41. 切腹
《ネタバレ》 重苦しい雰囲気の中、重苦しい会話の受け渡し、しかも恐ろしいくらい暗い話。だが、引き込まれる。いくらかは短くできる映画だろうが、良い脚本を、うまくより以上に表現出来る演出、力を感じさせられた130分。しかしこの時代の白黒を使いこなす技は見事の一言。 [DVD(字幕)] 9点(2005-06-01 01:12:41) |
42. 幸福の黄色いハンカチ
《ネタバレ》 最後のロングショット、ハンカチの下、カバンを手渡し上を見上げる健さん、 そして涙でうつむく倍賞さん。セリフ、顔の表情などまったく必要としない、作品を一気に名作に押し上げたシーンなのではないでしょうか。 [地上波(字幕)] 9点(2005-04-17 22:08:46)(良:2票) |
43. 用心棒
《ネタバレ》 きっとこなれた脚本というのはこういうことなんだ。何度見てもセリフが残る。最後の決闘シーン、毎回ゾクッと来てしまう三十郎がにやりと笑うところから、またまた毎回ゾクッと来る「あばよ」までがちょっと長いかなと思う点が無理矢理引く減点対象。 9点(2004-10-16 02:25:38)(良:1票) |
44. 砂の器
《ネタバレ》 こんなにテンポが遅かったっけと感じながらいたが、中間過ぎて捜査会議で犯人を明かすところからは見事の一言。余計なセリフを入れず音楽だけ、必ず引き込まれます。しかし、36歳(だっけ?)の設定なのに最後の嗚咽するシーンのために老人の加藤嘉を使ったのか!反則に近い。映画のキャストに感嘆するとともに、最近のテレビドラマを見なかったことに悪いが感謝。 9点(2004-08-03 01:48:20) |
45. この森で、天使はバスを降りた
《ネタバレ》 とても好きな映画。謎の人物が登場してから、ふと「アラバマ物語」的だなあなどと思いながら観た。主人公、場所、色々な雰囲気からそう思った。淡々とした流れで登場人物が自然で、極端な善も悪も無く、しかし適度なメリハリがあり、自分としては気持ちよく楽しめた。主人公が死んでしまったのはちょっと意外だったが、店の行方を考えながらラストへ続かせる展開は効果的。でもラストが先にあったから死なせたのかなとも思う。(原作があるかどうかは知りませんが)終わっておまけの劇場用予告を観て鳥肌がたった。本編と違うBGMだった。個人的に大好きな「アラバマ物語」の音楽だった。やはり関係あったんだなあ。 9点(2004-02-04 21:24:53) |
46. 逃亡者(1993)
《ネタバレ》 この時間では有罪になる過程まではとても描けまい。デビッド・ジャンセンのキンブルを知っているものとしてあまり期待はしてなかったけど適度な緊張感が持続し、とても面白かった。 ハリソン・フォードはこういう役とてもいいね。はまり役です。それ以上にトミーリージョーンズがよかった。 9点(2004-01-19 01:05:22) |
47. 火口のふたり
《ネタバレ》 原作未読なので富士山云々での落としどころが若干残念も、演出も役者が素晴らしく、個人的にはキネ旬1位に意義は無い。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-05-21 14:03:56) |
48. なぜ君は総理大臣になれないのか
腹芸、裏技、寝技、一筋縄ではいかないことが容易に想像できる政界に、こんな議員がいたとは素直に驚く。露出が少ないとはいえ国会での際立つ存在感は発揮されていたように思う。しかし「本当にこんな男がいたとは」がほとんど人が描く感想ではないか。映像は「この人は良い人ですよ」みたいな単純なものではなく、あくまで「なぜ君は総理大臣になれないのか」、それを観る側に淡々と意識させながら、ときに追い込んでいく。ひととおり環境と人物像を認識したところで、終盤にある慶応大・井出教授の応援演説が白眉(こんな素晴らしい応援演説は聴いたことがない)で、「なぜ君は総理大臣になれないのか」をさらにもう一段突きつけられる。庶民派を気取るあざといだけの政治家は多いが、家族も住まいも見事なまで等身大に写る。安易な広報的なものになっていないのは監督の腕なのだろう。鑑賞後、良い意味で味わったことの無い虚しさがあった。 [映画館(邦画)] 8点(2020-10-04 12:21:14)(良:1票) |
49. 黒い司法 0%からの奇跡
《ネタバレ》 1930年代の人種差別という理不尽を描いた「アラバマ物語」、その映画が製作された頃の話である「グリーンブック」。 そんな理不尽な話がつい最近まで(今もまだ)存在している現実を認識すべきものなのだろう。先の秀作二作と共に勧めたい映画。 [映画館(字幕)] 8点(2020-04-16 16:49:16) |
50. THE GUILTY ギルティ(2018)
予備知識もなく期待することもなく観た作品が当たったときは、すでに有名になった作品が評判にたがわず面白かったときなんかよりもお得感が数段大きい。 [映画館(字幕)] 8点(2019-04-14 01:57:47) |
51. グリーンブック
1962年の出来事。その年に「アラバマ物語」が制作された。自分の中ではセットで記憶されるだろう。 [映画館(字幕)] 8点(2019-03-29 17:09:51) |
52. 青春デンデケデケデケ
自分より上の世代の話なんだけど、時代的にも自分の洋楽好きはこういった人たちに導かれたのかもしれないと思うと更に好感。原作未読ながら、このバンドメンバー4人の立たせ方、演出、脚本とも素晴らしい。快作。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-01-08 00:36:16) |
53. 流れる
田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、杉村春子、岡田茉莉子、めまぐるしく入れ替わり立ち替わり出てくるスターに見入ってしまった。なるほどこれだけの女優を自在に操るということは成瀬巳喜男が他の追随を許さぬ技だったのかもしれない。また、女の貫録を栗島すみ子というサイレント時代の大女優にみた。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-07-20 01:53:31) |
54. なつかしい風来坊
《ネタバレ》 久しぶりに観賞。後の寅さんや遥かなる・・・に繋がっていく佳品。ハナ肇の絶品さこそが松竹の宝「男はつらいよ」成立に寄与している思う。もうちょっとマイルドに渥美清へ、そこに山田洋次の成功への確信があったはずだ。この映画のラストを知っていると、「遥かなる山の呼び声」のラストがより感慨深くなるでしょうね。 [DVD(邦画)] 8点(2014-06-25 18:40:05) |
55. コクリコ坂から
”ジブリ”に求めるものの違いにより評価は分かれるのですね。レビューを読んで納得しました。それにさして思い入れが無い自分は素直に好きです楽しめました。 [DVD(邦画)] 8点(2014-06-14 23:37:15)(良:1票) |
56. 声をかくす人
国と法、まさに鶏が先か卵が先かと同じジレンマを持つものなんだね。この二つが軋みながら国家が成長していくのだろうな。法廷テクニックばかりクローズアップされる劇が多いなか、ケレンを持ち込みようもない時代だけに却って面白かった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-10-19 01:21:43) |
57. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 小さな何故が多くて辻褄を考えるととても観てられないのがこの手の映画(コミックヒーロー物)。しかしながら、そんなものは物語の強さで飛んでしまうものなんだと再認識させられた。前作より劣るのは悪のすさまじい存在感(出来すぎ)と3部作最後ということの若干のあざとい〆方(これはしょうがない)ぐらいのもの。素晴らしいシリーズでした。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-15 01:48:41) |
58. 大人は判ってくれない
ヌーヴェルバーグの面倒な定義は置いといて、簡単な解釈「新しい波」と捉えたなら、この映画は分かりやすいと思える。ゴダール等なぜ同時期に存在したのか。映画史的に1章割けるだろう。(読まないでしょうが・・) [DVD(字幕)] 8点(2013-07-24 16:06:46) |
59. ミッドナイト・イン・パリ
タイムスリップ物は、強引な辻褄合わせで台無しになってしまうことが多い。そこはさすがのウディ・アレン。いじらないんだ。そう、いじらずスルー。脚本の見事さに脱帽。 [DVD(字幕)] 8点(2013-06-04 00:53:37) |
60. お引越し
《ネタバレ》 田畑智子がこのとき何歳だったかは知らない。この年齢で、映画の出番が終わって自分自身に戻れるのか、その後何らかの影響はないのかと心配になるくらい彼女はこの役どころを完全に理解していたように感じた。水に浸かりながら「おめでとうございます」を連呼する顔が強烈に残る。なるほどなあ。相米監督さすがです。 [DVD(邦画)] 8点(2013-05-20 23:40:39) |