561. PROSPECT プロスペクト
《ネタバレ》 舞台は、地球から遠く離れた銀河の片隅に浮かぶ小さな星、グリーン・ムーン。そこにとある親子がオンボロ宇宙船でやって来るところから物語は始まる。目的は、この星に眠る貴重な鉱物資源を採取すること。貧しい生活から抜け出すために、父と娘はなんとしてもこの星から大量の鉱物を掘り出し定期的に運航する巡行船へと素早く戻らなければならなかった。だが、この星には同じく一獲千金を夢見る荒くれ者たちがすでに乗り込んでいた。すぐに彼らと遭遇した親子は一触即発の事態に陥ってしまうのだが……。辺境の小さな惑星で繰り広げられる、欲望に目がくらんだならず者たちの醜い争いを独自の世界観の中に描き出すSFスリラー。明らかに低予算で撮られただろうそんな本作なのですが、それを逆手に取って昔懐かしいレトロな味わいのあるB級SF作品に仕上げたのはいいアイデアだと思います。この星へと不時着する宇宙船内も何故か無重力でなく、しかも主人公親子が普通に家で過ごしてるようなジャージ姿なのもチープで逆に良い。そして船外へと出た彼らが着る宇宙服や携行する銃などが全部、まるで60年代70年代に大量に撮られたB級SFちっくな造形なのも逆に新鮮でした。ただ、肝心の内容の方は正直物足りない。先に述べた先行作品で何度も見たようなストーリーやアイデアをなぞっているだけで、この作品ならではという独自のものがないんですよね、これ。低予算ならなおのこと、新しいアイデアで勝負してほしかった。それに夜間に展開されるクライマックスが終始画面が暗くずっと見辛かったのもマイナスポイント。透明な箱に入れられた謎の囚人などけっこういいアイテムだと思うのですが、ストーリー的に充分活かされていたとは到底言い難い。レトロな世界観はけっこう作り込まれていただけに、もう少しオリジナリティある内容で勝負してほしかったところですね。惜しい! [DVD(字幕)] 5点(2020-01-27 01:27:21) |
562. アガサ・クリスティー ねじれた家
《ネタバレ》 アガサ・クリスティ原作で送る、とある大富豪一家の年老いた家長殺害事件の真相を巡るクラシカルなミステリー。原作のことは全然知りませんが、とにかくストーリーが分かりづらくて仕方ない映画でしたね、これ。登場人物がたくさん出てくるんですが、彼らの血縁関係が非常にこんぐらがってて物凄く分かりづらい!これが小説だときっと相関関係図みたいなのが付いていて分かりやすく整理されてるんでしょうが、これは映画なのでそこらへんもっと配慮してほしかったところ。肝心のことの真相も分かってみればそれほど驚きもなく、後味悪いラストとも相俟って、率直な感想を述べさせてもらうと「なんか面白くない映画観たなぁ」って感じでした。すんません、3点で。 [DVD(字幕)] 3点(2020-01-24 02:33:35) |
563. レベル16 服従の少女たち
《ネタバレ》 舞台は何処とも知れぬ場所にある、とある施設。そこでは何人もの少女たちが収容され、完全に外界と隔離された生活を送っていた。施設の責任者によって私生活は厳重に管理され、食事も就寝も決められた時間に取らされることを義務付けられた彼女たち。さらには一日に一回、ビタミン剤と称された謎の薬を呑むことを強要され、美容クリームで顔のスキンケアを怠らないことが最も重要な義務とされていた。もし怠ると、彼女たちは責任者によってきつい罰を受けることになるのだった――。幼いころからずっとこの施設で過ごしてきたヴィヴィアンは明日、晴れてレベル16に進むことが決まり、浮足立っていた。何故ならこのレベル16こそがこの施設での最後の段階であり、このレベルをクリアできれば、明日にも何処か裕福な家へと養子に貰ってくれることになるからだ。だが、同じクラスの女の子によってヴィヴィアンはこの施設に隠された衝撃の真実を知ってしまう……。謎の施設に隔離された少女たちの青春と葛藤を繊細に描き出す新感覚SFスリラー。明らかに低予算で撮られたであろうそんな本作、なんとなく気になったので今回鑑賞してみました。確かに、不穏な空気感に満ちたこの施設の怪しげな雰囲気はよく表現できていたと思います。レベル16まで進みながらも言いようのない違和感に苦しむ主人公ヴィヴィアンを演じた女の子もなかなかに魅力的で大変グッド。ただ、なんだか全体的に惜しいんですよね、これ。低予算だから仕方ないのは分かりますが、画面が全体的に小汚いんですよ。こういう設定の映画ってやはりこの施設の非日常感って物凄く大事だと思うんですけど、すごく所帯染みてると言いますか、完全に隔離されているという感じが全然しない。ここらへん、もう少し頑張って欲しかった。あと、脚本に突っ込みどころが多いのも如何なものか。完璧に管理されたというわりには、けっこう主人公自由に行動できてますし、何よりカードキーで厳重に管理された扉をネジ抜いて開けるというのはリアリティがなさ過ぎます。あと、これは個人的な感想なのですが、もう少しこの少女たちの百合的要素と言いますか、友情以上恋人未満な禁断の花園的な感じを醸し出しても良かったのでは?まあこれは完全に僕の趣味ですけど(笑)。うーん、雰囲気や世界観はけっこう好みだっただけに、なんとも惜しい作品でありました。 [DVD(字幕)] 5点(2020-01-24 02:19:26) |
564. アナと世界の終わり
《ネタバレ》 彼女の名は、アナ。何処にでもいるような平凡な女子高生だ。数年前に母親を亡くしてから過保護な父親の鬱陶しい過干渉に頭を悩ませ、なんとなく付き合っている冴えない彼氏にも不満爆発、頭の固い学校の校長先生なんて早く死んじゃえばいいと思っている。唯一の希望は、高校を卒業してから旅立つ予定のオーストラリア一周ヒッチハイク旅。そんな彼女が迎えた高校生活最後のクリスマス。だけど、アナは自分でも分かっている。今日もきっと退屈な一日が始まるはずだということを――。だがその日、爆発しそうなエネルギーを何故か歌にして発散していたアナが目にしたのは、ゾンビに支配された世界の終わりの光景だった!原因不明のウイルスによって生ける屍が大量発生した世界を、アナとその仲間たちは持ち前の若いエネルギーと歌だけを武器に乗り越えようとするのだが……。ゾンビ・パニックと青春ミュージカルの奇跡の融合というアイデア一発勝負のそんな本作、「どうせ、イロものなんじゃろ」と大して期待せずに今回鑑賞してみました。なんですけど、え、意外にも僕はけっこう面白かったんですけど、これ。キラキラと輝くようなアナのミュージカルな日常に血みどろゾンビが同居するというマジカル・ポップなこの世界観は個人的にめっちゃツボでした。顔に返り血をつけたままクリスマスツリーの飾りの杖を武器に戦うアナをはじめ、彼女の仲間たちもそれぞれにキャラが立ってるのも大変グッド。あのクリスマスツリーのセーター(スイッチ入れたらイルミネーションつく!笑)を着たアナの彼氏の絶妙のダサさ具合いなんて思わず笑っちゃいました。他にもレズビアンな女の子やマッチョな元カレもみんな個性的で、彼らがそれぞれの方法でゾンビと戦うシーンもテンポが良くて普通に楽しい。全体を通して適度にグロく、適度にシニカル、そして適度にポップ。この絶妙な匙加減なんて監督、なかなかいいセンスしてるんじゃないですかね。そして後半はゾンビ映画としてちゃんと(?)仲間たちが次々犠牲になってゆくのもセオリー通りでいい。お互いゾンビに噛まれたリア充カップルがキスしながら最期を迎えようとするシーンなんてけっこう切なかったですし。後半になるにつれ、どんどんとぶっ壊れてゆく悪役の校長先生もナイスな仕事してます。そして、最後までミュージカルとしてそれぞれの楽曲のクオリティが下がらないのも普通に凄いと思います。うん、賛否両論あるみたいですけど僕はけっこう面白かった。8点! [DVD(字幕)] 8点(2020-01-22 00:33:45) |
565. グリーンブック
《ネタバレ》 天才的な技術で名声を欲しいままにしながらもその偏屈な性格が災いし孤独な生活を送る黒人ピアニストドクター・シャーリー、ガサツで口の悪いチンピラとして様々な職を転々としながらも根っからの人の良さから家族や友人たちには恵まれたイタリア系用心棒トニー。そんな正反対の二人がひょんなことから相棒となり、まだ黒人への偏見が根強く残る60年代アメリカの南部を巡るコンサート・ツアーへと出ることに――。最初は反発し合っていた二人だったが、様々な経験を経るうちにいつしか強い友情が芽生え始めるのだったが……。実話を基に描かれたという本作、アカデミー作品賞の栄誉に輝いたということで今回鑑賞してみました。確かにベタではありますが、なかなか完成度の高い良品であったと思います。人種差別の問題をことさら強調するわけでもなく、あくまでこの二人の友情に焦点を当てたロードムービーとして描いているところがいい。何よりトニーの手紙だとかケンタッキーフライドチキンなどと言った一つ一つのエピソードの扱い方が抜群に巧い!物語の進行とともに彼らにどんどんと感情移入している自分が居ました。特に警察署に拘留され窮地に陥った彼らが、一本の電話によって警察と立場が逆転するところなんてなかなかのカタルシス(電話の相手はまさかのあの人!)。そして、公然と黒人客を拒否するレストランや仕立て屋、警察の不当な偏見などという人種差別問題にもさりげなく言及するその手腕の鮮やかさも見事。全編を彩るピアノの楽曲がどれも素晴らしいクオリティなのも聴いていて心地いいですね。二人の旅路が終わるころにはなんだか自分もほっこりといい気分になれました。あまりにもオーソドックス過ぎて若干物足りなく感じる部分もなきにしもあらずですが、充実した映画体験をさせていただきました。うん、7点! [DVD(字幕)] 7点(2020-01-21 23:18:55)(良:2票) |
566. ウトヤ島、7月22日
《ネタバレ》 2011年、7月22日金曜日。ノルウェーの保養地ウトヤ島において、銃乱射事件が発生。警察に扮装した犯人は、当時開催されていた労働党青年部のキャンプ参加者をただ黙々と襲い続けた。72分間にも及ぶ凶行の結果、77名もの尊い命が奪われることになった。本作はその実際にあったテロ事件を背景に、ただ現地に居たというだけで悲劇に巻き込まれた若者たちを描いたものである。何より特徴的なのは、実際の犯行時間と同じ72分間、ひたすらワンカット編集なしの映像が続くところだろう。ある一定の臨場感と緊迫感を生み出すことに成功している。だがこれは僕の個人的な感想だが、本作の見るべきところはそれぐらいしかないのではないか。何処にでもいるような若者たちがただひたすら逃げ惑う映像が延々と続き、肝心の犯人の姿は一瞬画面に出てくる程度、あとはずっとパーンパーンという銃声が機械的に鳴り響くだけ。このワンカット映像をいったい何度撮り直したのかは分からないが、構成も物語展開も非常に稚拙。初めてこのキャンプ場で知り合ったという学生と将来の夢をひたすらだらだらと語り合ったり、中盤に出ていた少年が最後唐突に何の脈絡もなく死体になっていたりと伏線も起承転結も何もあったもんじゃない。同じくワンカットで撮った作品に日本の『カメラをとめるな』があるが、あちらは緻密に考え抜かれた構成でしかも四度も撮り直したと聞く。対して本作、どうにも行き当たりばったりでカメラを廻しただけのようにしか思えず、物語としては底が浅いと言わざるを得ない。誤解を恐れずに言えば、一編の物語としてただ単純につまらないのだ。実際に起こった悲劇を基にするのなら、何より優れた物語に昇華させるのが表現者としての最低限の礼儀――被害者や遺族に対して――ではなかろうか。最後のテロップによるとこれは監督の完全なる創作とあり、それならばより表現者としての覚悟が必要になると思うのだが、この監督にそれはあったのだろうか。事件の被害者を利用した、この監督の売名行為のようにさえ思えて僕には不快感しか残らない作品であった。 [DVD(字幕)] 4点(2020-01-21 02:47:09) |
567. アリータ:バトル・エンジェル
《ネタバレ》 26世紀の荒廃した未来社会を舞台に、鉄くずの中から拾われたサイボーグ少女“アリータ”の恋と成長、そして世界の存亡を賭けた闘いを壮大なスケールで描いたSFアクション。日本のコミックを原作に、ロバート・ロドリゲスが監督、そしてジェームズ・キャメロンが制作を務めたという本作、けっこう期待して今回鑑賞してみました。結果は……、「うーん、なんか微妙~」ってのが正直な感想です。華奢な身体で屈強な男どもとガンガン戦う大きな瞳のアリータはもちろん魅力的だったし、殺伐としたサイバーパンクな世界観もけっこう好みだし、何より進化した未来社会を緻密に再現した驚異のビジュアル・エフェクトなんて観ているだけで心がワクワクしちゃいます。特に中盤、アップグレードしたハンター相手に苦戦を強いられ、闘うたびに四肢や下半身が欠損してゆき、最後は上半身だけになりながらもまだ戦意を失わないアリータに思わず胸キュンしちゃった僕はヤバいんでしょうか(笑)。でもね~、さすがにこの脚本はしっちゃかめっちゃか過ぎるっしょ。命を狙うハンターたちとの攻防やらかつての敵が遺したバトルボディやらアリータの出生の秘密だとか彼女を救った博士の過去だとか、さらにはアリータの切ない初恋物語だとかいくら何でもエピソードを詰め込み過ぎ!そしてここまで取っ散らかったストーリーをどう締めるのかと思ったら、いつの間にかローラーボールもどきのリアル・マリオカートみたいな競技に参加しててそこで優勝目指して頑張るってなんですのん、それ。見るべきところはたくさんあっただけに、もう少し脚本を練って欲しかった。続編に期待しときます。 [DVD(字幕)] 5点(2020-01-19 00:21:33) |
568. ヒトラーの忘れもの
《ネタバレ》 1945年、デンマーク。降伏したナチス・ドイツは、この国の広大な海岸線に何万もの地雷を埋めたまま敗走。連合軍の上陸を阻止するため海岸の砂浜に大量に埋設されたそれを完全に除去するには、多大な労力を要することは明白だった。復興を担うデンマーク軍が目を付けたのは、捕虜となったナチスの少年兵たち。「これから三か月、真面目に作業に従事すれば無事に国へと帰してやる」――。選択の余地などないドイツの少年兵たちは、碌に食べるものもない劣悪な環境下で、ただただ死と隣り合わせの作業に従事してゆく。降り注ぐ太陽の元で何時間にもわたって地雷を捜し出し、その信管を抜く作業。少しでも手順を間違えれば手足は吹っ飛び、下手をすれば即死と言う最悪の事態に。ぎりぎりの状況下で、少年たちは黙々と地雷を処理してゆくのだが……。第二次大戦直後のデンマークで起こった、そんな歴史的事実を背景に少年たちの過酷な真実を描いたヒューマン・ドラマ。アカデミー外国語映画賞にノミネートされたということで今回鑑賞してみました。舞台となるのはただひたすら美しい景色が続くのどかな砂浜、だがそこで地雷除去と言う作業に従事する少年兵たちからしたら地獄としか言いようがなく、このギャップが彼らの悲愴感をより際立たせているのがなんとも切ない。先の見えない精密作業に徐々に神経を擦り減らしていく彼らの姿には、ただただ胸を衝かれるばかりでした。体調を崩しているのに作業を休ませてもらえず、ちょっとしたミスから両手を失ってしまった少年が「家に帰りたい!」と泣き叫ぶ声が今も頭から放れそうにありません。歴史の闇に埋もれていた事実の重みに言葉を失ってしまいます。ただ、一本の映画として観ると少々物足りなさを感じたのも事実。あまりにも淡々と物語が進行していき、しかも主人公となる少年たちの各々の個性や背景が充分に描かれていないせいでうまく感情移入が出来ないのです。食料調達に困り家畜の餌にまで手を付けていた彼らの食糧事情がその後どうなったのかをあやふやのまま、物語を進めていくのも如何なものか。「小説の神は細部に宿る」とはあるベテラン作家の言葉ですが、これはそのまま映画にも当てはまると思います。もう少し彼らのドラマを丁寧に描いてほしかった。最後の取って付けたようなハッピーエンドなんて、僕には無理やり話を終わらせるためのものにしか感じません。少年たちの過酷な任務は物凄い緊張感に満ちていただけに、肝心のドラマ部分がなんとも惜しい作品でありました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-01-11 23:53:27) |
569. マーシャル 法廷を変えた男
《ネタバレ》 1941年、アメリカ南部の保守的な田舎町で起こった、貧しい黒人男性による裕福な白人女性レイプ事件。社会に衝撃を与えたこの事件に弁護士として関わることになるのは、「全米黒人地位向上委員会」で当時唯一の弁護士だったサーグッド・マーシャルだった。まだまだ根強く残る黒人への差別感情と戦うために、マーシャルは身重の妻を残して現地へと旅立つ。だが、事件を担当することになった判事は、彼が他州で弁護士登録をしていたため被告の主任弁護士となることを認めなかった。仕方なく彼が取った方法、それは現地で手伝いだけをする予定だった民事専門の弁護士フリードマンを担当弁護士として祭り上げること――。波風立てず順調に出世コースに乗ることだけを心掛けていたフリードマンは、降ってわいた事態に混乱するばかり。だが、裁判が始まり、黒人たちが置かれたこの国の現状を知ってゆくと、彼の心情にも変化が訪れ……。のちに黒人初の最高裁判事にまで昇りつめた弁護士サーグッド・マーシャルの文字通り法廷を変えた事件を描いた法廷サスペンス。実話を基にしたという本作、綿密な取材と時代考証、役者たちのナチュラルな演技、そして何より黒人たちが受けてきた不当な差別にスポットライトを当てる社会性等によって、なかなか見応えのあるドラマに仕上がっていたと思います。重いテーマを扱いながらも、一貫して変わらない軽妙洒脱な演出やお洒落でブルージーな音楽とによって非常に観やすく創っているのにも好感持てました。黒人と白人、方や正義感に燃える敏腕弁護士、方や平凡に生きていたいだけの小市民弁護士と、まったく正反対の二人にいつしか芽生える友情という弁護士版バディものとも言うべきストーリーも分かりやすくてグッド。ただ、良くも悪くも本作は実話を基にした作品。肝心の法廷劇の方は、正直微妙と言うほかありません。黒人が犯した白人女性レイプ殺人未遂と言う凶悪事件の真相がドラマの最大の焦点となるのですが、最終的に明かされることの真相が「え、結局それだけのことやったんかい!」と言わざるを得ない凡庸なものでした。まあそれが事実だと言われればそれまでかも知れませんが、もう少しドラマティックな見せ方をとっても良かったのでは。法廷劇としてはちょっぴり物足りなさの残る作品でありました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-01-09 03:06:23) |
570. リンクル・イン・タイム
《ネタバレ》 宇宙の彼方に消えた父親を追って、五次元世界を旅する少年少女を描いた冒険ファンタジー。あのディズニーが制作、なかなかお金が掛かっていそうな内容と何気に豪華な役者陣共演なのに世間では全然話題となっていなかった本作、どんなもんじゃろと今回鑑賞してみました。結果は……、え、これって本当にディズニー制作なんですか?どこかの新興宗教の勧誘ビデオかと思ったぞ。ひたすら続くスピリチュアルな展開と、やたらと愛を強調する説教臭いストーリーに終始あくびが止まらなかったんですけど!それにビジュアル・センスもダサすぎます!なんなんですか、この原色を多用した気持ちの悪い世界観は。こんなに早く終わってくれと思いながら観た映画も久しぶりでした。あと、おばさんたちのコスプレ七変化は見ていて痛々しいからやめてください(笑)。 [DVD(字幕)] 2点(2020-01-06 22:00:19) |
571. ダーク・クライム
《ネタバレ》 警察署で捜査資料や証拠品の管理を担当する事務員、タデック。かつて現場で殺人や強盗などの凶悪事件を担当する花形刑事だったものの、不祥事から今は現在の職場に左遷されてしまったのだ。そんな鬱屈した日々を過ごしていたある日、彼は過去に未解決に終わった警官殺し事件の新たな証拠とも言える映像を入手する。見終わって、彼はある直感を得るのだった。とある雑居ビルの地下にあった違法風俗クラブに足しげく通っていた、過激な作風で知られる作家コズロフこそが真犯人なのではないか――。再び現役へと返り咲くため、タデックは強引に捜査を再開する。コズロフ本人はもちろんのこと、彼の元妻へも執拗に事情聴取を行い、彼の著書や違法風俗クラブに残された映像を何度も見返すタデック。だが、そんな彼にかつて事件を担当し今や警察長官となった男から、あからさまな妨害工作を受けるようになり……。果たしてタデックは無事に事件を解決することはできるのか?現代社会の闇に潜むおぞましい犯罪を重厚に描いたクライム・サスペンス。人気俳優ジム・キャリーが久々に主演を果たしたという本作、なかなか面白そうだったので今回鑑賞してみました。冒頭から繰り返される、秘密セックス・クラブ内での怪しげでエロティックな映像はなかなかにスキャンダラスで摑みはばっちりでした。その後もこのこってり濃厚な映像と、観れば観るほど気が滅入るような陰鬱なストーリー展開は見応え充分。何処か『セブン』を髣髴とさせるこの重厚な世界観(あ、それはさすがに言い過ぎか笑)はけっこう自分好みでした。コメディ要素を封印し、あくまでシリアスに徹した髭もじゃジム・キャリーもけっこう嵌まっていたと思います。ただ、ストーリー展開がわりかし単純で一本調子なのが本作の弱点。もう少しひねりが欲しかったですね。あまりにも似たような映像と展開が続くもんだから、一時間も過ぎるとさすがにダレてきちゃいます。全編に漂う、このダークな雰囲気はなかなか良かっただけに、ちょっと物足りない作品でありました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-01-06 21:46:36) |
572. THE GUILTY ギルティ(2018)
《ネタバレ》 「私の名は、イーベン。今、元夫の車に拉致され何処かへと向かっている。私、このままじゃ殺される、お願い、助けて」――。ある日、緊急通報センターに掛かってきた、そんな一本の電話。通報を受けたのは、少し前にここに配属されたばかりのオペレーター、アスガーだった。追い詰められたような彼女の口調に緊急性の高い案件であると直感した彼は、すぐさま警察と連携を取り、発信元である高速道路にパトカーを向かわせる。だが、正確な位置も車両ナンバーも分からないため、パトカーはその車を発見することは出来なかった。事態は一刻の猶予もないと判断したアスガーは、携帯の登録情報を元に彼女の実家へと電話を掛けてみる。電話に出たのは、イーベンの長男である幼い子供だった。詳しく話を訊いてみても、血だらけの自分のママが父親に連れ去られたと泣き叫ぶだけ。どう考えても異常な事態。居ても立ってもいられなくなったアスガーは、警察とは別に独自の行動を取るのだが……。緊急通報センターの狭い一室を舞台に、拉致監禁事件へと巻き込まれた一人の女性を救うために孤軍奮闘するオペレーターの姿を描いたサスペンス。登場人物はほぼ主人公であるこのオペレーター一人のみ、あとは電話の向こうにいる幾人かの人々とのやり取りのみで描くという挑戦的なスタイルで描かれた本作、これがなかなか緊迫感に溢れたサスペンス・ドラマの佳品に仕上がっていたと思います。同じような設定の作品はすでにハル・ベリー主演の過去作にあったのですが、あちらは設定こそ秀逸だったものの後半はかなり残念な仕上がりになっていたことを思うと、本作の後半の展開はけっこう考え抜かれていて素直に面白かったですね。何より、驚愕の展開を見せるクライマックスはこちらの予想を遥かに上回ってきました。「まさか、そう来るか」という感じです。そこに主人公の過去に起こした罪を絡めてくるところなんかも巧い。こんなにも地味でこんなにもお金が掛かっていないのに、ここまで面白いドラマを創れるんですから、この監督の才能はなかなかのものなんじゃないかと思います。まあここまでオペレーターが好き勝手に電話できるのかという脚本の突っ込みどころはありますが、それも僕的には許容範囲内。ハリウッド・リメイクも決定したということで、今からそちらも楽しみな逸品でありました。 [DVD(字幕)] 7点(2020-01-06 01:46:57) |
573. レプリカズ
《ネタバレ》 愛する家族を救うために禁断の技術に手を出してしまう科学者を描いたSF・スリラー。交通事故により最愛の家族を四人とも一瞬で失ってしまった科学者。哀しみに暮れる彼は、自らの専門分野である最先端のクローン技術を駆使してなんとしてもそんな家族を再生させようとするのだが……。主演を務めるのは人気俳優キアヌ・リーヴス。SF版『ペット・セメタリー』と言った趣きの作品なのですが、これがなんか全体的に残念な映画でありました。そう、アイデアは凄くいいんですよ、これ。失われた家族は四人、でもクローンを作る機械は三つしかない。主人公は仕方なく一番下の娘を居なかったものとして、彼女の記憶を全員から消去して再生させる。復活した家族とともに今までと同じ生活を営もうとする主人公、でも家族は拭いきれない違和感を感じはじめ……なんてすんごく面白くなりそうな設定じゃないですか。でも、残念ながら本作はそうはならない。きっと脚本が練られていないせいで突っ込みどころが満載なせいでしょう。「そこ、もっと丁寧に描くべきでしょー」や「え、そこをもっと膨らませてくださいよ」ってところが多すぎて、いまいち盛り上がらないままだらだらと終わってしまいました。例えば、自分たちが再生されたクローンであるという事実を終盤まで秘密にしておいて、それまでの平穏な生活に徐々に違和感を感じ始める妻の視線で描くとかしたら、絶対もっと面白くなっただろうに(家の中に残された手掛かりを辿っていくと、実は自分が忘れてしまった末の娘が居た!なんて終盤で判明したら、絶対観客の度肝を抜けたはずなのにね)。と、素材は凄く良かっただけに、なんとも勿体ない作品でありました。 [DVD(字幕)] 4点(2020-01-05 00:51:28)(良:1票) |
574. 彼の見つめる先に
《ネタバレ》 ブラジルに暮らす生まれつき目の見えない青年の恋と成長を何気ない日常の中に描いた青春ドラマ。確かにこの全編に漂う品のいい空気感は、なかなかいいセンスしてると思います。主人公を取り巻く少年少女たちも等身大の魅力に溢れていて、彼らが悩み足掻きながらなんとか現状を打破しようとする姿は見ていて微笑ましくなりますね。そして、主人公である青年。目が見えないながらも必死で自立しようと、アメリカ留学を立案したり両親と喧嘩したりと奮闘するところは素直に好感持てました。自らが男しか愛せないと自覚しそんな自分を受け入れて成長してゆく彼と、そんな彼への淡い恋心にもがく親友の女の子との関係性も凄く繊細に詩情豊かに描かれていて大変グッド。あまりにもオーソドックス過ぎて若干物足りなくもありますが、監督の瑞々しいセンスが光る青春ドラマの佳作と言っていいでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2020-01-04 01:00:49) |
575. マローボーン家の掟
《ネタバレ》 「成人になるまでは屋敷を離れてはならない」「鏡を覗いてはならない」「屋根裏部屋に近づいてはならない」「血で汚された箱に触れてはならない」「“何か”に見つかったら砦に避難しなくてはならない」――。自らに課した、そんな五つの掟を守りながら、慎ましやかに暮らしているマローボーン家の四人兄妹。イギリスからアメリカ郊外の山の中に佇む古びた洋館に越してきた彼らは極力外部との接触を断ち、恐ろしい何かから身を隠すように静かに暮らしていた。そんな折、持ち上がった館の相続問題。期日までに親権者である母親のサインがなければ、兄妹は離れ離れになってしまう。だが、彼らの母親はアメリカへの旅路で体力を使い果たし、帰らぬ人になっていた。何とかして事態を打開しようともがく兄妹たち。同じころ、末の弟が館の中で不穏な何かを目にするようになり……。果たしてこの館に隠された驚くべき真実とは?どうして彼らは鏡を覗いてはならないのか?そして、兄妹は無事に成人になる日を迎えることが出来るのか?古びた洋館でひっそりと暮らすマローボーン家の兄妹を襲う、そんな数々の不穏な出来事をダークに描いたゴシック・ホラー。制作を務めるのは同じくゴシック・ホラーの傑作『永遠のこどもたち』を撮った、J・A・バヨナ。いかにも彼らしい不穏な空気に満ちた、なかなか見応えのある作品に仕上がっておりました。取り敢えず、「何か裏がある」というのは冒頭から分かるのですが、観客を導くミスリードの仕方が抜群に巧く、最後まで全く気が抜けません。ことの真相は途中で半分くらいまでは予想できるものの、完全には分かりませんでした。この屋根裏の〇〇は〇〇で実は〇〇ていたというのは何とか予想できたものの、〇〇たちは実は〇〇の〇〇だったとは……って決定的なネタバレを避けるあまりもはや検閲文書みたいになってしまいましたが(笑)。それはさておき、普通にホラー映画としてかなり高い水準に達しているのが素直に素晴らしい。館の中に居る何かが徐々に兄妹たちを追い詰めていく描写の禍々しさといったらない。最後までずっと不安感が拭い切れないのはいいホラーの証ですね。そして、最後は切なく哀しい余韻を残してくれるのもこの監督ならでは。なかなか完成度の高いゴシック・ホラーの良品でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2020-01-03 04:01:07) |
576. アメリカン・アニマルズ
《ネタバレ》 2004年12月16日木曜日、その日ケンタッキー州立トランシルヴァニア大学の図書館に、老人に変装した四人の若者たちが向かった。目的は、19世紀に出版された、オーデュボン著『アメリカの鳥類』初版本をはじめとする幾つもの希少本を強奪すること。闇のブローカーに売り渡せば、それだけで1000万ドルもの大金を得ることが出来るのだ。『レザボア・ドッグス』や『オーシャンズ11』など幾つもの犯罪映画を参考に綿密に計画を練った彼らは、人生を賭けた一大勝負を決行する。だが、完璧だったはずの彼らの計画は初っ端からつまずき、次から次へと問題が発生することに。やがて、仲間割れや些細な裏切りから彼らの計画はどんどんと破綻してゆくのだった……。実話を基に、そんなずさんな犯罪によって人生を狂わせてしまった四人の若者たちを描いたクライム・サスペンス。本作の新しい点は、その強奪計画を実行した元犯罪者たち本人が登場し、彼らの当時の回想を随所に差し挟みながらストーリーを紡いでゆくところにある。リアリティをより強調する効果ももちろんあるのだが、それ以上に彼らの後悔と悔恨の念が痛いほど伝わってきて、「いったい何故に彼らはこんな、成功する確率がほぼゼロに近いような計画を実行に移してしまったのだろう」という率直な疑問が観客の好奇心を駆り立てる効果を生んでいる。なかなか考えられた、優れたアイデアだ。でも、映画の中の当時の彼らは誰もがこの計画は成功すると信じ切っているのが観ていて痛々しい。一度は中止したものの、彼らは次の日再び実行に移しているのだから愚かとしか言いようがない。そして、肝心の決行の日。当然のように次から次へと計画は綻びを見せはじめ、本を持って逃走を図ろうとするシーンなど滅茶苦茶すぎてもはや目も当てられない。映画の前半で彼らが妄想の中でスマートに計画を実行するシーンとのギャップが激しすぎて、思わず笑ってしまった。タランティーノよろしく、お互いを色のニックネームで呼び合うところなんてもはや馬鹿としか言いようがない。でも、若気の至りと言ってしまえばそれまでだが、青春って多かれ少なかれみんなこんなもんなんじゃないだろうか。やらないで後悔するよりやって後悔する方がいいなんて何かの歌の歌詞ではないが、彼らを単なる馬鹿と切って捨てられないのが本作の巧いところ。決して真似したくはないが、それでもこの無謀な若さは若干羨ましくもある。この先の人生の総てを、この一日に懸けた彼らのひりひりするような緊張感はそれでも本物だったし、これもまた一つの青春の形なのだ。今までにないタイプのクライム・ドラマとしてなかなか見応えのある逸品であった。 [DVD(字幕)] 8点(2020-01-03 02:33:31)(良:1票) |
577. REDCON-1 レッドコン-1 戦闘最大警戒レベル
《ネタバレ》 謎のウィルス蔓延により、凶悪なゾンビが大発生したイギリス社会。発生源となった街の一画は軍によって隔離され、そこではゾンビと取り残された人間たちが日夜熾烈な争いを続けていた。そんな危険な地へとある日、各国より選抜された特殊部隊が送り込まれる。目的は、この地に取り残されたウィルス開発者である科学者を見つけ出し、生きたまま帰還させること。そう、彼こそが人類存亡の危機を救う希望の光だったのだ――。生ける屍たちに支配された絶望的な世界で、人類の存亡を懸けた極秘任務を担う兵士たちの決死のサバイバルを描いたゾンビ・アクション。そんないかにもB級感満載の本作、あまり期待せずに今回鑑賞してみたのですが、これがまあ何処にも新しいところのない、よくある凡庸なゾンビものでした。とにかくストーリーが一本調子で何の捻りもなく、ただひたすら退屈。けっこうお金がかかっていそうな映像も全体的にダサく、出てくる登場人物がどいつもこいつも魅力に乏しいのもマイナス・ポイント。あのアジア系の兵士が何故か常に日本刀を持っているのも寒い。また、やたらと無理やり感動に持っていこうとするストーリーも見ていて痛々しい限りです。結論。ヒマでヒマで仕方ないならまだしも、わざわざ時間を割いてまで観るもんではありませんでした。 [DVD(字幕)] 3点(2020-01-01 19:55:16) |
578. キラーズ・セッション
《ネタバレ》 キラー・アノニマス――。それは生まれついての殺人鬼たちがマンションの一室に集まり、互いの経験や悩みを全て話し合うことで更生を図るという秘密の共助組織だ。心の中の暗い衝動を抑えきれない生来の殺人者たちは、今夜も秘密のセッションを行うため椅子を並べ始める。ところがその日、アメリカの次期大統領候補が狙撃されるという大事件が発生、街はほぼ戒厳令とも言える物々しい雰囲気に包まれていた。そして偶然にもこの日に初参加することになった新人殺人者。だが、メンバーの一人が彼女こそその暗殺未遂事件に関与しているのではないかと疑問を抱き始める。次第に疑心暗鬼に包まれ、不穏な空気が漂い始めるマンションの一室。近くのマンションの屋上で全てを見守る謎の男も加わって、事態は意外な方向へと転がり始める。果たして殺人者たちは無事にこのセッションをやり遂げることが出来るのか?猟奇殺人鬼たちのグループ・セラピーというエキセントリックな設定で描かれるクライム・サスペンス。ジェシカ・アルバ&ゲイリー・オールドマン共演ということで今回鑑賞してみましたが、これがまあ酷い出来の作品でした。明らかにタランティーノを意識して撮られたであろう作品なのですが、正直完成度としては雲泥の差。奇を衒っただけの意味不明な設定に何が言いたいのかさっぱり分からないストーリー、魅力に乏しい登場人物がひたすら議論する中盤なんか眠いったらありゃしない。むちゃくちゃしてやるぜと言わんばかりのクライマックスなんて、監督の独り善がりもいいところ。どうしてこんな程度の低い作品に、名優オールドマンが出ているのかさっぱり理解不能です。率直な結論を述べさせてもらうと、観るだけ時間の無駄の凡作というほかありません。 [DVD(字幕)] 2点(2020-01-01 01:14:32) |
579. ペイシェント・セブン
《ネタバレ》 舞台はアメリカ郊外に佇む、とある精神科病院。重度の患者のみが収容されるという閉鎖病棟に、高名な精神科医が診察にやってくるところから物語は始まる。新しい著書の取材のために、ここに収容されている七人の重症患者たちのインタビューを行いたいというのだ。さっそく彼に指定された患者たちが一人ずつ連れてこられることに。ビデオカメラの前で自らの経験を語り始める、様々な病を抱えた精神病患者たち。その内容は、どれもにわかには信じがたい驚くべきものだった……。とある精神科病棟で語られる患者たち驚愕の回想を次々と描きだすサスペンス・ホラー。一応、一本の映画という体裁は取っていますが、これは幾つもの短編を集めたオムニバス・ホラーと言っていいと思います。患者たちの回想という形式で描かれるそれぞれのお話も、サイコ・スリラーからゾンビもの、悪霊憑きやヴァンパイアとバラエティ豊かで見ていて飽きさせません。まあ逆に統一感がないと言われるかも知れませんけどね。以下それぞれのお話の感想。①妄想に支配された母親に襲われる娘のお話。母親が妄想で見る怪物がけっこう気持ち悪くてグッド。②ハロウィンの夜に死体を持って歩きまわる猟奇殺人鬼のお話。殺人鬼の冷酷さと周りの浮かれキャラとのギャップが面白い。③ゾンビに支配された街で出会った男女のお話。女を助けた理由が実はゾンビ化した彼女の餌にするためだったというオチはありがち。④シャベルが欲しい女の子のお話。あらゆる方法でシャベルを手に入れようとする理由が…、いまいちよく分からない。⑤悪魔に取り憑かれた女の子のお話。主人公姉妹が可愛い。⑥社会に潜伏する吸血鬼を密かに退治するヴァンパイアハンターのお話。この中二病感が痛々しい。⑦またもやゾンビに支配された世界で逃避行をする親子のお話。率直に言ってありがち。んで、最後の大オチは主人公の精神科医も実は長年収監されていた患者だったという、これまたありがちなもの。と、まあそれぞれのお話自体は、何処かで何度も見たようなよくある話ばかりなのですが、全体的にそこそこ演出のキレもよく、映像もそこそこセンスあるんで最後まで普通に見ていられます。総評。暇潰しに観る分には、ぼちぼち楽しめるんじゃないでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2020-01-01 01:01:24) |
580. スパイダーマン:スパイダーバース
《ネタバレ》 映像は文句なしに素晴らしかったです!!でも、肝心のストーリーの方がしっちゃかめっちゃか過ぎてついていけませんでした!! [DVD(字幕)] 6点(2019-12-30 21:36:01) |