681. ディセント
《ネタバレ》 女性だけで閉鎖空間に入り、逼迫した状況に陥るとどうなるのか、に興味があったんだけど、あの中に男性が入っていても結果はさほど変わらなかったという印象です。ドロドログチャグチャを期待していたので残念(笑)。でも、少し東洋系が入ったお姉さんが一人で悪役を引き受けていましたね。元々の交通事故の原因も、旦那がこの女との不倫に意識が行った瞬間の前方不注意という演出に見えた。未踏の洞窟ということを仲間に隠していたり、偽りの届けを出したり、事故性が高いけど仲間を串刺しにしたり、その仲間の生死を偽ったり…。この女が元凶ですが、典型的な悪役には描かれていなかったことが少し不思議でした。不倫していた男の妻を慰めようと思っていたようで、本人は罪滅ぼし的な意識があったのでしょうが、それこそ自分本位。この突っ込みどころ満載のお姉さんをもっと掘り下げてくれたら見どころが増したと思います。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-11-18 14:04:23)(良:1票) |
682. 人のセックスを笑うな
《ネタバレ》 不思議な面白さを持った映画でした。描かれるのは美大生の男女とその美大の女性講師の恋愛模様だけど、ストーリーは無いに等しい。三角関係のドロドロって感じでもない。永作博美演じる講師がユニークな人柄だけど、その生き方がテーマという訳でもない。長まわしのカメラがこの三人の遣り取りを写し続けるが、ほとんどのシーンが次の展開に繋がって行かない。でも、これが不思議と飽きない。ギャラリーでお菓子をつまむシーンや、ストーブに灯油を入れるシーンなんかがその代表で、味があって記憶に残る。演出の主眼が言葉や仕草の日常性の抽出に置かれているってことなのでしょう。鑑賞後に良く考えられていたと気付いたのが画角。アップにしたら被写体の特定部分が強調されて味が薄れるし、離れすぎると見えなくなる。興味を持って、客観的に見える距離感とでも言うのだろうか。そこに神経を使ってました。のぞき見感覚の演出ですね。タイトルは逆説的にのぞかれた方の言葉なのでしょう。主演3人の演技力によるところが大きいのでしょうが、私はその「のぞき」に引き込まれたクチです。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-11-18 13:34:47)(良:1票) |
683. インベージョン
現代ではあまり意味を持たないけど、あの平板で均一な感染者たちは共産主義の象徴なのだろう。眼差しと無表情だけで重苦しい恐ろしさを演出していることに感心しました。それにしても、ニコール・キッドマンは相変わらずいい女でした。彼女だけを目当てに観ても損はないと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-18 03:55:49) |
684. 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
《ネタバレ》 こりゃー面白かった。サトエリの自己中なクソ女っぷりが一番目立っていたけど、その他のキャラもいろんな壊れ方をしていて言動が予想しづらく、緊張感が途切れない。空回りし続ける永作博美はゼンマイ仕掛けのオモチャみたいで、冒頭からゴロゴロゴロ、ウッ。初夜の生傷もきっと転がって作ったのだろう。「お姉ちゃんは自分の面白さに全然気付いていない」と言う妹の台詞は、姉の心中をこれ以上ないくらい残酷にえぐりとって、ある意味爽快。永瀬は切実に家族を大切にしようと思っていたようだが、自分の態度や行動がこの家族を迷走させている元凶だと気付いていなくて憐れ。やたらと「家族なんだから」という台詞が出てくるが、その言葉が発せられたときの白々しさといったら…。この映画はテーマを考えるより、B級ホラー映画と同じスタンスで観ると楽しめます。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-18 03:27:45) |
685. シッコ
《ネタバレ》 人の体の構造は国境を越えたからといって変わらない。しかし、受けられる医療の内容は国境を越えるごとに変化する。とかく自分たちの国は何でもナンバーワンと思っている人が多い某国の医療制度を、周囲の国家と比べながら解り易くこき下ろす。テーマは明確、論旨は一貫、映像も飽きないよう工夫されていて、素晴らしいドキュメントタッチの映画だと思います。事実の表現に多少の誇張があるのでしょうが、それは演出の一環。マイケル・ムーアの目的は事実の開示ではなく、問題意識の発芽な訳で、観た人が自国の医療制度のことを意識してしまった時点で彼の勝ちですね。血眼になって個人攻撃をしていた前作よりも、すんなりと受け入れられました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-11-16 06:38:27)(良:1票) |
686. 呪い村436
《ネタバレ》 村の人口を一定数に保つという猟奇的な風習の必然と、その風習を世間に隠し通している仕組みが満足に説明されなかったのが残念。まぁ、そんなものは無いのでしょうが、何世代にもわたって集団的変質行為が維持されている村という設定に説得力のある嘘をついてくれないと、怖さが半減します。とは言え、村民が無理に努力しなくても、超自然的な力が働いて自動的に人口調整がされるようだったけど…。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-11-16 05:42:10) |
687. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 無軌道な暴力から自らの身を守ったことがトラウマの軽減になった。最初は偶然だった。だが、犯罪者を漁り、暗殺者になり、ついに復讐を果たすという一連のアクションは決してトラウマの軽減だけが目的には見えなかった。正義感とも言えない微妙な感情の起伏。抱えこんだ大きなトラウマが人の精神と人生を変えて行く。エスカレートする行為は新たな傷を主人公の心に刻む。さながらトラウマの迷宮に迷い込んだように…。これは復讐だけを描いた映画ではなく、生の意味の模索であり、再生のお話である。さすがにラストのあの刑事の対応には疑問符が付くけれども、主人公が自分の内面と向かい合い、能動的に動いたことは支持したいです。原題を訳すと「勇気の人」って感じかな。密かに拍手は送りますが、公けに持ち上げられる行為でもないと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-16 05:28:07)(良:1票) |
688. ラブ★コン
いきなり余談ですが、若い頃は水着グラビアのプロフィール欄を見て、その女性の身長が自分より高いと少し悲しい気分になったものです。それは、自分より背の高い女性が嫌いなのではなく、彼女と知り合う機会があったとしても自分は相手にしてもらえないという気分だったのでしょう。妄想の世界のコンプレックスですね。現実では、人を好きになる瞬間ってあまり身長のことなど意識していなくて、好きになってしまった後に、自分の方が高い・低いというコンプレックスが湧いてくるんじゃないだろうか。でも、考えてみるとそれって世間体ですね。世の中に自分と相手しかいなかったら、そんなこと気にしないもの。主人公の男の子は、自分の背が高くないという自覚はしっかり持っているが、世間体なんぞ気にしない毅然としたスタンスを持っていて好感を覚えました。まぁ、オープニングは身長の高低から入ったけど、それをとやかく言うのは最初だけで、後は快活にお話が進んで行く元気な青春恋愛ムービー。宇宙人は出てこないけど「うる星やつら」みたいでした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-11-11 00:20:29)(良:2票) |
689. ファンタスティック・フォー:銀河の危機
これだけ何も考えずに、リラックスして観られる映画も珍しいかも。1作目に比べてジェシカ・アルバのキュートショットが少なくなっていたのがもの凄く残念。最後の和服姿はメークとマッチしていなくて、これまた残念。リーダーのおっさんには某海賊の技を出して欲しかった。「ゴムゴムの~」。きっとスクリーン映えすると思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-11-10 23:45:57) |
690. ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
そうかぁ~「宇宙忍者ゴームズ」ね! 観てましたよ。ここのレビューを見るまで気付かなかった。同じ職場のとなりの課で働いている人が、実は幼稚園の時によく遊んでいたあの子だった、って感じでしょうか。ある意味感動です。 [DVD(字幕)] 5点(2008-11-10 23:22:49) |
691. 椿三十郎(2007)
《ネタバレ》 製作サイドに黒澤オリジナル版を超えようという意識は無かったと思う。映画関係者なら尚更わかると思うが黒澤版にはそれほど隙がない。 森田氏は「今の若い人にあの脚本の素晴らしさを知ってもらいたい」と言ったらしい。最初から白旗を上げてるようだけど、森田版を観終わった後に実感したのはまさにその点だった。中途半端に脚本に手が入っていないおかげで、自分は安心して役者の違いと演技の違いを楽しみ、役者が変わっても全く退屈しなかった脚本の出来の良さに改めて感心した。ちなみに織田裕二には「四番バッターではなく一番バッターの三十郎を演って欲しい」と言って口説いたらしい。三船敏郎のあの演技に比肩し得る役者がイメージできず、方向性を変えるしかなかったのだろう。そう考えると、菊井側の侍を大量に斬殺するシーンのもたつき方も頷けるし、三十郎初心者には筋の通ったキャラクターに見えたはずである。自分はこの映画を楽しんだ。黒澤版との違いも楽しめた。おそらく森田版は目的を達していると思う。 だから、改めて言っておきたい。この映画を観たからといって、黒澤版を観ずに「椿三十郎」を終わらせているとしたら、それは大間違いです。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-11-09 00:19:15)(良:2票) |
692. 神童
《ネタバレ》 親からピアノのレッスンを強要されている女の子はいたけど、神童って彼女のことか? 「アマデウス」のモーツアルトと比べると明確だけど、あの程度では神童なんて言えないだろう。テーマはその神童ぶりではなく、ピアノ好き同士の共通言語でお互いを癒し合うところにあったようです。まぁタイトルから想像する内容じゃないですね。 ストーリーとは別にして、成海璃子は存在感があった。手塚理美がただのおばちゃんになってしまったのが残念だ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-11-08 21:53:10) |
693. EX MACHINA/エクスマキナ(2007)
《ネタバレ》 3Dライブアニメという意味では、前作より進化していたと思う。キャラクターの(特に顔の)陰影が微妙に描かれていて立体感が増した分、表情が細かかったようです。主人公が愛している男は肉体を失ったサイボーグ。そこに男のクローンが仕事のパートナーとして配属される。最初は嫌がる主人公だが、このクローンがまたいい男だったりして(つまりオリジナルがいい男なので…)次第にそのクローンに惹かれている自分を自覚する…。というような複雑な心理変化に絵が追随してましたよ。アクションは文句なく迫力あります。不満はジョン・ウーの二挺拳銃。腕を交差させて撃つアクションが昔から違和感があって嫌いです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-11-08 21:11:48) |
694. 千と千尋の神隠し
随分と劇場へ動員した作品だけど「宮崎アニメ」ブランドのパワーダウンは否めなく、観終わった後に辛かった。細かいエピソードがひとつの主題にまとまっているように思えず、ばらばらと宙に浮いている印象。分かりやすい敵役でも設定して、額に汗してやっつけるような目的が欲しかった。おっと、現世に戻ることが目的だったか…。でも、あちら世界もそれなりに住みやすそうでしたね。 [映画館(邦画)] 5点(2008-11-08 20:42:07) |
695. ファイナルファンタジー
ゲームの中に挟まれるムービーパートだけで映画にしたらどんなものになるんだろう、という試みだったのでしょう。絵はきれいだったけど、CG表現に必然を感じない為に薄っぺらな印象が先行します。そもそも、魔法も召喚獣も出てこないのに「ファイナルファンタジー」なのか? [DVD(字幕)] 2点(2008-11-08 05:06:00) |
696. ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン
映画単体の評価は決していい点を付けられたものじゃないんだけど、ゲームのFFⅦはかなりやり込んだので、その思い入れだけで楽しめた。というか、この映画はそういう人向けに作られたものだね。自分はティファのファンだったので、出演シーンが多くて嬉しかったっす。 [DVD(邦画)] 5点(2008-11-08 04:47:17) |
697. 21グラム
暗くて重たい映画でした。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-08 03:52:17) |
698. ドッグヴィル
《ネタバレ》 設定は奇抜で面白いと思ったけど、内容に関しては嫌なものを見せられた印象。鬼畜のラース・フォン・トリアーならきっと何かやらかしてくれると思っていたら、案の定、皆殺しだった。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-08 03:29:45) |
699. 模倣犯
自分はそこそこ面白かったんだけど、もう一度見直してみるべきなのか…、と思わせる酷評の嵐ですな。 [DVD(邦画)] 5点(2008-11-08 03:19:08) |
700. 遠くの空に消えた
子供たちのやりとりには清々しいものを感じたけど、ストーリーが散漫でテーマが良く見えない。ひと言で言うなら中途半端です。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-11-01 22:25:50) |