481. パンダ・コパンダ
《ネタバレ》 はい、東宝チャンピオンまつりで見ました。たしか主題歌のレコードも持っていたような記憶が。初見以来ですが、なかなか楽しかったです。パパンダの「いい竹やぶですねぇ~」ってのが笑える。最後のお父さんが会社へ行くというオチが素敵でした。 時期的に『ルパン三世』第1シリーズのスタッフが関わっていて、そういう点でも興味深いです。動物園での観客にルパンがいましたし。オープニングでのキャスト紹介でイラストを使っていたのもイキです。 [地上波(邦画)] 7点(2013-07-23 21:21:18) |
482. 危険がいっぱい
《ネタバレ》 どうもフランス製のサスペンスって、もっさりしてるんですねぇ。切れがないというか。アイデア自体は面白いし、自身がギャングに追われる原因とフランスでの事件が似ている(どちらも妻の浮気がらみ)というのもいいと思います。しかしどうにも怪しい雰囲気が感じられず、なんだかのんきな感じがします。なんかもったいないですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-21 11:20:52) |
483. 伊豆の踊子(1963)
《ネタバレ》 文芸映画らしく品があってけっこうでした。学生と踊り子、さらには酌婦と、同じ世代でありながら越えられない壁に隔てられた時代がよく描写されていました。踊り子が無邪気であるだけに、いっそうそれが引き立ちます。大坂志郎の芸達者ぶりも見もの。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-07-20 22:33:58) |
484. かあちゃん
《ネタバレ》 『しゃべれどもしゃべれども』を見たせいか、最初に熊五郎の家に泥棒に入るあたりで、てっきり落語が原作かと思いました。別に違っていてもいいんですが、もう少しハチャメチャというか、笑える展開でもよかったかと思います。長屋の4人組などは、面白かったですが。メインの話がまじめすぎますかねぇ。いい話なんですが、いい話すぎて、かえって損をしているのでは。台詞回しとかはいいんですけど。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-07-19 20:33:08) |
485. 夕陽のガンマン
《ネタバレ》 何がかっこいいって、リー・ヴァン・クリーフがかっこよすぎ。色々な銃を持っているというのも、大いに魅力的です。単なる賞金稼ぎと思わせておいて、裏に人情話があるという展開もよいです。イーストウッドにも見せ場が用意されているし、主役2人のコンビがきわめてポイント高いです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-07-18 21:58:55) |
486. しゃべれども しゃべれども
結局何がやりたかったのかわからず。皆さんどこか成長したのでしょうか。子役の落語は早口で何を言っているのかわかりづらいし、いじめっ子を笑わせようと必死なのが痛々しい。伊東四朗の火焔太鼓はおもしろかった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-07-17 21:43:36) |
487. 25年目の弦楽四重奏
《ネタバレ》 なんか、おじさんおばさんが不毛なけなし合いをしているという印象でした。人物の心理を深く追わず、唐突な行動に出るということも多かったような(特に後半)。それに、あれだけあれこれ言い合ったのに、何もなかったかのようなあの終わり方はどうなんでしょう。あそこまでいったら解散するのかと思ったら、普通に演奏してるし。 結局、現在と将来をキッチリ見つめて確固たる行動をとったクリストファー・ウォーケンだけがまともに見えました。ほとんどこの人のための映画で、あとの人物は引き立て役にしか見えません。4人のアンサンブルが重要である実際の弦楽四重奏団とは、えらい違いでしょう。 [映画館(字幕)] 5点(2013-07-16 17:38:43) |
488. サーカスの世界
《ネタバレ》 サーカスの実演や船の転覆・火事といったスペクタクルな場面はまあいいのですが、肝心のお話の方がスカスカ。親子ものとしても見られるところは少ないです。誰がトニの部屋に新聞記事を残したのかもうやむやだし、火事もそれと関係して実は放火かと思っていたらフォローがない。めでたしめでたしで終わっていいの? [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-15 16:05:21) |
489. Dr.パルナサスの鏡
《ネタバレ》 なかなかよかったですが、こういう映画はスクリーンで見ないと面白さ半減(以下?)でしょうね。元ネタが『ファウスト』だと知らない場合も、ちょっと辛いかも(と言いつつ、私も読んだことはない)。あと、NHKでの放送時間が120分だったのが気になりますが……。 お話としては、ニックがトニーの死を望む理由がよくわからないのですが、ヴァレンティナがいなくなってゲームが続けられなくなるからでしょうか。このあたり、悪魔の価値観がわかりません。出演者はそれぞれ好演でしたし、映像的にも堪能できました。代役の3人も、あまり不自然さを感じさせずよかったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-14 11:14:04) |
490. 刑事コロンボ/もう一つの鍵<TVM>
《ネタバレ》 『刑事コロンボ』では犯人が女性の場合ドラマ中心になるという特徴があります。本作もそのパターンですが、どうもドラマの要素が弱い。これは時間が短いということもあるのでしょうが、豹変したあと経営者としても女性としてもダメということで、魅力がありません。倒叙ものでは犯人の占める部分が大きいですし、そのドラマを描くとなるとなおさら。しかし肝心のご当人に魅力が感じられないのでは、どうしようもありません。 ミステリーとしては、新聞と鞄とか靴底の芝生とか、コロンボの目の付けどころは面白いのですが、いかんせん最後の決め手が簡単すぎ。これもドラマ中心のしわ寄せかもしれませんが、結局ミステリーとしても魅力に欠ける話になってしまいました。ベスが最後コロンボに銃を向けるというのも意味がなく蛇足。ここまで徹底してダメ犯人というのは、かえって潔いかもしれませんが。 [DVD(字幕)] 4点(2013-07-13 22:47:36) |
491. 喜劇 女は度胸
《ネタバレ》 ちょっとした誤解からドタバタ騒動が巻き起こるコメディですが、その根底に学の性格の弱さがあります。草食系男子って、別に近年のことではないですね。彼の場合、特に気が弱すぎかと思いますが。秋山家の大喧嘩はかなりうるさく、私はドラマの『寺内貫太郎一』を思い出しました。これがちょっとしつこい気もしました。しかし、こうして遠慮なく本音をぶつけ合えるというのも、家庭内平和の方法かもしれません。昨今では本音を隠し続けてブスリ、なんていう話が多いように思います。ラストカットは、家族という離れたくても離れられない絆を象徴しているようで、秀逸でした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-07-12 20:46:17) |
492. 喜劇 にっぽんのお婆あちゃん
《ネタバレ》 いやー、これまたすごい。出演者の面々を見ているだけで、圧倒されそうです。その中でも、主役の蝶々さん北林さんが抜群。特に十朱幸代以下の店員さんとの交流がいいエピソードでした。話が進むにつれて「悲喜劇」になってゆき、社会性が深まっていきますが、その進展ぐあいも自然でよかったと思います。ただ、サトさんが帰宅してからの描写がストレートすぎて、あのあたりももう少しユーモアを感じさせたらよかったと思いますが……。 今となっては、この映画に出てくるような養老院すら幸せとは限らないというところがありますが、そのあたりは本作でも、インタビューされてブスッとしているくみさんや、最後に腕組みして考え込んでいる渡辺文雄の画で表されていると思います。そう考えると、なかなか「昔の映画」とばかり言っていられないでしょう。かなり深いところがあると思います。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-07-11 17:51:32) |
493. 好人好日
《ネタバレ》 ちょっとした知り合いに大学で数学を教えている人が2人います。共通しているのは、よく言えばマイペース、悪く言えば視野狭窄で他人に気を遣わない。本作の尾関先生は、マイペースでちょっと変わっていますが、ちゃんと家族のことを考えているのがよいです。しかしストレートに愛情を示すのはちょっと照れくさい、ということもあるのでしょう。家族間の情愛が素敵でほほ笑ましい。前半は娘の結婚問題、後半は文化勲章をめぐるドタバタが中心ですが、とくに後半は風刺も利いていい感じ。単純なほのぼので終わっていないのもポイントが高いです。これまた隠れた逸品でした。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-07-10 09:49:30) |
494. アンコール!!
《ネタバレ》 いい映画でした。前半は夫と妻、後半は父と子というぐあいに、家族の絆を描いた物語。それをつなぐものが音楽であり、両者が巧みにリンクしているのがよかったです。イギリスの高齢者合唱団が舞台なのですが、ロックを主に歌っているのが面白い。ラップを混ぜたり、男声の衣装が革ジャンにサングラスだったりというミスマッチがいいです。日本でこういう合唱団が歌うとなると、童謡・唱歌と相場が決まっていますからね。しかしそのうち、ビートルズやローリング・ストーンズや永ちゃんをうたうシルバーコーラスが出てくるかもしれません。 かなりよかったのですが、終盤の展開があまりにもパターン通りだったのでちょっとマイナス。しかしそれでも、高く評価したいです。原題は泣かせるいいタイトルで、邦題はちょっと負けている気がしますが、「人生のアンコール」ということを考えれば、これはこれで味わいがあります。 [映画館(字幕)] 9点(2013-07-09 21:15:34) |
495. ネットワーク
《ネタバレ》 基本的に悪くないんですが、ビールの出ている番組は、ほとんどその出演シーンしか出てきません。そのためにリアリティが削がれてしまっています。ルメット監督によると、本作は「テレビ業界の内実を暴露したルポルタージュ」だそうですが、これでは大幅なマイナスでしょう。マックスとダイアナが引かれあったのも不明で、最後でマックスにダイアナを通してテレビ批判させるためだとしか思えません。非人間的な女性を用いた批判はストレートすぎて、かえって引いてしまいます。テロリストと手を結んだのも、業界のダーティーな面を捕らえたのかもしれませんが、最後の決着をつけるためではないかと思えてしかたがありません。テロリストがいちいち契約書をチェックするのは面白いですが。 あとは、会長が「国家よりも会社が重要」と説くあたり、予見的で興味深いです。しかもそれで洗脳されたビールが演説をぶち始めると、視聴率が下がり始めるというのが面白い。これは現代でも通じるところかもしれません。 本作最大の不満は、問題をテレビ制作側だけに絞ったところでしょう。しかしテレビの視聴率というものは、当然視聴者が必要です。つまりテレビに踊らされる視聴者にも問題があると思うのですが、そのあたりは深く追求されていません。窓を開けて次々と叫び出す人々はそれを象徴しているわけですし、かなりインパクトのある場面ですが、結局テレビの影響力の大きさを描くに留まっています。それに比べて最後のテレビ(ダイアナ)批判は容赦なく、テレビが諸悪の根源だと言わんばかり。視聴者=映画の観客に気を使ったかのような構図は生ぬるく、一面的にすぎないと感じました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-08 20:51:25) |
496. ナバロンの要塞
《ネタバレ》 船が座礁するあたりはちょっと退屈でしたが、上陸してからは面白かった。フランクリンの怪我が利いていますが、そのプロセスはちょっとあざとかったかも。ミラーとフランクリンの関係など、もう少し細かく描いていたら、後半でのミラーの言動は更に説得力が出たと思います。しかし、フランクリンの扱いや、裏切り者をめぐるやりとりは印象的で、ドラマとしての厚みを与えています。とはいえ、あくまでエピソードとしてとどめていて、主眼の大砲爆破をきちんと描いていたのはよかったです。アクション冒険ものの上にドラマを配した、なかなかよくできた映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-07 08:40:26) |
497. 夕陽に赤い俺の顔
おかしな殺し屋がゾロゾロ出てくる、おかしな映画。よくも悪くも1961年製作ってところで、今見るとギャグとかキツイところが多い。とりあえず歴史的価値はあると思いますが、それ以上に評価するのはちょいと苦しい。芸達者な方々が出ているだけに惜しいです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-07-06 17:33:28) |
498. ミシシッピー・バーニング
《ネタバレ》 ジーン・ハックマンの捜査官が、世間話をして相手に近づき、情報を得ようとするあたりは「刑事コロンボ」みたいで面白かった。しかし終盤になるとポパイみたいになりますね。ああいう方法をとるというのはいかにもアメリカらしいです。結局最後は暴力に頼ると。 本作で扱われている「差別への抵抗」という問題は、今の日本でも生きていますね。学校でのいじめとか。昨今では、自分の気にくわないものは存在を認めず、相手が人間なら簡単に「死ね」と連呼するような風潮がありますが、そういったことに対しても一石を投じそうな映画です。そういう点からして、今でも(今後も?)存在意義のある作品だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-05 10:56:36) |
499. ゆりかごを揺らす手
《ネタバレ》 悪くないんですが、序盤で引っかかりました。まず、訴え出た女性の名前を堂々と報道するのは疑問。しかも当の医者が自殺したあとですからね。製作されたのが20年近く前だということを考慮しても、どうかと思います。それと、「公園で話を聞いてきた」というだけの女性をあっさり信用しすぎ。作品を見る限りでは、ペイトンがすぐに信頼を得られるほど魅力的には見えない。事前にクレアが「ベビーシッターを雇いたいが信用できない」と言っているからなおさら。あのセリフがなければまだしもですが。そんなわけで、本題に入ってからも妙に白けた気分で見ていました。あと、ペイントンに同情的な人がいるようですが、信じられない。同情できる犯罪者もいますが、やっていることにはおよそそんな要素は見あたりません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-04 17:16:51) |
500. 動く標的
《ネタバレ》 ハードボイルドらしいところといえば、最初のクレジットのところとか、終盤でハーパーが「1年のうち5~6週間だけが楽しい」とか言うところでしょうか。個人的には特にハードボイルドが好きというわけではないので、あまりピンと来ませんが。ただしハードボイルドを離れても、ハーパーというのはなかなか興味深い人物ではあります。 ミステリーとしてはまあ普通ですが、情報が次から次へと簡単に手にはいるのはどうかと思います。そのあたりがフィクションの限界でしょうか。謎解き云々よりも、新興宗教を隠れみのにして不法移民を受け入れるというあたりに、風俗的な面白さを感じました。ただ、夫が死んだと伝えられたサンプソン夫人が妙に嬉しそうだったり、その前後のミランダを意味ありげに映していたり、事件の実行犯が都合よく全員死んだりと、まだ裏があるのではないかと思わせるところがあります。もっともそれも、ハーパーに関係がないといえば関係ない。そういうところは妙にリアルでした。 まあこの映画の最大の謎は、原作のアーチャーがハーパーに変えられて、しかも映画のタイトルにまでなっているということでしょうけど。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-03 22:22:25) |