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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2455
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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741.  重犯罪特捜班/ザ・セブン・アップス 《ネタバレ》 
『ブリット』『フレンチ・コネクション』を製作したフィリップ・ダントーニの最初で最後の監督作で、ロイ・シャイダーがついにつかんだ劇場映画主演作です。トニー・ロー・ビアンコが顔出してるし音楽はドン・エリスだし、気分はもう『フレンチ・コネクション』です。とくに不協和音を強調したドン・エリスのサウンドは、何度聞いてもゾクゾクさせられます。ロイ・シャイダーの役柄は『フレンチ・コネクション』のバディ・ラッソ刑事が特捜班キャップに昇格したような感じ、しかも本作でもロイ・シャイダー扮する刑事の役名は“バディ”ですからねえ。シャイダーの幼なじみでマフィア業界とつながりのあるビアンコが、シャイダーから得た情報を悪用してマフィアの幹部たちを誘拐して身代金を荒稼ぎするというのが事件の概要です。けっきょくビアンコの手下の暴走で特捜班の仲間が巻き添えを喰って射殺されてしまうんですが、二人の関係を特捜班の仲間は最後まで知らないので、諸悪の根源は実はシャイダーだったということになります。彼の捜査手法は極めて強引だけどけっして腐敗警官の部類ではないのは確かですが、そこら辺をシレっとスルーする幕の閉じ方にはなんか後味の悪さが残ります。 カーチェイスはさすがに迫力があります。トレーラーに追突して荷台の下にめり込んでオープンカーになっちゃうというアクションは、たぶんこの映画が初だったと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2018-10-19 23:31:39)
742.  ヘルハウス 《ネタバレ》 
よく考えるとこの映画で画面に映るのはわずかに7人、実際にはほぼヘルハウスに乗り込んだ4人だけでお話が進行するんですね。まあぶっちゃけて言えば低予算、良くも悪くも出来が良いハマー・フィルムのホラー映画という感じでしょうか(これはディスっているわけではありません)。本作の特徴はまさにそこで、英国映画界が得意としてきた幽霊屋敷ものを古式蒼然たるハマー調で撮ってみましたという感じ、監督のジョン・ハフはハマー・ファミリーの一員ですしね。そこら辺は同年に公開されたいかにもアメリカ的なニュー・ウェーブ・ホラーである『エクソシスト』とは比べるべくもありません。 私は未読なんですけど原作小説の方がはるかに怖くて面白いという声をよく聞きますが、脚本書いたのも原作者なんですよ。偉大なリチャード・マシスンも脚本家としての腕はイマイチだったってことでしょうか。ホラーといってもポルターガイストがメインなので全然怖くないのですが、ラストに出現するマイケル・ガフにはちょっとゾッとしました。そしてこの映画こそ、我が愛したパメラ・フランクリンの最高傑作なんです。なんせ幽霊とエッチまでしちゃうんですから。そして『猿の惑星』のチンパンジーという印象しかなかったロディ・マクドウォールが、ちょっと唐突でしたがなんとヒーローになって悪霊を退治するのがサプライズ。それにしてもゲイル・ハニカットとパメラ・フランクリンにハニー・トラップをかけられても全く無反応とは、このキャラは実はホモだったのかな?
[映画館(字幕)] 6点(2018-10-16 21:50:34)
743.  豚と軍艦 《ネタバレ》 
唐獅子みたいなご面相で決して美人とは言い難い吉村実子、でも不思議とこの人には引き付けられる魅力があるんです。まして本作が17歳のデビュー作、とても高校生の新人とは思えない溌溂とした演技が素晴らしい。数年前に『徹子の部屋』に出演しているのを見ましたが、すっかり魅力的なおばあちゃんになっていて感慨深かったです。 今村昌平の最高傑作と言えば、やはり本作になるんでしょうね。この映画が若き日のマーティン・スコセッシに衝撃を与えたという逸話は有名ですが、確かにピカレスクものとしては『グッドフェローズ』に通じるところがあるかもしれません。今村昌平らしく“敵はアメリカ”“悪はヤクザ”という徹底的に冷徹な視点、ヤクザ業界とズブズブな東映じゃないのでヤクザ組織のクズっぷりをこれでもかと突き付けてくれますが、ここもマフィアに厳しいスコセッシと通じるところがあるのでは。でも長門裕之と吉村実子のカップルはまさに「どぶの中の青春」という感じですけど、まだ少年の面影が残る長門裕之の弾けっぷりが見ていて愉しいです。印象良かったのは兄貴分の丹波哲郎で、肩の力が抜けた軽やかなコメディ演技ができたとは意外でした。丹波が横須賀線の電車に飛び込もうとするシーンで線路際に建っている大きな日産生命の看板、強烈なブラックユーモアでした。でもよく見るとタイトルロールに「協賛 日産生命」と出てました(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-10-12 23:08:36)
744.  サンタマリア特命隊 《ネタバレ》 
70年代のロバート・ミッチャムはどの作品でも渋くてカッコよい。そこそこに演技ができる人なのに、それまでは製作側の工夫が足りないのかはたまた本人が怠惰なのか、もっさりした役柄ばかりでキャリアを重ねてきたイメージがありますけどね(『狩人の夜』と『恐怖の岬』はもちろん例外です)。 そんなミッチャムの今回のキャラは、『狩人の夜』以来の聖職者カトリック神父、最も『狩人の夜』は(偽)プロテスタント牧師でしたけどね。そして舞台が革命騒動に明け暮れる20年代の中米とくれば、いやでも『戦うパンチョ・ビラ』の悪人だか善人だか判断に苦しむ武器商人を思い出しちゃいますが、この神父は両作のキャラを足して二で割ったというのが正解。かつては確かに聖職者だったけどなぜか業界を追い出されてトンプソン短機関銃を隠し持って神父服で中米をうろついている存在、いわば破戒僧なんだけどともに敵地に送り込まれた相方二人と違って何のキャラ説明もないので最後まで何者なのか判らない謎の人物。でも教会を異常なまで憎む敵ボスの脅迫にもめげず、それも作戦のうちと判っていても村人たちにミサをひらきマシンガンをぶっ放す姿はほれぼれするほどカッコよかったです。 ジャック・ヒギンズの原作を西部劇の職人ラルフ・ネルソンが映像化、ヒギンズは脚本も書いています。政府軍に捕まって銃殺されるはずのミッチャムら三人が、助命の条件で戦力拠点を占領している敵勢力のボスを殺害しに行くというのが大まかなプロットです。いちおう政府軍としていますが、架空の国が舞台みたいで両者とも悪逆非道なので、正直いってどっちが革命というか反乱側なのか分かりません。ミッチャムの相方二人がアイルランド人の革命家ともと英国軍人の武器商人という設定はいかにもヒギンズらしく、とうぜん二人は犬猿の仲というわけでその三人が協力して戦うという過程がけっこう楽しませてくれます。ラストの攻防もおとなしめのワイルドバンチという感じですが、ラルフ・ネルソンらしくそつなくまとめています。後半にかけては完全にアイルランド人革命家が主人公という展開でしたが、そこそこ愉しめる作品だったと思います。 リタ・ヘイワースが敵ボスの母親役ですが、実はこれが最後の映画出演になるそうです。この時のヘイワースはセリフが全然覚えられなくてスタッフを苦労させましたが、どうもアルツハイマー病の初期が始まっていたみたいです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-10-11 21:32:59)
745.  デイジー・ミラー 《ネタバレ》 
時は19世紀半ば、ヨーロッパ暮らしの長いブルジョワ階級の米国人青年が、スイスの保養地でNY住まいのお嬢様と知り合いになる。青年は彼女に一目惚れしてしまうが、次の滞在地ローマで再会すると、彼女はその自由奔放な言動で社交界では鼻つまみ者あつかいされていた。 原作は文豪ヘンリー・ジェイムズの中編小説、それをピーター・ボクダノヴィッチが正面から映像化したいわゆる文芸映画です。ジェイムズは米国人ですが、米国で生活するよりヨーロッパ暮らしの方が長かった米国文壇でもちょっと変わったポジションの作家です。デボラ・カーの有名なホラー映画『回転』の原作者でもあり、私は長いことこの人は英国人でホラー作家だと思っていました(無知ですみません)。登場人物は欧州社交界にたむろする米国人が多いのですが、そういうジェイムズの作風もありみんな米国人らしくない感じなのが面白いです。 奔放なヒロインであるデイジー・ミラーを演じているのがボクダノヴィッチのミューズであるシビル・シェパードです。彼女の大づくりな顔立ちが好みではなく敬遠していた自分でしたが、19世紀コスプレが見事なほど似合っていて目を見張りました。彼女のケバい容姿とヴィクトリア調のドレスは素晴らしく相性が良くて、現代劇よりも遥かに魅力的です。奔放と言ってもアメリカ的な自由な振る舞いをヨーロッパでも直さないというだけのことで、ここら辺にヨーロッパとアメリカの文化の衝突をテーマにしていたジェイムズらしさが出ていると思います。ボクダノヴィッチはローマなどでロケをして美しい映像を追及していますし、室内シーンでは演技者の主観を鏡に映して表現していろいろ凝った技を見せてくれます。お話し自体はあまり盛り上がるイヴェントもなく、ヒロインが熱病(たぶんマラリヤ)にかかってあっけなく死んでしまうというのがある意味サプライズです。 ヒロインと男二人の三角関係のお話とも言えますが、その中でたびたび言及されるのが「婚約」というワードです。主人公にヒロインが最後に残した言葉も「私はあの方とは婚約していませんでした」でしたが、この「婚約」とはひょっとして肉体関係の隠語なんじゃないかと思えてなりません。19世紀の上流社会ならあり得る言葉遣いかと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-08 22:58:14)
746.  深夜の告白(1949) 《ネタバレ》 
『深夜の告白』と言いましてもビリー・ワイルダーのアレとはまったく関係はございません。もっともワイルダーの方は44年製作で日本では53年に公開されていますので、本作の方が元祖『深夜の告白』ということになります(あくまで邦題だけの話です)。中川信夫の新東宝移籍後の第二作目になるそうです。このころの新東宝はまだ発足したてのころで、最初に東宝のロゴが「東宝配給」という文字とともに映されるぐらいの時期です。この頃の新東宝はもちろんあの大倉貢とはまだ何の関係もなく、本家の東宝も顔負けのまじめな映画ばかり製作していました(実は黒澤明の『野良犬』も当時の新東宝配給です)。 さて、中川信夫推しのわたくしとしてはこの滅多に観れない一編なのでちょっと期待して観たのですが、正直言わせてもらうと面白くもなんともない凡作でした。戦時中に背任横領の嫌疑をかけられて謎の失踪をした軍用機製造会社の社長が実は横浜のスラム街で名前を変えて生きていた、まるで『第三の男』を彷彿させるプロットはちょっと期待しちゃうんですがね。当然この失踪劇には隠された陰謀や策略があって、新聞記者の池辺良がそれを暴いてゆくという展開だとふつう誰でも考えますよ。それがいつまでたってもサスペンスにならず、けっきょくベタなメロドラマでしたって終わり方をされちゃあ、もうがっかりです。社長役の小沢栄(若いころの小沢栄太郎です)はこのころから老け役が上手くてまるで後年の東野英治郎みたいだな、と感心したらなんと東野英治郎ご本人もちょこちょこ悪事を働くわき役で出演してました(笑)。彼はほぼ実年齢通りのキャラでしたが、この人も志村喬と同じで若いころから風貌が全然変わらなかったみたいです。 出演者みなけっこうしっかりした演技を見せて中川信夫の演出手腕の確かさは再確認できましたが、いかんせん脚本があまりに古臭くて陳腐すぎです。よく考えてみると、終わってみれば嫌な奴はいても誰も悪人じゃなかったという、ありふれた結末でした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2018-10-06 22:50:51)
747.  ドライビング Miss デイジー 《ネタバレ》 
アメリカの黒人ラッパーには、この映画が大嫌いだと公言するのが多いそうです。まあ彼らの言い分も判らなくもないです。たぶん、出てくる黒人キャラはみな従順でいかにも50年代に南部人が理想とする黒人像でしかない、と文句を付けているんだろうと思います。たしかにキング牧師は話の中に出てくるけれども、従順ではなかった黒人たちが戦った公民権運動については全く触れられてはいません。というか、30年に及ぶストーリー展開でも政治に関する描写はほとんどなく、それは脚本家があえて選んだストーリーテリングじゃないかと思います。その代わりにミス・デイジーと彼女を取り巻く限られた人たちだけの小宇宙にストーリーを限定した脚本、そしてホークが運転する車の変遷を巧みに織り込んで南部黒人社会の歩みを観客に理解させる巧みさは脱帽です。知的ではあるがユダヤ人としてのアイデンティティに頑なに固執する母親、宗教には無関心でキリスト教徒と結婚して一緒にクリスマスを祝うリベラルな息子、とジェシカ・タンディとダン・エイクロイドの親子関係も緻密に計算されています。聞くところによると南部のユダヤ系白人は伝統的に黒人差別意識が強かったそうでミス・デイジーはその類型からはちょっと外れているようにも見えますけど、黒人使用人に接する態度は日本人にはとても尊大に感じます。たとえが悪いかもしれませんが、それはまるでペットや家畜をしつけるような感じで、そんなデイジーが最後にはホークを大切な友人として慕うまでになる、これはミス・デイジーの成長物語でもあるわけです。 映画の出来は別にして、アメリカ南部を舞台にした映画には不愉快な気分にさせられることが多いのですが、本作では「人間っていいなあ」としみじみ感じることができました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-03 23:14:23)
748.  あさひなぐ 《ネタバレ》 
アイドル映画としてはかなり上質な出来ではないでしょうか。乃木坂のメンバーは西野七瀬と白石麻衣ぐらいしか顔認識ができない私ですが、調べると主要キャストはほとんど乃木坂のメンバーなんですね。二年生の部長を演じる伊藤万理華って女優がけっこう個性があって上手いなあと思ったら、彼女も撮影当時は在籍していた元メンバーだったんですね(すいません知識がなさ過ぎて)。かなりコメディ色が強い撮り方ですが、演出のテンポが良いので愉しめました。演技力に難があるアイドルを起用する場合は、それをカヴァーするためにカット割りを短くするのがコツですが、こういうアイドルばかり出演する作品になるとそれがストーリーテリングのテンポをよくしてくれる効果があるわけです、これも怪我の功名ですかね。 面白いのは二ツ坂高校という校名で、私はてっきり乃木坂・欅坂の二つのグループ名をもじったシャレなのかと思っていたら、原作コミックの連載開始の方が乃木坂46結成より早かったんですね。現在の坂道グループの隆盛を予言しているみたいで面白いと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-09-30 21:39:32)
749.  新感染 ファイナル・エクスプレス 《ネタバレ》 
物の見事にくそったれキャラばかりの大人の登場人物たち(特に男性)、対照的に主人公の娘や高校生たちの未成年キャラはみな純真無垢、韓国映画らしいまことに判りやすいキャラ分けです。釜山行きの特急電車内でゾンビがどんどん繁殖してゆくというプロット自体も目新しさはないけど、それを引っ張るストーリーテリング力は多少強引なところはありますが飽きさせないパワーがあります。もし日本の新幹線を舞台にするとしたら、車掌をはじめとする何人もいる乗務員があれほど無能で役に立たないというのはかえって不自然に感じるかもしれないけど、韓国では結構リアルな描写になるんでしょうね。列車がトンネルに入るとゾンビの活動が不活発になるというのは良いアイデアだと思いますが(まあそうでもしないと乗客は全滅しちゃいますけど)、こいつらは夜になったら全然活動できないので脅威じゃないってことなんです。あと凄いのは驚異の走力、歴代ゾンビの中でもトップクラスです。だから、ディーゼル機関車に向かって主人公たちが必死に走るシーンでゾンビの群れが追い付けないというのは、いくら何でもご都合主義が過ぎます(生存者の中に妊婦までいるのにね)。ゾンビの大群描写あたりはあの映画のパクリみたいなところですが、この映画独自(たぶん)の印象的なシーンもあります。それは狭い空間に詰め込まれたゾンビたちが限界に達すると窓を突き破ってあふれ出す映像で、とくに傾いた車両から窓ガラスが割れて零れ落ちてくるカット、まるで水族館で水槽のガラスが割れて飛び出してきたサメが観客を襲ってくるような感じです。自分にはこのシーンが妙に怖かったですね。ゾンビが発生する説明はほぼ皆無という潔さも評価できますし、いろいろとネタ元にしたあの映画よりははるかに面白かったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-28 21:10:47)
750.  エクソシスト2 《ネタバレ》 
この映画でなにがいちばん怖かったかと言えば、それはラモント神父のリチャード・バートンだということには異存はないでしょう。この続編では悪魔に憑りつかれたのはリーガンではなく、このラモント神父だったというわけでした。彼の怪演を見ていると『恐怖の魔力/メドゥーサ・タッチ』のバートンを嫌でも思い出させてくれますが、よく考えたら本作のほうが先でした。 監督がジョン・ブアマンで一部ではカルト的な評価があるということで期待しましたが、思ったより平凡な出来だなと思います。たしか公開時には、部屋からイナゴの大群が飛び出してくるところでここぞと使われるセンサラウンドを受けてウリにしていた記憶がありますが、そんなこけおどししか取り柄がないというのも辛いところです。エンニオ・モリコーネのサントラも、流れてくるとどうしても初期のアルジェント映画が思い出されB級感が漂っちゃうんですよね。そう言われると、この映画はイナゴの群れが準主役で飛んでいるイナゴの主観映像もあるし、いかにもアルジェントが撮りましたって感じがします(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-09-27 21:58:14)
751.  幕末太陽傳 《ネタバレ》 
落語調の演出ばかりに目が行きがちですけど、数編の落語噺をくっつけながらそれを幕末動乱期の事件に見事にシンクロさせたストーリーテリングが絶妙で、歴代邦画の脚本ベストテンを作ったら間違いなくベスト3には選ばれると思います。舞台の品川宿を文字通り歴史の通り道として見せていて、遊郭の前の街道を通り過ぎるのは異人の軍楽隊や幕府の早馬、焼き討ちされた異人館に駆け付ける火消しなどまさしく尊王攘夷に激動する歴史そのものだと言えます。遊郭に上がり込んで攘夷をたくらむ高杉晋作たち長州藩士たちは妙に軽い乗りの若侍という印象で、これはきっと製作当時の学生運動に対するイメージを投影しているんじゃないかな。60年安保は三年先ですけど尊王攘夷は反米闘争のメタファーで、脚本陣に今村昌平が名を連ねているので十分あり得ることだと思います。高杉晋作と佐平治は同じ像の裏表、佐平治は高杉晋作のブライト・ハーフなんですよ。二人とも結核患者ですし、佐平治も晋作と同様に明治という新しい時代を見ることはなかったと思います。 そして凄まじいのはフランキー堺の伝説的な演技で、もう神がかりとしか言いようがない。特に私が好きなのは放り投げるようにして羽織に腕を通す仕草で、カッコよすぎです。驚異的な滑舌でまくしたてる演技をたっぷり見せた後で、一人になった瞬間にふと見せる迫りくる死に怯える表情、こんな演技は彼以外には誰もできません。ラストのシークエンスで佐平治と絡む東北なまりのおっさんが現れるとなぜか佐平治は滑舌も悪くなりおどおどしてしまうのが不思議ですが、これは佐平治にはおっさんが冥途の使者のように感じてしまったからなんでしょうね。そうなんです、佐平治は自分の余生があまり残さないれていないことを自覚していた川島雄三の分身でもあるんですよ。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-09-20 23:57:47)
752.  ハイジャック (1972) 《ネタバレ》 
なんでも、これがハリウッドで初めて製作されたハイジャック映画なんだそうです。『大空港』は?という声もあがるでしょうけど、まああれはパニック映画のジャンルでしょう。監督はジョン・ギラーミンで主演がチャールトン・ヘストンとくれば如何にも当時はやっていた超大作路線かと期待されるでしょうが、これが作品規模といい映画自体の出来といい、実にショボい底抜け超大作でした。 冒頭の画面に映らない誰かが口紅を空港売店で買うところやその口紅で旅客機のトイレの鏡に「爆弾を持っている、行き先をアンカレッジに変更しろ」と書かれているのが発見される、これが前半のサスペンスの肝のはずですが下手くそな演出のせいで全然盛り上がらない。乗務員たちは「口紅を使っているぐらいだから、犯人は女性かな?」と至極まっとうな推測をするのですが、稚拙な脚本のせいでジェームズ・ブローリンが演じる軍人が犯人だということがバレバレなんです。この犯人がはっきり言って狂人で、後半ではアンソニー・パーキンスが演じているようなキチ〇イぶりで、若き日のジェームズ・ブローリン、なかなか良い仕事をしてます。ごたごたがあって結局アンカレッジからブローリンの亡命のためにモスクワに飛ぶことになってしまいますが、ここら辺からおかしな展開になってしまいます。まあキチ〇イのすることだから、という言い訳はできるでしょうけど、この軍人は警察に追われているわけでもないので亡命したけりゃソ連大使館に駆け込むかそれこそ航空チケット買ってモスクワに行けば事が済むわけです。冷戦中とはいえソ連と米国は普通に国交があるわけですから、日本のよど号乗っ取り事件と全然違いますね。あと登場キャラの描きこみがほとんどないので、それぞれのエピソードが恐ろしく薄っぺらで印象に残りません。とても劇場映画とは思えない、平凡なTVムーヴィーという出来でした。 でもとり得がないわけではなく、本物のB707旅客機を架空のエアライン塗装で飛行させて撮影しているところです。そしてソ連領空でソ連戦闘機が迎撃してくるシーンも、4機の戦闘機がB707の至近距離を威嚇してブンブン飛び回るところを実写で見せてくれます。この戦闘機はおそらく米軍のF-100戦闘機だと思いますが、塗装やマーキングもうまくソ連機に似せていました。さすが『ブルー・マックス』を撮ったギラーミンだけあります。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-09-16 23:22:48)
753.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 
POVジャンルは低予算で舞台も森の中や幽霊屋敷の室内とかの狭い空間というのがお決まりだったわけですが、大物プロデューサーが乗り出してくるとこの映画のように凄まじい映像になるわけです。突然出現した怪物がNYを破壊しつくすところを巻き込まれた若者の視点だけで見せる、怪獣ファンには一度は撮ってほしかったプロットであります。プロデューサーであるJ・J・エイブラムスの趣味がうかがえますね。 相変わらずの手振れ映像は不思議とあまり苦にならなかったんですが、これは他のPOVものよりはるかに映像に情報量が多かったからなのかなとも思います。ビデオカメラを回し続ける男はKYなバカという設定は、もうこの手の映画ではお約束です。考えるに現在ではこのプロットは現実味がなくなってしまいましたね、プロの映像スタッフなら別ですけど素人はスマホで動画ですからね。肝心の怪物は中盤以降チラチラ部分的に映り夜が明けるとその醜い全身像をさらすわけですが、最後までほんの一部分だけしか見せずに終わるという撮り方もありだし、正直言ってそのほうが良かったんじゃないかと思います。まあこれは製作スタッフたちが見せたくて我慢しきれなかったのかな(笑)。あと地下鉄で襲ってくるバグみたいなやつは平成ガメラのレギオンに登場の仕方からそっくり、ほんとスタッフの皆さん怪獣映画が好きですね(笑)。 ちょっと不思議なのは、この映画に限らず今世紀に入ってからのハリウッド映画に出てくる怪獣・怪物は、どうして体表がのっぺりした両生類系というかゴブリン系ばっかりなんでしょうね?CG化しやすいからなのか、単に手抜きして真似しあってるだけなのか?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-14 21:48:03)
754.  アメリカン・パロディ・シアター 《ネタバレ》 
まず原題の『月のアマゾネス軍団』からして、50年代に撮られたZ級サイテーSF『月のキャットウーマン』のパロディです。この『アマゾネス軍団』をぶつ切りに四分割してその間にCMパロディやらショートコントを詰め込んだというのがこの映画の基本的な構成です。でもこの『アマゾネス軍団』は深夜映画枠での放送という体をとっているけど画面がずれたり音が飛んだりフィルムが焼けたり、場末の名画座のスクリーンみたいな状態。つまりあの『グラインド・ハウス』を20年先取りしたアイデア、というかタランティーノがこれをきっちりパクったというところでしょう。詰め込まれたギャグは玉石混淆ですが、出てくる俳優陣がすごい数です。どっちかというとバイ・プレイヤーが多いのですが、その中にB・B・キングやラス・メイヤー、そしてヒューイ・ルイスというマニアが喜びそうな顔ぶれもいます。どっちかというと女優陣の方が豪華で、「なんでミシェル・ファイファーがこんな映画に」と驚くかもしれませんが、監督の一人が当時の旦那ピーター・ホートンなのでこれは納得でしょう。キャリー・フィッシャーやロザンナ・アークエットは割と変な映画に出るのが好きなイメージもありますが、個人的にはシビル・ダニングの月の女王様には感涙でした。 さてそのカオス状態の中でどのコントが良かったかと思い返すと、やはり『透明人間の息子』がいちばんでしょう。次点はヘンリー・シルヴァの『でっち上げか、真実か』ですかね。「切り裂きジャックの真犯人はネッシーだった」のネッシーが犠牲者を路地に連れ込むところの絵面は抱腹絶倒のおかしさです。あと『魂を無くした黒人』も捨て難い。これはCS放送でよく流れているポピュラーソングのコンビレーション・アルバムのCMのパロディになっていますが、これが日本のCMとそっくりなのに気が付きます。たぶんこういうCDは企画そのものからアメリカからの直輸入だったのかなと思います。 『ケンタッキー・フライド・ムーヴィー』ほどのアナーキー感はなかったのはちょっと残念でしたが、それなりにまとまったおバカ映画だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-09-11 22:08:19)
755.  サロゲート 《ネタバレ》 
細かいことを言うと粗が目立つけど、この映画が見せてくれる世界観はなかなか興味深く考えさせられることが意外と多いと思います。まず世界の98%がサロゲートを使用しているってことは、ほとんど全人類がニートになってしまったというわけで、それを想像するだけでもなんか楽しい。経済的な合理性やセキュリティ面からのありえなさはともかくとしても、これは変身願望を持つ人には堪らない魅力がある商品ですね。冒頭に出てくるクラブのボディコン姉ちゃんのオペレーターが実はメタボの中年おばはんだったというエピソードなんかドンピシャです。ブルース・ウィリスのサロゲートが妙に若々しくて、『シックス・センス』のころみたいな顔つきなのも笑ってしまいます。これはメイクの偉業かと思いますが、まさかCG?ロザムンド・パイクは『ゴーン・ガール』の先入観がどうしてもあるのでまたなんか悪さをするんじゃないかとドキドキしましたが、この人の無表情は究極のサロゲート顔というかサイボーグ顔です。 このお話は変身願望という視点やサロゲート文明に対する抵抗組織が登場するところなどから、シュワちゃん版の『トータル・リコール』と通じるところがあるようにも思えます。そして重要なメッセージとして依存症への警鐘があり、これは現在問題になっているスマホ依存症を予言していると感じました。そういった深いメッセージを軽快なアクションにまとめた良作だったと思います。 ネタバレですけど、このストーリーはスティーヴ・ジョブスが全世界のiPhoneを破壊しようとするみたいなものでしたね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-08 23:42:05)
756.  荒野を歩け 《ネタバレ》 
時代が1930年代のニューオリンズで高級娼館が舞台とくると原作はテネシー・ウィリアムズかなと思いましたが、別人の小説の映画化でした。 ぶっちゃけて言うとこの映画の見どころは、カッコよすぎるソウル・バス謹製のタイトルとジヴァンシィ・モデル出身のキャプシーヌのクールな美貌、そしてデビュー間もないジェーン・フォンダのダイナマイト・ボディといったところでしょうか、はい。ストーリー自体はテネシー・ウィリアムズの戯曲の劣化版といった感じです。時代が30年代の南部地方なんですが、なんか映像の雰囲気にはそれらしさが感じられないのがいまいち乗り切れない要因なのかもしれません。冒頭でローレンス・ハーヴェイがヒッチハイクするトラックがもろ1950年代以降のタイプなので引いてしまいました、でもこの後に登場する車はちゃんと30年代風だっただけに首を捻らされました。このローレンス・ハーヴェイがなかなか間抜けな奴でして、探し当てた元カノがどう見ても高級娼館としか見えないところに住んでいるのに、彼女の現在の職業が判らずにプロポーズするという鈍感さには笑うしかありません。このハーヴェイのキャラも判りにくくて、テキサスの田舎農夫には見えないので感情移入もできません。フォンダのほかにも、アン・バクスターとバーバラ・スタンウィックと脇を固める女優陣は豪華なので、結末は見え見えですがメロドラマ好きにはお勧めかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-09-05 23:57:10)
757.  恐竜グワンジ 《ネタバレ》 
職人レイ・ハリーハウゼン御大、相変わらずイイ仕事してますね。ストーリー自体はこの手の恐竜映画の王道というか皆様ご指摘の通り『キングコング』の焼き直しでお目当ての恐竜も一時間近く経たないと登場しませんが、そこまでの本編ドラマが予想以上によく撮れています。舞台はメキシコ、時代は19世紀末、登場キャラはワイルド・ウェスト・ショー一座のカウボーイたちというプロットがなかなかな秀逸です。おかげで恐竜を投げ縄で捕獲しようとする面白い映像を見ることができました。主役のグワンジ君は現在の恐竜映画では主流のティラノ型ではなくアロサウルス・タイプなのが時代を感じさせますが、背丈が三メートル弱のアフリカ象ぐらいの大きさというのが、実写との合成を考慮されたちょうど良いスケールになっています。というかこれは『地球へ2千万マイル』の金星竜イミールともほぼ同じサイズで、ハリーハウゼンが好きなスケール感なのかもしれません、ちなみに競技場から大聖堂のラストへの流れはほぼ『地球へ2千万マイル』の再現と言えます。この映画はハリーハウゼンがリキを入れたにもかかわらず全米ではヒットしなかったそうで彼の最後のモンスター映画になってしまいましたが、数ある恐竜映画の中でも珠玉の一編と呼べるでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-01 23:30:35)(良:1票)
758.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 
わたくしが初めて一人で映画館に観に行った思い出の一編、もちろんトレーシー・ハイドちゃん目当てでした。当時この映画のシーンが森永のCMで使われ爆発的な人気で、思えば彼女こそが日本のローティーン・アイドルのさきがけなのかもしれません。そんなハイドちゃん本作以降はほとんど女優活動しなくてやがて引退、二十代になるころには一般人OLになっていたそうです。不思議なことに本作は日本だけで大ヒットしてハイドちゃんも日本だけで有名になり、これには本人がいちばん驚いていたそうです。でもこれは日本にとって決して恥ずかしいことではなく、日本のアイドルを愛でる文化が世界より先に進んでいたんだと私は解釈します。その文化は今や世界中に広まり、“KAWAII”が世界語と言ってよいぐらい通じるようになりました。アレンサンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥやウェス・アンダーソンなど本作が「大好き」と公言している映画作家もいて、アンダーソンの『ムーンライズ・キングダム』などは本作へのオマージュなんだそうです。 ハイドちゃんとマーク・レスター&ジャック・ワイルド以外の生徒たちはほぼ全員が素人、この子らの生態が実に生き生きとしているのがこの映画の楽しいところでもあります。ケバくなる前のビージーズのサントラは名曲ぞろいですが、自分としてはやはりC.S.N.&Yの“Teach Your Children”を推したい。この曲をバックにダニーとメロディがトロッコで去ってゆくラスト空撮はまさに青春映画の金字塔だと言えるでしょう。 永遠の名作です。
[映画館(字幕)] 9点(2018-08-31 16:00:10)(良:1票)
759.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
地球帰還に成功するシーンに、この映画で監督の伝えたかったメッセージが凝縮されていると感じました。着水した湖(?) はまるで羊水のごとく、生物の進化の過程を再現するように魚類や両生類を追い越して水上に浮かび上がったサンドラ・ブロックが泥をかきながら立ち上がって重力を感じる瞬間、これぞまさしく人類誕生の瞬間をメタファーしているに相違ないでしょう。“母なる大地”という賛辞がありますが、その大地に地球の全生命を固く結び付けてくれているのがまさに“グラビティ”なのであります。そう考えると“ゼロ・グラビティ”という邦題はちょっとセンスがないですね。Perfumeの昔の名曲に“ゼロ・グラビティ”というのがありますが、担当者はPerfumeのファンだったのかな(そういやPerfumeには“引力”という曲まであります)。 そうは言ってもこの映像体験は圧倒的です。とにかく言えることは「宇宙は怖い」の一言に尽きます。当たり前ですけど宇宙は真空の世界で、自分には昔から“空気がない、呼吸できない”真空状態に対する恐怖心が根強くて、こういう宇宙空間の映像が本能的に怖いんです。そして真空の空間を音もなく高速で突っ込んでくる破片の恐ろしいことと言ったら… ロシアが起こした迷惑でスペースシャトルがひどい目に遭って中国の宇宙ステーションに助けられる構図なので、最近のハリウッドが病んでいるいわゆるチャイナ・シンドロームなのかとも思いましたが、中国を揶揄する感じのカットもあった気がします。操作パネルが中国語表示でサンドラ・ブロックがキレるところや、極めつけはステーション内を卓球のラケットが漂っていたところで、中国人どんだけ卓球が好きなん?でも無重力状態でどうやって卓球するんだよ!って爆笑してしまいました。偉大なる中華民族なら、やってのけるかもしれませんね(笑)。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2018-08-27 23:06:46)
760.  GONIN2 《ネタバレ》 
タイトルバックの映像は前作とまるで同じじゃないですか。そのほか中盤以降の舞台となる廃業したディスコも前作で佐藤浩市がオーナーだったところ。おまけに暴力団の組長と若頭も前作ではたしか死んだはずの永島敏行と鶴見辰吾とくれば、ちょっと混乱します。そして前作の五人組も本木雅弘以外の四人がちょい役で特別出演しているので、まるで死んだキャラを演じた役者が別の役で何度も顔を出してくる『仁義なき戦い』シリーズみたいです(笑)。 まあとにかく、女優に入れ替えた五人のキャラ付けが前作以上にピンボケだし、途中で本職の宝石強盗の女まで加わるので“GONIN”じゃなくなるし、けっきょくセーラー服姿で通した大竹しのぶと乳だしまでしてくれた喜多嶋舞しか印象に残らなかったじゃないですか。でも大竹しのぶのJKコスプレは明らかに放送事故でした(笑)。「これは緒形拳を見るための映画だ」と言ってしまうと元も子もないんですが、緒形拳、お前死ぬまでに何発タマ撃ち込まれてるんだよ!ストーリーも相変わらず陰鬱だし、ラストでまさかお元気そうな三人娘(?)が左とん平のタマをとるとは、これはこの監督なりのハッピーエンドなのかもしれません。 思うに石井隆という人は三池崇史になり損ねたと総括できるんじゃないかと思います。逆に言えば、三池崇史は進歩した石井隆なのかもしれません(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2018-08-25 23:24:19)
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