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よしのぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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541.  つみきのいえ 《ネタバレ》 
町全体が海に沈んでおり、海面がどんどん上昇しているようです。船で物資が届けられるので、人間社会は崩壊してなさそう。おじいさんは家族との思い出を大切にしながら余生を送りたいので、あの家を敢えて離れないのですね。というか町全体に愛着があるようです。子供時代から住んでいるふるさとだから。そして愛する妻との恋愛の思い出もある。幼馴染というところが泣かせますね。生涯一度の恋を貫いた理想的な人生だったのですが、老後は悲劇的です。それにしてもまあ、奇妙な生活ぶりで、悪くいえば偏執的傾向のあるご老人ですね。これは言い過ぎでしょうか。長年の孤独がご老人をそうさせたと解釈しましょう。■海面が上昇するに従って、上階に改築を重ねていったのでしょうか?であれば床下にドアがある奇妙な構造の説明がつきますが。しかし階下には家族の思い出が詰まっています。海面上昇に遭いながらも、何十年かは一緒に住んでいたのかもしれません。家族が水禍で亡くなってしまったと考えれば、老人の気持ちもさらに理解できようというものです。ご老人はあの家で死を迎えるつもりですね。心は家族との思い出に水没しながら。思い出にふけること以外に何の楽しみもないご老体を見るのはつらいです。最後は前向きに生きる姿を見たかったのは無いものねだりでしょうか。希望がないアニメに思えてしかたありません。■地球温暖化へのメッセージが込められいるという意見があります。たぶんそうでしょう。町全体が徐々に海底に沈むことは歴史上稀有なことですから。老人は人類を恨んでいるのかもしれません。それでさらに孤独が増した考えれば、よけい同情しますよ。■「汚れなき子供」向けのアニメを「汚れある大人」が鑑賞すればこんな感想が出てきます。ああ、わが心の中の汚れの海面も上昇しているようです。子供のときに観たかった。
[DVD(邦画)] 6点(2010-03-04 12:16:17)
542.  モモ 《ネタバレ》 
冒険・幻想部分が少なくファンタジーとしては物足らない。悪者がさほど悪そうではなく、哀れにおもえてきました。ホラ先生のいる時間の国の描写に華がないですね。美的センスが欠如しているというか、やっつけ仕事でしょう。時間の国に限らず、全てのセットが安っぽく、舞台の芝居を見ているよう。セットが変わるごとに時間がとぎれとぎれになってしまっているようで、ファンタジーに没頭できません。芝居もヘタですね。ジジはスターになるのですが、コンサートの様子もありません。手抜きです。人々の話をよく聞いて心を癒す不思議な少女モモの魅力もあまり伝わってきません。子供が見ても、モモと遊びたいとか、モモに話を聞いてもらいたいとはさほど思わないでしょう。演出がまずいですね。一方で、時間泥棒、時間貯蓄銀行、時間の花、時間の花を氷らす、時間の花で葉巻を作る、などの概念は斬新で面白いですね。ゆっくり歩けば速く移動する通路や、後ろ向きに歩かないと進めない通路などもひねりが効いていて面白い。亀のカシオペイアが想像以上に活躍するのには脱帽です。哲学的な内容を含んでおり、原作の勝利です。原作も理屈っぽくて少々退屈なのですが、映画ではその部分を映像の力で面白く描写すべきでした。監督の才能の無さを感じます。それはともかく、スローライフを理想と考えている人にとっては見ておくべき映画です。
[DVD(字幕)] 6点(2010-03-01 13:43:46)
543.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 
導入部は秀逸。冒険家マンツにあこがれる少年と少女が出会い、気球での冒険を夢見る。二人は成長し、結婚。二人で家をリフォームする。壁も椅子も郵便受けも思い出がつまっている。赤子を望んだが、授かることができず、妻は消沈。妻を励ますため夫は冒険を計画するが、頓挫、やがて老境に達し、妻は亡くなってしまう。老人は妻との夢を果たすため、風船の家で冒険に出かける。ここでは「家」がキーワード。少女は、アジトを幻の滝の近くにおくのが夢だった。大人になってからもそれを壁に描いた。だから老人は家が壊されるのに耐えられず、どうしても家を滝にまで運びたかったのだ。だがここからは失速。よくしゃべるデブキャラ少年はかわいげがない。犬が機械を通してとはいえ、しゃべったり、料理をしたり、戦闘機に乗って銃を撃ったりは無理がある。マンツは二人のあこがれだったのに、悪人だったのでは設定が台無しであり、エリーの夢を壊してしまっている。悪人はマンツの成功を横取りしようとする連中などに設定すればよかっただろう。超高齢者が敵では楽しめないし、彼の狂気も理解しがたい。幻の滝への冒険のはずが、幻の鳥の奪い合いとなり、殺し合いとなる展開にはついていけない。戦いも老人らしくソフトで知恵を利用したものにすべきだった。サブストーリーは老人と少年が理解しあうこと。老人にとって家がすべてだったのに、少年を救うために家を手放す。「たかが家だ」の言葉は重い。このあたりの表現はうまい。ただ老人は風船売りだったのに、子供嫌いの偏屈キャラになっているのはどうしたことか。少年は両親が離婚して、心に傷を抱えている。それをまぎらわずためにボーイスカウトの勲章集めに精を出す。少年が鳥に対して特別に感情移入するのは、鳥が子育てしているからだろう。自分の家族とだぶらせているのだ。このあたりはうまく表現できていない。少年が無邪気すぎるのだ。無口で不良っぽいキャラにすればすっきりしただろう。最後に二人は理解しあい、無事帰還し、疑似家族になるのだが、さほどハッピーエンドとも思えない。彼らの幸せが小じんまりとしすぎているから、カタルシスを得ることができない。二人は、冒険家として有名になったくらいにしてほしかった。実際に幻の動物の化石がたくさんあるマンツの飛行船を探し出してきたのだから。老人は妻の思い出よりも大切なものを見つけ出すことができたのだろうか?
[映画館(字幕)] 6点(2010-02-24 18:46:47)(良:1票)
544.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
人間ドラマに注目してみた。粉川刑事は、不安神経症で悩み、サイコセラピーマシンによる治療を試みる。彼の夢は映画監督になること。友人がいて一緒に映画を作り、将来の夢を語り合った。だが友人は夭折し、彼も挫折、刑事になった。そのせいで映画が嫌いになる。犯人を取り逃がしたことと、夢を失ったことのトラウマがある。夢の中でパプリカを助ける英雄を演じたことでトラウマは消えた。犯人を捕らえ、映画も観れるようになった。これをサポートする千葉(パプリカ)、時田(天才)、所長、氷室はどうだろうか?彼らの人間ドラマはあまり描かれていない。千葉と時田が結ばれるのがオチだが、その伏線がほとんどないので唐突感がある。所長のキャラが定まらない。しっかりしているようで、しっかりしていない。いてもいなくてもいいのだ。氷室は抜け殻である。一方敵はどうか?大ボスの理事長のトラウマは何か?年老いて、歩けないだけしか描かれていない。大妄想の持ち主で、夢と現実の世界を支配しようという野望のある人物にはみえない。描きこみが足りない。アシスタントの小山内は、科学者として時田の足元に及ばないことと、好きな千葉から軽んじられていることがトラウマとなっている。それで理事長に操られるようになった。これは分かりやすい。DCミニのシステムが分かりにくいのは欠点だ。夢を他人と共有できるというのはいいが、アナフェラキシー効果で現実の中に夢が侵入してくるとか、ネットからも夢に入れるとか、複雑すぎないか?というか、やりすぎではないか?千葉とその分身であるパプリカが同時に存在するのをどう説明する?それに夢と現実の境界が曖昧になりすぎて、現在そこにある危機が認識できない。どうせ夢だろうと思うと引いてしまう。美しい夢ならしばらくの間浸っていたいと思うが、ビル街を人形やロボットがごちゃごちゃ行進するような殺伐とした夢では、早く終わってくれと願うだけ。オイディプス、人魚、孫悟空、ピノキオ、ターザン、みんな借りてきたキャラで薄っぺらい。だから映画として重みに欠ける。現実世界で、理事長と小山内はどうなったのか?粉川はどうやって犯人を逮捕したのか?千葉と時田の恋愛の成就する瞬間は?意識不明だった氷室は?多くがおいてきぼりのまま残される。これでは夢オチにも等しい内容。描き込みが凄いのは評価できる。
[DVD(邦画)] 6点(2009-11-09 07:51:33)
545.  アビス/完全版 《ネタバレ》 
海底エイリアンとの遭遇は取ってつけたようなもので、メインは、おバカ軍人の核弾頭に対する異常な行動とロシア人がいると勘違いしている海底への核攻撃の後始末。全くありえない話で、物語にのめり込めない。後半から海上の人間の様子が全く映らなくなり、ドラマに深みがない。サイド・ストーリーの離婚危機にある中年夫婦が愛を取り戻す話は、人間が描けてなく薄っぺら。「脚本入門」に書かれてあるような典型的な話で、退屈だ。クライマックスはいくつかある。最初は嵐でクレーンが落下する場面。次にリンジーが仮死状態から蘇生するところ。そしてバッドが深海に潜り、核弾頭処理をするところ。四つ目は海底エイリアンの都市に入るところ。五つ目は津波の場面。最後に海底都市が浮上する場面。いろいろありすぎて散漫になっている。エイリアンとのコンタクトに焦点を絞るならば愚かな軍人などいらないのだ。エイリアンの立場で考えてみる。彼らは人間が核実験するのに対して怒り、戦争を繰り返す人間性に失望した。そして原子力潜水艦を襲い、沈没させた。さらに嵐を起こし、核回収作業を邪魔した。最後に大津波を発生させたが、これは人類への警告の意味で、途中で止めた。止めたのはバッドとリンジーの愛のやり取りに感動し、人類を見直したから。彼らの本質は愛のようだ。だはなぜ潜水艦を襲ったのか?核弾頭を始末しないのか?謎が残る。影像はそこそこ見せるのだが、主題が古くて、陳腐で、どうしようもない。感動させるものがないのだ。リンジーが蘇生するところは心動かされるが、それは人間の命が戻ることへの感動であり、映画の感動ではない。バッドの自己犠牲も、深海3000メートルの核弾頭を解除する意味がよくわからないので、感動できない。放っておいてさして問題ではないだろう。危機に瀕しているとは思えないのだ。リンジーのキャラが魅力的ではないのも欠点。彼女がもっと超人的な活躍をしたり、夫を奇跡的に助けるのであればよくなっただろう。彼女は、わざわざ嵐の中をやって来た意味のだから、それなりに活躍の場がほしかった。観客は、主人公が悪党を懲らしめたり、危機から脱出するのに感動するわけで、愚かな行為の知り拭いや意味不明の核処理などには感動はしない。それにエド・ハリスの恋愛を誰が見たいか?冒険ものとしても、アクションものとしても失格。アビス(深淵)からは浮き上がれない映画だ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-08 02:55:37)
546.  きみがぼくを見つけた日 《ネタバレ》 
ヘンリーとクレアの恋愛物語。ヘンリーは5歳のとき、母の運転する自動車がクラッシュする寸前に瞬間移動する。初めてのタイム・トラベル(以下TT)である。母は死亡。本能が危険を感じたときにTTするのかと思ったが、関係なかった。ヘンリーの前に未来からやってきた本人が出現し、いつか理解できる時がくるからと励まし消える。TTは自分の意思に関係なく、ある日ある時ある場所に勝手に移動していまう病気のようなもの。ただ自分に重要な場面に飛ぶ傾向があるらしい。母は歌手で死ぬ前にも歌ってくれた。またヘンリーの娘も歌えばTTを管理できるようなことを言っていた。だが歌は何の伏線でもなかった。こういう無駄な部分が目立つ。ヘンリーとその胎児、娘たちにはTT能力がある。時間遺伝子を持つからだ。ではヘンリーの父はどうか?たびたび登場するが、その人物像は描かれない。ヘンリーがTTで苦しんでいるのは父が一番理解しているはず。父子の関係を濃厚に描けば、人間ドラマに厚みが増しただろう。又未来からやってきた娘のアドバイスでケンドリック博士に診断を依頼するが、結局何の役にも立たない。無駄キャラである。ロトナンバーを覚えて財を成すのも観客の反発を買うだけ。クレアは6歳でTTしてきたヘンリーと会う。同時代に二人はいるのだがクレアが18歳くらいになるまで会わない。二人は結婚するが、TTの妻としてはストレスも多い。子供ができても胎児がTTして流産。悪趣味である。夫がパイプカットしても別の夫がTTしてきて妊娠。掟破りである。TTものとしては美しくないのだ。自分の死期が迫っており、そのことを未来の娘から聞く。とすれば何とか回避できそうなものだが、期待はずれに終る。死んでも別の夫がTTして出現。何でもありである。節操がなさすぎではないか?夫婦と未来の子とが協力しあって、問題や困難に打ち勝つような展開にすべきだった。ヘンリーは常になすすべがなく、逃げ回るだけで、それでは観客は手に汗を握らないのだ。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 02:22:51)(笑:1票)
547.  エスター 《ネタバレ》 
最初にケイト(母)の死産のシーンがあるのですが、そのあと悪夢とつながっていて、どこまでが本当が分かりませんでした。それから池でマックス(聴覚障害の少女)を溺れさせたことがあるとかなんとか…、アルコール依存症の原因とか、よくわかりませんでした。死産したのが悪夢を見るようになった原因を推測します。いずれによせ母は精神が不安定でカウンセリングも受けている。それで解決策が養子をもらうというのもよく分かりません。子供が二人もいるのに、死んだ子への愛情を養子に捧げたいなんて心理があるんでしょうか?精神が不安定な母親に子育ては難しいのですが。そしてエスター登場。最初から怪しさ全開。悪魔のような子ですが、オチはあれです。子供にしては頭が良かったり、絵がうまかったり、ピアノが弾けたり、古いものが好きだったり、残虐だったり、などの謎が全てが説明できます。その点では矛盾はありません。よくいちゃつく夫婦で、しまいには台所で○○してしまいます。意味がないなあと思っていたのですが、これは伏線でした。楳図かずおの「洗礼」のような展開になります。この部分はホラー映画の中でも新しいのではないでしょうか。ただ全体を通じて怖くないです。怖がらせ方が中途半端。少女をもっと悪魔的に描かないとだめでしょう。残虐性は抑えつつ、より狡猾な手口で周囲を恐怖のどん底に落しこんでもらいたかったです。祖母はいるのに物語にはからまなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 01:33:54)(良:2票)
548.  猫の恩返し 《ネタバレ》 
ハルは高校生。学校を遅刻してツイてない一日。帰りに小箱をくわえた猫を救う。それが猫の王子だったために、贈り物をもらう。ねずみ、猫じゃらしなど有難くないものばかり。片思いの町田君は彼女と歩いている。落ち込んでいると、猫の国に招待される。王子の嫁になれとも。断る間もなく使者は消える。どこからか声が。「猫の事務所を訪ねなさい」訪ねると男爵猫バロン、ブタ猫ムタ、カラスのトトがいた。「猫の国はまやかし。自分の時間を生きられない者が行くところ」と警告を受ける。そこへ使者が来て、無理やり猫の国へ。猫に変身してしまい。花嫁にされそうになるが、バロンとムタが助けてくれる。危機になると白猫が脱出口を教えてくれた。迷路を抜け、塔に登るが、猫の王により、塔は半崩壊。そこに猫の王子登場。ハルではなく、白猫を嫁にすると宣言。小箱は花嫁へのプレゼントだった。白猫はハルが子供時代に助けた猫と判明。こちらの方が本当の猫の恩返し。猫の国に長く留まると帰れなくなってしまう。やっとのことで塔の上の出口に出たが、そこは現実世界の空の上。三人で墜落するが、トトが仲間のカラスと共に助けてくれた。無事に帰還。早起きし、朝食を作る毎日。町田君も気にしなくなった。成長したのだ。問題点:①猫の国が良いのか、悪いのか分からないまま進む。②危機感がない。白猫はかつて人間だったが戻れなくなったという設定なら良かった。③危機感がないので、脱出できても喜びがない。④脱出するのに他力本願。自力で苦労しながら頑張る姿がない。⑤頑張ってないので、成長もあまりみられない。⑥「自分の時間が生きられる」というテーマが見えてこない。もし宮崎駿が監督をしていたら、最後のカラスの螺旋階段を降りるシーンなどは、華やかな一大スペクトルとなり、大きな感動をもって見れたことでしょう。作画上の欠点は、キャラの表情や動きにタメや誇張がないので、のめり込めないこど。宮崎アニメのキャラがどれほど活き活きしているか、見直して勉強してほしいです。そして良い作品を作ることが、宮崎監督への恩返しでしょう。
[DVD(邦画)] 6点(2009-10-12 16:49:44)
549.  プリティ・ウーマン 《ネタバレ》 
お金持ちの青年企業買収家と娼婦が知り合って、変わってゆく物語。男は離婚後、恋人と同棲していたが、別れる。母を冷淡に扱った父を許せず、父の会社を買収して乗っ取り、復讐する。その後は冷酷な買収家として名を馳す。父母は既に亡く、天涯孤独。酒、煙草、ドラッグはやらない真面目人間である。女は男を追ってロスまで来た。いろんな仕事をしたが家賃が払えず、娼婦に身を落す。それでもビジネスと割り切り、誇りは失わない。コンドーム装着、口にキスしない、ドラッグはやらない。一歩のところで転落しそうな人生から留まっている。「お金のためなら割り切れる」のが二人の共通点。ビジネスとして女を雇う。男は女に自由に服を買わせるが、これはビジネスのためでもある。男は不器用で、女を喜ばせるのにお金を使うことしか知らない。食事、酒、乗馬、飛行機、オペラ、ポロ見学など。男に反感を持った女は去ろうとする。だがお金を置いていった女の真意を知った男が引き止める。男は女を対等のパートナーとして認めだす。彼女の明るくて、自由奔放な姿を見て、癒され、心を開き、身の上話をし、失っていた人間らしさ感情を取り戻す。それで企業買収をやめ、共同経営者としての道を選ぶ。女も男の優しさに触れ、レディとして振舞ううちに、本来の自分を思い出してゆく。女は男を愛し、口にキスする。が、彼に愛人になってくれと頼まれると失望して去る決意をする。田舎に戻り、仕事を見つけ、学校に入り直すのだ。男も去ろうとするが、ふとしたことで、女を心から愛していることに気づき、彼女を迎えに行く。抱き合う二人。「王子が塔を登って王女を助けたあとどうなる?」と聞く男に女は「She rescued him right back」と答える。二人の立場は対等なのだ。男が一方的に女に金を与えて、女を美しくする物語ではないし、娼婦がお金持ちと結婚するだけの玉の輿物語でもない。二人が出会って、お互い成長し、自分らしさを取り戻す物語。支配人とホテルのボーイがいい味を出していた。最初の方で、金持ちのプレイボーイと下品な娼婦とに見せた演出がうまい。実際はストイックな二人だから成立する物語でした。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-09 09:36:50)(良:1票)
550.  スミス都へ行く 《ネタバレ》 
ジェームズ・スチュワートが若いのに驚きました!古い映画なので、よくわからないところがありますね。子供が議事堂で働いていたり、上院議員の秘書が一人だけだったり、議員が記者を殴っても問題にならなかったり、テイラーという一人の人間が全国のマスコミを牛耳れるのかとか、失われた大儀とは何とか。ラジオはそれなりに事実を放送していたようですが…。最初知事が上院議員後任にミラーの名前を出すと委員たちはテイラーの手下はだめだと猛反対する場面がありましたね。テイラーに反対する勢力も相当あるわけです。ところが後半では全員がテイラーの味方で、全然整合性がとれてない気がします。そもそも不正の内容がはっきりしない。建築予定のダム周辺の土地を買収しているのですが、それだけ?地味ですね。ダムは必要なものなの?テイラーの会社がダム建設を請け負うの?スミスの提案したキャンプ場とダムの土地がバッティングすることで事が動き出すのですが、キャンプ場の場所を変えればいいだけでは?ダム法案の審議はほぼ終了しているので、スミスもそれに反対はしないでしょう。反対しても多数決で押せるはずです。テイラーが何を慌てたのか、スミスを呼びつけて、子飼いにしようとするからややこしくなりました。スミスの汚職のでっちですが、あれは無理。買ってもない土地を買ったことにするのは無茶です。土地売買の日のスミスのアリバイはすぐ証明されるでしょう。大金ですから、お金のないスミスには無理ですね。あと細かいことですが、議会を放り出して、デート優先というのもどうかと。「純朴な青年が政治の不正を暴く」という構図はいいのですが、詰めが甘い印象です。 また自分で不正を見つけたり、闘争方法を考えるのではなく、すべて秘書に依存しきっているところが減点。演説がうまいだけじゃ、物足りません。知恵を見せて欲しかったです。鳩が出てきたとき、ぜったいに何かの伏線だと予想したのですがね。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-06 22:12:07)
551.  雨の朝巴里に死す 《ネタバレ》 
フィッツジェラルドの短編小説「バビロン再訪」が原作。長く続いた戦争が終り、勝利に酔いしれる巴里。長く抑圧されてきた反動で、民衆の欲望が噴き出て、享楽を肯定するような時代がしばらく続く。これが時代背景。従軍記者チャーリーは、終戦の日美女ヘレンと会い、たちまち恋に落ちる。ヘレンは学校を放校になるなど奔放な性格。「戦争はもういや。毎日が最後の日と思って楽しく生きたいの。最後の日だけの人生。でも本当の最後の日は訪れなくていい」彼女の人生観である。二人は結婚して子供にも恵まれる。が、共に浪費家で、チャーリーは金策に苦労する。彼は通信社に勤めながら、小説をいくつか書き上げるが出版にまで至らない。そんなとき、ヘレンの父の土地から石油が出て金持ちになる。ヘレンは夜な夜な遊び呆ける一方で、彼は小説に専念する。ヘレンは夫の才能を信じて応援してくれるが、やはり出版されない。自分の才能にヤケを起こし、享楽に溺れるてゆくチャーリー。酒、カーレース、浮気で浪費される日々。ヘレンもテニス選手と不倫の関係に。愛しあいながらもすれ違う二人。ある日のパーティで二人は諍いをし、チャーリーは先に帰り、玄関に鍵をかけ酔って寝てしまう。ヘレンは家に入れず、雨に濡れて妹の家に行くが、病気になってしまう。やがて娘を夫に託して逝去。チャーリーは娘を妹夫婦に預け、アメリカに帰る。二年後作家として成功し、巴里を再訪。娘を引き取ろうとするが、義妹が許さない。義妹は姉を見殺しにし、自分の愛も受け入れてくれなかった彼を憎んでいるのだ。だが夫に諭され、彼に娘を引き合わせる。抱き合う父と娘。人生の崩壊寸前に追い込まれながら、何とか踏みとどまり、人間らしい生活を取り戻せた男の物語。二人の放蕩ぶりが中途半端にしか描かれていないので、底の浅い人生ドラマになってしまっている。二人の空虚感、疎外感、絶望感が深ければ深いほど、悲劇が盛り上がり、そこから立ち直ったときのカタルシスが大きいのだ。元来山師的な義父を物分りがよく陽気な性格にしたのも失敗の原因だろう。奇妙に明るい家庭に見えてしまうのだ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-05 07:17:50)(良:1票)
552.  若草物語(1949) 《ネタバレ》 
明治元年に書かれたオルコット女史の自伝的作品。作中の次女ジョーが作者。父不在の家で、母と四姉妹が貧しいながらも愛情に満ち、幸せに暮らす様子がみずみずしく描かれる。クリスマスに自分たちの欲しいものを買ったが、母親のみなりのみすぼらしいのを見て、母へのプレゼントに替える。年に一度の豪華な朝食を赤ん坊が生まれたばかりの貧しい家にわけてあげる。継ぎ当てのドレスで隣人ローレンスとこっそり踊る舞踏会。ローレンス老と四女ベスの年齢を越えた友情。ジョーは大切な髪を売って、母が父の入院先に行く旅費を作る。ベスは貧しい家の赤ん坊の看病をして猩紅熱にかかる。O・ヘンリーの「賢者の贈り物」のような心温まるエピソードが続きます。が、恋愛になると話は別。長女メグの恋愛は、一目ぼれのブルックの愛を受け入れるだけの定型。エイミーに至っては恋愛部分を全てカット、ヨーロッパでローレンスと結婚して戻ってきます。ジョーはローレンスと友情を育んでいましたが、その愛は拒みます。彼女は作家になりたいという情熱を持ち続けていましたが、それを理解してもらえないと悟ったから。傷心のまま、作家修行を兼ねてニューヨークへ家庭教師の仕事に就きます。そこで価値観を同じくするベアと知り合い、創作上の助言を受けたりしながら、清い愛を育みます。が、ベスの容態が悪化し、看病の為、帰省。最愛の妹ベスは亡くなります。ここが最大の泣かせどころなのですが、割愛されてます。ジョーはベアの助言に従い、大衆に媚びずに自分の本当に書きたいことを書いた本「わたしのベス」を仕上げます。エイミーとローレンスがヨーロッパから帰宅した日、ベスが出版した「わたしのベス」を持って現れます。著者に知らせずに勝手に出版していいんでしょうか。それはともかくハッピーエンドです。父親が戻ってきたにも関わらずほとんど出番がなく、違和感あり。前半は四人がバランス良く描かれていますが、後半は完全にジョー中心で、一貫性を欠きます。ジョーは長女の結婚に大反対でしたが、いつの間にか喜んでます。その経緯が不透明。原作と三女と四女が入れ替わっていますが、それは幼い容姿の四女が結婚するのは不自然だから。原作では数年経ちますが、映画では1年くらいです。後半にアラの目立つ脚本です。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-04 19:06:46)(良:1票)
553.  愛と追憶の日々 《ネタバレ》 
どこにでもある平凡な家庭の母と娘の愛情物語。だが、それがテーマと分かったのが開始1時間も経ってから。エマは赤ん坊から結婚まで一足飛び。スカートがまくれてパンツが見えていたり、結婚前日にマリファナ吸ってはしゃぐ姿が強烈で、おバカキャラとしか思えず、旦那と不和になろうが、エマが浮気しようが、病気になろうが感情移入できませんでした。旦那はいい人なんですが、オーロラには嫌われる。オーロラは娘を奪われたくなかったのでしょうか。いずれにせよ、二人っきりの母と娘の間に溝が出来、それが埋まったり、広がったりの展開。エマの子供たちはいつも悲しそうな顔。両親が不和の家庭の子供は不幸そのものです。興味深いのはオーロラの恋。五十路女の恋なんて想像もしていませんでしたが、隣人の宇宙飛行士ギャレットのぶっ飛びキャラが見ていて楽しい。砂浜でクレージーな車の運転シーンや、空港での風変わりな愛の告白など印象に残ります。平凡な家庭に持ち込まれた”非日常”。最大の見所ではないでしょうか。シャーリーもチャーミングでした。後半、エマが難病にかかってからは悲劇的要素が強くなります。前半のコメディっぽい展開から、まさか亡くなると思ってなかったのでびっくり。亡くなったからといってすべてが丸く収まったわけではなさそうです。子供は母を許してません。旦那は子供をオーロラに託し、生徒とロマンスを楽しむのでしょう。オーロラとギャレットは結婚で、ここはOK。エマに浮気をさせたのは脚本の最大の失敗。弱い女を演出したかったのでしょうが、旦那の浮気を責める資格がなくなり、子供たちに対する言動にも説得力が失われます。「母の恋」はいいですが、「母の浮気」はNGでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-04 10:29:57)
554.  ヒッチコックの ファミリー・プロット 《ネタバレ》 
ジョージ(タクシー運転手)とブランチ(ニセ霊媒師)<以下GB>、アーサー(宝石商)とフラン<以下AF>の二組のストーリーが途中から交差する構成。GBはおまぬけで下品、完全にコメディ路線。AFは誘拐犯で殺人も辞さないシリアス路線。最後までかみ合わないままで終わってしまった印象がある。アーサーは成功した宝石商なので、犯罪に手を染めているのが不自然。GBがエディ(アーサー)を探すのは遺産相続のためなので、いい話。それなのに命を狙われたりするので、落ち着かない。ちぐはぐなのだ。そこを狙ったとしたらかなり高度なユーモアだ。一層AFもコメディ路線にすれば楽しさが盛り上がったのに。エディが育ての両親を殺したという設定のせいで、重くなりすぎた。おまけにその理由も不明のまま。誘拐の方法など、どこかとぼけた味わいがあるだけに惜しい。マロニーはがさつな殺人鬼で、事故死してしまう。これも重い。アーサーは実はエディというネタばれはもっと引っ張ってもよかった。ブランチのキャラがとてもチャーミングなので、彼女を中心に構成しなおせばよいリメイクが作れると思う。ブランチがサーサーを探して尋ね歩くところはキレがあった。「あなたは山羊座ね」「しし座よ」「だと思ったわ」の会話がツボでした。GBを隠し部屋に閉じ込める方法も大うけ。ラストでブランチが宝石のありかを見つけますが、その説明がつかないですね。シャンデリアがゆれて偶然落ちてきたほうがまだ納得。GBらしいオチになります。やはり映画は脚本が命ということを再確認。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-23 12:46:39)
555.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 
ここでの歌詞は詩ではなく台詞。日常会話にメロディをつけただけ。ちょっとぞんざいな印象を受けました。で、踊らないんですね。歌も吹き替えだし。オペラの手法に近いわけですね。でストーリーですが、「ギルなしでは生きられない」と言っていた16歳のジェヌ。愛する人の子供をみごもり、まずはめでたしと思っていたら、出産前に別の男と結婚するという怒涛の展開へ。なぜ!なぜ!なぜ!たった9ヶ月も待てないの。男は戦場で死にそうな目にあっているというのに。とても切ないです。「太陽と死が一緒だった」戦場の様子が描かれてないので、女性に同情が集まるのでしょうね。男は不利だ。二人の間に誤解があったわけではないのに。結局、お金のためですか…。女なら愛に生きてほしかったです。カサールはジュヌをろくに知りもしないのに「理想的な女性」などといって結婚を申し込む。妊娠を知っても「僕達の子にしよう」などと平然。どんな性格?カサールは失恋の痛手を知っているのだから、ここは援助だけして、身を引きましょう。帰還したギルの心は荒み、仕事は辞めるわ、娼婦に手を出すわで大変。でも叔母の遺産とマドレーヌの献身のおかげで立ち直る。叔母の遺産というところが安易すぎますが。で、数年後の再会へ。ここはよかったですよ。「元気だったかい?」「ええ」「子供に会う?」「いや」ほんの短いやりとりの中に、数奇な運命をたどった二人の押し隠した心情が思いやられてじーんと来ました。二人とも世間並みに家庭を持ち「不幸ではない」が、もしもあのときという思いが心を去ることはない。でもこの再会で少しはふっきれたことでしょう。余韻の残る東洋的な結末で、感心しました。どうでもいいけど気になったこと:傘店なのに傘がおどろくほど少ない。病床の老いた叔母までが歌わなくてもいいのに。最初の方で二人が歩いてなくて台車に乗って移動するシーンがあったけど、ばればれ。ギルのアパートの壁ぼろすぎ。ジュヌのアパートの壁紙はあんなにきれいないのに。あの娘は大きくなったら本当の父親に会いたくなるんでしょうね。そのときは会ってあげてください。もうひとつの「雨傘(保護者)」として。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-21 01:40:51)
556.  アフリカの女王 《ネタバレ》 
脚本はよく出来てます。中年の牧師の妹が、飲んだくれのおんぼろ汽船の船長と、不可能と言われる激流くだりをなしとげ、魚雷で敵国ドイツ軍の砲艦ルイザを撃沈する。途中、あまたの障害、苦難に遭遇し、それに格闘し、打ち勝つうちに二人は恋に陥る。最後は失敗に終わったと思わせておいて、どんでん返しが待っています。障害の多彩さは見事です。小説なら最後まで退屈せず、楽しく読めたと思います。リメイクすれば、そこそこのヒットが見込める作品です。で、映画ですが。まず砲艦ルイザが小さくてがっかりしました。ドイツ人をお人よしのように描いたのは逆効果。あくまでも「巨悪に立ち向かう正義の二人」という路線を貫くべきでしょう。お人よしのドイツ人の乗る小さなルイザを爆発させても、カタルシスは得られません。オルナットのキャラですが、もっと酷い荒くれ男にすればより面白くなりました。女に従順すぎるのが欠点です。大好きなお酒を勝手に捨てられて、怒ることもできないんじゃ、だめ人間です。不可能な作戦にはもっと逆らいましょう。わがままで傲慢、まるで言うことの聞かない男を女がどうやってその気にさせるか、そこが見所になる筈です。ローズは敬虔なクリスチャンで、か弱い中年淑女ですが、死の激流下りを恐れるどころか、楽しむという勝気のところがあります。そのアンバランスが魅力なのですが、勝気さが中途半端にしか描かれず、感情移入しにくいです。いっそうのこと、ローズが冒険を通じて、自分らしさと自由を取り戻す「自分探しの旅」にすればよかったのです。ローズの心の成長をもっと見たかったです。それにしても牧師さん、あんなことで死ぬなんて…。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-11 02:37:53)
557.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 《ネタバレ》 
TV版のリメイクですね。TV版と同じカットが多く、いくらなんでも、こりゃなぞりすぎでしょう。「エヴァ」から「ヱヴァ」へ新生されるべきなのだから。志がとても低いと思いましたよ。冒険しなさすぎです。ただCGを取り入れたことにより、映像のクオリティは格段に上がっており、そのままアニメ技術の進歩を見る思いです。使途のデザインや動きも秀逸、演出のタメやカット割のキレも光ります。これらがプラス要因です。さてエヴァの物語には3つの要素があります。1.シンジの成長物語。2.使途との戦闘。3.人類補完計画という謎の裏作戦。中でも1がはずせません。これがこの物語の最大の特徴となっているからです。「ヒーローもののアニメで少年の内面の葛藤を描く」のは画期的なことです。この部分、使途ラミエルがTV版に比較して大幅に変形したように、ダイナミックに進化して描いてもらいたいものです。主要登場人物は両親の愛情を知らずに育ちました。故に生きるのに不器用で、自分を愛せず、社会との絆を知りません。それが最後には愛や友情にめざめ、自分探しの旅が完結します(あくまで予想)。そのところを丁寧に描いてもらえると、傑作に仕上がると思います。「序」では、シンジとレイの絆が生まれましたね。父親をなじるシンジをレイが殴りました。あそこから二人の感情が動きはじめました。最後の「こんなときどんな顔をすればいいのか知らないの」「笑えばいいと思うよ」と微笑む場面はとてもよかってです。ところで、両親の愛情を知らない子供というのは、監督の生育歴・人生観に関係しているのでしょうか?ちょっと気になりますね。
[DVD(邦画)] 6点(2009-09-03 20:33:19)
558.  G.I.ジョー(2009) 《ネタバレ》 
武器や戦闘アクションシーンが好きな人向きの映画。善悪がはっきりと分かれていて、とてもわかりやすい。簡単に敵の基地がわかって、もぐりこめたりします。武器も自分で作っておいて、それをわざわざ盗むとか、チープ感満載です。そーいえば、ライバルをほめただけの理由で自分の武道の先生を殺す少年とかでてきて、完全にお子様向けの作品ですね。ナノテクを使ったユニークな武器が登場しますが、中途半端で終わります。どの場面をとっても緊張感がないんですね。CGが満載なのだが、残念ながら質は高くありません。カーチェイスはパワードスーツの人間が活躍しますから、少しは楽しめました。いまだに日本と中国の違いを理解できないハリウッドを確認するにはうってつけの作品です。あ、そうだ、最後がよくわからなかったですね。「戦いはまだ始まったばかりだ」と追い詰められた悪役がいいますが、ナンバーのついた部屋が現れ、閉じ込められます。あれは独房なのでしょうか。それにしても、あの悪人、大統領になりすまして何をしでかすことやら。知能の低いことに決まってますがね。次作は見る必要なさそうです。
[映画館(字幕)] 6点(2009-09-01 00:53:38)
559.  ノウイング 《ネタバレ》 
最初に魅力的な謎が提示される。その正体が明らかになるにつれ、人類滅亡という壮大なスケールの物語であることがわかる。最後は地球はフレアに飲み込まれ、全生物は滅亡。心優しい宇宙人がノアの箱舟的発想で、選別した人類を宇宙船で連れ去ってゆく。飛行機、地下鉄、フレアのCGは迫力があった。多方面からのカットを小気味よくスイッチし、ほどよい時間に編集されており、見るものを飽きさせません。この監督の次回作も観たいと思いました。さて、この手の映画の評価は、鑑賞後ストーリーを検証してみて、納得できるかどうかにかかっています。1.少女は予言の数値を受け取ります。最初は意味がわかりませんが、やがてその意味を知ります。それなら、彼女の正しいことは簡単に証明されるはずです。何しろ全部あたるんですから。世界中から注目されること必至です。2.宇宙人は未来を知っており、全知全能に近い存在。でも何度か子供達をさらうのに失敗していますね。わざと?4.宇宙人が予言のメッセージを送った意図は何か。テレパシー能力があるかを判断するため?未来を知ってるなら、誰を連れていくかもわかるはずですが。5.ジョンと息子、ジョンと父の関係はうまくいっていません。その関係が修復されるのがサブストーリーですが、上っ面だけの修復で、失敗しています。5.あの黒い石はどういう意味があったのか?6.ケレイブ(息子)も取り付かれたように数字を殴り書く場面がありました。あれは何の数字だったのか?未来はほとんど残ってないのです。7.女先生が、まだ数字を書いている少女の紙を、時間だといって、無理に取り上げますね。あんなことしないでしょ。8.飛行機と地下鉄の事故がありますが、あれに家族をからめればよかったですね。悲劇性が高まります。自己犠牲の要素も取り入れるべきでした。9.ルシンダは何故、ベットの裏にメッセージを書いたの?10.ルシンダはどうして娘の死ぬ日を予言できたんだろうか?娘にそれを伝えた理由は?11.ねえ、宇宙人ってフレア止められないの?12.宇宙人は何故間際になって人類を連れていくのだろう。もっと何年か前から計画的にやったほうがいいのでは?
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-04 03:47:28)(良:2票)
560.  一番美しく 《ネタバレ》 
昭和18年、14歳以上未婚女性を対象に勤労奉仕団体である女子挺身隊が創設。昭和19年には年齢が12歳に引き下げられ、強制動員となる。徴用期間は1年ほど。女学生も動員され、授業はほとんどなかった。多くは寮生活をしながら工場に通い、ときに3交代の過酷な勤務もあった。勤労奉仕といってもちゃんと給与は出た。昭和19年には既に食事事情が悪かったが、映画では省略されている。本土空襲が本格化する前のため、防空服や防空頭巾の着用はない。まだ国家としての威厳が保てており、ほとんどの国民が戦争の勝利を信じていた。女優を実際のニコン工場で働かせており、ドキュメンタリーとしては大変貴重で、そのぶん娯楽性は薄い。映画に出てくるスローガンや歌詞から軍需増産(戦意高揚)のための国策映画であることは明らか。人物の人間性はさほど表現されておらず、軍国主義の模範的な言動に終始する。イヤな人物は一人も登場せず、理想化されている。今日の観点から見れば、滑稽なほど生真面目だ。ただ当時の人はこの映画をみて素直に感動したと思う。そういう教育(洗脳)を受けていたこともあるが、感情移入する要素がふんだんに盛り込まれており、後の黒沢映画の豊穣さを予感させてくれる。映像も美しい。「一番美しく」は、自我を捨て、身を国家に尽す姿こそが最も美しいという意味だろうか。だが、一番美しい少女時代を犠牲にし、国のために捧げる彼女らの姿を憐憫のまなざしで表現しているともとれる。監督は戦後すぐに「わが青春に悔なし」という反戦映画を作っていることから、戦争には反対であっただろう。黒沢監督はただ映画を愛し、ひたすら映画に打ち込んできた、その結果がこの映画。当時は国策に準ずる内容でなければ、製作が許可されなかった事情を考慮すべきだろう。映画としての出来を云々するより、後に有名になる黒沢監督の手により、すぐれたセミドキュメンタリー風の映画が残されたことに感謝すべきなのかもしれない。    
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-02 23:51:20)
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