Menu
 > レビュワー
 > S&S さんの口コミ一覧。36ページ目
S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2385
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
>> カレンダー表示
>> 通常表示
701.  明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史 《ネタバレ》 
当時まだこの世にいた阿部定本人を出演させたというのがウリ文句の作品ですが、それ以外はなんの見どころもないというのが正直な感想。その阿部定は短時間の路上インタビューをドキュメンタリー・タッチで撮っただけ、同じ阿部定事件を題材にした大島渚が『愛のコリーダ』で使った手法の方が遥かにインパクトは強いと思います。いちおうオムニバス形式になってますが、とりあえず阿部定事件の企画があってその他は付け足しという感じで撮影されたような気がしてなりません。だいいち、『明治・大正・昭和』と銘打っておきながら『大正』の事件がないといういい加減さ、これぞ「看板に偽りあり」そのものです(笑)。 いちおう“女性が犯人の殺人事件オムニバス”という形式になっていますが、その中に小平義雄の事件が入っています。これは有名な女性連続殺人事件でもちろん女性が被害者なのですが、「この事件は女の魔性が誘発したものなのか?」なんていうナレーションを入れてごまかしてますが、これはちょっとひどすぎでしょう。こんなソフトポルノまがいのネタにされて、遺族から抗議はなかったんでしょうかね。現在の若者には想像つかないでしょうが、60年代の日本なんて民度の低い何でもありの時代だったんですよ。 吉田輝雄が狂言回し的な役柄の監察医として出演してますが、冒頭で自殺した妻の検死解剖をするところから始まり「なぜ妻は自殺する羽目に陥ったのか、犯罪に巻き込まれたからではないか?」と過去の事件の資料を検証するというストーリーテリングになっています。妻の自殺の謎を解明するのになんで過去の女性犯罪を調査するのかが謎ですが、そっちの解明は全く忘れられてラストの「けっきょく妻の自殺は謎のままだ」というナレーションで閉める、これぐらいいい加減な脚本もちょっと珍しいぐらいでした。石井輝男、酔っ払って脚本かいたのかな?
[CS・衛星(邦画)] 2点(2018-08-07 23:01:13)
702.  ボーン・スプレマシー 《ネタバレ》 
本作ではジェイソン・ボーンを“追われる者”から徐々に逆の立場に変貌してゆく脚本で、ストーリーのつなぎ目としてどうしても印象が薄くなりがちな三部作の二作目としてのウィークポイントを克服することができました。第一作のミステリー風味は薄れてしまったのは止むを得ないところですが、その分アクション要素が強化されています。前作のクリス・クーパー、本作のブライアン・コックスと一作ごとに組織内のラスボスが倒されてゆくのがこのシリーズの特徴ですが(最もクリス・クーパーはCIAに消されてます)、どちらもボーンが手を下したわけではないことに注目です。前作では組織の殺し屋を何人も返り討ちにしたボーンですが、本作では彼が明らかに殺したのはミュンヘンの男(元同僚?)だけで、これも正当防衛といえる感じでした。派手なカーチェイスを繰り広げたカール・アーバンはこれまでで最強の殺し屋でしたが、壁に激突して瀕死となっても止めはささず。愛するマリーの仇なのになんで?と訝しくなりますが、「マリーに言われたから(殺しは止めた)」というセリフもありますので納得しなければいけませんが、そんな会話のシーンありましたっけ? この映画を見て得た教訓:モスクワのタクシーは世界最強!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-03 22:58:59)
703.  ロスト・イン・トランスレーション 《ネタバレ》 
むかし聞いた話では、海外の映画スターは日本のCMに出演したことは本国では秘密というか触れてはいけないことになっているとのこと、アラン・ドロンとかチャールズ・ブロンソンがCMに出てた頃でなんかショックでした。黒澤明や三船敏郎は知名度があるといっても、当時まだ日本は低く見られていたってことです、要は。それがいまやキアヌ・リーヴスみたいにラーメン食べるためだけにお忍びで来日するハリウッド・セレブまでいるぐらいで、日本が進化したのか彼らスターたちが変わったのか、まあその両方なんでしょうね。 そういう意味ではビル・マーレイが演じるボブ・ハリスは、古いタイプのハリウッド・スターのカリカチュアになっているのかもしれません。ハリスにしてもスカヨハ演じるシャーロットしても、なんとなく鬱気味なのは内容が異なるにしてもそれぞれの結婚生活が原因で、東京や日本人のせいではないわけです。つまり別に東京が舞台でなくてもお話が成立するのは誰にでもわかります。この映画は旅先で誰もが味わったことのある日常からの解放感と疎外感をつづった映像詩みたいなもので、米国人にはパリやローマじゃなくて異質そのものである東京が舞台に最適だったということです。この脚本はソフィア・コッポラの実体験(旦那がスパイク・ジョーンズだったころ)をもとにしているらしいですが、非西洋人に対する彼女の上から目線にはちょっとカチンと来るものがあります。これはフランシス・フォード・コッポラにも感じられるところで、まあ親ゆずりなのかもしれません。 西新宿のヨドバシカメラの前を通るたびに、この雑踏をあのラスト・シーンにまとめたソフィアの映像センスは認めざるを得ないなと、感じてしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-30 23:21:52)
704.  腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 《ネタバレ》 
まず題名に一言。ストーリーとはどこにも繋がらない、いかにも青臭い演劇人が思いつきそうなダサいネーミングは何なんですか。もちろん原作通りなのは承知ですが、劇作家である原作者は一周回って確信的にこういう名づけをしたのかな。 とりあえず腐しましたけど、映画自体は予想を外されて面白かったです。他の方のレヴューを見ると総じてストーリー自体が受け入れられないという意見が目立つような気がしますが、私はブラックコメディとしてはかなりの高レベルと評価いたします。サトエリはもうどう見てもサイコパスとしか言いようがない外道っぷり、こういう女性と今まで遭遇してひどい目に遭った過去を思い出しました(もっともここまで酷いのはいませんでしたが)。対する嫁の永作博美は、そのKYぶりというか理解不可能な言動はもう立派なアスペルガー障害の域に達しています。彼女がここまでの演技ができる女優だったとは意外で、この役で女優賞を総なめしたのは納得です。この二人に挟まれ、とくにサトエリにズタボロに虐待される喘息持ちの妹・佐津川愛実だけは多少はまともなのかと思いきや、ラストには大どんでん返し、実はこいつが最恐のサイコ女だったというオチにはやられました。彼女のことは『悪夢のエレベーター』で知ったのですが、そういやこっちの役も…(ネタバレが過ぎるので以下自主規制)文字通りサトエリに翻弄される永瀬正敏も彼らしいいい演技だったと思いますが、永作博美に対する虐待もこれまたすごい迫力です。 実質登場人物は四人で進行するドロドロ劇ですが、苗字に「佐」と「永」いう漢字が付く役者同士がペアになって相手を苛めるという構造なんです(だからどうした、って言われそうですけど)。一番怖かったシーン:永作博美が永瀬正敏に襲い掛かってロスト・ヴァージンを成し遂げるところ(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-07-28 22:11:08)
705.  ノスフェラトゥ(1978) 《ネタバレ》 
ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』がマイ・フェヴァリットと公言するヴェルナー・ヘルツォークが、リスペクトと新解釈を込めたリメイクです。 ストーリー・ラインはオリジナルとほぼ一緒(ということはブラム・ストーカーの原作にも忠実ということ)様々なオリジナルと同一のカット割りが発見できます。変なところもあって、ノスフェラトゥがドラキュラ伯爵など主要な登場キャラは原作通りの名前に戻っていますが、ジョナサン・ハーカーはロンドンではなくバルト海沿岸の都市ヴィスマールの人という設定です。これはオリジナルがヴィスマールでロケされたという故事に思い入れがあったようですが、そのヴィスマールは東独領になっていてロケは不可能、どうも実際はオランダあたりで撮影されたみたいです(随所で風車が遠景になっていることからも明白)。つまりオリジナルではドイツの都市がクライマックスの舞台で登場キャラもドイツ人だったのに、ドイツの都市に英国風の名前の人がたくさんいるという変な設定になっちゃっているわけです。ここら辺の監督の意図は完全に?です。 なんといっても「辺境大好き」のヘルツォークですから、ジョナサン・ハーカーのトランシルヴァニアへの旅からして、その風景は僻地探検ものような味わいです。クラキンのドラキュラ伯爵はこれまたオリジナルのオルロック伯爵とほぼ同一といっていいメイクで、これができるのはクラキンしかいなかったと思います。不気味さはマックス・シュレックには弱冠劣りますが、「死ねない、永遠に生きる運命の悲しみ」がひしひしと伝わってくる演技で、冷静に考えると歴代ドラキュラ役者の中でもトップかもしれません(クリストファー・リーより上かも)。ヘルツォーク映画には欠かせないポポル・ヴーの音楽がまた不思議とドラキュラ物語にマッチしてるんですねえ。 ドラキュラ城で二回現れるヴァイオリンを弾く少年は何だったの?などと訝しんでいると、後半ペストが街に蔓延するあたりからヘルツォークの幻想趣味が炸裂し始めます。こういうヤバめのストーリー展開になると、イザベル・アジャーニが生き生きとしてくるのがまた不思議。ネズミ嫌いの人には耐え難い映像の連続でもあります。そしてびっくりしたのはヴァン・ヘルシング教授がドラキュラの心臓に杭を打ち込んでからの展開で(ドラキュラを殺して逮捕されるヴァン・ヘルシングというのも珍風景ですが)、オリジナルはもちろん他のドラキュラ映画でも見たことがない幕の閉じ方です。ここが観れたのが、この映画の最大の収穫だったかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-25 22:46:46)(良:1票)
706.  吸血鬼ノスフェラトゥ(1922) 《ネタバレ》 
『ノスフェラトゥ』といってもストーリー・ラインは『ドラキュラ』とほぼ同一。これは『ドラキュラ』の原作者であるブラム・ストーカーの未亡人がムルナウの映画化プランにOKを与えなかったからで、登場人物の名前を変えてストーリーも少し改変したら大丈夫だろうと強引に映画化しちゃったので案のじょう著作権侵害で裁判になり当然のごとく敗訴してフィルムは差し押さえ、その後40年近くお蔵入りだったそうです。『ドラキュラ』は19世紀の小説だというイメージですから、1920年代にブラム・ストーカーの未亡人が存命だったとは驚きです。 2011年にNHKで放映された復元版での鑑賞でしたが、これが驚くほど鮮明な映像です。いくらデジタル技術が進歩しても残存するフィルムの状態に左右されるのが復元版の宿命ですが、欠落だらけで悲惨な状態だった『メトロポリス』の復元版に比べると雲泥の差です。サイレント映画ながら俳優の演技にサイレント特有のわざとらしさがあまり感じられず、編集も現代的なテンポに通じるところがありました。マックス・シュレックのノスフェラトゥは歴代ドラキュラの中でも群を抜いて不細工、そして群を抜いて不気味です。初登場のシーンや棺桶を担いで街をさまようところ、そしてエレンの住んでいる向かいの屋敷に姿を現わすカット、これは子供の時に観たら生涯残るトラウマになったことは間違いなしです。顔は禿げたネズミ男みたいでよく考えると滑稽でさえあるけど、そのふらふらした挙動と狂気をはらんだ目つきがなんかヤバいものを見てしまったという恐怖に襲われてしまうんです。でもラストは強引かつあっけない幕切れで、そこまでのテンションが一気に下がってしまうところは残念ですが、まあそこはサイレント映画なのでしょうがないでしょうね。 確かにこれは、死ぬまでに観ておくべき映画の一本ですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-22 23:42:42)(良:1票)
707.  アギーレ/神の怒り 《ネタバレ》 
冒頭の山下りのシーンから、この映画のヤバさがひしひしと伝わってきます。もう完全に未踏の地みたいなジャングルの山道で実際にロケをするという発想自体が、この監督の狂気を具現しているとしか言いようがないです。アギーレが反乱を起こしエル・ドラドを目指して筏で河を下ってゆき全滅するのがストーリーですが、どこまでが演出なのか迷わされる映像の連続でもあります。前半の怒涛渦巻くアマゾンを筏で下るシーンも、これはマジで事故ったら大惨事という危険な撮影です。またクラウス・キンスキーの演技というか表情がマジでヤバい。ヘルツォークがキンスキーをあわや殺すところだったというエピソードは有名ですが、キンスキーのあの狂気のまなざしは監督に対する怒りというか不信感が表れていたんですね。アギーレがなぜか娘を同行させますが(この娘、劇中で一言もセリフを発しません)、この二人は近親相姦の関係にあるんじゃないかと思わせる撮り方です。この娘役がナターシャ・キンスキーだと間違えてる解説を見かけますが、クラウスも実はナタキンを使って欲しかったんじゃないでしょうか。 あのジャングルの大木に朽ち果てた帆船が引っかかっている摩訶不思議なシーン、これが『フィッツカラルド』につながってゆくんでしょうね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2018-07-20 23:51:02)(良:1票)
708.  透明人間(1992) 《ネタバレ》 
ジョン・カーペンター御大は、雇われ監督の場合の方がよい仕事をするという傾向があるみたいです。“ジョン・カーペンターの”と冠がつく作品だと得てして御大の暴走があらぬ方向に映画を持って行ってしまうことがありますが(このカオスなところがファンを魅了するのですけど)、本作では脚本にはタッチせず、しかも名手ウィリアム・ゴールドマンも脚本に参加していますので、御大の技量で脚本どおりに撮れば水準以上の映画になりますよ。 けっきょくもとに戻れず透明人間のままダリル・ハンナと幸せに暮らすというハッピーエンドは、ある意味洒落た締め方だと思います。食べたり喫煙したりすると中身が外から丸見えになるというネタはその後にヴァーホーヴェンも模倣してますが、『インビジブル』はいくら何でもやり過ぎで本作ぐらいがちょうどよいです。透明になったチェヴィー・チェイスが画面に映ったり映らなかったりするのはセンスの良い撮り方だと思います。彼も透明な自分の身体が見えないので服を着るのに悪戦苦闘するというギャグは、今までの透明人間ジャンルでは観たことのない視点でもあり、「なるほど、そうだよな」と納得しちゃいました。でも化粧というか色を塗ったとしか言いようがないチェヴィー・チェイスの顔は、まるで晩年のマイケル・ジャクソンみたいで笑ってしまいました。 SFとラブコメとアクションのバランスが取れた佳作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-17 22:32:15)(良:1票)
709.  アンストッパブル 《ネタバレ》 
率直に言って楽しめたんですけど、いろいろと恐ろしいことも見せられた気がします。それはアメリカの鉄道会社の実態と職員のいい加減さです。いくら田園地帯といっても70万も人口がある都市を通る路線が単線だなんて日本じゃ考えられない、それも電化されてないんですから。職員もダレきっているとしか言いようがなく、勤務中でも携帯電話に平気で出るし緊張感は皆無です。詳しいことはわかりませんが、工業原料や穀物を輸送するのにこの鉄道は特化しているようなので多少乱暴なのはしょうがないという弁護も成り立つかもしれません、でもその結果がこれですからねえ。 と、悲憤慷慨してますけど、映画自体はトニー・スコットらしいスピーディで息もつかせぬ演出がさえ渡り、この職人芸がもう見ることが叶わないと思うと悲しくなってしまいます。ほぼ実話通りの展開なんだそうですけど、劇中のセリフにあるように「クライスラー・ビルほどの長さがあるミサイルが線路上を暴走している」という比喩がピッタリの恐怖の暴走列車です。ミサイルだって本体のほとんどは推進ロケットでヤバいのは弾頭だけなのに、この列車はその真逆で延々とつながっている貨車に爆発物がぎっしり積み込まれているんですから、まさに恐怖の“線路上を爆走するバンカーバスター”です。CGも使っていますが踏切で立ち往生した車を吹っ飛ばしてゆくシーンはどう見ても実写で、もの凄い迫力です。この暴走にはなんの関りもなかったデンゼル・ワシントンたちが機関車で追っかけるようになるまでのストーリーテリングも秀逸でよかったです。TVで旦那の奮闘を見た途端に現場に駆け付けるクリス・パインの別居中の女房には、ちょっとムッとさせられましたけどね(笑)。 しかしよく考えてみると電化された路線なら送電を止めてしまえば機関車は当然ストップするはずで、やはり日本では起こりえない事故なんです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-07-14 02:21:33)(良:1票)
710.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 
ウダウダ・グジグジの男陣とカースト意識むき出しで火花を散らしあう女陣、これぞゆとり世代の高校生活という感じだが、よく考えると自分のはるか昔の高校生活と大して変わらないことに気づかされました。現在は高校全入の時代で大学も選り好みしなければどこでも入れる状況なので高校生たちも個人の趣味や男女交際に没頭してる感もありますが、偏差値万能の自分らのころは入った(合格した)高校によって学生生活が変わってしまうといういわば高校カーストの要素が強かった気がします。そのころでも部活は学校体制から離れて個性を発揮できる場だったから楽しかったわけで、そう考えるとこの映画のキャラたちが持っているような部活カースト意識はなかったなあ。 確かに観る人によって評価の振幅が大きい類の映画だと思いますが、凝った構成の脚本と出演陣の最近の日本映画ではピカイチの自然な演技は秀逸の極みです。ただ唯一、神木隆之介の映画部部長だけはキャラ設定が臭すぎた感が否めなかったですね。今どきロメロ愛を熱く語り8ミリで映画を撮る高校生なんているかよ(いや、いるかもしれないけど)!30年前の映画青年みたいな語り口はちょっと不自然でしょ。思い返せば自分の高校時代にもこの部長を彷彿させる同級生の演劇部がいました、彼は今やこのサイトにも登録されている有名な声優になっています。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-07-12 00:56:46)
711.  西部戦線異状なし<TVM>(1979) 《ネタバレ》 
言わずと知れたルイス・マイルストンの30年版のリメイクで、なんとこの大作がTV映画として製作されてます。『レマゲン鉄橋』と同じようにチェコスロバキアの解体予定の廃村を使ってロケされたそうで、それがTV映画のバジェットで賄えた要因だったのかもしれません。原作のエピソードを巧みにつなげた脚本で、30年版ではカットされた皇帝が閲兵するエピソードもきちんと盛り込まれています。有名なラストも鳥をスケッチしようとして狙撃兵に撃たれるというオリジナルとは違ったエンディングですが、実は原作小説ではパウルがどういう状況で戦死したかについては言及されていませんので、ここは30年版が創造した功績をうまく引き継いだと言えるでしょう。 オリジナルと比較すると、パウルが休暇で帰郷するシークエンスは本作の方が胸を打つところがありました。カントレック先生の描き方が、30年版よりも少し人間味が感じられたところもよかったかと思います。まあここは母を演じるのがパトリシア・ニール、先生役がドナルド・プレザンスというキャスティングの功績かもしれません。逆に穴の中でパウルがフランス兵を刺殺するシークエンスは、オリジナルの異様なまでの迫力には残念ながら及びませんでした。あとアーネスト・ボーグナインは原作のイメージにはまりすぎるほどの好演技だったんですけど、いくら古参兵でも歳とりすぎなのは、如何ともしがたかったです。 劇場映画としても十分に通用するレベルの良作だと思いますが、モノクロ映画で記録フィルムを見せられているような戦闘シーンがいまだにトラウマになっている30年版には、太刀打ちはできなかったという感じです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-07 23:53:46)
712.  ブラックブック 《ネタバレ》 
第二次世界大戦でドイツに占領された国々にはいわゆる“レジスタンス神話”大なり小なり存在しますが、さすがヴァーホーヴェンらしく「神話なんてなかったんだよ!」とオランダ・レジスタンスの内情を赤裸々にさらしてくれます。彼のかつて撮った『女王陛下の戦士』もレジスタンスものでしたが、これも単純な戦争アクションではなくレジスタンスに対するシニカルな視線が印象に残る映画でした。 サスペンスドラマとしてはよく出来ています。観終わって気が付くのは序盤にちりばめられた伏線の多さで、必ずしもストーリー展開に関わった伏線ばかりではなかったけど、実に凝った脚本です。そしてヴァーホーヴェン風味のシモネタ・お下劣ネタは健在で、オランダ時代の盟友脚本家のジェラルド・ソエトマンとのタッグはやはり強烈です。なんせ『ルトガー・ハウアー/危険な愛』を生み出したコンビですからねえ。レジスタンス側もナチ側も出てくるキャラはもうゲスばっかり、ヒロインのラヘルにしたって匿ってくれていた農家に爆弾が命中しても一家の安否は眼中になく、次の隠れ家をどうしようかと悩むだけなので、「おい、おい…」と引いてしまいます。ヒーローもヒロインも癖が強いのがヴァーホーヴェンの映画の特徴なので、まあ理解してあげてください。さんざんナチとやりまくったくせにすぐにカナダ兵とくっついちゃうロニーや、降伏後も連合軍に協力すると称して態度がでかいカウトナー将軍など、すっきりした勧善懲悪とは程遠い結末はいい味出してます。 砲声が近づいてくるラスト・カットでしたが、1956年ということでこれはスエズ動乱の始まりを示唆しているんでしょうね。ラヘルはなんかまだまだ苦労しそうですが、続編を制作してみても面白いかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-04 21:55:16)
713.  アメリカ アメリカ 《ネタバレ》 
「私の名前はエリア・カザン、血はギリシャ生まれはトルコ、伯父の移住でアメリカ人になった」というカザン本人のナレーションで始まります。原作は自身が執筆した長編小説、紆余曲折がありながらもここまでキャリアを重ねてきたところでの自分のルーツ探索をテーマにする、どの分野の人でも頂点から坂を降りだしたときに見られるパターンですが、カザンもこの罠から逃れられず、本作が米国で映画賞をもらった最後の作品となりました。 主人公の若き日の伯父が移民として合衆国に上陸するまでの紆余曲折・波乱万丈のストーリーですが、とにかく長いお話なので気持ちの準備が必要です。主人公がトルコの内陸部の故郷から首都イスタンブールにたどり着くまででも、たっぷり40分はかかるんですからね。この旅はお人好しの田舎青年が狡猾なトルコ人無頼漢に身ぐるみはがされ無一文にされてしまうわけですが、けっきょくこの無頼漢を殺してしまうという大罪を犯してしまいます。治安が乱れ切っていたオスマン帝国ですから、その後に警察が捜査している様子はないのですが、彼の「何がなんでもアメリカに行きたい」という執念を支えるのにこの罪の意識が影響を与えていることは間違いないでしょう。港の荷役労働で旅費を貯めようとしてもうまくゆかずテロリスト・グループに間違われて銃撃されて重傷を負う、もう悲惨の極みです。イケメンなところを見込まれて金持ちの絨毯商人の娘の婿になる幸運をつかみますが、ここからがいけません。嫁は器量の方は並ですが気立てが良いし義父も実の息子のようにかわいがるのですが、それでも青年は婚約破棄してでも単身で渡米しようとします。ここが見る人には最大の?で、確実な幸せを放棄してまでしてなんでこの青年が渡米に執念を燃やすのかが理解できないと思います。殺人の罪の負い目があったのかもしれませんが、とても普遍性がある行動とは思えませんし、この映画の最大の欠点とも言えるでしょう。それでも多民族国家で被支配民族が味あわされる悲哀はひしひしと伝わってきます、これは日本人には決して実感できないことでしょう。 オスマン帝国のギリシャ人は第一次大戦後の混乱期に虐殺されたりして大変な目に遭いますので、結果的にはカザンの伯父の選択は正解だったことになります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-06-29 23:01:05)
714.  アイアン・スカイ 《ネタバレ》 
フィンランドのオタクがクラウド・ファンディングも使って製作した低予算映画にしては、よく出来ているんじゃないですか。とても750万ユーロ(円換算では10億にもならない)が全予算とは思えない映像、やはりCGの力は偉大です。ナチの宇宙船やメカに漂うレトロ感はよく感じが出てましたが、ナチの逆襲というプロットも含めて既視感が濃厚で目新しさはないです。だけどギャグネタはかなり強烈なインパクトがあったんじゃないでしょうか。黒人を薬品で白人化させる、これは今のハリウッドじゃ絶対に使えないネタです。サラ・ペイリンにクリソツな合衆国大統領、まあこれは笑ってもいいでしょう。でもいちばんインパクトがあったのはこれでもかとカリカチュアライズされた国連の様相で、ヘリウム3なる鉱物を巡って巻き起こる壮絶な乱闘プロレスには爆笑させられました、サラ・ペイリンのピンヒールで殴られたらそりゃ血を見ますよ。そして北朝鮮とフィンランドのネタもね(笑)。 そういや、「続編製作中!」というインフォメーションもあったけど、どうなったんでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-26 22:59:04)(良:1票)
715.  暴走特急 《ネタバレ》 
我が愛する“史上最強の料理人”ケイシー・ライバック、よく考えると彼は本作を最後にスクリーンから姿を消してしまったんですね。“その後に量産されたセガール主演映画では、どれもみんなライバックに見えちゃう”というのは、これはまた別の問題で、たった二作しか撮られなかったキャラクターとしては実に惜しい存在です。 「テロリストが乗っ取った列車にあの男も乗っていた」という合衆国政府にとっては運の(都合の)よい設定はともかくとして、走行する列車内という密室性のアクションとしては良くできていると思います。ただし、途中で完全に停車してしかもセガールが列車から放逐されてしまう(しかも超人の様な活躍で走る列車に戻って来る)という展開は、せっかくの密室アクション性を壊してしまうしサービスし過ぎです。とは言え人質が姪だろうが誰だろうがセガールの超人的な強さの前ではすべてが無意味で、狭い車内での重量級の格闘はセガールの合理的な身のこなしもあって迫力満点です。合理的でないのはセガールに素手で対マンを挑むボスの方で、これはスタローンやシュワちゃんの映画でも共通のお約束事なのでしょうがないでしょう。でも強面の割にはこのボスはちょっと弱すぎだったんじゃないでしょうか。 ところで、私は銃で撃たれたことがないんで判らないんですが、人間って銃弾が貫通さえすればあんなに元気なものなんですかね?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-06-24 21:13:06)
716.  ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 《ネタバレ》 
この映画を観て、銀座に出来たマクドナルド日本第一号店でマックシェイクを食したときのことを思い出しました。「世の中にこんなに美味しい食べ物があったんだ、アメリカすげー!」これがたぶん人生初のカルチャーショックだったと思います。恥ずかしながら、今でもマックシェイクは私には特別な存在です。そのマックシェイクが、粉末を溶かして作っていた時期があったなんて、ちょっとショックです。 マクドナルドの創業経緯やレイ・クロックについては、ほとんど予備知識なしで観始めました。最初は素朴なアメリカン・ドリームの物語と思いきや、予想通りいわゆる“カネモメ”の泥仕合の展開になります。だって、レイ・クロックのことを知らない私でも、演じているのがマイケル・キートンですから絶対に綺麗ごとでは済まないと序盤から期待(?) してしまいます。まあそれだけキートンの演技が素晴らしかったということです。日本で起業のサクセスストーリーとなると、ノンフィクションでは本田宗一郎の人生やフィクションでは『下町ロケット』などが出てきますが、このアメリカとの違いは何なんでしょうね。もうどんな手段を使っても勝つことがすべて、だいたいからしてこのクロックという人はマクドナルドを乗っ取った人としか言いようがなく、原題でもある “The Founder” 創業者という肩書はクロックに対する強烈な皮肉にもなっています。マクドナルド兄弟の遺族はこの映画を公認、マクドナルド本社は非公認ということらしいですが、これには至極納得です。 一癖も二癖もありいろいろ考えさせられましたが、けっきょくクロックが成功したのはマクドナルドを不動産業みたいにして運営したからだということは伝わります。恐ろしいのは、このレイ・クロックとよく似たことをしてきた人が、現在合衆国の大統領の座に座っていることでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-06-22 00:05:56)(笑:1票)
717.  県警対組織暴力 《ネタバレ》 
これはいろんな意味ですごい映画です。 まず製作当時の東映という会社が置かれていた状況ですよ。『山口組三代目』シリーズが兵庫県警の逆鱗に触れて本社やプロデューサーの自宅に家宅捜索が入っている最中に、社長の岡田茂が笠原和夫に大号令をかけて脚本を書かせて製作したのが、この映画ですからねえ。現在じゃあ絶対に考えられないことですし、東映というか東大卒のインテリとは思えない岡田茂の、反骨精神というかがめつさにはもう驚くしかありません。その反体制ぶりがウリだった深作欣二や笠原和夫でしたが、実は岡田茂の度はずれたアナーキー体質に引きずられていただけだったんじゃないかと思います。 そして笠原和夫が書いたストーリーが強烈、ここまで赤裸々に警察と暴力団の癒着を描いた映画はこれからも決して出現することはないでしょう。菅原文太と松方弘樹の広島弁のやり取り、そして警察や暴力団の内部での会話も、もう全編啖呵のぶつけ合いの様相を呈しています。有名な川谷拓三が取り調べられるシーンはもちろんですが、“こんにちは赤ちゃん”がTVから流れる部屋での刺殺劇がまた強烈な印象を残してくれます。金子信雄の狡猾なタヌキ市会議員はもう彼の伝統芸みたいなものですけど、風采に似合わず強面の佐野浅夫が演じる刑事もなかなかいい味出していました。という感じで、脇を固めるキャラが立ちまくっているわけです。そしてちっとも勧善懲悪(いや、この映画に“善”へ分類される登場人物はいなかったですね)とならないカタルシスのかけらもないラストも、日本映画としては珍しいといえます。 笠原和夫が「自分の書いたシナリオで最高傑作」と語っていたそうですが、それは納得します。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-06-19 16:42:06)(良:1票)
718.  ディクテーター 身元不明でニューヨーク 《ネタバレ》 
アメリカ大統領と北朝鮮の刈り上げ独裁者が会談するなんて茶番が現実となった昨今、観るべきはやはりこの映画でしょう。サッシャ・バロン・コーエンの最高傑作とも称賛されるだけあり、この風刺の鋭さとネタのくだらなさと下品さは数あるおバカ映画の中でも頭抜けています。くだらないお話しのように見えて、けっこう鋭い問題提起が内包されているところも見逃せないでしょう。これは独裁政治を糾弾しているように見えながらも、そのアンチテーゼである民主主義にも鋭いツッコミを入れている感じがするからです。デモクラシーの宿痾である貪欲なキャピタリズムに搾取されるぐらいなら独裁政治の方がまだ良くね? という真面目に考えてみたくもなる命題でもあります。 でもそんな隠れた意図なんて後から後から繰り出してくるネタのくだらなさの前では、もう存在しないも同然です。人種ネタ・障害者ネタも強烈でしたが、いちばんコケにされていたのは中国人だったかなと感じるのは気のせいでしょうか(笑)。チラッと出てくるジョン・C・ライリーやエドワード・ノートンも笑わしてくれますけど、問題なのはあの人ですよ。そう、名優ベン・キングズレーあなたのことですよ!この人近年はヘンな映画やおバカ映画でしか顔をお見掛けしないと思うんですが、きっと懐の深い人なんだろうなと、好意的に解釈しておきます(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-16 23:12:39)
719.  ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦 《ネタバレ》 
上映時間三時間超の全長版で鑑賞。今までの公開バージョンよりきっちり一時間長いわけですが、はっきり言って冗長というのが偽らざる感想になります。対ソ情勢が悪化してゆき戦闘が始まるまでに一時間近く費やします。その間は記録映像など一切使わず、招集されてゆく兵士たちの目線だけのストーリーテリングですから、フィンランド人ではなく予備知識を持ってない者には戦争にいたるまでの経緯が判りにくいでしょうね。戦闘場面では陣地を守るフィンランド軍に戦車を随伴させたソ連歩兵が攻めてきて撃退される、延々とその繰り返しを見せられたような気がします。フィンランド軍は激しい砲撃を浴びせられるのですが、これが意外と損害を与えません。至近距離で砲弾がさく裂してたしかに泥や土塊を浴びますが意外と無傷、中には狭いタコつぼ陣地の中で砲弾が着弾しても平気というシーンまであり、さすがに?でした。最前線でもサウナだけはきちんと作って休養する、さすがフィンランド人と納得させられるシーンもあります。あとこの冬戦争期間中はとてつもない寒波が続きソ連軍なんかは森の中で連隊全員が凍死していたなんて史実がありますが、暖冬だったのかさすがに厳冬期では野外ロケは無理だったのか、映像からはその冬らしさがあまり伝わってこなかったと感じました。 史実ではフィンランド軍の十倍近い圧倒的な兵力差のソ連軍が大損害を被り、半年近く攻めてからくも休戦に持ち込んだというところです。それでも領土の一割近くをソ連に割譲させられたので、フィンランドには苦い結末だったことは否めません。ソ連は開戦早々にお得意の傀儡政権まで準備して完全にフィンランドを併合するつもりでしたから、独立を維持できただけでも大勝利と言えるんじゃないでしょうか。ソ連・ロシアと地続きの国境で接するということは、昔も今も大層厄介なことであることは変わらないということです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-06-14 22:53:07)
720.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》 
ボストンを舞台にした犯罪・アクション系映画になると、主役キャラが警官ならマーク・ウォールバーグを主演に据えることはハリウッドの最近のお約束事みたいな感じですね。この実録映画で彼が演じるキャラは架空の存在キャラみたいですが、いつものウォールバーグとは違ってすぐに頭に血が昇るタイプではなく自省的で割と落ち着いた男のように見受けました。そうなると、「この役はマーク・ウォールバーグじゃなくても良くね?」、ということになる気がします。俳優も、一度染みついた悪い(?)イメージは払拭するのはなかなか大変です(笑)。 つい最近のことの様な気がしてましたが、ボストン・マラソン爆弾事件は5年も前の事件だったんですね。この映画を観ての感想は、テロなどの犯罪に対するアメリカ人の立ち直りの早さは大したものだ、ということでした。これにはマスコミの対応も影響が大なのかもしれません。日本のマスコミ、とくに社名に「日」が入っているところはすぐに犯罪者側に同情する方向に誘導する記事を載せますからね。彼らは基本的に大衆を見下していますから、世論を善導してやるんだという意識が強いわけです。そしてテロや犯罪をタイムリーに映画化してしまうハリウッドの貪欲さには、毎度のことながら感心するしかないです。日本の場合は、震災の様な天災に関してはトライすることはありますが、犯罪事件などの人災については、映画化された事例はほぼ皆無ですからねえ。 映画の内容についてはかなりオーソドックスな撮り方だったかな、と思います。中では市警察はもちろんFBIですら実態をつかめていない風なワシントンから来た尋問チームが、なんか思わせぶりで不気味でした。実話なのかは不明ですが、犯人兄弟が9.11陰謀説を信じているところも印象に残りました。そして驚くことに、ボストン・マラソン爆弾事件を検索するとアメリカ政府の自作自演だという陰謀説がたくさんヒットすることです。もう狂っているとしか言いようがありません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-06-09 23:17:17)
030.13%
1110.46%
2351.47%
31265.28%
42038.51%
535714.97%
644218.53%
761425.74%
842717.90%
91375.74%
10301.26%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS