61. イヴの総て
この作品がアカデミー賞を受賞した年に同時にノミネートされた「サンセット大通り」のほうが現在では評価が上になっていて、たとえば淀川長治さんなんかも生前「断然サンセット大通りよ」みたいなコメントをしていたような記憶があるのだけれど、自分はイヴ派。要するに芸能界の内幕モノなんだけど、個々のキャラクターの描き分けがとにかく鮮やかで、群像劇として超一級の出来。無名時代のマリリン・モンローが、まんま「スターを夢見る無名女優」役で出演してます。 10点(2003-06-28 05:11:05) |
62. めぐりあう時間たち
「ダロウェイ夫人」を読んでいないとちとツライかも。読むのが面倒くさかったら、まぁまぁの出来だけどヴァネッサ・レッドグレーヴが主演した映画のほうでもいいや、とにかく予習は必要。ていうか、観とかなきゃいけないっていう種類の映画じゃないし、今現在ハッピーな人がわざわざ観にいく必要はないでしょう。というわけで、今あんまりハッピーじゃない人&神経症気味の人限定でお薦め。ただフィリップ・グラスの音楽は説明過剰。うるさい。 9点(2003-06-24 01:11:26) |
63. 我等の生涯の最良の年
記憶違いだったらごめんなさいですけど、たしかフレデリック・マーチ演じる父親の息子が、アメリカが日本に原爆を二個も落としたことについて批判的なコメントをするシーンがあるんですよね。そしたら日本ではGHQの検閲でカットされたとか。ワイラーは当時すでに巨匠だったとはいえ、よく赤刈りに引っかからなかったもんだ。ってカタい話は抜きにして本当にいい映画ですよ、これは。日本では不当に忘れられてますけれども。世の中には「観なくてもいい映画」「観といたほうがいい映画」「観とかなきゃいけない映画」の三種類ありますが(「観ちゃいけない映画」ってのもあるかもしれない・・・)これは間違いなく「観とかなきゃいけない映画」の一本。しかしこの「桜の森の満開の下」みたいな邦題、どうにかならないかね? 10点(2003-06-24 00:23:59) |
64. 狼たちの午後
野次馬の描写がなんといっても。メディア時代の文明批評としても面白い。 10点(2003-06-24 00:01:17) |
65. ハスラー
両手広げて「ハウキャナイルース?」真似したくなる、あの仕種。 9点(2003-06-23 23:47:07) |
66. 冒険者たち(1967)
おセンチで、悪かったな。 10点(2003-06-23 23:22:06)(良:1票) |
67. 太陽を盗んだ男
ここまでエンタテインメントに徹してる日本映画ってない。これだけ面白ければ井上堯之の音楽がダサいとかそんなことは全く気にならない。って気になるんだけど(^^; 10点(2003-06-21 15:36:40) |
68. ロング・グッドバイ
アルトマンの代表作といわれるぐらいの名作なんだけど、原作先に読んじゃってるとねぇ・・・。これがマーロウかぁ、うーん・・・って感じになっちゃう。10点というのはそういった先入観を無理矢理差し引いた評価です。但し「贅肉」こそがアルトマンの神髄だということを理解していないと二時間は拷問になってしまうかも。旅は移動中が一番楽しい、という人にのみお勧めします。 10点(2003-06-21 15:23:40) |
69. ヒート
たしかに面白いんだけど、テレビ的なんですよね。画が。 7点(2003-06-21 14:57:45) |
70. ラヂオの時間
どうも三谷幸喜って苦手なんだよなぁ。小手先で笑いとってる感じがして・・・。彼の尊敬する人がニール・サイモンってのもよくわかる。あの人も小手先で書いてる。だからあんなに長いあいだ書き続けていられるんだよ。血ィ流してないんだもん。 3点(2003-06-21 14:42:33) |
71. ニュー・シネマ・パラダイス
完全版は蛇足。観てない人は「絶対に」観ないように! 9点(2003-06-21 14:33:22) |
72. 死刑台のエレベーター(1958)
げげっ。なんでこんなに点数低いの? やっぱりジャズを聴かない人たちには「ゆるく」感じてしまうのかな・・・? アルトマンがなかなか受け入れられないのも当然かも。 10点(2003-06-21 14:29:10) |
73. ジャッキー・ブラウン
ボビー・ウーマックの「110番街交差点」にのせてパム・グリアーが登場するオープニングのとにかく恰好いいこと! でも彼女に見せ場がないのが致命的。デ・ニーロとブリジット・フォンダ(未だにオスカーノミネートがないってのが不思議。伯母さんよりいいと思うんだけどなぁ)のシーンばっかり印象に残ってる。 6点(2003-06-21 13:49:55) |
74. マチネー/土曜の午後はキッスで始まる
B級映画への愛情溢れる好篇。ある意味必見かも。ちなみに劇中ジョン・グッドマンが演じた映画監督って、B級映画の巨匠ウィリアム・キャッスルがモデルなんだそうな。製作者として「ローズマリーの赤ちゃん」なんかもつくってるんだけど、基本的には“見世物映画”の映画監督。「第三の犯罪」が一番有名なのかな? 8点(2003-06-21 13:31:08)(良:1票) |
75. I am Sam アイ・アム・サム
カメラがあまりにひどい。もっと素直に撮れよって感じ。裁判のシーンなんかカット割りまくるし、折角のショーン・ペンの熱演もあれじゃ台無しじゃん。泣ける泣けない以前の問題。おれが脚本家だったらブチ切れると思うぞ。 5点(2003-06-18 23:05:12) |
76. クレイマー、クレイマー
ラストシーンが上手いですね。エレベーターのドアが閉まったところでジ・エンドになるんだけど、そのドアの閉まる方向が、メリル・ストリープが出ていく時に閉まる方向とは逆なんです。あ、もしかしたらこの二人はヨリを戻すのかもしれないな、と観客に期待を抱かせつつ映画は終わる。余韻が残るんですよ。脚本ではあの後に公園で父親と子供が楽しそうに遊んでるっていうシーンが用意されていたみたいなんだけれども、カットして大正解でしたね。 10点(2003-06-18 22:39:31)(良:1票) |
77. クルーレス
どっかで聞いたような話だな・・・って思ってたら、ジェーン・オースティンの「エマ」の翻案なんだそうな。オースティン、流行ってたもんね。 7点(2003-06-18 22:15:43) |
78. ガープの世界
原作読んでなかったら、なんだこりゃ? って映画だよ。「ホテル・ニューハンプシャー」のほうが良かったなんて言うとバカ扱いされんのかしら。 4点(2003-06-18 22:06:52) |
79. 田園に死す
はたして自分に、表現するに値するほどの内実があるのだろうか・・・そうした検証なしに安易な「自己表現」が垂れ流されてる現実を苦々しく思っている人間としては、こういった映画を手放しで絶賛するわけにはいかないような気がするんです。出来損ないのエピゴーネンだらけでしょ? 世の中。 8点(2003-06-18 19:48:43) |
80. 情婦
「マレーネ・ディートリッヒとタイロン・パワー? ヘンな組合わせ」と思いながら観ていたら、あのラストシーンがきて、なるほど、これ以外のキャスティングは考えられないわい、と納得。 10点(2003-06-18 19:23:59) |