はいないだろう。 後から気が付くのだがヒントは出されている。あのガラス玉に入った雪景色の置物である。 「人は思わぬことを記憶していることがある」という台詞があったけど、ケーンは最後の死の瞬間に一番幸せで純粋だった頃のことを思い出したのだろう。 10点(2003-12-20 09:00:38) |
496. スモーク(1995)
《ネタバレ》 会話の中での「間」を上手く使うことにより、絶妙に味わい深い哀愁をただよわせている。意気込みすぎることなく自然体で演技している俳優陣は作品に深みを与えてくれます。オムニバス形式により、親子間の問題や確執などが語られるが、それぞれのエピソード全てが人間味あふれる優しい作風を醸し出している。 特に秀逸なのは、オープニングでの「タバコの重さ」を語るシーンから、タイトルを出すまでのタイミングです。非常にセンスが良いので、最初から見る側に対して期待感を沸き立たせる演出として成功している。 しかし、この作品の 一番の特筆すべき点は、クリスマスのエピソードをエンドロールへもって行くアイデアではないでしょうか。これには天才的なものを感じました。 10点(2003-12-20 08:46:58)(良:1票) |
497. TAXi2
先日「ヤマカシ」を見た時に出演しているメンバーが何人かいました。今回も存分に回転したり飛び跳ねたりしていますが、しつこすぎるので「俺達こんなことも出来るんだぜ」というよう感じがして、あざとく嫌みっぽい演出になっている。 「笑い」という面では、警察署長?のおっさんをメインにして、頑張って笑わせようとしているのですが、全てがベタ。オチが簡単に読めてしまってつまらない。 そして肝心の車の演出も、羽を生やしたり、パラシュートにつるしてみたりと試行錯誤して考えているとは思うが、ださいだけ。カーチェイスも在り来たりで残念。 2点(2003-12-20 08:36:39) |
498. 12人の怒れる男/評決の行方(1997)<TVM>
脚本・演出はほぼ同じなので97年度版も当然面白い。 異なる点は、最初に無罪を主張した男性に貫禄がついている。あと、黒人がキャスティングされてますね。個人的な思いは「他民族人に対する偏見を持つ男」に黒人をキャスティングしたのは失敗のように思える。彼自身人種差別を受けてきているはずなので違和感があった。 そして、一番の変化は「容疑者に対して自分の息子と混同した偏見を持つ男」が写真を持ってなかった。楽しげに2人で写った写真が無いと最後の感動が減少してしまうように思えてならない。 7点(2003-12-20 08:19:18) |
499. マイ・フェア・レディ
《ネタバレ》 シンデレラストーリーという訳で、非常に設定はよく有るパターン。しかし、そこに極上の歌や踊りを織り交ぜるとどうなるか? 更に極上に愛らしい女優を起用するとどうなるか? 更に極上の吹き替えをほどこすとどうなるか? 素晴らしいんです。 ミュージカルでは「雨に唄えば」という非常に優秀な作品も有るのですが、歌や踊りのシーンは「雨に唄えば」よりもこちらのの方が好きです。「雨に唄えば」は非常にコミカルな動きが中心ですが、こちらは派手さは無いけど、古典的な良さの有る雰囲気です。 面白いシーンは競馬場。婦人たちとの会話で、最初は丁寧に喋っているのだけど、ところどころに「ヤッチマッタ」というような発言。徐々にボロを出してしまうイライザが非常に微笑ましく笑ってしまう。とどめは「ケツをひっぱたけ!」。失神している婦人もいました。 メッセージ性もなかなか良いですよ。ヒギンズ教授は、最初は事も有ろうに「賭けと実験」でイライザの教育を試みました。女性を小馬鹿にしていて「男性は偉い」という偏見の持ち主です。ところが最後にはイライザ抜きではいられなくなる。つまりは、女性(イライザ)の存在感を認識したことを意味しています。最後に教授は思い深げに、汚い言葉を使うイライザの録音を聞いていましたね。この描写での僕の勝手な解釈は「正しい言葉」よりも「人の存在感(心)」が大切だというメッセージだと思っています。 [映画館(字幕)] 8点(2003-12-19 18:00:50)(良:1票) |
500. 雨に唄えば
古いタッチが実に良い風味を醸し出しています。オープニングで3人が黄色いレインコートを着て『Singin' In The Rain』を歌いながら始まるところなんかは楽しげで良いですね。 無声映画からトーキーに変わる時代の物語に上手くラブストーリーをのっけて作っています。 物語だけを見ると淡々と進行するように脚本されていて、ミュージカル部分を省くとおそらく1時間以内に収まります。が、そこにタイミング良く歌や踊りを盛り込むことにより娯楽性が格段にアップ。最後は気持ちの良いハッピーエンドになっています。 8点(2003-12-19 17:57:49)(良:1票) |