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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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541.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 
設定はマイナス要素に溢れています。ダメダメな家族で全然イケてない。でも世界を包む空気は寒々しくありません。まずそれがいい。軽やかでほんのり暖かい音楽と共に物語は綴られていきます。構図も“はっ”とするほど美しい。そして何より人の描き方が素晴らしかった。端役に至るまで“こんな人いる”と思えました。画面の中の世界は、自分が生きている世界と同じ。だから大きなフリ幅で、心を揺さ振られたのだと思います。時に自身を顧みて嫌悪し、自嘲しました。同情し共感しました。各人に感情移入し、気付くとこ自分も家族の一員になっていました。大いに笑い、くしゃくしゃになって泣きました。クライマックスは娘のステージ。ストリップまがいの珍妙なダンス。それをみて大笑い。「ああ、じいさんとの奇妙なレッスンはこういうことだったのか!」と。でも同時に胸が痛くて苦しくて。お父さんの口癖を借りるなら、この家族は“負け犬”だらけです。彼らのダンスはみっともない。でも美しかった。心に響きました。“娘を守りたい。”その気持ちが強く伝わってきました。もっとも、彼らの行為が許されるとは思いません。コンテストを無茶苦茶にした罪はある。例えそれがクソみたいなコンテストでも。しかし理屈ではなく共感してしまう。「お前たちに、うちの娘を値踏みされてたまるか!」「このダンスの何が悪い!」逆ギレもいいところです。でもそこには愛がありました。巷に溢れるまがい物ではない本物が。客観的判断も価値基準も必要としない。見返りも無い。ただ全てを肯定する。「お前を愛している」「お前を誇りに思っている」そう言わなければならない時があります。しかもオリーブはまだ子供。家族が守らなくてどうする。家族が与えなくてどうする。一番大切なものに、この家族は気付いたのだと思います。愛されることは、自信に繋がります。戦う勇気と力に変わる。オリーブは、そういう生き方が出来る人間になってくれると信じます。じいさんは言っていました。負け犬は、負けることを怖れてチャレンジしなかった者のことだと。自己啓発プログラムでいう“勝利”と違う“勝ち”がある。負けがない、勝ちがある。この家族が敗者だなんて、自分には思えない。
[DVD(字幕)] 10点(2007-09-21 18:19:30)(良:6票)
542.  東京原発 《ネタバレ》 
作中、頻繁に出てくる喫煙風景。そういえば喫煙と原発は似ている気がします。目先の快楽(利便性)を求めて、それに付帯する悪影響については考えない。ポイントは、不都合がすぐにやって来ないということ。10階建てのビルの屋上から飛び降りるよりも、100階建てのビルから飛び降りるほうが怖くないのと同じ。リアルでないから怖くない。イメージを意識的に閉鎖させることで現実から逃れ、恐怖の感覚を麻痺させる。それは人間の得意技。長所でもある。生まれながらに人間が背負う命題、死。でもその恐怖に日々怯えながら生活する人がいないのは、この特技のおかげ。ですから喫煙や原発に限らず、地球温暖化問題や食料危機、果てはギャンブルの借金から肥満に至るまで、人がとりあえず問題を“棚上げ”にしてしまうのは、ある意味仕方が無いことだと思います。それが人間の性。人がバカな生き物なのは間違いない。水に口とノドをふさがれるまで、自分が溺れていることを忘れていられる。だから、“気付くこと”が大切です。原発の是非はつぎの問題。まずみんなで考えてみようということ。この件に限らず、考える以前の段階で止まっている事は世の中に溢れている。偏った情報と、狭い知識と、浅い経験で、私たちは物事を簡単に判断している気がします。もっとも、本作の主張を鵜呑みするほど、自分はお人よしではありません。でも、久しぶりに自分がカナヅチであることを気づかせてもらいました。それだけでも価値がある。原発推進派の専門家を会議に同席させない以上、会議室だけでは引っ張れない。後半はドタバタで逃げたように感じました。ただ、会議室だけで終始するのは、重いテーマを重く調理するということ。それでは芸がない。エンターテイメント性を強く打ち出す方向性は支持したいのですが、今一歩。惜しい。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-20 18:56:59)
543.  なま夏 《ネタバレ》 
主演の三島ゆたかが素晴らしい。そのキャラクターはリアリティ満点です。誤解を怖れずに言えば、なんか自分を見ているみたい。(いや、やっぱ誤解しないで。)立ち居振る舞いから、その発想に至るまで、自分の中に彼がいないとは言い切れない。妙な親近感がある。キモイけど。主人公の恋は、彼女に盗聴器付のぬいぐるみを渡した時点で9割9分終わっています。さらに彼女を刺してしまった時点で100%アウト。もう恋が成就する可能性はありません。病室での束の間の交流もひと時の夢でしかない。バッドエンドは動きません。ですから、どうオチを付けるかに興味がありました。失恋を乗り越えて、主人公が一回り人間として成長するのを期待していたのですが…そんなに甘くはなかった。変態は変態のまま。病室のカーテンを隔てて、元カレと行為に及ぶ彼女の姿を目の当たりにして悶絶する主人公。しかも、そこで2人を止めるのではなく、自慰に逃げてしまうダメ人間ぷり。リアルを通り越して、なんかもう切なくて。涙目でした。「わかったから。もういいから」と慰めてあげたいような、殴りたいような。要するに自分もダメ人間ってことです。ただ彼の場合は、ダメ人間として一線を越えてしまった。ザッツ変態。“ブレイクスルー”は良いイメージですが、この場合は違う。突き抜けてあの世に行くくらいなら、とりあえず自己嫌悪でしゃがみこむほうがマシ。落ち着けば、また歩けるようになるかもしれないし。所詮、主人公とロリ顔巨乳の蒼井そらでは釣合わない。いやいや待てよ。彼女の実生活の彼氏ってハチミツニ郎じゃないですか。フィクションより現実のほうが遥かに夢がある。よく分からんけど、蒼井そらちゃんってイイ娘に違いないよね!
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-19 18:27:57)(良:1票)
544.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 
こういう味わいの作品は以外と少ないと思いました。いわゆる“アレオチ”では片付けられない。やり直しともいえる2度目の人生。主人公とその共犯者が難を逃れたのは、ある奇跡が起こったから。トラックの運転手に渡したペンダント、アタッシュケース、そしてカメラのレンズ。キーアイテムがフル活用されています。ここで重要なのは、その連鎖がまったくもって“しょぼい”こと。ただの光の反射ですもん。なのに、何故か感心してしまう。それは、ラストカットが美しいから。一枚の画の力で感動を“ねじ込まれる”ような感覚を覚えました。よく考えるとハッピーエンドとは言い難い。しかし何やら清々しいから不思議です。トラック運転手のおじさんは誠にお気の毒でした。主人公と共犯者がまんまと逃げ切ってしまうのも、本来であれば腑に落ちないはず。しかし主人公は、悪は悪でも極悪じゃない。そのあたりの描写は丁寧です。人を殺めたかどうかは、天と地ほどの差があるということ。ソックリさんの命を助け、(結果的に)善行を選択した主人公に幸運が訪れないほうが、スッキリしません。だからこの結末で納得できる。いい感じにキツネにつままれたようなお話でした。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-16 17:44:31)(良:1票)
545.  イブラヒムおじさんとコーランの花たち 《ネタバレ》 
ある意味すごく難しい映画でした。自分には、“イスラム”と“ユダヤ”のキーワードが持つ意味が分かりません。肌で理解できない。この部分をスルーしてしまうのは問題ありだと思いますが、背伸びして解釈するのも恥かしい。なのでこの要素については、無視します。浅い観方をしていると思いますが、ご容赦ください。本作はイブラヒムおじさんと少年モモの交流のお話。孤独なイブラハムと、父を亡くした少年。お互いに子を、父を、必要としていたもの同士の結びつき。イブラヒムは異国の地の片隅で細々と商いで生計を立てています。大して儲かるわけではありません。でも現金で高級車が買えるくらい蓄えはあった。すなわち、儲けたお金の使い道が無かったということ。これは悲しいことだと思う。せっかく儲けたお金なのに使えない。使うあてがない。それはお金だけではありません。経験という財産もそう。彼は探していたのだと思います。彼の得てきたモノの使い道を。死んでしまえばそれまで。蓄えてきたものが、無駄になってしまう感覚がある。だから、有益な使い道を求めた。それは、自身の人生を肯定することに繋がります。ある程度年をとると、そういう心境になる気がします。ですからモモという後継者を得たイブラヒムは、幸せだったと思います。一方のモモも、実の父親から得られなかった愛(全肯定してくれる無償の愛)と扶養主を手に入れて幸せだったはずです。ラスト、家業を継いだモモの姿に笑みがこぼれます。ああ、人生は繋がっている。ハッピーエンドです。ただし、モモが自らに意思で店を継いだのかどうか。自我を確立する時期に、実の父親が不在だったこと。それにイブラヒムの死により、彼の人生の選択肢が制限されてしまったように思います。もちろん、そういう人生も決して悪くありません。誰もが無限の可能性を持っているわけじゃない。ただ、モモが人生の選択を“自ら選んだ”と思わせてくれる何かが欲しかった。借り物のアイデンティティだとしたら、ちょっと悲しい。
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-14 23:02:48)
546.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
自分はファッションに興味がありません。ミランダほど強烈な上司の下に付いたこともありません。でも琴線がうずくのです。社会人1年生の頃を思い出します。今から考えると信じられないくらいに青かったと思います。使えない、本当にダメダメな新人でした。でもプライドだけは一人前だったりするです。だから仕事はつまらないし、辛いし、頭にくるのです。最初の頃のアンディと同じ。とくに彼女の場合は、ファッション業界に興味が無かったから尚更でしょう。自分の価値観の範疇の外。角界に例えると分かり易い(かな?)。例えばアメリカ人の新弟子。「OH!フンドシなんてナンセンス。」「チョンマゲカッコ悪いネ。」「股割りナンテ痛いだけヨ。」こんな事を言ったら、多分とっても“カワイがられる”でしょう。でもどちらに非があるかは一目瞭然です。世の中には理不尽な事がいっぱいあります。腑に落ちない事だらけ。でも観方を変えると、受け取り方も変わるのです。もしかしたら、自分が知らないだけで、意味があるのかもしれないのに。よしんば、本当に無駄な仕事だったとしても、一生懸命やれば充実感はあるでしょう。個々のマイナスを避けるよりも、トータルでプラスになればOK。それが生まれ変わった主人公の姿だった気がします。ただ、彼女は気付いてしまいました。大成する素質はあったのに、横綱の生き方に魅力を感じなくなってしまいました。大横綱も理事長になったら、あの体たらく(失礼)。寂しい。虚しい。自分には違う生き方が合っていると気付いてしまいました。どちらが良いか、悪いかの話ではありません。彼女は彼女の選んだ道を歩いていくのです。ちなみに関取になれずに廃業した元力士は、どんな業種でも潰しが効くそうです。“忍耐”“努力”なんて最近では流行らない言葉。でも大切なことは、いつの世も変わりません。頑張った人には、頑張っただけの報いがあると信じたいです。最後はちょっと泣けました。
[DVD(字幕)] 8点(2007-09-13 18:09:57)(良:2票)
547.  RETURNER リターナー
多くの有名、ヒット作品からエッセンスを拝借しています。特に宇宙人の造詣がまるっきり“アレ”なのには笑いました。普通の感覚ならば、あそこまでソックリにはしないはず。ですから、そこに監督の意思を感じる。パクリを公言した上で、観客に作品の判断を委ねているのではないかと。「パクッてますけど、なにか問題でも?」。監督の作品の出来に対する自信が伺えます。実際、面白かった。でもちょっとだけ後ろめたいかな。発泡酒でいい気分になっているような。中古車をローンで買ったような。実際、パクリか否かの判断は難しいと思います。それらしきものを全て否定してしまうと、作品は成り立たない。映画に限らずあらゆる芸術分野において、完全なオリジナル作品を産むのは至難の業です。何らかの形で先人の影響を受けているのが普通。このあたりは、個人の感覚によって判断するしかありません。自分の感覚だと本作はアウトですけど(笑)。でも邦画のアクションSFで、これくらいやってもらえれば上等。ですから点数はチョイ甘めです。ちなみに自分は発泡酒が好きですし、中古車も乗れればOK派。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-12 18:54:55)(笑:1票)
548.  千里眼 《ネタバレ》 
久しぶりにシビれました。悪い意味で。サイコサスペンスから一転、ワイヤーを使った本格的なアクションシーン。急激なギアチェンジにめまいを覚えました。一体、何をウリにしているのか分からない。しかもそのアクションに必然性を感じません。というか、あらゆる展開に合理性を欠きます。主人公を含めた患者達がアンテナの運び屋にされたのは、人目に付かないようにするためでしょう。でも明らかに挙動不審。あれならプロにやらせたほうが、遥かに早いし安全だと思ってしまう。本来ならこういうツッコミは野暮です。でも、荒唐無稽な設定を楽しんでもらうためには、気配りが必要です。誠意といってもいい。矢追純一のUFO特番や、川口浩探検隊が面白かったのは、アホバカ設定の中でも“説得力を持たせよう”とする意識があったから。担保も無いのに金を貸せと言われても頷けません。明らかに100円ショップの安物の皿でも、魯山人の皿だと言い切るくらいの“心遣い”は欲しい。それが礼儀ではないかと。いうならば、本作の魯山人の皿は“心理学もどきの理論”です。でもそれはバーベキューで使う紙皿みたい。いくらモノを知らない自分でも、流石にコレには騙されません。ウソは上手について欲しいと思います。ただしバカ映画として楽しむことは出来ますし、水野のアクションは良かったので甘めの採点でお願いします。
[DVD(邦画)] 3点(2007-09-11 19:20:03)(良:1票)
549.  TRICK トリック 劇場版2
TV2時間枠で十分な作品だと思います。でもたまには映画館で好きなドラマを観てみたいもの。家のご飯もいいけれど、外食はちょっとワクワクする。そんな感覚がテレビドラマの映画化作品にはあります。フランス料理のフルコースには手が出ない。でもラーメンでいいんです。いつもの馴染みの味がいい。何より安いし。それは、肩肘張らずに楽しめるということ。そういう意味では、極めて真っ当な、期待通りの作品でした。すっかり大物になった仲間のオトボケぶりや、上田教授との掛け合いが見られればOK。くだらなさ全開のトリックもどきに笑えればいい。欲を言えば、矢部刑事コンビをもっと見たかったです。おそらく6点満点の作品。で6点です。
[DVD(邦画)] 6点(2007-09-10 20:11:49)(良:1票)
550.  タイヨウのうた 《ネタバレ》 
ドラマの積み重ねが足りない。主人公の演技がまるで素人。不満が無い訳ではありません。でもそれ以上に胸を打つものがある。人は何故生きるのか。生きたいと願うのか。少女の姿に心が震えました。人は想う生き物。苦しみを、悲しみを、切なさを、怒りを、そして喜びを。その想いを表現したいと思う。誰かに伝えたいと願う。感じたことを胸の中に締まっておけばいいのに、そうすることが出来ない。それが人だと思います。何故なら、生きているから。想うことは、生きている証だからです。ある者は気持ちを、言葉に換える。ある者は文章に、ある者は書に、踊りに、絵に、彫刻に、料理に想いを乗せる。その方法は一様ではありません。人の数だけ手段がある。塚本の場合は、サーフィンかもしれない。主人公の場合は勿論、歌です。自分が感じていることを表現したい。それは、自分が今此処に存在していることの証明に他なりません。生きている。生きている。生きている!私は此処にいる!!そう強く叫びたい。人はそういう生き物だと思いました。本作はいわゆる難病もの。しかし難病だから泣けるのではありません。少女が死ぬから悲しいのでもありません。彼女の想いが心に届くから涙するのだと思います。主人公の死の悲しみよりも、生きていることの素晴らしさで胸がいっぱいになる。それは爽やかな余韻に繋がります。ラスト、笑顔で海へ駆けて行く塚本。いろんなことを感じ、想って、生きていきたい。自分は今、生きている。
[DVD(邦画)] 9点(2007-09-09 17:14:25)
551.  デンジャラス・ビューティー
サンドラ・ブロックのキャスティングが絶妙。意外とこの役は役者を選ぶと思います。ブサイクでは勿論務まらないし、美人がその美貌を隠すのは難しい。美人にも見えるし、ブサイクにも見える“ふり幅”が必要になってきます。その点で、サンドラのバタ臭い顔はピッタリ。おめかしすれば、その美しさは際立ちます。逆にあれだけ下品に振舞えば、セックスアピールは消えて無くなる。ブタ鼻には笑ってしまいました。物語のほうは、予定調和でしたがまずまず。サスペンスの要素は低いですが、コメディとして笑えるポイントが多々ありで好印象でした。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-08 18:13:43)(良:2票)
552.  ニコラス・ケイジの ウェザーマン 《ネタバレ》 
主人公は、ウェザーマンとして成功しています。十分な収入も得ている。社会一般から見れば成功者です。しかし彼は自分のことを認めていない。カンペを読むだけの簡単な仕事で、お金をもらっていると自身を卑下している。そのことが私生活の問題にまで繋がっています。ファーストフードを投げつけられるのも同じこと。全ての原因は、彼の自信の無さにある。しかし彼はそのことに気付いていません。もっとも彼に同情の余地はある。彼の父親はあまりに立派過ぎた。息子にとって父親は超えなくてはいけない壁。そのプレッシャーはよく分かります。でも彼は勘違いをしている。彼は既に父親を超えている。彼よりも上手に天気予報を伝えられる人はいない。そのことは父親も指摘しています。普通のドラマであれば、彼が自信を獲得し、家族が再生するまでを描くでしょう。しかし本作は違う。家族は再生することなく、主人公も自信を得ることなく終了します。「消防隊の後ろだが、スポンジ・ボブの前だ」そう自分を慰めることで精一杯。ゆるゆるの現状肯定で終わります。感動はありません。でも現実はそんなもの。誰もが自分に自信を持てるわけじゃない。だったら、とりあえず今の自分を認めるところから始めるしかない。それでも一歩前進です。ヒントはアーチェリー。最初は娘の付き合いで始めたのに、いつの間にか腕を上げています。彼が「ハロー・アメリカ」に採用されたのも運が良かったからじゃない。継続は力になっている。息子のカウンセラーを殴りに行った彼の行動には、迷いがありませんでした。変化の兆しは見える。ドラマチックに変わらなくていい。ちょっとずつ変われればいい。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-07 18:31:21)(良:2票)
553.  完全犯罪クラブ 《ネタバレ》 
邦題の『完全犯罪』はこけおどし。でもそういうのには慣れているので問題ありませんでした。でも、原題の『ナンバーズ』のほうは本気で分からない。DVDのセットアップ画面でもやたら“数字”を印象付けようとしています。数字にまつわる殺人、あるいはトリックがあったとは思えない。もしかして物語云々ではなく、この謎こそが『完全犯罪』なのかも。だとすれば自分の完敗です。サンドラ・ブロックの過去とかも、実は物語と密接に関係あるのでしょうか。
[DVD(字幕)] 4点(2007-09-06 19:21:26)
554.  カオス(2005) 《ネタバレ》 
『トランスポーター』シリーズで一躍名を上げたジェイソン・ステイサム。今、最高にセクシーでダンディーな中年男。彼の魅力はその渋い雰囲気と、格闘系アクション。本作では一方の売り、アクションをほぼ封印しています。しかし満足。彼には、佇まいでその場の空気を締める力がある。正直演技は上手くないような気がしますが、この雰囲気は役者として得がたい財産だと思います。今後も目が離せません。そのステイサムとコンビを組む新米刑事もなかなかいい。若者の青さと、ステイサムに負けない利発さを発揮しています。彼が後半の主役。24時間の間に彼が成長していく様は爽快でした。カオス理論を持ち出すのはいささか大げさだと思いますが、サプライズありの面白いお話でした。難点はステイサムがもはやビッグネームだということ。オチを悟られないようにするために、もう一工夫あっても良かったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-05 00:08:20)(良:2票)
555.  夢の中へ 《ネタバレ》 
散文詩の手法を映画にも取り入れたといったところでしょうか。異なる時間と空間軸の物語が並行して進みます。どれが夢で、どれが現実かを特定する必要はありません。どのシチュエーションも可能性のひとつ。息の詰まる現実をどう受け入れるか。どの現実も自分が望んだものではない。夢だったらいいな。それは誰もが思うこと。別に特別なことじゃない。だれでも同じように苦虫を噛み潰して現実と向き合ったり、向き合わなかったりしながら、どうにかこうにか生きている。若者なら感化される要素はあるかもしれませんが、残念ながら自分はもうオッサンです。惹きは弱い。それにしても、オダギリ・ジョーはこういう若者役をやらせたら本当にうまい。
[DVD(邦画)] 5点(2007-09-04 00:13:55)(良:1票)
556.  ジョンQ-最後の決断- 《ネタバレ》 
自分にも娘が一人います。自分の命を差し出して、娘の命が助かるなら迷わずそうします。キレイ事ではなく。親にとって子は自分の命そのもの。それは実感としてあります。ですから主人公の心情は察するに余りある。しかしそれでもなお、彼を英雄視することも、彼の行動を肯定することも出来ません。してはいけないと思う。それはテロを認めることに他ならないから。主義主張が正しければテロは認められるのでしょうか。自分はそうは思わない。私達は社会の中で生きています。社会が機能しているからこそ、医療を受けることが出来る。システムの中で、ドナーから臓器を提供してもらえる。その有難さを忘れてはいけないと思う。社会の恩恵は受けつつも、都合が悪いルールは無視していいのか。もしこれを認めてしまうと、主人公と同じような境遇で子を失ってしまった親の立つ瀬がありません。病院ジャックしてでも、子供に移植手術を受けさせなかった親は、だらしが無いということになってしまう。そんなバカな話はない。ジョンQが示したのは親の覚悟。でも彼とは違う決断のほうが、ずっと辛い。同じ境遇の親は、歯を食いしばって耐えています。彼らを否定することは誰にも出来ない。ただし、ジョンQの“がむしゃらさ”が結果的に子の命を救ったのは事実。それは教訓として受け止めたい。もし自分が主人公と同じ立場なら、奇跡を待つのではなく、やれることは何でもしたいと思う。ただし主人公と同じ手法は取りません。それが自分の、親としての覚悟です。
[DVD(字幕)] 5点(2007-09-03 18:11:33)(良:2票)
557.  ホステル 《ネタバレ》 
本作はラストの展開に尽きます。一般的なこの手のホラーは、殺人鬼から逃げきることが最終目的。多少相手に反撃しても、それはあくまで逃げるための手段。それくらい被害者の気力は弱りきっています。心が折れている状態。しかし本作の主人公は違いました。逃げる途中でも憎い相手を殺すチャンスを逃がさず、しっかり復讐。能動的に行動しています。これは良ポイント。ゾクゾクしました。やられっぱなしじゃ腹が立ちますもん。酷い目にあった挙句に、命が助かって有難いなんて変な話です。このあたりのフォローは良かったと思います。ただ、話題のショッキングシーンについては、全然思ったほどではありませんでした。やはりレンタル版ゆえ、大幅なカットが成されているのでしょうか。でも物足りないくらいで、自分にはちょうど良かったかもしれません。『ホステル』だとイマイチ雰囲気が出ないので、邦題は『地獄の竜宮城』に変えては如何でしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-02 16:46:02)
558.  ホーンテッドマンション(2003)
予想どおりの内容。取り立てて不満もないけれど、褒める部分もそんなに無いかなという感じ。体裁はホラーですが、子供と一緒に楽しめる。こういう映画は意外と貴重かも。
[地上波(吹替)] 5点(2007-08-31 18:04:28)
559.  ワイルドシングス2<OV> 《ネタバレ》 
基本的に前作そのままのプロット。キャストをマイナーチェンジしたのが、吉と出ました。2時間テレビサスペンスと考えればいい。偉大なるマンネリズム。そう割り切って肩の力を抜くと、なんか心地いい。「1年前の死体があんなに状態が良いわけ無いだろ」とか「オイオイそんなに手掛かり残したら後から捕まるぞ!」なんてツッコミ大歓迎。それが楽しい。何の根拠も無く雰囲気で犯人を推理するのも、また一興。無闇にどんでん返しを繰り返すのもど~んと来い!安っぽい余韻も微笑ましい。唯一残念なのはヌードを頂戴した女の子が自分の好みじゃなかったこと。でも2時間サスペンスのお色気に期待してもしょうがない。本作の場合は満点で5点。そういう映画もキライじゃない。
[DVD(字幕)] 5点(2007-08-30 18:39:44)
560.  樹の海 《ネタバレ》 
学校の授業等で観るには丁度いいと思います。でもそれは、差し当って今の生活に困っていない人が「自殺はやっぱり良くない」と再確認するレベル。本当に切羽詰った人の心を動かすのは、厳しい気がしました。例えば電車内で痴漢にあった女子生徒。彼女のスカートに付いていたものから生々しさを排除しています。配慮はあってしかるべき。でも配慮が行き届き過ぎると、パンチ力を失うとも思います。それはどのエピソードにも言えること。ハッピーエンドは望むところです。でも最初から着地点が見えてしまっていては意味がありません。それは浅瀬で息継ぎをしているが如し。安心して観ていられます。これでは響きません。自殺に至る人は、深い海の底に身を沈めてしまった人。息継ぎをあきらめてしまった人。その人たちの心を動かすには、やはり同じように潜らないとダメだと思うのです。暗闇を潜り抜けないと、本当の希望は見えてきません。樹海の中にまで助けにきてくれる金融屋など、現実にははいないのです。自殺した人間を慮って、酒を飲み交わしてくれる赤の他人なんて存在しないのです。現実は現実として受け止めること。それがこのテーマを扱う上での覚悟だと考えます。「死ぬな」という言葉なら、誰でも言えます。問題はその想いが相手に届くかどうか。樹海の立て看板では心に響かなくとも、映画なら、より強いメッセージ送れるのではないかと。
[DVD(邦画)] 6点(2007-08-29 18:05:19)
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