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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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521.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
『シン・ゴジラ』を受けてのモノなのだから、今作も映画的なコンセプトとゆーのは非常に明確で、コレもやはり一種の「現代訳(モダナイゼーション或いはオトナ化、ソコに加えての”庵野化”とでもゆーか)」が求められているトコロだと。でも、ゴジラは元々も映画作品で(背景となる世界観自体はまましっかりとつくり込まれたモノであったにせよ)お話としても非常にシンプルに「ゴジラを倒せば好い」ヤツだった、と。翻って、ウルトラマンてのは全部で40話近いテレビコンテンツなのだから、コッチは当然シン・ゴジラでやった作業に加えて高度に取捨選択・省略・整理整頓が必要になるワケだ…と。で基本、映画てのは内容がタップリなモノを(涙を呑んで)削ってつくった方が面白いモノにはなり易い、だから本作も(全然フツーに)面白く観れるのは間違い無いと思うのですよ。でもだから、個人的に観終わって一番強く感じたのは、結局ただただ「色々ともっとチャンと観たいな~(2時間の単発映画には勿体無いな~ or 1クールの1時間ドラマでおんなじ様なコト出来たりしねーのかな~)」というコトだったのですよね。重ねて、今作に用いられたオリジナル題材の取り合わせ・物語の(超・テキパキとした)運び方自体・或いはその「現代訳」にあたって新たに持ち込まれた種々のアイデアのクオリティ、に関してはほぼほぼ不満などは無いのです(=2時間の映画としては非常に好く出来ていたな、と)。ただコレも重ねて、もう少しボリューミーな別のコンテンツとして(クオリティそのままに)出てきてくれた方が個人的には当然に嬉しかっただろーな…というコトなだけであって(実現可能性は度外視するとしても)。  再度、フツーにかなり面白い映画だったとは明言しておきます、が、とは言え二点ほど、前半はともかく後半はほぼ(ウルトラマン本人も含めた)「外星人」絡みの話ばっかになってしまっていて、コレはむしろ『セブン』の方に空気感としては近いんじゃねーか?とも思いましたかね(=もう少しだけ単純な怪獣バトルの方も観たかったかな、と)。あとは純粋に映画として、個人的にココまで「間」とか「余韻」の少ないヤツはやや苦手なのですよね。そこら辺を含めてこの評価で。
[映画館(邦画)] 7点(2022-05-15 01:56:20)
522.  ULTRAMAN 《ネタバレ》 
最初に私個人としてのウルトラマンとの関わりを申し上げておくと、就学前には(特に夏休みとかに)帰マンあたりの再放送が観れてたかな…という世代でして、小学校低学年の頃はレンタルビデオとかでグレート、パワードを観、そしてその後ティガのテレビ放映は全部(食い入る様に)観てたかと思います。その後は長いコトほぼ観てませんでしたが大学の頃に初代とセブンは全話なにかしらで観ましたね。そしてかなり後に(それこそ就職後とかに)ネクサスは(何故か)また全部観たのですよ。で重要なのが、私はこのネクサスはかなり面白く(=熱く)観切るコトが出来た…てコトなのですね。  なので(当然の)結論、私は今作フツーにかなり面白く観れましたのですね(だってモロ前日譚で、かつ同じスタッフがつくってるんでしょ?)。しかし、とは言いつつも感じるコトとしてはやはりちょっと「中途半端」な…とゆーか、随所でまだまだ子供向け(子供騙し)なんだケド、また随所で(ちょっと無駄に)グロい…というネクサスが「失敗」したと言われるコトと同じ理由ってのはまたしっかりと感じ取れたのですよね。やや大人向けにシリアスでダーク&ハードとゆーて、そもそもが初代マンの第一話のリメイクなのだから本質的にはそんなにシビアな話でもないワケで、ソコでのこのショック描写のグロさ加減はやっぱちょっと「無駄に」という気がしてしまいます。音楽も(テーマ曲は結構好きですが)特に「空自のテーマ」的なのはアッケラカンとちょっとダサいですし、あとは何より演技の稚拙さは(ほぼ全員)やっぱ相当に酷いっすよね。色々と「仕方が無かった」という面も少なからず見ては取れますが、総じてちょっとチグハグ・不整合な感じはやはり否めませんかね…  まァ~でも、今回観直して(ネクサスを観た頃に一度観てました)思ったのが、それでもコレが在ったから今が在る…とは思えたとゆーか、特撮もの・怪獣ものを総じても(世界的にも)これらのコンテンツはごく子供向け⇒大人もワリと楽しく観れる、というモノに確実に変わってきている、その全体の流れの中ではひとつの「必要な試み」だったのだろうなあ…とは感じたのですよね(=やっぱ色々試してみないと最初から全部成功するってモノでは全くないのだろうな、と)。そのコトも含めて、評点は(心置きなく)高めに寄せてはおきます。
[DVD(邦画)] 6点(2022-05-15 01:34:11)
523.  流浪の月 《ネタバレ》 
結論的には、極めてシンプルな(文字通りの)「純愛もの」なのですよね。もう、メロドラマと言っても好いヤツかと。偶然の邂逅ではあったものの相性とゆーのが何から何までドンピシャで、だからお互い相手が自分の唯一無二だとも、そして(翻って)自分が相手にとっての唯一無二だとゆーのも総て(何となく)悟っては居て、時を経てまたそれが確信に変わってゆく…と。だからコレも結論、どっからどー見ても(理性の箍など弾け飛ばしても)「そーなるしか無い」お話なのであって、ソレがそのままそーなったこの結末自体は(別に)本質的にバッド・エンドというワケでもないのでしょうし、個人的にもある程度腹には落ちたトコロでありますし、また見ように依っては美しい…と言っても好いモノなのかも知れません。加えて、単純に映画としても(好いか悪いかで言ったら)諸々と出来自体は好い方だ、ともまた確実にそー思うのです。  ただね……如何せん、前述どおり理性なんざクソ喰らえ!なお話だとは言え、それにしてもと実に感情的で非・理性的な人物しか出て来ないお話でもあり、だから個人的には中々感情移入の取っ掛かりってのが全般的に見い出せませんでしたです(終始ウンウン唸って観てましたですよ)。中でもとにかく主役の二人は、そもそもじゃあ誰が一番悪かったのか?と言えばンナモン松坂桃李に決まってるだろ!(発端は)とも思うのですし、広瀬すずちゃんだって(中盤~終盤は結構謝り通しに謝りまくってるワリには)自分の感情の在り方なんかには実に確信的で頑なでもありますし…  どだい、このお話は横浜流星があーいう極端なキャラだから多少見え方が変わってる、とも思うのですね。で、彼がもう少し真っ当なキャラだったなら、またきっと全然違うお話に見えていた…とも思うのですよ。ソレこそが、つまりどーいうお話に放り込んでもこーなったであろう…とゆーのがこの二人のある種の「本質」なのであって、だから厳しい言い方をすれば(社会の中で正道を歩んでゆけそーにないという意味では)この二人は一種「社会不適合者」だ、とすら思うのですね(あくまで個人的には)。モチロン、ソコには「理由」とゆーのがチャンと在るんですよ、でもコレも、じゃあ何かしら理由が在るのならソレがそーであっても善いのか、とゆーと、そーじゃないだろ…とゆーのがまた私の結論なのですね(まあ、別に彼らは最後に「幸せ」に為れなかった…というワケでもないのでしょーから、外野の意見なんても~関係の無いコトかも知れませんケドも)。  その意味ではやはり重ねて、個人的にはちょっと本質的な意味で主役二人への感情移入の難しいお話ではありましたし、更にその意味でゆーと(どちらかってーと私は)彼らに巻き込まれて不運な目に会った種々の人々…の方に(少しだけ)同情してしまう…という感じなのですよね。観終わっては正直、ムムム…という感じでしたかね。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-14 02:04:14)(良:1票)
524.  此の糸 《ネタバレ》 
非常に古典的な一方通行の三角関係を描いているが、一部に男→男のベクトルが混ざり込むってのは(今やもう古臭いという様な視点からすれば)やや「トリッキー」と言えるのかも知れない…のかね。そして本質的には完全にコメディだ…という短編でもあって、例えば告白をさせといてすぐ振っちゃう女の辺りは(個人的には)相当に爆笑してしまった(ただココとても一人だけ傷つかないのは確かにフェアとは言えないのだし、その「禊」を迫るのは一重に今後もこの関係性を続けていきたいというポジティブなモチベーションから故なのだろう、とも)。緩やかに、そして誰もが幸せになれるゴールに近付いていって欲しい、と3人を応援したくなるくらいには、全体としてもごく温かい出来映えではあったか…とも思う。  撮影(画質)・録音等、お手製感・リーズナブル感は満載だケド、役者の演技は素朴ながらまあまあ観れる出来だった様にも思う(ただし、男ふたりが殴り合う1カットのナアナア感にはふと脱力もしたけれど)。そしてこの映画で一番手間がかかったのは、ラストでただ解く為だけに編んだであろうマフラーではないか、とまた思ったりね(コレも確実にお手製だし)。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-05-11 01:34:43)
525.  tarpaulin 《ネタバレ》 
27分のワンカットだが、ソレは明確に3つのパートに分かれる。次第に不穏さを増してゆくひとつの会話⇒ただ歩く男⇒その先に(何故か)訪れるギターの弾き語り(⇒そしていつしか再び繋がれる手と手、と、そのままエンドロール)。  要するに(と言ってしまえば)、どー見ても一番重要なのは「歌」であり、率直にただコレを活かすことが主眼の短編であるとも(個人的には大いに)感じられるのだね。ただ、不自然に唐突に割り込んで来るにも関わらず、その音楽が放つ鮮烈さとそして一気にその世界観に引き込まれてゆく感覚てのは、実に意外なマデに素晴らしかったとも思います。ある種、非常に上質なミュージックビデオの類いだとも言えるかも知れないですかね(勿論、楽曲自体が上質なコトを踏まえたうえで、だケドも)。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-10 23:29:16)(良:1票)
526.  TUESDAYGIRL 《ネタバレ》 
男二人は見た目がチャラいワリには中身もダサい、とゆーか。ソレに引き換え、女二人は大人しそーな見た目のワリには感情表現がラディカルとゆーか素っ頓狂とゆーかメンヘラ気質とゆーか、結果的に男は終始圧倒され通しである。  ボンヤリ観てゆく分には突っ込みドコロが豊富⇒ごくコミカルに面白く観れるのだケド、結局ナニが言いたいのか迄はイマイチ伝わって来ない…とも言える。特になんか妙にグロテスクなラストは、コレって要りますかね?(⇒実は、エキセントリックな女に振り回されるボンクラ男、とでもゆーのが「裏テーマ」だったというコトなのでしょーかね)全体としてもちょっとノペっとしてる感じも在るかな、とも。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-05-10 23:22:41)
527.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
世界は決してただ美しい、素晴らしいモノではないのであって、多くの不条理・不正義・不公平と残酷な運命に満ち満ちている。それは人ひとりの力で何とか出来るものばかりでは全くないのだし、そもそも人智に依っては如何ともし難いことだって今だ数多く存在する。だから残念なことに「努力は人を裏切らない」とか「人生は何度だってやり直せる」だとかいう美辞麗句というのは、言葉の使い方の問題でもあろうが確実にそこに「嘘」を孕んでいる、とも思うのだ。人生とは、この世界とは、元々全く「ままならない」ものなのだろう、と考えている。  でももし、そこにただ純粋に素晴らしいことがひとつだけ在るとしたら、人が自分の人生を少しでも、ほんの少しずつでも「前に」進めようというささやかな意志を持ったのならば、その人生はどんな時でも、ほんの少しだけはより善い・より意義深いものにきっと変わるだろうということなのだ。例え明日死ぬとしても、その明日を今日よりも少しだけ何か意味の在るものにすることはたぶん可能なのだ。それだけが、人に許されている唯一つの絶対なのだ(人生の意味とは、ただひたすらにその積み重ねでしかないのだ)。だから、それでも世界は絶対に素晴らしいのだ、と。
[DVD(邦画)] 9点(2022-05-10 21:27:34)(良:1票)
528.  悪魔の部屋(1982) 《ネタバレ》 
一見はかな~り好くある感じの監禁調教モノに見えるのですが(とは言えまぁ最初から調教モノには見えないって感じですケドね)、序盤からそのレイプシーンはコレもかな~り生温くて、え、和姦?てな具合に大して盛り上がらないのですね。で、中盤には早くも女の子の方は完落ち状態になってもーて、コレには私もえェ…?となってしまいました(私以上に犯人の男本人がも~ドン引きしてましたですケド)。ただし、その辺の疑問点はオーラスまで観てみるとお話としてはチャンと繋がるってヤツなのです…が重ねて、サスペンスとしてはともかく(とはゆーてコレも在り来りっちゃあ在り来りなハナシだとも思いますが)エロティックものとしては序盤~中盤以降まで大部分での生温さがチョイと観ていて退屈(テンション上がらない…)という感じすかね。イマイチ。  主演の中村れい子さんは、ルックスは確かに相当な美形でもあるのですが、演技の方はコレもかな~り微妙で中盤の長台詞のシーンの棒読み大演説はだいぶ酷かったすね。濡れ場としても、基本ベッドで寝そべってる等の「安置されて動かない」シーンばっかで、つまりはその場面のややこしい動き・表情や声の大きな表現とかにもいくぶん制限(スキル的な限界)が在ったというコトにも思えます(なんか「大人の事情」的なヤツかも知れませんケドね)。男の方も、その小狡そーで陰険なルックスは序盤のキャラには好く合致するのですが、オーラスまで観ると随分とナイーブなヤツだったりもするのですよね。だったら、もっと素直そーで単純なイケメンに演らせた方がコレも好かったんとチャウかな…なんて思ったりも。
[DVD(邦画)] 4点(2022-05-08 00:20:17)
529.  エル・スール 《ネタバレ》 
青春と自我の目覚め、その一つの顕れとしても、自分の知らない「親の人格」を意識し始める…とゆーのはある種普遍的な要素と言えるかも知れない(「エル・スール(南)」とはその象徴なのだろう)。その部分の分かり易さ・明解さも含め、『ミツバチのささやき』よりは多少取っ付き易い作品かとも思われるが、完成度とゆーのはこちらの方が更に上かも知れないすね。まずはとにかく、また何処も彼処もまァ~画が美しいコト!絵画的で、んで陰翳の使い方が実に絶妙なのですよね(コレは質素なよーで超・凝りまくってるってヤツだなと思えましたよ)。あと、音楽の入るシーンなんかも少ないのですがソコの選曲もまた絶妙で、その点からも要所の雰囲気は素晴らしく文芸的で心地好いモノになってましたです(まァのみならず、全体的にも雰囲気とゆーのはごく最高でしたケドね)。台詞も(字幕なのに)実に詩的で、原語で理解できたら尚感動できるというモノだろうと確信しております。(タルコフスキーを除けば)個人的には『ミツバチのささやき』『ツィゴイネルワイゼン』と今作が自分史上ベストという(文芸映画的)アート系映画になりますかね。重ねて、超ハイレベル作品でした。
[DVD(字幕)] 8点(2022-05-07 22:28:54)
530.  ヴァルハラ・ライジング 《ネタバレ》 
おそらく低予算作品なのでしょーが、それ以上に秀逸でユニークな一種のアイデア作品だ、とは思うのですよ。神話系の歴史ものをオールロケ(つまり全部野外)で撮るという一種の奇想天外ながら、そのロケ地(たぶん北欧?)の雰囲気があまりにも素晴らしい故に試み自体はかなり高度に成立していると思いますし、その分浮いた予算を注ぎ込んだキャラの野卑なルックス面+凄惨なアクションシーンの出来は決して悪くなかったと思いますし、また監督一流の静かな(所々スローな)映像のクオリティもまた素晴らしかったと思いますし(特に、固定カメラで捉えた風景映像の雰囲気は結構極上だったかと)。  ただ、映像の出来という面では一点、一方で人物やアクションを撮る際の手持ちカメラ+接写⇒で結構ガシャガシャ動きまくる生々しい画ヅラ、とゆーのは、全体のやや荘厳な雰囲気とは少しそぐわないモノだった様にも(個人的には)感じられました。なんとゆーか、コレも決して悪くはない部分も在るとも思うのですが、思いの外ちょっと「チープ」に見えてしまったという感覚の方が強い…てか。そーなってくるとその所為で(=雰囲気がハイ・ソサエティ寄りにイマイチ統一され切ってない為に)ストーリーの方がコレも高度に訳ワカメ、というウィークポイントの弊害的側面もやはりより強く感じられてしまう…とでも言いますか(=もし雰囲気の方が高度に統一されているのなら、神話的雰囲気映画としてもう少しハイレベルに成立したのではないか、と)。結論的には、ちょっとこーなったったのが惜しまれるアイデア、ではあったかと。
[DVD(字幕)] 5点(2022-05-07 22:24:35)
531.  ハンバーガー・ヒル 《ネタバレ》 
ベトナム戦争ものでは同時代の『プラトーン』なんかにも率直にかなり似てると思います。どちらも戦争の悲惨さを描くコトがモロ主眼、てのは間違い無いトコロかと思いますが、『プラトーン』がより総合的なその悲惨さを種々のシーンを通して描いていたのに対して今作はもう少し単純とゆーか、とある戦闘(アパッチ・スノー作戦)の苛酷な状況を通して戦争の悲惨さを描き出そう、という映画になってますね。  序盤はノンベンダラリとした暢気な戦争ものにも見えるのですケド、中盤以降その登坂作戦が開始してからはかな~り壮絶な戦闘が延々と続きます(アメリカ軍の作戦としては素人目にも相当に「無謀」に見えるのですよね)。また、味方のヘリコプターによる誤射でしこたま犠牲が出た…とかってのも印象に残るシーンだったかな、と。ただ、作戦の詳細・軍事的な意図とかも正直よー分からんし(ひたすら登れ!てなコトにしか見えん)描写も同じ様なのが続いてゆくので、後半は正直かなり単調にも感じられましたかね(『プラトーン』もそーいう感じだったかとは思うものの)。個人的には別に『プラトーン』の方が全然上、とまでは思わないのですケド、ドッチかと言えばアッチを観るかな…てのは私も同意見ですかね。
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-07 22:13:33)
532.  死刑にいたる病 《ネタバレ》 
原作未読。ある種「二本立て」という感じの構成で、岡田健史自身に関わるお話と、そして阿部サダヲの「九件目の殺人」の真相を追うお話を織り交ぜて進行してゆくのだケド、結論から先にゆーと、映画全体としてはサスペンスとして十二分に面白い作品だとは思いつつ、その二つのお話の真相とゆーのはどちらも衝撃的とまで言える程のモノではなかったかな…とゆーのが正直なトコロなのだすね。特にこの映画では「九件目の殺人」の話はどーいうコトだったのかがやや判然としないまま終わってゆくのだし、示唆される「真相らしきモノ」がもし真実なのだとしたら、更にドコがどーいうコトだったのかを事細かく訊きたいゾ!という意味でも色々と少~しモヤっとしたまま終わってる…とは思うのだよね(原作ではソコもも~チョイ詳細に語られるとゆーコトらしいのですが)。  ある意味、二つの話はそれぞれが単独では映画の題材にはならない程度のレベルかな…という感じなのですね。でも、その二つを巧みに重ね合わせてかつ緻密な展開・人物造形でもって補強するコトで(一つの作品として)完成度を高めて見せている、という感じかと思うのですよ。その意味では、特に登場人物のキャラ設定の部分は諸々と好く出来ていた・各キャラも巧くリンクされていた、と思いました。中でも阿部サダヲのキャラクター・行動原理にはまま強力な説得力が在りましたね(私はなんとなくジョン・ウェイン・ゲイシーをイメージしつつ観ていましたが、今作の阿部サダヲは部分的には彼よりも更にサイコパスの度合いが深い様にも思われましたケドね)。また、その阿部サダヲの恐ろしさを常に孕む演技も、あとは岡田健史の不安定さを巧みに醸し出す演技も、どちらもまずまず優れたモノだったとは(コレも確実に)そー思うのですし。  ただね~一点だけ、オーラスは……個人的にはコレちょっと余計だった様に思えましたかね。阿部サダヲの「九件目の殺人」について、やや判然としなかった…とは先ほどそー言ったものの、彼が年貢の納め時を悟ったが故にその行動様式に変容が生じたのだろう…とか、収監されても尚心残りの「かつての標的」を害せんが為に「遠隔的に」犯行を企てていたのだろう…とか、そーいった部分は(コレも重ねて)合理的かつ説得力もある展開だったと思うのですよ。んで、確かにあの彼女の岡田健史への近付き方の不自然さ、とかだって伏線としては決しておかしいモノでもないかな…とだって思ったりね。でもやっぱり、彼女はナニがしたくて(=阿部サダヲがナニをさせたくて)あーいうコトになってるのか、という部分はソコまでの話と全く繋がらないとは思いましたし、だからやっぱコレって「意外性重視の思いつき」にしか見えなかったりするのですよね(ココは原作とは異なる展開なのでしょーかね)。コレもある種、結局は二つの話のオチがそこまで「強くない」コトの弊害でもある様に思われます(でもゆーて、個人的には岡田健史がある面で阿部サダヲに「勝った」という話として終わらせる…でナンの問題も無かった様に思われるのですケドね)。  その他、まずメイク技術ないしは修正技術の進歩なのか、阿部サダヲや中山美穂リンは若い頃のシーンもチョコチョコ入るのですケドその部分の若作りに違和感が全く無かったのは好かったなと思いました(イイ時代になりましたね)。また、本作はPG12なのですが、特に序盤にチョコチョコ入ってくる拷問シーンは(普段そーいうのばっか観てる私の感覚でも)フツーにR15+レベルだと思いましたね(苦手な方はご注意ください)。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-07 00:51:25)
533.  きみの鳥はうたえる 《ネタバレ》 
ムム…正直ほぼラスト付近まで、中々ハイレベルにグダグダとしてるこの3人にはどーにも共感とゆーのが持てなくて、ハッキリ言えばちょっと白けて観てましたね。特に柄本佑は率直に結構なクズでもありますし、それでいて諸々と妙にボヤっとしてる様子なんかにゃモ~「シャキッとしろや!」とかな~りイラついて観てたと言って過言ではねーのですわ。個人的には(思いがけなく)中盤からはかなり居心地の悪い映画だったかな、と。  ただオーラスまで観たトコロで多少、ソコについては思い直しました。ゆーて私も割と(就職した後何年かなんかは)ボヤっとしてたなぁ…とも気付いちゃったのだ、とゆーか。首尾好くレールの上に乗って居ようが居まいが、特に自分の人生に対して結構テキトーに生きてるってのは若いうちはまま在り得るコトなんだよな~とも思ってしまったのですよね(=私の柄本佑に対する感情は一種の「同族嫌悪」だったのかも知れないすね)。ラストで彼はソコに対してはある種「決別」したとゆーか、少なくともある分野(=恋愛)においては「人生を自分で前に進めよう」という意思を見せた…のだと(個人的には)思いたいのです。その兆しがささやかな(かつちょっと甚だ「信用ならない」という)モノであったとしても、その部分の本質的なポジティブさ(ダケ)は私にもとても爽やかで心地好いモノだった…というコトで、ソコでちょっと取り返してのこの評点で。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-05-07 00:49:03)
534.  プライベート・ライアン 《ネタバレ》 
多くの方が仰る通りに、私も初見或いは(かなり以前に)二度三度と観ていくうちは「オマハ・ビーチは確かに凄いんだケド、その後のお話があんまし…」と思ってました。今回、かなり久し振りに再見した感想としても、ソレは(ある面では)確かにそーだとも今だに思ってるのも確かです。ただ今回観直すと「オマハ・ビーチは面白い⇒そっから先はイマイチ」というコトではなくて、単に「オマハ・ビーチの印象が(史上最強レベルに)鮮烈すぎる」というコトだった様にも思います(流石に何度目かの鑑賞でその部分の印象もだいぶ落ち着いてきた故、そーいう気持ちに為れた…とでもゆーか)。  コレも確かに、映画として或いは映画の「構成」としては(初っ端が最高!てのは)まぁ宜しくないコトかとも思います。でも、より大局的に例えば映画産業全体として或いは映画の「歴史上のイベント」として捉えるならば、どー考えても(アレをあの様に撮ったコトは)正しかったと確信していますし、重ねてそれ以降のお話だって(その部分の印象をニュートラルにした状態で好く見れば)相当に好く出来たモノだとも思えましたよ。コレまたこの部分は確かにテンポ重め・かつ人間ドラマも少し弱め(少なくとも一般映画と比較して「強く」はない)のもまたそーだと思うのですが、まずテンポは重く撮るしかない話だとも思いますし、そしてこれ見よがしな人間ドラマで飾り立てないコトこそが今作における「リアリティ」なのだ(=戦争とゆーのは、本当に普通の人々がやらされていたコトなのだから)とも思います。諸々と、当然の如くに徹底的に考え抜かれている映画だ、とゆーのも今回観て大いに感じ取れたと思うのですね。  10数年ぶりに5,6回目の視聴でしたが、今回が一番面白かったですね。やはり、このジャンルでは金字塔と言って好いかと。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2022-05-07 00:33:57)
535.  ホリック xxxHOLiC 《ネタバレ》 
ううう~~~原作漫画・アニメともに観ても読んでもいねーので(アニメは深夜に一瞬だけチラ見したかも)個人的には前提知識も作品への好悪もこだわりもナニも無いのですが、そーいったモノ全部抜きで唯々今作を単独で観たママの感想を言わせて貰うならば……… (註:映画鑑賞後にある程度、作品の中身はWikiで確認しております)  第一:キャラの性格・特性や世界観の説明はこの上無いホドに簡略で、だから全く初めてこの作品に触れる人には正直のっけからかなり辛い 第二:原作準拠のオムニバス形式ではなく、原作第一部の大筋を2時間弱に再構成して語り切っているという形式…であるが故に、終盤の展開スピードが超速&一足飛び過ぎて(コレもお初な人には)とても付いていけない  なのでまず、原作は読んでから・かアニメを観てから(=少なくとも基本設定&あらすじはナンらか把握してから)観にいった方が好さそーな映画だ…とは言っておきたいのと、あとは基本的な蜷川実花の取説としても「考えるな、(眼から)感じろ」系の映画には(また当然の如くに)なったってるので、原作は把握するその一方で細かいコトも気にしない方がたぶん好いヤツではありますね。でもある種、彼女の映画としてはごく観易い方だったとも思いますケドね。こんなコトを言うと原作ファンには殺され兼ねないのかも知れないですケド、登場人物は総じてファンタジック属性を高度に抱え込んだ「ちょっと人外ぎみ」な方々なので、お話としても高度に「人間」を描いている…というモノでも(実は)ないのかもなぁ、と(⇒だから普通の映画ほどにしっかりみっちりソレが描かれなくても然程気にはならないのかな、と)。重ねて前半は特に(ゆーて中盤・後半も)かなり「テキパキ」としてる感じ⇒トコロに寄っちゃあ場面転換とかが非常に唐突(⇒とゆーかちょっとカット数自体足りてないんじゃね?的)な感じも在る…ので、ソコで置いてかれるコトの無いよーに事前準備はやはり必要かと思いますね。私個人としては逆にひまわりチャンの話が語り始まる辺りからはスッと入り込めた…的なコトではあるのですケド(玉城ティナ大好き)。  他方、ビジュアル面は流石 or 平常通りという蜷川実花一流のクオリティでココは(控えめに言っても)まずまず以上だったかとは思うのですね。今作は特にキャラクターのビジュアル面は相当に綺麗だった&面白かった&ユニークだったと思いましたよ(原作自体のパワーてのも多分に感じられますが)。中でも柴咲コウのハマり様は出色で、正直彼女のお色直し百連発!を眺めているだけでもチケット代(の少なくとも半分)は取り返せるってレベルかとも思います。私はその他の方々も結構好みでした…が、一人だけ、吉岡里帆はちょっと雰囲気違うかな…と思っちゃったのが正直なトコロでして(別に里帆ちゃんが女優さんとしてルックスとか好みじゃない…なんてコトは毛頭ねーのですケド)。個人的に彼女は結構カジュアルで親しみやすい系のカワイイ系かなと(でかつまあまあキレイ系でもありますケドね)思ってて、それで今作みたいなちょっと「常人離れ」した系統のヤツ(役柄も実際に人外ですし)を演らせたったると、ちょっとコスプレっぽくなり過ぎたってる…という気がしてしまいましたかね。
[映画館(邦画)] 4点(2022-05-06 14:20:43)
536.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 
やりたいコト自体は比較的にもシンプルとゆーか、アクション・ジャンルとしては要は「緩急」或いは「静と動」を対置して双方を際立たせる…てのがコンセプトの主要部分かと思います。かつ(のちの『ネオン・デーモン』なんかを観る限りでも)中で監督が真にやりたいのはその「緩・静」の方だ(=その部分におけるどこかハイソな映像+音楽表現の方だ)ともやはり思われるのですよ。個人的には、実は「急・動」の方は(ごく大部分を占める緩やかなシーンとの対比に依って)非常に印象的には見えているものの、片やの「緩・静」のシーンのユニークさに比べればソコのクオリティ自体はごく一般的、かつ今作では若干の「やり過ぎ」感も無くはない…てのが正直なトコロで。一方で、今作が大いに一般ウケをも取れているコトの理由は、重ねてその緩・急のバランスの好さ(つまりは「急」なシーンの質的・量的な配分の適切さ)とあと単純に尺が長すぎないコト、がソレだとも思うのですね(逆に『ネオン・デーモン』はソコをやや失敗している、と)。結論、シンプルな様で実に完成度の高い、ごく高度に練られた作品だとはまず思ったりしますね(間違い無く作家性のごく高い方の映画だとも思いますが、一方でやりたいコトをやりたい儘に只やってるダケの作品では全然ないかな、と)。  他方、尺がコンパクトで緩いシーンも(当然)多い…ので、実はお話自体は極めてシンプルかつ軽い内容にはなっていますよね。だから同じアプローチでコレ以上の完成度の作品はあまり望めないとも思いますし、俳優なんかも今作はも~奇跡的と言って好いドンピシャな配役になってたな…とはまた思うのです。ライアン・ゴズリングにせよキャリー・マリガンにせよ(表向きは)実に柔和で、彼らのつくり出すナンともマロい空気が個人的にはまず絶品だったのです、が、でもそんな中にも仄かには彼らも確実に翳や憂いを忍ばせている…という「不穏さ」がそのマロやかなシーンの中に引っ掛かるコトで、次に何か(悪いコトが)起こるのではないか…というサスペンスの感覚・醍醐味をも(ワリと高度に)維持している…てのがまた逆にも~メチャ気持ち好かったのですよね。その意味でも、オーラスなんかも私スゴい好きですねココ。眼を見開いて微動だにしないゴズリングは、結局(数えたら)35秒も瞬きすらしなかったすよ!(軽く眼ェ痛かったでしょーね)
[DVD(字幕)] 8点(2022-05-06 03:55:45)(良:1票)
537.  マザー!(2017) 《ネタバレ》 
寓話的な不条理劇だが(解説によれば聖書のメタファーらしい)元ネタとの細かい附合はさておき、まずはとにかくネガティブなモノしか感じ取れない映画である(端的には人類の愚かさ、だとか)。前半はこれでもか!と言わんばかりの不愉快さで、秩序が崩壊する後半は余りのコトに段々どうでも好くなってくる。個人的な結論(ポリシー)として、映画は「人間性に対して」ポジティブにあるべきだ、と思っているので(私にとって映画とは「人間賛歌」なのですね)正直、最高レベルに嫌いだ、という作品です。ただし、暴力・残虐シーンのキレ味や、随所における不安を煽る演出の巧みさ、なんかは流石と言って好いクオリティか、とも。
[インターネット(字幕)] 2点(2022-05-06 03:31:20)
538.  トリコロール/赤の愛 《ネタバレ》 
三作目「赤」は分かり易い「博愛(隣人愛)」のハナシですね。結論、出てくる二人の演技自体は悪くないとも思いますが、実に単純で捻りの無いハナシだったな…とも思います(取り分けこの連作の中に置かれると)。多少面白みがあるとしたらトランティニャンのキャラの背景部分かと思いますがコレだって幾らナンでも、判事成り立ての頃にトラウマが発生した⇒その結果ずっと自分の殻に閉じこもってたけれどヴァランディーヌがソレを解き解した…てハナシだとしたら、やっぱちょっと頑な過ぎ or 唐突過ぎなハナシだとやや不自然にも思うのです。無難は無難ですが、完成度はちょっと高くないハナシだとやっぱ思ってしまいますね(オーラスの全員集合!もワタシ的には蛇足でした)。  ただ、イレーヌ・ジャコブの出で立ちはとても魅力的でしたね。特にこの「博愛」に好く適合した優しく温かみのある雰囲気が素晴らしかったな…と率直に感じました。前述どおりトランティニャンの頑固そーな感じもまあまあハマってたので、二人のお蔭で映画としてのクオリティは一段上がってはいるな、と(=その部分に絞って観てゆく分にはまずまず楽しめるカモな、と)。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-05-06 03:17:24)
539.  エルミタージュ幻想 《ネタバレ》 
『幻想』と銘打たれてはいるものの、同時に90分ワンカット!の映像をそのまま観客の視聴に供しているという意欲作・実験作でもあり、そのファンタジックみもお手軽に視覚効果で出しちまえ!てコトじゃなくって結構凝ったストーリー語り・場面展開・カメラワーク・その他諸々の手の込んだ工夫でソレを醸し出している…という(思ったより)硬派な映画なのですよね。  だから、ストーリーは在って無い様な…と言いつつ、ゆーて結構(実は)しっかりストーリーは在るのですよ(会話もそこそこ長いし多いし、意味も無いよーで実はまあまあチャンと整えられても居るのですよ)。ただしまず、その「意味」とゆーのはそれなりにロシアの歴史なんかの前提知識が無いと伝わらない程度のモノではあるし、そもそもこの建付けでストーリーも具体的です、となるとどーしたってファンタジックの方は目減りする様にも思われるのですね(=ただ浸ってれば気持ち好い…というサイケデリックなヤツってコトではないのですね)。私も多少「思ってたんと違う」感じではありましたし、同時にもうチョイ勉強してから観た方が(多分)好かったなと思いました。  でもやはり、その館内ツアーが(90分ワンカットとか工夫して撮ればたぶん)そのまま映画になってしまう…てエルミタージュの芸術性っての自体はモ~凄まじいな…とも思いますね(日本で同じコトやろうと思っても、おそらく美術館系では無理⇒神社仏閣とかならナンとかなるかも…)。あと前述どおりそのファンタジックさの少なくない部分をつくり込んでいるカメラワークてのも、確かにコレは相当に高度でした。結構ゆらゆらと漂う様に動き続ける…てのがまずポイントだと思うのですが、でありながら手ブレは全く無く、そして即興的な風を残しつつも同時にまた確信的で力強く、かつ繊細でありながらも「間違える」コトなど微塵も無いというコレは(また確実に)並大抵の仕事ではねーでしょーな。そこら辺、ハマる人には超・ハマる系統の映画だとも思います(人生ベストにもなり得るレベル)。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-05-06 02:57:01)(良:1票)
540.  トリコロール/青の愛 《ネタバレ》 
フランス国旗「トリコロール」は青・白・赤の三色が自由・平等・博愛を表す…とは結構誰でも知ってるコトだと思うケド、実はどの色がどの価値観を体現している…という対応関係はハッキリと決まっているモノではないらしい、と。ただこの連作では明らかに、青が自由、白が平等、赤が博愛を示している様に思われる…のだし、あといちおう画づくりのコンセプト・カラーとしても三色が映画の中にそれぞれ取り込まれている…とゆーのも確かにそーなのだね。その上で、三作の共通テーマはシンプルに「ある愛のカタチ」であるけれども、それらは決して唯「美しい」とか「温かい」というモノでもないネガティブみ・シニカルさを割かし多めに含むモノでもあるかな、てのが正直なトコロなのだね。  ※あと、観る順番は青→白→赤が好いかと(登場人物が少しだけ重なってゆく関係で)。   中でこの「青」は、率直に三作で内容が一番高度でかつつくり込みも綿密だと思われますね。実は、私自身は少しだけ「コレは『博愛』のハナシなのかな?」とも思ったのですが、最後まで観るとシンプルにジュリエット・ビノシュがある種の「自由」に辿り着いたサマを描いた作品だとは思えるのです。ただ、前述どおりこのサマってのがごくネガティブなモノ⇒ぶっちゃけると自由な様で自由でもないモノにも見えるのですよね(今作ではその「青」も、画としては憂鬱という意味でのブルーとして随所に挿入されていますし)。彼女は愛を(ソレこそ)誰にでも奉仕・自己犠牲という形式で振りまいてゆくという人物に見える一方で、でも単に愛情行動の選択肢としてソレしかコマンドが無いという人にも見えるのですよ。ソレは仄かに描き込まれる母親との関係性の歪さなんかに由来する一種の病理かとも思えるのですが、だから結局彼女は実は色々な人に(ソレを押し付けるがあまりに)ある種煙たがられていた…というコトにも見えるのです(取り分けて死んだ旦那については)。旦那の愛人が言う「どーいう人か分かった」とゆーのは、実に高度な皮肉かと思えましたね(ないしは批判・非難にすら)。コレは何とも残酷なシーンだな、と。  オーラス、無表情で涙を溢す彼女からは、彼女自身の人間性そのものについての絶望と同時に、それでも彼女はそう生きていくしかないのだ、というより頑なな意味での絶望もまた感じ取れるな…と思ったのです。その部分を表現するビノシュの演技がごく優れたモノであったとしても、コレはちょっと私個人としては(根本的なポリシーから外れるというレベルで)非常に好みではないネガティブさでした。なので(まあまあ優れた映画だとは思いつつも)これ以上の加点は控えておきます。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-05-06 02:53:16)
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