541. スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
まさに「狂気」という言葉が相応しい映画であり物語であったと思う。原作は読んでいないが、その濃厚さを伝えるにふさわしい映画世界の造型はやはり鬼才デイヴィッド・クローネンバーグの成せる業だと思う。陰気感に満ちたレイフ・ファインズの演技も安定しており、レベルの高いサスペンスに満ちた作品に仕上がっている。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-02-05 19:16:06) |
542. ボーン・アイデンティティー
クライマックスにもうひとつストーリーの起伏がなく平淡に終わってしまったことは、スパイもののサスペンス映画としては致命的な欠点であることは否めない。しかし、ヨーロッパの街並みを舞台にした映画世界にはスタイリッシュな雰囲気が漂い、観ていて飽きることはない。秀麗な映像センスが見受けられるだけに、ストーリーにもう少し凝って欲しかったと思う。「ラン・ローラ・ラン」のフランカ・ポテンテがヒロインに扮しとても魅力的な雰囲気を出している。 6点(2004-02-05 18:35:12) |
543. チャーリーズ・エンジェル(2000)
何と言ってもこの映画の見所は3人のハリウッド女優のセクシーさに尽きる。ストーリーがどんなにくだらなくても、極上のセクシーさとハイテンションな演出によって、一級の娯楽映画に仕上がっていることは間違いない。個人的には、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のジョンが出ていたことが嬉しかった。 6点(2004-02-04 18:32:52) |
544. リクルート
ストーリー展開のどんでん返しの妙を多少大げさにプロモーションしていたせいもあって、ストーリー的にはやや終盤伸び悩んでしまったように感じる。ただそれでも何が真実か分からない展開は緊張感に溢れ、この手のサスペンス映画としては充分のクオリティだったと思う。キャラクター的にはやや希薄だったが、濃厚なアル・パチーノの存在感が映画にハクを持たせている。 [映画館(字幕)] 6点(2004-02-01 22:54:31) |
545. マトリックス リローデッド
映像面でもストーリー面でもやや破綻してしまっているというのが正直な感想。映像的には、めまぐるしく動き回るアクションシーンの創造力は確かに圧倒的であるが、それがクオリティ高くまとまっているかと言えば疑問が残る。いろんなものを詰め込みすぎてどのシーンも少しずつ完成度を欠いたという感は否めない。ストーリー的には、3部作の中間作ということを差っ引いてもあまりにも混乱しすぎである。特に終盤怒涛のごとく繰り返されるコンピュータ用語の連発には、詳しくない者には少々参ってしまう。娯楽大作と割り切ってしまえば、充分に完成された映画と言えるが、これが「マトリックス」である以上、そういうわけにはいかない。 6点(2004-01-30 22:28:27) |
546. チェンジング・レーン
ベン・アフレックの大根役者ぶりは個人的には頂けないが、演技面ではサミュエル・L・ジャクソンが巧くカバーしていた。多少詰め込みすぎという感はあるが、誰にでも起こり得る日常のサスペンスを興味深く描き出すことに成功している。映像的な工夫がもう少しあれば、現代のヒッチコック映画とも言える雰囲気を持っていると思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-30 18:09:41) |
547. ディナーラッシュ
緊張感のある厨房内の映像をはじめとする映像感覚は非凡で目を見張るものがあった。予想外のラストも小気味良く満足感はあったが、中盤の群像劇にもっと秀でたドラマ性があれば更に膨らみをもった秀作に仕上がっていたと思う。 6点(2004-01-30 18:04:25) |
548. シカゴ(2002)
決して悪い映画ではなく良く出来た映画だと言えるかもしれないが、今作が真の好評を得るのは米国でしかあり得ないという印象を持った。特に主演女優2人が白いマシンガンを持って歌い踊るラストシーン、賛否はあろうが、個人的にはあのシーンこそアメリカ社会を象徴するものに他ならないと思う。今作はオスカー作品である。アカデミー賞がアメリカのものである以上、至極当然のことなのだろう。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-30 17:51:42) |
549. スパイダー パニック!
大作映画監督であると同時にB級映画監督でもあるローランド・エミリッヒならではのB級テイストへのこだわりが存分に味わえるモンスター映画だった。半端のない巨大グモの大量発生&強襲はB級モンスター映画ファンにはたまらないものだったに違いない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-30 15:50:51) |
550. ストーカー(2002)
まずい邦題に惑わされがちだが、今作は決して“ストーカー”を描いた映画ではないと思う。現像所に持ってこられる家族写真に自分の理想と人生を被せる主人公の行為は明らかに異常であるが、今作で描かれるものは、その哀しい男のやるせない生き様と犯罪である。世の中のすべての人は、この男になりえるのかもしれない。中盤の展開がややかったるく、テンポの悪さは気になったが、非凡な映像センスには驚いた。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-30 14:42:13)(良:1票) |
551. 水の女
独創的なUAの風貌と存在感は映画的に映え、印象的だった。彼女と浅野忠信の絡みは外面的にも内面的にも濃厚で、異様なまでの空気感に引き込まれる。ストーリー的には抽象的で説得力に欠けるが、映画の雰囲気としては秀逸なものが見れる。個人的にはYUKIにもっと出て欲しかった。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-28 00:11:04) |
552. マイノリティ・リポート
流石スピルバーグとうならずにはいられない映像世界には圧倒された。しかし、スピルバーグのテイストはフィリップ・K・ディックのオリジナルの持つクセを消してしまっているように思う。それくらい他のK・ディック原作映画と比べるとあまりにストーリー展開が凡庸である。物語の持つテーマ性に対して映画の結末はあまりに安易で、チープだった。スピルバーグでなければあの映画世界はなかったかもしれないが、やはり他の個性派監督が撮っていればもっと興味深い映画になっていたように思う。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-27 23:50:37) |
553. コラテラル・ダメージ
いち消防士があれほどまでテロリスト相手に大立ち回りしてしまうリアリティの無さは、普通は認められないものだけど、それがシュワルツェネッガーであれば何の問題もなく、むしろフツーのこととも思える。肯定的な意味で非常にシュワちゃんらしい今作は、近年の彼の低迷振りを払拭するエンターテイメントを提供できていると思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-27 18:51:53) |
554. ノー・マンズ・ランド(2001)
派手な演出を廃したストーリー展開にはいささか退屈な部分もあったが、同時にその淡々とした狂気が妙に生々しくリアルだった。大金をかけた大作戦争映画が氾濫する中、今作は非常に小規模でシンプルであるが相当の説得力があった。ラストシーンの言葉にならない重さは、戦争というものの真理を物語っているようだ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-26 18:09:48) |
555. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
こういう音楽性を存分に打ち出した映画はあまり得意ではないのだけれど、主人公のキャラクターとその生き方は凄まじいまでのエネルギーが伝わり、作品としても熱情に溢れたものに仕上がっている。 6点(2004-01-26 18:00:36) |
556. アトランティス/失われた帝国
ディズニー映画といえばミュージカルシーンがお約束というものだが、今作ではそれが一切なく、SFアドベンチャーが徹底して展開される。映画自体の出来としては、エンターテイメント性に富んだストーリー展開を楽しめるものだったが、やはりディズニー映画らしさはなかったかもしれない。 6点(2004-01-26 17:56:27) |
557. 害虫
ストーリー的に極めて重い後味の悪さが残るので映画的には好きだとは言い難いが、主演の宮崎あおいの存在感はあの年齢で物凄いと思った。青山真治監督作「EUREKA」で鮮烈な映画デビューを飾った彼女であるが、今作の演技で彼女の映画女優としての可能性は明確な確信へと変わった。 6点(2004-01-18 03:51:24) |
558. インソムニア
大ヒットした「メメント」に続くクリストファー・ノーラン監督の作品だったので、分からなくもないが、プロモーションにおいてあまりに濃密なサスペンスを強調したことは失敗だったと思う。確かにサスペンス映画には違いないかもしれないが、今作の場合重点的に描かれるものは主人公の因果と良心についてのドラマであり、サスペンス要素は極めて薄い。なので作品的には良く出来た映画だと思うのだけれど、当初の印象とは異なる展開に違和感を覚えてしまった。この映画に限らず、監督や俳優の前作の印象による安易な宣伝は多いので何とかしてほしい。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-18 02:50:08) |
559. タイムマシン(2002)
予想を遥かに超えるVFXのクオリティの高さは見事で満足度も高かったが、ストーリー的に最後の最後で躓いてしまった。大筋の展開としては空想と説得力に富んだものだったのに、ラストの顛末で一気に興ざめしてしまう。その手前で終わっていれば、時間の概念を真摯に捉えた秀作に仕上がっていただけに、あまりに安易で幼稚な締めは惜しいの一言に尽きる。 6点(2004-01-17 04:42:19) |
560. エネミー・ライン
全く期待せずに当時働いていたレンタルビデオ店のサンプルを暇つぶしに観たのだけれど、リアリティを排除した潔い娯楽性が意外に楽しめる要因となった。宣伝コピーが戦争映画を想像させるが、まったくの娯楽アクション映画と割り切れば充分に楽しい映画だと思う。 6点(2004-01-17 04:25:28) |