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anemoneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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61.  候補者ビル・マッケイ
あのー。すごく言いにくいんですけど、これ大統領選じゃありませんよね。誰が言い始めたんだか知りませんけど、わたしもどこかで大統領選の話だと書かれているのを見てうっかりこの時期に手に取ったんですけど^^; 内容的にはいかにもアメリカン・ニューシネマという感じでこの時代のこの手の映画が好きな人には最後まで納得の出来栄えだと思います。系列としては『ネットワーク』とか『カンバセーション ・・・盗聴・・・』あたりに似たテンションだと思いますが、選挙戦という明確な一本柱を背負っていますのでニューシネマ独特の淡々とした運びが苦手な方でも比較的受け入れやすいストーリーなのではないでしょうか。ロバート・レッドフォードが正統派の美男子でありながら個性を重視したこの時代のアメリカ映画で一時代を画したことの理由には適切な役選びと、単なる二枚目に期待される以上の演技力があったと思います。この作品でもただのド素人であった彼が選挙戦を戦い続ける中である種のトランス状態に入り込み、圧倒的な高揚感の中で自分自身にすら手の届かない存在になって行ってしまう様子を表情ひとつで演じ切ってしまった。この力量は評価されて然るべきだと思います。それにしてもわたしより少し上の世代の人がブラピを見ては口を揃えて「レッドフォードにそっくり」と言う理由がこの作品を観て初めて理解できました。若い頃のレッドフォード作品は一通り観て来たつもりですが、この作品の彼が一番よく似てますね。いろいろな意味でレッドフォード無しには成立し得ない作品ですが、こういうのが一つの流行りであったとはいえ今なお残り続けているだけの価値は充分にある作品だと思います。こちらを先に観ていたら『ボブ・ロバーツ』をあれほど面白いとは思わなかったかも知れません。
8点(2004-10-31 15:27:07)
62.  シークレット ウインドウ
たぶんこの映画、途中で寝ちゃった人は相当多いと思うし、事実私が観に行った回でもかなり大勢寝ていたようだ。しかしボロボロのガウン姿で頭ボーボーの不精ヒゲがこんなに似合うハリウッドスターもそうそういないだろうという個人的愛情と、タシュモア湖畔の美しい情景、ジョニデの住む古いキャビンのインテリアの素晴らしさにうっとりと見とれることが出来れば話は別である。私は基本的にジョニデに甘く、アメリカ北部からカナダにかけての晩秋の風景には死ぬほどヨワい。洋画を見る時の関心のかなりの部分をインテリアの素晴らしさが占めており、この作品でジョニデが横たわるカウチや家具装飾品の数々は過去に見たあらゆる映画の中でも特筆に値すると断言する。こういったアイテムに非常に細やかな配慮が行き届いている上に、押しつけがましくなくさりげない照明の凝り方とか、カメラワークに質の高さを感じさせられる作品。どうということのないストーリーはあまり気にせず、近頃珍しいアナログな映像感覚を堪能すべき。正直「最近のスティーブン・キングって何だかちょっとなあ」と思っている方、「ジョニデとブラピ、どっちが才能あると思う?」と訊かれて2秒以上答えに詰まる方に声を大にしてお勧めできる作品ではない。この程度のストーリーでいかにもいい加減なテレビまがいの映像を沢山見せられていると何となく見逃しがちな内容ではあるが、こういう丁寧な映像作りって最近のハリウッドでは非常に珍しいし、明らかに映像としての格が違うとだけは言っておく。ただのBではない。
8点(2004-10-25 02:02:31)
63.  スタスキー&ハッチ
いやあ面白いっ。ベン・スティラーはかなりの贔屓でほとんど全部見てると思うけど、これはたぶん過去最高の出来じゃないでしょうか。オーウェン・ウィルソンとのカップリングはやっぱり安心感が違いますね。わたしもTVシリーズの方はほとんどおぼろげな記憶しかないんですけど、スタスキーの熱血一途な可愛さにベン・スティラーの個性が思いっきりハマッた。というかこれはもう確信犯だと思うんですけど。ツッコミ役のオーウェン・ウィルソンが今回はお守り役に徹したところも素敵でしたね。とにかく70年代、ゴージャス、おバカ、なのに少しも安っぽくない。題材とキャスティングも最高ですけど、やっぱり選曲センスかな。バッチリ「イージー・ライダー」までやってくれちゃって、自他共に認める70'sおたくなわたしはもう泣いたり、笑ったり。久しぶりにお腹の底から思いっきりげらげら笑いました。しかしなぁ。これなんで日本で公開されないんでしょう?「Analyze this」なんかよりよっぽどウケると思うんだけど。一言にまとめると、とにかくとてつもなくゴージャスな映画。エンディングの「Sweet Emotion」も感涙。
10点(2004-10-24 03:38:43)
64.  ミニミニ大作戦(2003)
私はあまり人の意見に影響されたくないと思っているので、実はほとんどのレビューを他の皆さんのご意見を読む前に書いている。それから皆さんと自分の評価に異常なギャップがあったりするんじゃないかと思ってドキドキしながらレビューページをめくって行くのだが、この作品に関しては正直、あんまり心配しない。少なくとも「面白さ」にかけては滅多にないほどの傑作だと思うし、プロットは無駄もスキもなくきっちり出来ているしスピード感も派手さも充分、しかもリアリティを失うほどには派手すぎず、夢も希望も失わせない程度には現実離れもしている、この絶妙なラインをきちんと守り抜いたのはセンスの賜物。加えてこの素晴らしく地味豪華なキャスティング。天才ハッカー役のセス・グリーン、ハンサム・ロブ役のジェイソン・スティサム、父親譲りの金庫破り師でスピード狂いの金髪美女がシャーリズ・セロンって顔合わせにもうメロメロです。セス・グリーン、いい役者になりましたよね。子役から1度のスキャンダルもなく30歳ってだけでも1つの奇跡だと思うんですが、演技力も全然イケてます。マーク・ウォルバーグがエド・ノートンと一騎打ちで全然負けてないというのも泣けました。そして物語を裏側から静かに支えたドナルド・サザーランドの存在感。もちろん一番優れているのはシナリオですが、これは旧作を見てないのであんまり大騒ぎするのはとりあえず避けておきます。なんで今頃レンタルで見ているかと言うともちろん邦題がダサすぎたから。見逃した、とすら思ってなかったんだからもうこれは邦題ダメダメ大賞ですね。しかし良い物とはいつか必ず縁があります。それが映画の一番凄いところかも知れません。
10点(2004-10-22 01:23:51)(良:1票)
65.  “アイデンティティー”
「ユージュアル・サスペクツ」以来のあざとさですね。一堂がモーテルに辿り着くまでの、カットバックを多用した構成は上手いな、と思いました。序盤から中盤にかけてはわりと普通のサスペンス・タッチで進むんですが、見ている間にどんどんジャンルが変わって行きます。クロスオーバー・スタイルというか、複雑に幾つものミステリやドラマが絡まり合って全然違うところに不時着して行くあたりは目新しさもあって飽きません。アマンダ・ピートは圧倒的に可愛いですし、どう考えても普通に終わるワケないレイ・リオッタも、何かあっても何もなくても違和感のない不思議な存在感のジョン・キューザックも、顔合わせの妙に加えて「どこで期待を裏切ってくれるんだろう」的な期待をちゃんと裏切らないですし、全体的に質感の高いニューウェーヴという印象を受けました。もうちょっとおバカなありきたりのミステリー・サスペンスを想像してたのでひねりの効き具合に好感度高いです。いかにも何かありそうで結局何もないB級ミステリーみたいな作品が多い中で、何もなさそうでちゃんとタネも仕掛けもあるというのは意外に凄いことだと思います。これはたぶん、一見の価値はあるんじゃないでしょうか。けっこうお買い得な気がします。
8点(2004-10-18 02:18:43)(良:1票)
66.  ウェルカム トゥ コリンウッド
いいなあ、これ(笑)ウィリアム・H・メイシーとかマイケル・ジェターがお腹いっぱい観られる映画ってあんまりないですよね。しかもまさかと思うほどのハマリ役で。赤ん坊抱えたウィリアム・H・メイシーとか、もうイヤってほどいい感じです。パトリシア・クラークソンの悪女役もステキ。もしかしたらちょっぴりガイ・リッチー入ってるかな?というテンションで、シケた街の冴えないワルたちのドタバタを淡々と、さりげなく冷酷に。冒頭でいきなりボーゼンと立ち尽くすメンバーのくたびれ果てた姿から始まる倒叙劇だが、もちろん何がどうなったらそういう結末に行き着くのかは観るまでわからない仕組みになっているし、わかりっこないおバカな展開が非常に心地よい。やっぱり一番の花はマイケル・ジェター、この人は非常に達者な人でどこに出て来ても当然いい味出してるんですけど、残念ながら滅多に名前が出て来ることってないですね。これはハリウッドの反逆児ソダーバーグが面白半分に、だけど丁寧に丁寧に作った映画。それにしてもソダーバーグとジョージ・クルーニーって本当に異常に気が合ってますね。とにかくロクなことしない二人だけど、こういうイキでお洒落なコメディが作れるんだからこれからもどんどん悪ノリしてもらいたいです。選曲センスも◎。
9点(2004-10-17 05:08:56)
67.  ダイヴ
はっきり言ってジャケットに書いてあった解説とはずいぶん違う内容だナ~、とは思いましたが(笑)ミステリー仕立てを装っているけど実際にはちょっと毛色の変わった人間ドラマですね。話がどう転がって行くのかわからない迷走感と、主要キャラが数珠繋ぎに代わって行く展開が、ちょっと面白いな、と思いました。橋の上にずうっと立っていた男、遺体となって発見された彼を巡って何人かの証言からその人生が明らかになって行く趣向ですが、平行して展開される2人の参考人の断片的な証言から、ひたすら橋の上で彼が待ち続けたものが何だったのか、明らかにされるシーンでは思わずうるっと来ました。いかにも田舎町のダメ人間といったヴィニーを演じたケヴィン・ディロンのダメっぷりが印象的です。原題の「Interstate 84」からしてこれは三文ミステリーとして紹介するよりはもうちょっと文学的な内容だと触れ込んだ方が良かった気がしますが、ケヴィン・スペイシーのブランドイメージが悪い方に影響したようですね。実は描きたかったものは全然違うものだったように思うのですが。晩秋のNY郊外、美しい田園風景を舞台に描かれる「家族って何だろう?」という映画です。お間違えのないように(^^;
9点(2004-10-11 03:16:50)
68.  ツイステッド 《ネタバレ》 
「ラストは仰天のどんでん返し!」で、主演がアシュレイ・ジャド、サミュエル・L・ジャクソン、アンディ・ガルシアだったら誰が犯人なのかくらい観る前から誰にでもわかるだろう。だからこそ興味の大半はそこに至るまでの経緯に必然的に絞られて来るのだが、アシュレイ・ジャドが眠る→携帯のベルで起こされるというひたすら単調な繰り返しには相当な忍耐を強いられた上、意外でありさえすればリアリティなんか知ったこっちゃないと思いっきり開き直ったラストのいんちきぶりには怒りを通り越して感動すら覚えてしまった。寝て起きては呼び出されるアシュレイ・ジャドがいったいいつお風呂に入っているのか、その心配だけで最後まで観てしまったようなもの。この手のネタ物ってはっきり言ってもう出尽くしていると思うのだが、何年かに1回「おっひょー」とぶったまげさせてくれるお宝も混じっていたりするのでどうしても心のどこかで期待を捨て切れない浅はかな自分がいる。だからと言って面子だけで容易にネタが割れたり、主要キャストとはまったく無関係な犯人をラストで突然登場させたりといった工夫のカケラもない"サスペンス"が99%なわけで、ある程度の知性とネタ物への期待感をお持ちの賢明な方には逆立ちしてもお勧めできない凡作としかだけ言っておく。アシュレイ・ジャドは出ずっぱりだがはっきり言って老け込み方に物悲しいものがある。二重アゴになっちゃっても思いっきりセクシーなアンディ・ガルシアにこの4点を捧げたい。しかしこれ、本当にわざわざ輸入してまで公開するほどの映画だったんだろうか。
4点(2004-10-11 02:59:10)(良:1票)
69.  バックマン家の人々
ハリウッドに小津を褒めちぎる映画人は多いが、ここまで本質的な意味で小津の精神を正しく踏襲した作品も珍しいのではないだろうか。いかにもアメリカ的なシチュエーション・コメディのスタイルを取りながら、人の親であることが宿命的に彼らに背負わせる身を抉るような苦悩の数々、人生の最大の喜びでありながら同時に全ての苦しみの源でもある我が子という存在、その絆の持つ痛みを多彩な顔ぶれで描いたこの作品は、あくまでもポジティブに、しかし辛辣に人生というものの核心をさらりと突いてみせる。特殊学級入りを勧められた自閉症気味の息子に惜しみない愛情を注ぐ夫婦、思春期を迎えた長男と反抗的な長女に手を焼くシングルマザー、突然黒人の「息子」を連れて帰って来る放蕩息子と彼を見限れない老父。それぞれがさりげなくアメリカの「現代」を象徴するようなバックマン家の人々は、異端者としての互いを認め合うことでアメリカの理想とする家族像を築き上げ、幾多の苦労と数え切れない悲しみに満ちた膨大な日々の積み重ねの中でごくたまにほんの一瞬だけ訪れるささやかな幸せこそ「人生」なのだと言い切る。ダイアン・ウィーストにハズレ無し。お約束の草野球も、ロン・ハワードの手にかかるとこれぞ重要アイテムとイヤミなく受け取れるから不思議だ。しかしこれは数あるハワード作品の中でも最も辛辣な部類に属するのではないか。白塗りでないトム・ハルスが見られる数少ない貴重な作品の一つでもある。この人なんでぱっとしないんだろうなあ、いい役者なのに。
10点(2004-10-09 02:41:01)
70.  シビル・アクション
実話を映画化する以上、小説よりも奇なる部分を求めてしまうのは仕方のないことだと思うので断腸の思いで減点。でもこれはなかなか良く出来た作品だと思います。カネになる訴訟を探して企業相手の環境汚染訴訟に関わりあった主人公が、思いっきり情に流されて泥沼にハマッて行くみっともなさが良い。人生カネより正義なんだぞ、といういかにもアメリカ人好みのアンサクセス・ストーリーですが、どこまでもビジネスライクに訴訟社会を泳ぎ切る意気込みに溢れた上昇志向の中堅弁護士から、被害者の心情に巻き込まれて良心の囁きに耳を傾け始める、どこかで善良さを捨て切れない主人公像にジョン・トラボルタの個性が圧倒的にハマりました。トニー・シャローブ、ウィリアム・H・メイシー、彼らの存在感は物語の不透明感を際立たせると同時に、どちらかと言えば陽性で浮世離れしたトラボルタの個性を現実の世界に引き戻す重要な役割を果たしていると思われます。96~99年はジョン・トラボルタの当たり年で、この機を逃すまいと彼は俳優であれば一度はやりたかったであろう役を山ほどこなしました。これは彼なりの「セルピコ」だったんだろうと思いますし、アメリカ人俳優なら誰でも一度はやってみたいであろう理想と真実に全てを賭ける男の物語です。そのファンタジーにどこまでつきあえるかが好き嫌いを分ける鍵となるでしょうが、私は基本的にこういうバカは大好きなので。社会派と言うには今いちキレが悪い気もしますが、たまにはハリウッドにこんな映画があっても良いのではないでしょうか。
9点(2004-10-09 02:18:55)
71.  奴らに深き眠りを
ローレンス・フィッシュバーンって私は「マトリックス」で初めて存在に気づいた大バカ者なんですけど、この作品の彼は一見の価値がありますね。黒人スターで正統派のギャング映画をやっちゃおうというコンセプトも素晴らしいですが、チャーリー・"ラッキー"・ルチアーノをアンディ・ガルシアが演じるというのも鳥肌モノです。私は基本的にマフィア物が大好きなんですが、これは「グッドフェローズ」と並べても良いくらいの傑作だと思います。全体的にフィッシュバーンの存在感に頼るところが大きいですが、その存在感が図抜けているのでOKかと。ある程度時代背景などがわかっていないと苦しいと思いますが、こういう世界が好き~っ、という人しか見ない作品だと思うので、好きな方には力一杯お勧めできます。ダサさに徹したティム・ロスはやっぱり異常に上手いですし、ルチアーノ役のアンディ・ガルシアもハマり役です。ルチアーノがアメリカ・マフィア史上いかにずば抜けたスーパースターか、ということがわかっていて初めて理解できるバンピー・ジョンソンの大物ぶりだと思います。ちゃんとお約束の機関銃乱射もあったし、ギャング映画のツボはきちんと押さえた作品です。フィッシュバーン、上着の第一ボタンをちゃんとはずしてますし、細かいところに手を抜いてない、きちんと丁寧な作りに好感が持てました。オーソドックスなギャング映画であり、ブラックムービーでもあり、古き良き時代のキネマの香り漂う品格があり、観ていて非常に痛快な映画でした。しばらく我が家に「マフィアの時代」が再び台頭するかも知れません。
10点(2004-10-06 02:39:25)(良:1票)
72.  デンバーに死す時
すごいなあ。これ、どう考えても配給元の勘違いですよね。いきなりこんな大仰な邦題つけちゃって、これが確信犯だったら相当スゴいと思うんですけど。うっかり間違えちゃう人が多いと思うんでハッキリ言わせてもらいますけど、これはコメディです。そこがわかるのとわからないのでは大違いだと思います。たぶん一番の大失敗はガブリエル・アンウォーを引っ張って来ちゃったことだと思うんですけど、彼女はちょっとシャレになるキャラじゃないんで、そこで必要以上に真剣味がクローズアップされてしまった。よくよく落ち着いて見れば、舞台がデンバーだってところで既に笑いが取れてるはずなんですけど。これは田舎のなりそこないチンピラたちがポカをやらかして右往左往する、微妙にハズしたコメディなんです。ケチな田舎町の小金持ちに、「世界の果てまで追い詰める」なんて力があるワケないでしょう。ウォーケンが本気でやるから笑えるの。たぶんタランティーノみたいにやりたかったんですよ。バカつよいブシェミとか、ツボれば爆笑できるところかなりあったんですけど、何しろ邦題が「デンバーに死す時」なんで・・・こりゃあ絶対わかりっこないですよね。私はツボッてしまったんで大いに笑いました。惜しいところでコケてますけど、見方を間違えなければ笑える映画だと思います。私はこういうの大好き。
8点(2004-10-06 02:24:12)
73.  ヒッチャー(1985)
公開当時、周りの友達が全員口を揃えて面白いと言っていた。ビデオが発売になった時も、たしか回り中がこぞって面白かったと言っていた。主演がC.トーマス・ハウエルだと聞いて、彼が凶悪ヒッチハイカーとして暴れ回る映画なのだと思い込み、そんなものが恐いワケないと思ってスルーしていた。たぶん誰もルトガー・ハウアーとか、ジェニファー・ジェイソン・リーとか言い出さなかったんだろうと思うけど、最近になってこの2人も出ていることを知り、うっかり20年も経ってしまったが勇気を出して手にしてみたらやっぱりみんなが口を揃えて褒めるだけのことはあった。亜流が出尽くしてしまった今頃になってもまだ面白いんだから、20年前にこれを見た人はびっくりしただろうなあ。一般的なシナリオ作法をかなり無視した無謀な組み立てになっているが、無視したことにきちんと計算が感じられる極めて美しい作りになっている。ナッシュがどう絡んで来るのか、読めない展開はヒッチコックですね。「激突!」のオマージュかな、とも思えるけど、ショートスケールのロードムービーとしては非常に良く出来た秀作と言えるのではないでしょうか。前半のいかにもな泥沼感は、C.トーマス・ハウエルの微妙な年齢も加わって大変痛々しく、観ていて辛いものがありました。
8点(2004-10-03 04:37:19)
74.  ジェニファー8(エイト)
私にとってアンディ・ガルシアはハリウッド最大の謎の一つである。これほどまでに魅力的で、イタリア男の魅力の全てをあわせ持ち、アル・パチーノの持っているものなら何でも持っている上にアル・パチーノに足りなかったものまで全て持っている彼が、いったい何故これほどまでにぱっとしないのか。残念ながら生まれて来る時代をほんの少し間違えてしまったことと、役選びのセンスが余りにも無いことが、彼に不遇の人生を歩ませてしまっているように思えて仕方がない。しかし何はなくてもアンディ・ガルシアである。残念ながらユマ・サーマンと並んで歩くとほんのちょっぴり身長が足りない。それでもやっぱり彼の持っている不思議なオーラは、この陳腐な三文ミステリに、いかにも何かありそうな雰囲気を醸し出すことに成功している。健常者役をやっていてもどこを見てるんだかさっぱりわからないユマ・サーマンの外斜視は盲人役にうってつけだし、晩秋からクリスマスにかけての美しい田園風景は、どこまでも美しい二人の背景にぴったりである。ストーリーは、これ以外にも2000本ぐらいあるこの手のミステリとだいたい同じ。ランス・ヘンリクセンとジョン・マルコビッチがリレー式に重要な脇役を務めているのもオイシすぎる。雰囲気一発のベタな作品だが、ストーリーとかあんまり気にしない、という方であればそれなりに堪能できると思う。関係ないけどパーティの途中でユマ・サーマンのマニキュアが無くなったりしていた。テキトーにスルーしていい作品だと思うけどアンディ・ガルシアが珍しくハマリ役だったので点数甘め。それにしても彼ってホントにいったい。 【追記】わすれな草さん>アンディ・ガルシアはカリビア~ンですか^^;そういえば苗字がガルシアだ(爆) FSSさんのめった斬りおもしろすぎです。
7点(2004-10-03 04:24:24)(笑:2票)
75.  トレマーズ
オモシロイッ。完全にアホ映画だけど誰一人アホ映画をナメてない真剣味が良いですね。一度もステキと思ったことのなかったケビン・ベーコンが思わずステキに見えてしまいました。降って湧いた異常現象に身近なモノで戦う、っていう発想がステキです。武器マニアの夫婦最高です。とりあえずみんな屋根の上に上っちゃう、っていう展開も楽しすぎます。あまり難しいことを考えず、安直にこの展開が「楽しいっ!」と思えれば、こんなに幸せな映画は滅多にないと思います。だいたいあの怪獣、どこから来て何のために暴れてるんだか、さっぱりわからないあたりが最高です。しかも州兵とか全然出て来ません。突然現れた宇宙生物と、地元の農民がブルドーザーで戦う映画です。このスケール感、問答無用の展開、小ざかしい理論を取っ払ったありのままのバカバカしさが、いかにもフツーの田舎のお兄ちゃんなケビン・ベーコンを燦然と輝かせる、ただそれだけの映画ですけどわたしは惚れました。思いっきり確信犯的Bです。シャレのわかる人にだけお勧めします。
8点(2004-09-27 18:46:49)(良:1票)
76.  デモンズ
ゾンビもののバリエとしてはちょっと詰めが甘い感じ。もちろん最初にこっちを出されていればそれなりに利はあったはずなんだけど、どうしても二番煎じ、三番煎じというか煎じ尽くされて出がらしっぽいイメージは払拭できない。突然目の前で起こった超常現象に対して動揺しながらも人々が一瞬にして「デモンズ」という固有名詞を用いたり、きわめて冷静に原因を特定したり展開的に無理な場面が非常に多かったという印象を受ける。特殊メイクについてはある意味円熟期に入っており、それなりに堪能できる仕掛けは多い。もうちょっとストーリーがちゃんとしていればなあ、と個人的にはやや残念な感じ。でもヒロイン役の女の子はめっちゃ可愛い。やっぱりイタリアン・ホラーにはこれがお約束よね。上手いなあ、惜しいなあ、と思う場面は随所にあるが、あともう一つ突き抜けた感じがないというか決め手に欠ける感じ。ホラーを舐めたらあかん。
5点(2004-09-27 18:28:09)
77.  隣のヒットマンズ 全弾発射
公開初日にわざわざこれを観に行こうと思った自分自身に敬意を表して+1点。2時間たっぷりへらへら笑って、アッハッハ~と後に何の余韻も残さない正統派アメリカン・コメディとしては十二分の合格点。ただし残念ながらわが国にはコレをわざわざ劇場で観ようという文化がない。よって公式パンフレットもナシ。ブルース・ウィリスはコメディタレントであると信じる立場からは、「ジャスティス」とか「ティアーズ・オブ・ザ・サン」なんかをやりつつもこの手の作品をおろそかにしない彼の態度は非常に高く評価できる。ドンパチ大盛り映画も背負って立てる人材だが、基本的にはコメディの人でしょう。前作も特に続編を作るほどのデキではなかったと思うけど、マシュー・ペリーとのカップリングは微妙に良いので地道にシリーズ化を目指してもらいたい。しかし一番笑ったのはポスターにあった「ブルース・ウィリス主演最新作」の謳い文句ですかな。帰りのエレベーターで明らかにブルースLOVE♪なおばちゃんと一緒になった。ポスターのウィリスを熱くみつめるおばちゃんの後ろ姿が心に染みた土曜の深夜0時半であった。
8点(2004-09-27 18:20:14)
78.  ハピネス(1998)
いいなあ、これ。ずばり「ハピネス」=「射精」と言い切ってしまった率直さに感動しました。こういうのを見ると、様々な屁理屈とか、美しさを装った物語の数々にオトコたちが必死で隠しておこうとしたモノが剥き出しにされた感じがします。この世に起こる数々の悲喜劇は、結局のところオトコたちが繰り広げる「その瞬間」に至るための哀しいまでの努力、突き進む欲望が発端になっているんじゃないの、という極めてシンプルな結論をココまであからさまに描いた作品は珍しいでしょう。あり得ないほどデキすぎた展開や、映画ならではのファンタジーを極力排除し、むごたらしく現実をつきつける手法は前作の「ウェルカム・ドールハウス」と同じです。現実版「マグノリア」という感じがしてその実直さ、ストレートな物言いに感心しまくり。この作品が男性監督から出て来たという点について、極めて高く評価したいと思います。わたしはウディ・アレンの初期の作品が好きですし、スパイク・リーの作品が好きです。この作品は彼らの描いて来た世界にある種圧倒的に通じるものを感じます。たぶん自らのカッコ悪さを思いっきり笑い飛ばす彼らのふっ切れた部分に例えようもない潔さを感じさせてくれるのだと思います。ペーソス、と一言でまとめてしまうのは簡単なのでしょうが。
9点(2004-09-27 18:11:13)(良:1票)
79.  サンゲリア
ジャケについていた「ゾンビ映画の最高傑作」の謳い文句に釣られて鑑賞。謳い文句ってあくまでも自己申告の世界だってことをすっかり忘れていた。ロメロのゾンビにはすっかりメロメロなわたしだが、これはちょっと真剣になりすぎていてシャレになってない。遊びがない。ちゃんと恐いがゾンビに期待するものからは微妙にズレている。この緊張感、大真面目なホラーぶり、タイトな恐さというのは実はある種のホラー映画には絶対不可欠なものなのだけど、モノがゾンビだけにどうしてもどこかにほんわか和めるムードを期待してしまう。よって期待負け。普通にホラー映画として考えればちゃんとそれなりに恐いんだけど、だったら一応孤島モノなんだから「ドクター・モローの島」や「ザ・チャイルド」あたりのギリギリの絶望感まで持って行ってもらいたかった。伏線の張り方からオチまでの持って行き方は上手い。頑張っているけどやっぱりみんな英語がものすごく訛っている。ひょっとしたらここがケチのつき始めなのかも。
5点(2004-09-23 01:42:39)
80.  ツイスター
なんとなく頭の悪い映画が観たくなったので。たぶん竜巻がスゴいんだろうなあ、牛が飛ぶんだとか言ってたな、なんてぼんやり観ていたら牛どころではなくタンクローリーまで飛んでいたのですっかり嬉しくなってしまった。この手の映画を個人的には「大盛り」と呼んでいるのだが、要するに量だけスゴくて奥行きもへったくれもなく、ただもうスケールのデカい天変地異だけを見せるために作られた、あってもなくてもどうでもいいようなストーリーとしては、離婚届にサインするばかりの夫婦とその夫の新しい婚約者という組み合わせは(あくまでも、この手のモノとしては、だけど)なかなかひねりが利いていて良く出来ていたのではないかと思う。わたしはヘレン・ハントが大嫌いだし、ビル・パクストンは大根中の大根だと信じている。にもかかわらずそれなりにおもしろくなったのは、この二人が主役を食おうなんてバカな気を起こすにはあまりにも影が薄いから。だいたい予想通りの映画だったが、この種の作品でこれぐらい期待に応えてくれればまあ合格点と言えるのではないだろうか。ひまつぶしにはもってこいのほどほど感と、見る前からわかっていたような安心感が良い。大画面向き。あくまでも大盛り。
6点(2004-09-23 01:34:07)(笑:3票)
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2172.63%
3264.02%
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67611.76%
710416.10%
813120.28%
910115.63%
108613.31%

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