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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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781.  新・喜びも悲しみも幾歳月 《ネタバレ》 
「喜びも悲しみも幾歳月」の木下恵介監督自身によるリメイク作。オリジナルは10年以上前に見ているが、昭和初期から戦争をはさんだ四半世紀にわたる夫婦の話だった前作に対して、本作は昭和48年(1973年)からこの映画の公開年である昭和61年(1986年)までを舞台にしており、主人公夫婦に最初から三人の子供がいるなど、かなりアレンジされている。とはいえ、灯台守夫婦の年代記という点は同じで前作同様に13年間の出来事が次々に語られていくので、受ける印象は前作とそれほど変わらない。主人公夫婦を演じているのは加藤剛と大原麗子。確かに二人ともうまいんだけど、前作の佐田啓二と高峰秀子の域にはやはり達していない感じ。前作に続いての出演者はいないのだが、中井貴一が出演しているのは前作の佐田啓二に対するオマージュなのだろう。植木等演じる加藤剛の父親が「喜びも悲しみも幾歳月」を10回は見たと話すのは通常のリメイクではちょっとあり得ないことだが、ここにも木下監督の前作に対する思いがこめられているような気がする。(「楢山節考」の企画を通すための頼まれ仕事だったとはいえ。)この映画の植木等はすごくよく、中でも厳島神社を船の上から見るシーンの演技はとくに素晴らしかった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-04 13:08:45)
782.  友情(1975) 《ネタバレ》 
渥美清と中村勘九郎(現:中村勘三郎)主演による松竹80周年記念映画で、監督は山田洋次監督の初期の喜劇や「男はつらいよ」シリーズでも初期の何本かで共同脚本を手がけた宮崎晃。渥美清演じる源さんのキャラクターがどことなく寅さんを思わせていたり、作風も山田監督の映画のような雰囲気。主演が渥美清ということもあり、どうも「男はつらいよ 番外編」でも見ているような気持ちになるが、ラストが山田監督ならば絶対にやらないような結末なのがちょっと違うところか。渥美清という俳優を見る時にいつも意識してしまうのが寅さんで本作も途中まではさっき書いたように寅さんを意識して見ていたが、自分の家族の現在の姿を見た直後のシーンや、帰りの船の中で大泣きするシーンで寅さんとは何か違うものを感じ、「男はつらいよ」シリーズを見ていて寅さんに感情移入するのとはまた違う感覚で感情移入することができ、映画自体がとても感動できる名作だが、とくにこのクライマックスからラストシーン近くにかけての渥美清の演技には思わず泣かされた。まだ「男はつらいよ」シリーズ以外での渥美清の主演作を先週見た「白昼堂々」と本作の2本しか見ていないのだが、本作は間違いなく「男はつらいよ」シリーズ、寅さん以外での渥美清の代表作になるのではないかと思う。勘九郎と同棲している恋人を演じる松坂慶子もひたすら美しく、主役二人が彼女に看病されるシーンでは思わず羨ましくなってしまったが、それよりも渥美清の寅さんだけではない俳優としての凄さをこの映画のクライマックスの演技で改めて思い知らされ、やっぱり名優だと思った。(このクライマックスの演技で初めて寅さんを意識せずに渥美清を見られた気がする。)あまり機会がないのが残念だが、「男はつらいよ」以外の渥美清の主演作をもっと見てみたいなあ。
[DVD(邦画)] 8点(2010-03-02 17:24:20)(良:1票)
783.  おしゃれキャット
十数年前からこの映画のビデオが家にあるので一度は見たことあると思っていたが、どうやら見たのは今回が初めてのようだ。ディズニーアニメの中でもそんなに知られていないっぽいが、いかにもディズニーらしいオーソドックスな作風で家族揃って楽しめるというようなアニメである。執事の陰謀により飼われていた屋敷から追い出された猫の親子が、出会った野良猫とともに我が家を目指すというストーリーなのだが、その道中がなんとも微笑ましく見ていて楽しい気分になれる。ジャズで大騒ぎした夜のダッチェスとオマリーの会話はなんか大人っぽい感じで雰囲気がなかなかいい。それに劇中に流れるジャズもなかなかノリのいい曲。日本語吹き替えも安心して見られる出来で、とくに執事のエドガーを演じている川久保潔がとてもいい味をだしている。
[ビデオ(吹替)] 6点(2010-02-28 03:04:16)
784.  菊五郎の鏡獅子
かなり久しぶりに見た小津安二郎監督の映画だったのだが、これは劇映画ではなく、歌舞伎「鏡獅子」を舞う尾上菊五郎(六代目)を丹念に撮った記録映画で、冒頭部分に歌舞伎の解説ナレーションまで入ってどうやら海外に日本の伝統芸能を紹介する目的で作られた映画のよう。75年ほど前の映像なので今見るとかなり貴重な映像だが、正直、歌舞伎にほとんど興味がないのでちょっと退屈に感じられた。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-02-27 01:45:04)
785.  ルパン三世 the Last Job<TVM> 《ネタバレ》 
今回もなんとなく見てしまった「ルパン三世」のテレビスペシャル。今回は銭形の死が大きく放送前に言われてたけど、どうせ納谷悟朗を長時間出さないためのハッタリだろうと思っていたらまさにその通りで、全体的に見てもいつもと変わらず、「まあ、こんなもんだろう。」という感想しか出てこないのだが、やはり津嘉山正種の悪役は渋くていいなあ。ところで、今回、サブタイトルに「ラスト」って入ってるけど、とくにこのシリーズに思い入れはないのだが、クリカン以外のレギュラーメンバーの年齢を考えたらもう本当に「釣りバカ日誌」シリーズのように潔くおわったほうがいいかもしれないと少し思う。まあ、また新作が出れば惰性で見てしまうだろうけど。
[地上波(邦画)] 5点(2010-02-26 03:16:59)
786.  白昼堂々 《ネタバレ》 
「男はつらいよ」シリーズ以外の渥美清の主演作を見るのは実はこれが初めて。共演者が倍賞千恵子、佐藤蛾次郎、それに田中邦衛に藤岡琢也と、「男はつらいよ」シリーズのレギュラーやゲストで出てる役者が多い。渥美清と倍賞千恵子に寅さんとさくらというイメージが強すぎるゆえか、この二人が殴り合うシーンや、恋仲になって契約結婚しちゃうという展開には微妙な違和感を感じてしまう。(渥美清は結婚する役を見るのも初めてだったが、その相手が倍賞千恵子というのがなんとも。)渥美清とフランキー堺という二大喜劇スター(そういえばこの二人、同じ年に亡くなってるんだなあ。)の共演は見る前かなり楽しみだったのだが、一緒のシーンが一度もなかったのは残念。映画としては傑作とまではいかないものの娯楽喜劇映画としてはじゅうぶん楽しめる出来で、サスペンス映画のイメージが強い野村芳太郎監督のサスペンス以外のジャンルでの職人ぶりがうかがい知れるプログラムピクチャーの一本となっていて、クライマックスのデパート売上金強奪作戦の部分の見せ場もよく心得ていて全体としてはとても面白かったものの、やはり渥美清とフランキー堺が一緒に出てるシーンがないことへの物足りなさと、渥美清と倍賞千恵子が結婚して夫婦になるという展開に最後まで違和感が消えなかったので惜しいけど1点マイナスの6点。
[DVD(邦画)] 6点(2010-02-25 13:05:35)
787.  ハナ肇の一発大冒険 《ネタバレ》 
肉屋の主人がふとしたことからダイヤモンドをめぐる騒動に巻き込まれ、ヒロインと大冒険を繰り広げるというストーリーで、カーチェイスや銃撃、殺人、山岳遭難ありとこれだけ書くと本格的なアクション・アドベンチャー映画のようだが、山田洋次監督のハナ肇主演によるコメディー映画である。これと同じプロットを深作欣二監督あたりが手がけていればもっと泥臭い映画になったところを山田監督の演出はそれを避け、実にからっとしたコメディーに仕上げており、軽い気持ちで何も考えずに楽しめた。ヒロイン役は倍賞千恵子。山田監督とハナ肇のコンビ作で倍賞千恵子がヒロインを演じる作品はかなり久しぶりに見た気がするが、二人とも息のあったコンビネーションを見せていて楽しい。ハナ肇演じる主人公は「社長」と周囲から呼ばれているのだが、「男はつらいよ」シリーズを先に見てるからヒロインが主人公を「社長さん」と呼ぶとタコ社長(太宰久雄)の顔が思い浮かんでしまう。主人公たちと知り合った男が旅に加わるという展開は「幸福の黄色いハンカチ」を彷彿とさせているが、動かなくなった車を二人で後ろから押してるシーンなんかあったりしてますます「幸福の黄色いハンカチ」を思い出して久しぶりにまた見たくなったなあ。ラストの倍賞美津子の使い方が面白い。そういえば姉妹で同じ画面に出て共演してるのを見たことがないのだが、「男はつらいよ」でマドンナを演じる倍賞美津子を見てみたかった気もする。
[DVD(邦画)] 7点(2010-02-17 19:54:53)(良:1票)
788.  ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー 《ネタバレ》 
「ジャッカー電撃隊」の劇場用オリジナル作品で「秘密戦隊ゴレンジャー」との共演作。登場人物たちの言動からしてどうやら「ジャッカー電撃隊」の放送終了後に公開された作品ぽい。ゴレンジャーだけでなく、キカイダーや仮面ライダーV3、仮面ライダーアマゾンが写真で登場し、敵のクライム四天王に安藤三男や天本英世など石森章太郎原作の特撮ヒーロー番組で悪役を演じた俳優を起用するなどやたらと豪華なパッケージの作品。(地獄大使のような兜をかぶった死神博士=天本英世の姿が笑える。)しかし、あくまでジャッカーの劇場版にゴレンジャーがゲストで登場している状態でゴレンジャー側で変身前の姿で登場するのはモモレンジャーに変身するペギー松山だけというのはちょっと物足りない。アカレンジャーの声も過去の音源の使いまわしの声(誠直也)と、新規録音の別の声優の声とが違いすぎて違和感がある。また、悪役の四天王の配役もなんだか使い方が勿体無く思う。しかし、二大戦隊が居並ぶ様は童心に帰ってワクワクできた。戦闘員との戦闘でピンクレディーのモノマネをするモモレンジャーとハートクイーンには思わず爆笑。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-15 20:38:09)
789.  ジャッカー電撃隊 《ネタバレ》 
「秘密戦隊ゴレンジャー」の後番組として始まった「ジャッカー電撃隊」の劇場用ブローアップ版。このシリーズは再放送とかなかったので「ゴレンジャー」と違いあまり馴染みがないせいか今見ても特別感慨深いものはないのが残念だが、敵に人質にされる少年がやたらカーマニアだったのはちょっと笑えた。ジャッカーの基本メンバーは4人でメンバーが5人や3人のほかの戦隊と比べるとやや数が中途半端に思うがそのリーダー格である桜井五郎(スペードエース)を演じるのが丹波義隆というのはビックリ。これで司令官が丹波哲郎だったらチームの印象が違うだろうなあ。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-15 01:02:43)
790.  秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン 《ネタバレ》 
「秘密戦隊ゴレンジャー」の劇場版で、テレビシリーズのブローアップではないオリジナル作品。それだけあって舞台である四国・松山でロケをしているなどテレビシリーズと比べて少し豪華な印象。キレンジャーが二代目だったり、火の山仮面マグマン将軍の次の幹部であるゴールデン仮面大将軍が出ていて製作時期も分かりやすいものの、今まで見たテレビシリーズのブローアップ版に比べてそれほど楽しめなかった。登場する怪人に必殺技であるゴレンジャーハリケーンがきかないという設定なんだけど、タイトルの爆弾ハリケーンの繰り出し方も普通で別にタイトルに持ってくる必然性がないように感じた。二代目キレンジャー 熊野大五郎はテレビシリーズでは初代の大岩に比べてあまり印象に残っていないキャラだが、この映画ではメンバー中でいちばん存在感が薄いように思う。好きな人には悪いんだけど、やっぱりキレンジャーは初代の大岩がいい。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-15 00:07:29)
791.  秘密戦隊ゴレンジャー 火の山最後の大噴火 《ネタバレ》 
黒十字軍の幹部である火の山仮面マグマン将軍とゴレンジャーとの最終決戦を描いたエピソードの劇場用ブローアップ作品。今まで声だけだった総統が顔を出しており、声を演じていた安藤三男がそのまま引き続き演じてるのだが、これに関してはこれ以前のエピソードを完全に覚えていないのでなぜこうなってるのかよく分からずちょっと違和感を感じた。ゴレンジャーが挑む黒十字軍の要塞の名前がナバローンというのは明らかに「ナバロンの要塞」のもじりで、そのまんまのような気もするけど面白かった。「そんな技は通用しない。」とゴレンジャーを追い詰めていた火の山仮面だけど、最後はあっさりしすぎな上に間抜けすぎて唖然。まあ、そんなバカバカしさが「ゴレンジャー」らしくもある。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-14 03:00:31)
792.  秘密戦隊ゴレンジャー 真赤な猛進撃! 《ネタバレ》 
キレンジャーといえば何年か前にその名を冠したレトルトカレーが発売されて未だにキレンジャーといえばカレーを思い浮かべる人が多いのだなあと思ったものだが、この作品はそんなキレンジャーこと大岩大太の魅力が詰まった一本と言えよう。ゴレンジャーのメンバーの中では大岩キレンジャーがいちばん好きなのでこの話はなかなか楽しめた。助けた女性に恋をしてそれが敵のスパイだと分かっても組織を抜けるようにと説得するあたりに大岩らしい優しさがあふれていていいなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-02-14 01:53:30)
793.  秘密戦隊ゴレンジャー 青い大要塞 《ネタバレ》 
黒十字軍に奪われたバリブルーンを取り戻そうとするゴレンジャーの活躍を描いたテレビシリーズのエピソードのブローアップ劇場公開版で、中でもバリブルーンの操縦者であるアオレンジャー・新命明(宮内洋)の活躍が目立つ一篇。この頃の宮内洋はどうしても「仮面ライダーV3」の風見志郎のイメージしかないのでどうもキャラがかぶって見えて仕方ない。ナレーションが田中信夫から大平透に代わり、やはりこっちのほうがしっくりくる。それに作風もややソフトになった印象。「なぜ新命は摑まっている?」「手を離せば落ちるから」という問答にはつい笑ってしまった。幹部の怪人である日輪仮面が「ハーヒフーへホー」と言いながら逃げていく場面も声をやってるのが増岡弘だったので、ジャムおじさんがばいきんまんのまねをしているように見え、思わず笑ってしまった。黒十字総統も声を演じているのが安藤三男だから一瞬プロフェッサーギルがしゃべってるように聞こえた。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-13 03:00:34)
794.  秘密戦隊ゴレンジャー
「秘密戦隊ゴレンジャー」のテレビシリーズのエピソードを再編集して劇場公開したもの。小学生の頃に再放送で見ていたので懐かしく見たが、再編集版ゆえかシーンがいきなり飛んだりして違和感を感じる部分もけっこうあった。このシリーズはシュールなコメディー色が強いという印象が小学生の頃からあったが、本作はまだ放送初期のエピソード(ナレーションも大平透でなく田中信夫だし。)だからか、ゴレンジャーの関連施設が破壊されるとかけっこう正統派なヒーローものという感じ。ところで、アカレンジャー役の誠直也はいかにも東映系の強面で昨今のイケメンヒーローブームから考えると確実に現在ではあり得ないが、今見ると逆に最近のイケメン若手俳優にはない味があって新鮮かも。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-13 01:38:09)
795.  いのち・ぼうにふろう
のちに無名塾で舞台化(「いのちぼうにふろう物語」)もされた山本周五郎の「深川安楽亭」の映画化作品。主演は無名塾主宰で舞台版にも出演している仲代達矢で、監督は小林正樹。このコンビの映画は「切腹」も「人間の条件」も傑作だったが、この映画はどうだろうか。舞台も原作も見てないのだが、時代劇としてはそこそこよく出来ていると思うし、クライマックスのモノクロ画面に浮かぶ御用提灯の群れなど映像的に印象に残るシーンもあり、ゾクゾクするような武満徹の音楽も良かったものの、脚本が舞台的な感じで盛り上がりに欠け、主人公たちが命をかけて救おうとしている若者(山本圭)が典型的なグズなダメキャラで彼のために命をぼうにふろうという主人公たちにイマイチ感情移入が出来ず、また全体的に展開がもたついていてどうも退屈で2時間がちょっと長く感じる。なんかタイトルのインパクトの強さのわりにそれほどでもない映画という気がする。それから見る前に興味を引いたのが仲代達矢と勝新という黒澤明監督の「影武者」で主役を降板した側と代わって演じた側の共演だったんだけど、それもなんだか期待はずれという感じで少々残念だった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-02-11 14:44:21)
796.  恐喝こそわが人生 《ネタバレ》 
深作欣二監督によるバイオレンスアクション映画。スタイリッシュな演出や、音楽のテンポなど時代を先取りしたかのような印象で、あまり古さを感じさせていない深作監督の手腕は見事だと思う。松竹映画といえばホームドラマや人情喜劇といった映画がウリなんだけど、ストップモーションが多用されていたり、派手な爆発・炎上シーンがあったりと本当にこれは松竹映画なのかと思うほど松竹のカラーとかけ離れすぎていて異色な感じで、松竹映画という気がほとんどしないのもすごいが、深作監督らしいパワフルでエネルギッシュな映画でなかなか面白かった。主演の松方弘樹は若くてまだ貫禄不足という気がしないでもないが、それでもなかなかいい演技をしているし、あまり出演作を見たことがないのだが、ヒロイン お時を演じる佐藤友美も素敵だった。80年代まで深作作品の常連となる室田日出男が無名の頃から主役メンバーの一人として出演しているのはやっぱり深作監督の人脈なのかな。丹波哲郎は短い出番ながらもさすがに存在感がある。(主役メンバーの一人として配役する構想もあったとか。)ラスト、主人公を殺す暗殺者役を川津祐介が演じているが、このラストシーンはほとんどゲリラ撮影だったらしく、その効果もあってか、この映画の中でいちばん印象的だった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-02-09 13:20:32)
797.  古畑任三郎スペシャル しばしのお別れ<TVM>
1996年に放送された「古畑任三郎」のスペシャル版で、今回の犯人役は山口智子。この頃に放送されていた第2シリーズはどの回を見てどの回を見てないかよく分からないのだが、(ちなみに第1シリーズは初回の中森明菜の回しか見てないような気がする。)この回は見たのは今回(ローカル枠の再放送)が初めてだった。話としては平均的ないつもの古畑という感じだが、なんといっても山口智子。クールでかっこよく、存在感があり、舞台上で踊るシーンや古畑との対決シーンなど演技も実に堂々としたもので素晴らしく、今まであまり彼女の出ているテレビドラマや映画を見ていないせいもあってか、こんなにいい女優だったのかと驚かされた。殺人のトリックはなんら驚くようなことはなくありがちなように思うし、セリフ中に「なるほど!ザ・ワールド」が出てくるところは今見ると時代を感じてしまうが、古畑と今泉のコミカルなやりとりも面白く、安心して楽しんで見ていられた。しかし、本当にこの回は山口智子につきると思う。
[地上波(邦画)] 6点(2010-02-05 21:42:47)
798.  大怪獣ガメラ
ガメラシリーズの記念すべき一作目。昭和ガメラシリーズは20年ほど前の小学校の頃にビデオでよく見ていたが、本作を見たのは今回が初めて。当然この当時のヒットシリーズであった東宝のゴジラシリーズに便乗して作られた怪獣映画だと思うのだが、カラー映画で作ってもおかしくないような時代に敢えて白黒で作っているあたりにゴジラシリーズの一作目を意識しているような感じがしなくもない。(単に制作費をケチっただけかもしれないが。)しかし、「ゴジラ」のような重厚感は微塵もなく、軽い仕上がりで、ドラマ的にも盛り上がる部分はなく、脚本もご都合主義全開な感じで、船越英二、浜村純といった大映映画でよく見かける俳優陣も生かしきれておらずイマイチな感じ。だが、1作目である今回から既にガメラと子供を絡ませるというシリーズのカラーが出ているのはちょっとすごい。(まだこの頃はシリーズ化なんて考えてなかったろうに。)それにやはりゴジラにないものをと考え出されたと思われるジェット噴射で空を飛ぶというシーンが初めて登場したシーンが印象的だった。でもやはりさっきも書いたように深みのないご都合主義なストーリーははっきり言って面白くないし、「ゴジラ」には確かにあった恐怖感というものがないので、ラストもカタルシスに欠けるのも本当のこと。なので、一本の映画としては完成度は抜群に低いと言わざるを得ない。だけど、昭和ガメラに対する懐かしさがあるので、まあ5点が妥当かな。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-02-04 02:24:13)(良:1票)
799.  黒の超特急 《ネタバレ》 
全11本作られた「黒シリーズ」最後の作品で、増村保造監督が手がけた「黒シリーズ」としては3本目となる。今回は汚職事件をテーマに互いに金の事しか頭にないような二人の男(田宮二郎、加東大介)の対決を描いていて、互いに腹黒く、加東大介扮する中江に騙された田宮二郎扮する桔梗が中江が汚職話を持ちかけた船越英二扮する新幹線公団専務理事 財津の愛人 田丸陽子(藤由紀子)と組んで、彼らともう一人の仲間である工藤(石黒達也)を逆に強請ろうとする展開はスリリングで面白い。ヒロインの田丸陽子はどことなくミステリアスで、こういう女を描かせると増村監督はうまいし、演じる藤由紀子の存在感も相まってとても印象に残るし、いかにも増村映画に出てくるヒロインという感じでとても良かった。陽子が中江に殺されるシーンは生々しさがありながらも彼女の悔しさ、悲しさといったものがストレートに見事に表現されているのも増村監督らしい。そしてそんな陽子を本心から愛していた桔梗のやるせなさが画面から伝わってきて、ラストはなんともいえない無常感が漂い、ここに増村監督がこの映画で言いたいことが全て集約されている気がして、今まで見た増村監督の「黒シリーズ」の中でも本作はいちばん増村監督らしい映画になっていると思うし、実際この映画が3本中ではいちばん面白かった。もう少し書かせてもらうと基本的にいい人役の印象が強い加東大介がここまで腹黒い悪人を演じているのも珍しく、しかもなかなかの好演で、普段悪人を演じているイメージがない分かなり新鮮に感じた。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-02 13:29:58)
800.  黒の報告書
増村保造監督による法廷サスペンスで「黒の試走車」に続く「黒シリーズ」第2作。増村監督の法廷劇といえば「妻は告白する」という傑作があるのでこの映画は少し分が悪いのではと思っていたが、重苦しい雰囲気の法廷ドラマで、登場人物たちの描き方も増村監督らしく、見る前に想像してたよりは面白かった。しかし、やはりというかなんというか「妻は告白する」のようなインパクトや深みがないので全体としては普通の法廷サスペンスという印象。宇津井健の主演映画を見たのが初めてだったのだが、どうもテレビドラマに出てる俳優というイメージが強くて、映画の主人公役としては弱い気がして、途中から本当にテレビドラマを見ているような感覚に陥ってしまった。演技にしてもこの後の「新幹線大爆破」の方がうまいと感じるし、法廷シーンでは小沢栄太郎と神山繁に完全に食われているという感じしかしなかった。「黒の試走車」に続いてヒロインを演じる叶順子。ラストの訴えなどなかなかいい演技を見せているし、印象にも残るのだが、何か物足りない。そんな中にあって小沢栄太郎が演じる弁護士。まだこの俳優に馴染みがない頃に「犬神家の一族」を見たこともあってか、小沢栄太郎と名前を聞くと古舘弁護士を真っ先に思い浮かべてしまうのだが、この映画では善良な古館弁護士とは真逆の悪徳弁護士を演じており、もし、この映画を見た後で初めて「犬神家の一族」を見たとしたら、古館弁護士も悪徳弁護士に見えてしまうであろうほどの嫌味ぶりがなんとも言えず。やはり小沢栄太郎は悪役俳優だなと改めて思った。神山繁も「女王蜂」でインパクトのある役柄を演じていて、市川崑監督の金田一シリーズで印象に残った二人の俳優が市川監督の助監督を努めていた増村監督の映画でそれ以前に弁護士役と被告役で共演しているのは偶然かもしれないが、ちょっと興味深いものがある。
[DVD(邦画)] 6点(2010-01-28 00:36:49)
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