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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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681.  50回目のファースト・キス(2004) 《ネタバレ》 
自分はいわゆる“難病もの”というのが苦手です。設定で泣けるのは何となくずるい気がするから。悲しい結末が予想できるからです。そのため、そういう雰囲気を漂わせている作品は敬遠しがちになります。本作についても躊躇はありました。でも思い切って鑑賞することに。衝撃的でした。自分の抱いていた“難病もの”の定義が覆りました。徹底して明るいつくり。終始一貫ラブコメディ。気持ちよく笑えました。その分当事者の苦しみ、周りの人の悩み葛藤は描けていないのかもしれません。しかし、全てをありのまま描くのが、いつも良いとは限りません。病気は理解して欲しい。けど同情して欲しくはない。同じ悩みを抱える人たちも、こんな明るい作品を望んでいる気がします。“毎回ファーストキスなんてステキ”。見方を変えれば、感じ方も変わる。いろんなことに当てはまります。とっても前向き、爽やかにハッピー。いいお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-18 18:11:40)(良:2票)
682.  鳶がクルリと 《ネタバレ》 
仕事を請け負ってくれる鳶職人を探す貴奈子。この時彼女はパンツスーツです。でも万策尽きて再び「日本晴れ」を訪れた時はピンクのスカート。おやっ。つまり彼女は、1日の間にパンツ→スカートと着替えています。“フ・エロモン”を強調するため、わざわざ着替えたのでしょう。でも単なる制作上のミスではないかと思えてしまう。このあたりが本作の弱点。“丁寧なものづくり”が感じられれば、自然と良い方へ受け取ったと思います。凝った視覚表現やアイデアは悪くない。でも全てがその場限り。言い方は悪いですが、思いつきのよう。例えば、つみちゃんの身軽さ。結構アピールが強いので最後の大仕事の伏線かと思いきや、結局活かされないまま終了。肩透かしもいいところ。意外とベールに包まれた鳶という仕事。その題材選びはいいと思いますし、興味深い点もありました。でも“伝えたいもの”が何か分からなかった。なお、随分とベタ?な鳶職人像でしたが、関係各位からクレームは無かったのでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2007-02-17 18:12:58)
683.  ナースのお仕事 ザ・ムービー
最大の難点は朝倉いずみが撃たれるシーン。「映画なんだから派手にいこうよ。やっぱり主役が撃たれるってのが定番でしょう。」「でも刑事ドラマじゃないんだから。」「いやいや、病院に犯人が立て篭もるってことにすりゃあ、イケるって。」企画段階の会話が聴こえるようです。映画ならではの特殊性、お祭り要素を持たせたいのは分かります。でも無理矢理感は否めない。能天気コメディもいいですが、まずはドラマありきだと考えます。少なくともテレビシリーズ(とくにファースト)が支持されたのは、基本となるドラマ要素(いずみの成長。先輩ナースとの友情)がしっかりしていたからだと思います。取って付けたようなエピソードは、刺激的であっても作品のバランスを崩すだけです。人気を博した原点のドラマに立ち戻っての、丁寧なものづくりを望みます。
[地上波(邦画)] 4点(2007-02-15 18:19:18)
684.  ピーナッツ 《ネタバレ》 
題材もキャストも、出来る限りの誠実さと丁寧さが本作にはあったと思います。奇をてらわず、オーソドックスに作ろうという姿勢も感じます。もっとコメディ色を強くすることも出来たはずです。内村プロデュース(NO PLAN)ファン向けということを考えれば。またコント職人としてのウッチャンがそこにいれば。しかし本作を作ったのは、芸人ウッチャンではなく、映画監督を志していた専門学校時代の内村光良であったような気がします。だから直球で勝負した。その気持ちは分かるし支持したいです。でも次回作は、内Pという縛りのない作品を期待したい。そこが本当の勝負どころかと。なお個人的にお願いがあります。次回作では盟友の出川哲朗に台詞のある役をあげてください。それがダメならせめて顔が分かる程度のエキストラで。今回の役ではいくら何でもかわいそうです。「そりゃねえよ。チェン」と嘆く哲ちゃんの声が聞こえるよう。ま、それもいいか(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-02-14 17:53:18)(良:1票)
685.  アイドルとデートする方法 《ネタバレ》 
お話自体は、ありがちなラブコメ。恋敵となる2人の男が対照的です。例えるなら、スーパーアイドルがフェラーリで、スーパーの店長は原チャリ。それくらいポテンシャルに差がありました。同じスーパーでもだいぶ違います。店長は彼女を奪い取るために派手なアクションを起こしません。トラックの前に飛び出て「ぼくは死にません」と叫んだり、ステータスを上げるために司法試験を受けたりしません。彼女の幸せのためと自分に言い訳し、黙って身を引こうとします。ドラマとしては物足りません。でも現実はこんなものかなと思います。彼は原チャリとフェラーリの値段を比較して諦めた訳です。でもどちらを選ぶかは彼女が決めること。原チャリにだって風を切る爽快感、燃費の良さがあります。とりあえず告白しない事には何も始まりません。それを教えてくれた女バーテンダーは本当にカッコ良かったです。台詞も気が利いていて◎。“6つの笑顔”のくだりはウルッときました。なお本作で最も素晴らしいのがヒロインのキャスティング。美人ではないけれど、愛嬌のあるルックスが純朴な田舎娘にピッタリでした。ベタもベタですが、こんなお話大好きです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-13 18:32:54)(良:1票)
686.  X-メン
続編ありきという前提で本作を観るなら、満足度はかなり高いです。プロローグの役目(世界観やキャラクター説明)は十分ですし、次回作へ期待を持たせる仕掛けも忘れていません。単品としてもクライマックスを設けているので、それなりに楽しめます。“ミュータントの苦悩”は掘り下げれば深いテーマとなり得ます。本作を観る限りでは、その扱い方の方向性までは見えません。アクション主体の娯楽作品へ向かうのか、ヒューマンドラマの要素を強めるのか。いずれにしても滑り出しは上々だと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-12 18:42:41)
687.  アバウト・シュミット 《ネタバレ》 
職を離れ、妻を亡くし、友を失い、ひとりになったウォーレン。孤独な現実が彼に突きつけます。お前の生きてきた証がこれだ。お前の歩いてきた人生がどんなものか判るだろう。最後の砦、娘まで奪われて失意のうちに帰宅する主人公。そんな彼を待っていたのが、援助をしている子供からの手紙でした。この手紙に彼は涙します。それは無意味に思えた人生を僅かながらも肯定してくれたから。ウォーレンの泣き顔が心に沁みます。そしてこの事は全てに通じる“どんでん返し”でもありました。「恵まれない子供への援助」は、主人公に心情を語らせる演出上の仕掛けのように見えます。チャリティ自体も結構インチキ臭い。でもそれは自分の“勝手な思い込み”でした。彼の援助は本当に子供を救っていた。彼は必要とされていた。それは本作の既定事実にも当てはまることに気付きます。妻と過ごした歳月は虚しいものだった。娘の結婚は間違いだ。主人公の人生は無意味だった。これらの結論は全て彼の“勝手な判断”です。いみじくも彼は結婚式でスピーチしています。「2人の道は交差した」と。人生は自分だけのものではなく、関わり合った全ての人のものでもあります。だから一人でその価値を判断することに意味はない。そんな気がしました。苦くて切なくて笑える「シュミットについて」。彼は30年後の自分の姿でもあります。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2007-02-08 18:04:30)(良:2票)
688.  キス★キス★バン★バン 《ネタバレ》 
設定は、名作『グロリア』『レオン』を彷彿とさせます。ハードボイルドにヒューマニズムのスパイス。本作の場合、付加されるのは父子愛です。対照的なメイン2人の掛け合いには、“振って落とす”笑いの基本がありました。下品になりがちな下ネタも、まったく不快になりません。キャラクター、音楽のセンス、エピソードの組み立てが上手く、とてもお洒落。特に前半は大いに笑えます。そして後半は、泣けました。大きな子供ババは、フィリックスから多くの事を教えてもらいます。空は青いこと。雨は美味しいこと。ウィスキーには水も氷も入れないこと。(ついでにHの仕方までネ。)実の父親が教えてくれなかった“人生の喜び”を知ります。フィリックスは元殺し屋。森山周一郎バリの渋い声を持つダンディ。でも弱い人間でもあります。彼もババの父親と変わらない。結局は自分が傷つくのが怖い。人を愛することは、その人を失う恐怖を孕むこと。それはババの死で明確に示されます。ババパパの危惧は正しかったとも言える。しかしフィリックスは気付きました。人を愛することには、勇気を持って立ち向かうだけの価値があることを。エンディング、わが子を海に連れていくフィリックスに胸が熱くなりました。人生は無常なもの。それは分かります。それでもなお、ババには生きて欲しかった。せっかく人生の喜び、世界の素晴らしさを知ったのだから。フィリックスパパの“嘘よねぇ~ん”をあの時のババにも願ったのは、自分だけではないはずです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-02-03 18:46:02)(良:1票)
689.  マダガスカル 《ネタバレ》 
「野生動物は大自然の中で自由に生きるのが一番幸せ」は人間の思い込み。幸せのかたちは様々。都会育ちの4匹にとっては、自由は無くても快適な暮らしが保障された動物園こそが楽園だったのでしょうか。“生まれ”より“育ち”が勝るのは分かります。ただ、自由至上主義に思えるアメリカの(それも子供向け)映画で、こういった価値観が示されるとは意外でした。この手の動物作品で懸案となる“食”について“肉じゃなくて魚を食べればいいじゃない”という解決策を出したのは、力技ながらも一応評価できます。個人的にはぬるいと思いますが、本作の性質上、落とし所としてはしょうがないかと。でも魚に人格が無いのに、蜘蛛にキャラ付けしてしまうのはマズイ。仕事が雑だったと思います。一方CGは上質です。特に水の表現は凄い。動物の動きはコミカル且つダイナミックですが、“動かされている”という印象。見た目は派出なのに、画に惹きが無い。バタバタする新米芸人の動きみたいです。デフォルメも過ぎると逆に淡白に感じます。もっとも子供はホント動くものに弱いので、これで正解なのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-01 18:14:44)(良:1票)
690.  ウェルカム!ヘヴン 《ネタバレ》 
まず工作活動の内容が分かり難くいです。例えば、困っている人を助ける(=善行)とか、拾ったお金をくすねる(=悪行)なら分かり易い。しかし本作の争点は、対象者にボクサーを辞めさせ、定職に就かせることが出来るか否か。ピンときません。(おそらく大前提として、殴り合いを生業とするボクサーは、キリスト教的に好ましくないのでしょう。)それに仲違いしている母親に謝罪の手紙を出させることが重要なポイントだという。すごく地味。行為そのものより、演出が。ゆえに前半は退屈しました。それでも挫折することなく観られたのは、主役2人の力に負うところが大きい。ペネロペは何よりルックスが、天国側のおばさんはその清潔感あふれる雰囲気が魅力的でした。中盤以降は物語にテンポが出てきます。2人の掛け合いも漫才のよう。オチも悪くありません。観終わってみれば、十分面白かったと言えます。個人的には、おばさん=ビクトリア・アブリルを知ったことが本作における収穫。熟女の魅力にやられました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-31 18:42:26)
691.  Mr.&Mrs. スミス 《ネタバレ》 
アンジーのセクシーぶりは堪能できましたし、コメディの要素も強く、無難に楽しめました。ただ、起承転結の結が弱かった。オチの付け方が曖昧だったと思います。あまり悲壮感漂う展開になっても困りますが、あそこで終わるのは無責任な気がしました。全体的には、よく言えば期待どおり、悪く言えば驚きがない。アメリカ版『カリブ・愛のシンフォニー』。違うかな。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2007-01-28 17:33:35)
692.  スカイ・ハイ(2005) 《ネタバレ》 
いかに“ヒーロー文化”がアメリカに根付いているかが分かります。(つまるところ、ヒーロー=アメリカなのでしょう。)普通に楽しんで何の問題もありません。以下は自分の感想。我ながら素直じゃないと思いますが、こういう見かたもあるということでご勘弁ください。物語開始時の主人公になら感情移入できます。親の期待という名のプレッシャーにどう立ち向かうか。多くの若者に共通する悩みだから。特殊能力を持たない主人公が活躍してくれれば、大いに希望を感じられたでしょう。しかし主人公の能力は早々に開花します。そしてその後はおいしいところを全部持っていく。終盤サイドキック組に見せ場を作って“真のヒーローは君たちさ”と言われても白々しい。(もし本当にサイドキックがヒーローだと思うなら、主人公に能力を目覚めさせる必要はありません。)本作の正しい見かたは、“君にも素晴らしい才能がきっと隠されている!だから自分を信じろ!”というポジティブなものなのでしょう。でも、正直鬱陶しい。“君たちに才能があるかどうかは知らない。でも得意なものぐらいあるだろう。それを活かせばどうにかなるんじゃねえの?”くらいで丁度いい気がします。ヒーローはおろか、サイドキックにさえなれない現実もある。その中で、いかに前を向いて歩こうと思えるかが大切ではないかと。世の中は、ヒーロー側からのアドバイスに溢れています。夢や希望のあるメッセージは素晴らしい。でも、そうではないメッセージにも耳を傾ける価値があると思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-24 18:23:44)(良:2票)
693.  忍 SHINOBI
「忍者が主役の時代劇」と思って観たらダメです。舞台は架空の世界。そう思い込めば、設定の不具合は気になりません。微妙に中国風な衣装も、各種サイキックも。割り切って観れば結構面白い。アクション性の高い対決は見応えがありましたし、その他特殊能力系も楽しめました。ただ肝心の物語はかなり薄口です。朧と弦之介の悲愛を主軸に据えるなら、序盤2人の繋がりをもっと丁寧に描く必要がありました。台詞は繰り返しが多く、語り過ぎ。安っぽく感じてしまいます。ドラマとしては物足りませんでした。あと気になったのが仲間由紀恵。相変わらず“らしい”演技。これが今求められている演技なのは分かります。ただ、このまま固まってしまいそうな危うさも感じました。今の人気は必ず落ちます。歳もとります。その時に必要とされるため、今のうちに身に付けなければならないものがある気がしました。これからの作品選びが重要かと。偉そうで本当に恐縮ですが、そんなことを感じました。
[地上波(邦画)] 5点(2007-01-23 18:36:56)
694.  カミュなんて知らない 《ネタバレ》 
本作は倫理に反する者ばかり出てきます。彼女がいても他の女と平気で寝る男。彼氏の留守中に他の男とキスしてしまう女。教授でありながら学生に想いを寄せてしまう男。そして劇中劇の殺人犯。一義的には“禁を破るとろくなことが無い”と言えそうです。結末はみんな哀れ。さらにもうひとつ。「禁じられた行いをあえて経験してみたい」。殺人犯と女に共通する心理。倫理より自己の欲求を優先させること。でも現実に倫理に背いても、残るのは虚しさや後悔だけ。女にいたっては、過ちを自ら彼氏に告白する始末です。禁じられているのには理由があります。導かれるのは、“所詮人間は倫理(ルール)に縛られて生きている”ということ。(その最たるものが“人を殺してはいけない”。だから劇中劇とはいえ、ラストの殺人シーンは心を逆撫でします。)人間の性(さが)が表現されている気がしました。なお、映画を含め、文芸関係のタイトルや作家名がわんさと出てくるので、そういった素養の無い自分にはチンプンカンプン。タイトルどおり、カミュなんて読んでないし、本作を理解する上でキーとなる「実存主義」が何たるかも説明出来ません。教養は大切だと思いました。実際、カミュを知らなくても生活には困りません。でも人生を楽しむうえで損をしているのは確か。もっと本を読むなどして教養を身に付けたいと思いました。自分の知識の無さを痛感したことが一番の収穫でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-20 17:47:20)
695.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
オチを知ったうえで本作を鑑賞しました。当然ながらサスペンスの要素はほとんど無くなります。一連の不可解な事件も、恐怖心を煽る描写も特に意味を為しません。でもそれが逆に良かった気がします。ドラマとして魅力のある作品だと思いました。本作で重要なのは、村人が古い生活様式を選んでいたことだと思います。集団による引きこもり。言わば『クレしん大人帝国』のアナザーエンディングのよう。“あの頃は良かった”という時代を再現して暮らす。確かに魅力的な部分は多い。こういう生き方に憧れもあります。でも(現代の技術をもってすれば)助かる命を失ってしまうという側面もある。理不尽に愛する者を失うことを拒んだ故に、選んだ生活であったはずなのに。とかく“あの頃は良かった”と言う場合は、良い部分しか言いません。でも今より劣る部分も必ずあります。完璧な時代など存在しないし、価値観は時代によって変わるもの。自分たちの基準で、自分たちのユートピアに子供たちを閉じ込めてしまったのは正しかったのか。今回の件で年長者たちは気付いたはずです。いや最初から気付いていたのに、そのことに蓋をしてきただけではないか。この生活を続けることの不自然さに。悲しい出来事を時代のせいにしたことの誤りに。それでもなお、この生活を続けることを選んだのは、人間の弱さの表れであると思います。弱さを否定する気はありません。しかし、愛する者のために森を抜ける勇気を示したアイヴィーの強さに、より心を動かされます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-19 17:56:27)
696.  ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ 《ネタバレ》 
本作のポイントは、やはりチャーリー。彼は何者でしょうか。その正体は、お父さんのもうひとつの人格。おそらく妻殺しの罪悪感から逃れるために作り出した。ですからチャーリーは、“人殺しをいとわぬ残虐性”と“元の人格を攻撃する(罪悪感ゆえに罰せられたい)”という性質を併せ持つと考えられます。さらに、娘と遊ぶという行為は、“今まで良い父親ではなかった”という後悔の裏返しと取れます。最終的にチャーリーがエミリーを殺す気があったのかどうかは不明(クローゼットに包丁を突き刺す行為からは、殺意があったと判断も可能)ですが、自分は、殺意は無かったと思いたい。包丁を持ったまま、かくれんぼの続きをしたと。こう考えるとお父さんの最期は結構切ないです。ストーリーはそんなに悪くない。でも演出はテクニカルではありませんでした。“上手く騙された”ではなく“アンフェア”と感じてしまう。真相に衝撃をもたらすには、騙しの過程(つまりチャリー出現時のお父さんの状態)に細心の注意と工夫を施さねばなりません。その部分で全く無策(というか乱暴)だったと思います。伏線らしきもののほとんどが、単に観客を欺くための要素に過ぎず、主軸に絡んでこなかったのも残念。特に隣人の思わせぶりはあんまりです。せめて“チャーリーは亡くなった息子さんの名前だった!”くらいの展開は欲しかったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-01-17 17:54:22)(良:2票)
697.  ズーランダー 《ネタバレ》 
コメディを賞賛する場合、“腹がよじれた”と表現することがあります。これは一種の比喩表現。それくらい面白かったという意味で、現実に腹がよじれることは稀かと思います。でも本作では現実に起こりました。腹よじれが。寝転びながらDVDを観ていた自分は、本当に腹を抱えて笑い転げました。ガススタンドの爆発シーンで文字通りの大爆笑。あまりのアホらしさと火薬の多さに不意を付かれました。ここで一気に作品の世界に引き込まれました。作品の楽しみ方が分かれば、もうしめたものです。家族揃って同じ髪形にも、ちっちゃな携帯にも、ウォーキング対決にも、宇宙の旅パロディにも、安っぽい家族愛にも、ことごとくハマリました。エンディングでダメ押しの噴水像。もう堪忍して!内容の無さ、無茶な展開がたまりませんでした。コメディは笑わせてナンボのジャンル。下品だろうと、卑怯だろうと笑わせた者勝ちだと再認識しました。もうあのキメ顔にメロメロです。セレブギャグのニュアンスが理解できれば、もっと面白かっただろうということだけが心残りです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-16 19:36:00)(良:2票)
698.  アイス・プリンセス 《ネタバレ》 
「自分の歩む道は自分で決める」当たり前のように感じますが、これが意外と難しい。当然ながら生まれたての赤ん坊にそんな芸当は無理で、親がある程度まで、人生の水先案内人を務めることになります。この“ある程度”が曲者。早い段階で道を決める力を持つ子もいれば、そうでない子もいる。親がどこまで案内するか、その見極めが難しい。それに親の影響を受けない子はいない。自分で道を決めたと思い込んではいないか。経済的な問題もあります。本作の主人公は自身の才能に気付き、進む道を見つけます。幸せなことだと思います。道を見つけられたことも、才能を持ち合わせていたことも、それに気付けたことも。「進みたい道」と「才能」が一致するとは限らない。それに「才能に気付く」ことも難関。そして主人公は、“自らの意思で”進む道を決めます。勇気のいること。しかし誰もがしなければいけないこと。彼女はこの時成長したのだと思います。「賢明な判断」より「後悔しない決断」が勝るのが人生。自分はどうだろと振返り、ちょっとへこんでみたり(苦笑)。物語の展開はスポーツものの定石どおりで、目新しさはありません。でも2組の親子の葛藤と成長が丁寧に描かれていて好印象でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-14 19:03:23)
699.  クライモリ(2003)
殺人鬼が出てくる場合、まず気になるのがその武器です。ナイフ、斧、ハサミ、チェーンソー…。いかに観客に“驚きと痛みを伝えられるか”工夫のしどころです。本作で最初に使われたアイテムは有刺鉄線。これは痛い。それにちょっと面白い。滑り出しは好調です。その後もオーソドックスながら、ツボを押さえた展開でハラハラドキドキさせてくれました。不自然な流れで攻守逆転が起きなかったのも良かった。ただ個人的には、殺人鬼が単なるモンスターにしか見えなかったのが残念。モンスターではなく、人間に襲われるから怖いのだと感じます。それでも、短時間で手軽に楽しめむ分には十分な出来だと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-13 19:12:52)
700.  ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
良くも悪くも大味な作品でした。これをすんなり受け入れるには、原作既読であるか、あるいはアメコミというジャンルに対する正しい理解が必要だと思いました。自分は両方持ち合わせていないため、正直戸惑いました。メッセージとか物語の論理性などを求めてはいけない。ツッコミは入れるだけ野暮。とにかく楽しもうとする姿勢が大事だと思いました。ポップコーンとコーラを相棒に、隣りの客とハイタッチを交わしながら「イエ~イ」とやるくらいのノリが必要かと(気分的にはネ)。なお本作はあくまでプロローグですので、あるなら続編の方が面白くなりそうだと思いました。ちなみに個人的には、ジェシカ・アルバのナイスバディをもっと見たかった(おっさん目線でスミマセン)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-01-12 19:20:10)
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