61. インビジブル(2000)
「バーホーベンって……単なるエロジジイなんじゃ……?」というほのかな疑惑(これ以前の一連の監督作品における)が確信に変わり、なぜか晴れ晴れとした気分で見ることの出来た作品。 (一応触れておくと、内容は多くの方々のご指摘どおりダメダメ。) 3点(2003-12-05 23:15:01)(笑:1票) |
62. 菊次郎の夏
豊橋ぃ?豊橋っ!!ウチのおばあちゃんちの畑が写ってるんじゃん!?ここは、小さい頃、一人で行った初めての「旅行先」。この地名が全国区でスクリーンデビューしたってだけで、んもうあの子のアタマ撫で撫でしたくなっちゃったよ。あ、映画のほうは至って普通に良い感じ。豊橋に点数献上。 7点(2003-12-05 07:04:39) |
63. アマデウス
10代だった私は、某ピアノ・コンクールにてモーツァルトを弾くため、部活を辞め友達との遊びも控え、一日数時間ピアノに向かう日々を過ごしていた。彼のピアノ曲は、天真爛漫でとろけそうな旋律が予定調和的に上昇下降する一方で、作曲者自身が即興演奏中に突発的に感じたのであろう孤独や悲しみがさり気ない転調やカデンツの中に織り込まれていて、テクニック以上にその表現に泣かされた。作曲家の中には、楽譜の最初に「これこれこんな感じで弾くように」と指示を一言付す人も多いのだが、このモーツァルト氏の原典譜にそんなものはない。よって、分かりたいのに分からない。欲求不満。辛かった。この映画を観たあと「なーんだ、こんなおバカな若僧がイキがって作ってた曲だったのか」と妙に気が楽になったと同時に、「この私ですら理解することの叶わなかった天才を、お前などに分かられてたまるか!」とお怒りになるサリエリ先生の顔が浮かんで来て、結局また辛かった。罪な奴、モーツァルト。思えばこの映画も随分と罪作りである。 10点(2003-12-05 04:43:11)(良:1票) |
64. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
フォレスト・ガンプ、毛も薄くなって、影もちょっと薄かった。 6点(2003-12-05 02:46:35) |
65. アイズ ワイド シャット
映画館を出た後の連れとの会話に困った度マックスだった映画。 5点(2003-12-04 15:28:36) |
66. わたしが美しくなった100の秘密
意外にもテレビに釘付けになった。悪趣味で馬鹿馬鹿しくてえげつないが、ドキュメンタリー風の味付けが密かに手綱を締めて暴走を防いでいる様子(しかも全然成功していない)がある意味スリリングで。アメリカのティーンの群像劇は、すべからく爽やか路線(最近はホラー路線もアリ)でなきゃいけないと思っているむきには、ちょっと耐えられないかも知れないが、結局アメリカの高校生たちってこんなもんでしょ、と斜めに見てみると結構乾いた笑いにひたれるかも。 6点(2003-12-04 15:24:14) |
67. フィールド・オブ・ドリームス
「おとぎ話」の「おとぎ」度が強すぎて、ごちそうさま、な気分になった。野球、昔やったりしなかったからかなぁ。よく出来た映画だとは思う(フォロー)。 6点(2003-12-04 13:00:46) |
68. ミッション
小学校の担任が「帰りの会」の時間、当時のこの映画のポスターを片手に「本当に滝に人が落ちて死んだんだって!」と勝手な撮影秘話?をまくし立てたため、どうしても見たくなってしまい、父に連れて行ってもらって劇場で見た初めての字幕洋画。当時は、恥ずかしながら冒険活劇と認識していた。大人になってから見直すと、西洋人による現住民=他者のカリカチュアが、劇中だけではなく作り手の視線の端々にも目に付き辟易したが、この時代のこの話をこのスケールで描いたことには、純粋に感嘆した。ところであの滝壺への「どんぶりこ」シーン、先生の言ってた事は本当なのだろーか??今更ながら気になって気になって…… 8点(2003-12-04 10:24:33) |
69. ダンサー・イン・ザ・ダーク
これを映画館の巨大スクリーン(前から2列目)で見ていた時に、私を襲った各種症状(時系列順)→(1)ひどい車酔い(2)ひどいミュージカル酔い(3)ひどい不幸酔い。教訓。このどれにも免疫の無い方にはお薦め出来ません。充実した気力・体力のある方で、不思議ワールドに足元をすくわれ過ぎない自信のある方、また他人の幸・不幸への共感を惜しまない方が、なるべく遠目(首を括った人間が等身大以上には見えない距離)にて鑑賞することをお勧めします。(なお、症状は複合的に現われ数日間持続する可能性がありますので、鑑賞後の社会活動には十分な注意が必要です。) 6点(2003-12-04 09:52:41) |
70. ノッティングヒルの恋人
ヒュー・グラント主演のイギリスを舞台とした映画(「フォー・ウェディング」とか「ウェールズの山」とか)を見ていつも思うこと。それは、彼を取り巻く「仲間たち」、いわゆる「脇役」の人々の表情が抜群に良く、魅力的に描かれているということ。彼らの存在感が重すぎると、ありきたりのズブズブした友情物語に陥ってしまうのだけど、ヒューの周りでは、どこか空気感さえ漂う友人達が、友人でありながら時には主人公を突き放したり、客観的に分析したりして、さり気ない存在感を光らせている。そして、彼らにも主人公とは別の時間軸で、別の価値観で、それぞれの人生が流れていることが、これまたさり気なくストーリーに織り込まれていて独自の味わいを生んでいる。この映画だと、車椅子の彼女とか、くよくよ悩んでる彼とかが、一瞬垣間見せるそれぞれの人生の断片が、古典的とも言える甘いラブ・ストーリーに、少しほろ苦いスパイスを効かせているんじゃないかな。というわけで、ヒューの「仲間たち」に敬意を込めて点数献上。……はっ。これって、主役の二人を全然誉めてないことになる?? 8点(2003-12-03 13:02:05)(良:4票) |
71. インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
バンパイアをはじめとする「似て非なる人間もの」(変なくくりでスミマセン)が成功するときの条件として、その存在が(1)すごく怖い(2)すごく強い(3)すごく美しい(4)すごく切ない、といった要素があると思うのだけど、この映画は、そのどれにも針が振り切れていない感じがした。強いて言えば(3)がアタマ一つリードしていたけど、現代劇で顔の割れた俳優さん達による、作り込まれた中世ゴシック調のコスチューム・ドラマ(しかも「中世」なんて歴史を持たないアメリカ産)って、何だか原宿辺りでコスプレ少女を見かける時に似た「痛さ」を感じてしまう。公開当時、映画館で見て面白かったし、実際良く出来た映画だとは思うのだけど…… 6点(2003-12-03 08:46:29) |
72. 地獄の黙示録 特別完全版
面白い映画、とは言えない。良い映画、とも言えない。でも、決して駄作ではない。感動したわけではないが、何も感じなかったわけでもない。眠くなかったわけではないが、一度も眠りはしなかった。あらゆる思考回路のヒューズがぶっ飛んでしまった感じで、取り合えず、ドーンと来た。こんなのレビューになってないぞと思うけれど、とにかく、ドーンと。要は「力わざ」映画に圧倒されてしまった、ということなのだろうか。うーむ。 8点(2003-12-03 02:28:36) |
73. さよなら子供たち
こどもたち=純粋無垢・天真爛漫な存在、と型にはめていないところがいい。悪ガキがいて、いじめがあって、それでも独自な「彼ら」の世界がある。けれども、響き始めた戦争の足音は、その全てを奪っていく。激しい戦闘シーンも、流れ続ける血や涙の描写も無いけれど、「彼ら」の世界が無残に葬り去られる様子が、降りしきる雪のようにただ淡々と描かれる。「さよなら」の言葉は、去り行く仲間に対してだけではなく、二度と戻らない「彼ら」の世界に対して向けられていたのかも知れない。そして、友人に対して何の力にもなれず、あの日に帰ることも出来ない、傍観者である「私」に対しても。 9点(2003-12-03 02:11:32)(良:1票) |
74. キル・ビル Vol.1(日本版)
中ノレヒ‥ノレ ←一緒に見に行った友人(アメリカ人)が、先日このようにTシャツにペインティングして現われた。「キルビル」なんだと(ちょっと遠目かつ適当に読んでやって下さい)。ふぅ。タランティーノさん、何か言ってやって下さいよ~。アナタがこの映画の中で炸裂させたらしき「日本」へのオマージュっていうやつ、まさにこのレベルに見えたんでね…… 5点(2003-12-02 04:00:47)(笑:3票) (良:1票) |
75. おいしい生活
普段から「アレンの映画」という理由で見たり構えたりすることがないので、小粋なコメディーとして十二分に楽しめた。階級社会のイギリスだったら「ありえねー」となるところを、成り上がり天国アメリカならではの「小市民」のジタバタぶりが笑いを誘う、現代の寓話。 8点(2003-12-01 05:57:51) |
76. 2 days トゥー・デイズ
主役(兼・悪役)ジェームス・スペーダーの舞台挨拶のあと本編を見た。ファンの友人に「美しいジェームスをカメラに収めてきて~」と頼まれ必死で写真を撮った後に見たので、軽く疲れがキていたが、意外にも小ネタ満載で楽しめた。古典的だが笑えるヅラネタ、脱ぎっぷりの良いセロンなど、飽きさせない作りの勝利。ちなみに美しいはずのジェームズの写真は、顔の判明が不可能な米粒サイズ&暗闇の中に浮かぶ生首のごとく撮影されていて、全てダメ出しをくらった。彼に全く罪は無いが、悪役ぶったヘンテコな眼鏡と共に、以来彼は私の中では典型的なクセモノ俳優として認識されるようになった。ある意味、記念すべき作品。 7点(2003-11-30 10:30:46) |
77. ファーゴ
雪を生まれてから一度も見たことが無いという友人と見た。「雪は人を狂わせるんねー。おそろしー」と言っていた。……そういうテーマじゃないと思うんですけど。個人的には、地味ながら微妙に計算されつくされた、渋い味わいの焙煎コーヒーみたいな映画かと。 7点(2003-11-30 07:45:19) |
78. ブエノスアイレス
それぞれの俳優の演技が一生懸命(悪く言えば手探り状態)で好印象ではあったが、何故か前半「だりぃ~」という言葉が頭を過ぎってしまった。この弛み具合が、好きな人にとってはたまらないのだろう。恥ずかしながら最後にはウトウトしてしまった。映像も音楽も良かったのだけれど、ストーリーに「ま、どうでもいいや」と思わせる要素が潜んでおり、ある時点で、私のアタマは話の筋を追いかけることをやめて睡魔に道を譲ってしまったようである。 4点(2003-11-29 12:25:21) |
79. さらば、わが愛/覇王別姫
時代が変わり、社会が変わり、人の価値観が変わる中で、変化に屈さない人もいれば、変化をしなやかに身にまとう人もいる。劇中劇も含めて個々の生き様がダイナミックに描かれているのみならず、それらが激しく衝突する際にマグマのように吹き出る愛憎が、インパクトのある劇的な色彩の映像美の中で、互いに絡み合い突き上げられていく様子に圧倒された。 9点(2003-11-29 12:06:13) |
80. ユージュアル・サスペクツ
前日見た夢の話を嬉々として話す人、いますよね?私は嫌いなんですが。だって……つまんない。幾ら臨場感たっぷりに思い入れひしひしと語られたところで、その人がヨダレ垂らしてイビキかいてた時に数分間ででっち上げられた闇雲なストーリーなわけで。何が面白いんだよー(と、その種の話を聞くたびに心の中で突っ込んでいる)。というわけで、「夢落ち」の映画もパス、と思っているんですが。でも、これはイける。まぁ正確には「夢落ち」ではないけれど、これくらい練られて人を騙すことに真剣な大法螺ならば、夢でも何でも聞いてやってもいいかなーという気がするのです。(何様?な態度ですが)私なりの絶賛です。 9点(2003-11-28 09:56:09) |