801. 赤い河
《ネタバレ》 西部開拓時代がとういうものだったのかというのが、本作を見て手に取るようにわかりました。 その当時のアメリカの人たちがどんな風に生き抜いていたのか、等身大で理解できる。 開拓時代だから、今みたいに整備された社会でなく、どのように道徳を養い生か死かを選択し、 思慕を育み仕事を全うするのか、生きざまの中でそういうことが培われれ集団が形成されているのだなぁと。 そしてこういう世界だと、師弟関係や恋愛など、すべてがプリミティブな感じがするんですよね。 あの女性とのやりとりとか、こういう環境だからこその愛が芽生える。当時の人は深い恋愛していたのだなと思索致します。 まぁなんにせよ、厳しい時代だけどもやはり古き良き時代です。 [地上波(字幕)] 7点(2016-07-24 21:20:26) |
802. 巨人と玩具
《ネタバレ》 いやぁ、好きですねこの作品。 おっとりした人早口な人、世の中にはいろんな人がいるわけですから、普通は人それぞれの個性というものを引き出して 映画として見せていくというのが当然だと思っていた自分にとって、この作品はかなりのカルチャーショックでしたよ。 なんせ、すべての登場人物が凄まじく早口でやかましい元気はつらつキャラなんです。こういうスタイルをこうやって一貫して作るってすごいなと思うと同時に、 この作風によってこの時代の空気感とか、そういう風潮とか、それから本作が伝えたいメッセージが浮き彫りになってるなと思うわけです。 1958年。日本がどんどん復興して、そして高度成長に突入する。みんながむしゃらな時ですね。 そういう時に、こういうアンチテーゼみたいなテーマの作品を撮るというのもまた凄いもんだなぁと。 キャラメルの大量生産風景、へんてこで味わいあるCMや宣伝方法の数々、刺激的な歌詞による土人の踊り。どれもこれも鮮烈でありました。 [地上波(邦画)] 8点(2016-07-22 23:13:53) |
803. がんばれ!ベアーズ
《ネタバレ》 これは本当に面白いですね。今まで見た野球映画で一番好き。 とは言ってもよくあるスポ根ものとは全然違う、ダメな子たちばかりのダメチームをダメおじさんが強くしようと奮闘する、 極めてポンコツだらけの映画なんですけど(笑)、どの子もキャラが立っててすごく面白いのよね。 一つ一つのネタが秀逸で笑かしてくれる。大人も子供もみんなが「成長」する、大人も子供もみんな楽しめる作品。 [地上波(字幕)] 8点(2016-07-20 23:37:29) |
804. ホットロード
《ネタバレ》 能年ちゃん、いろいろあって「のん」に改名したそうですけど、まぁ本作見てると女優としてはいいもの持って入るなと思いますけどね。 ホットロード、もとは80年代のコミックってことで、暴走族の少年と恋に落ちる。あぁ、時代を感じるなという題材ですね。 ヤンキー雑誌とかもあって、やんちゃなのがそれなりに市民権を得ていた時代。ただ今の感覚で見ると、 「そういうことに巻き込まれるのは規定路線よね〜」なんて思っちゃうんですけど。 ただまぁ、題材は古くても、映像的にはすごく今風でして、爽やかな色合いの青春映画に仕上がってるんですよね。 恋愛よりも家族の話の方がわりとしんみりできる内容。 [地上波(邦画)] 6点(2016-07-19 00:02:23) |
805. 私は二歳
《ネタバレ》 何だか妙にシュールな映画で、そのシュールさが不思議と味わい深い仕上がりになってるんですよね。 やっぱり時代が時代だからなのか、夫婦がそれぞれ言い争いしたとしてもそれはどことなくひょうひょうとしていて微笑ましい。 それでいてちょっととげとげしいセリフをぽっと言ったりどきっとするような展開が挿入されたりして、これがシュールで面白いのよ。 でも一番シュールなのは、やっぱり「男の子の心の?声」ですよね。 どう考えても二歳のセリフじゃない。それどころかかなり達観したことを変な声でつらつらと喋るんですよ。 この展開が相当にへんてこで、それが本作の独特な持ち味になってるんですよね。 月がバナナになって帆船に変わる怪しいアニメが唐突に始まったりとか、一体なんなのこれはという印象。 なんてことない話だけど、そういうシュールさをかみしめながら最後まで堪能いたした次第です。 [地上波(邦画)] 6点(2016-07-18 19:57:56) |
806. 不意打ち
《ネタバレ》 エレベーターに閉じ込められ、何もできない状態になったところで下等な人たちがわらわらと集まってくる。 階級闘争と言いますか、それぞれの立場の朝沿いをこういう風に見せるというのは面白いですね。 そしてまた、他人への無関心が蔓延した社会に対する警告のようなメッセージも込められてる。 次にこのベルを自分が聞いた時はもう無視しないわ、少なくともしばらくの間は、という台詞が胸に残ります。 にしても、後半の息子の手紙は予想外でしたね。いい意味で嫌味ったらしい作品。 [DVD(字幕)] 6点(2016-07-17 21:25:53) |
807. ブリングリング
《ネタバレ》 タイッサ・ファーミガちゃん目当てで拝見しました。 清楚なイメージがある彼女も、こういうヤンチャ娘の役をこなしていたのですね。まぁなんにせよ可愛らしいですけど。 一言で言えば「若気の至り」をリアルに描いたという感じで、大丈夫だよ〜と言いながらへらへらと不法侵入を繰り返す様や、 拳銃を見つけてそれを友達に向けたりして悪ふざけするようなあの感じはいかにも若者だなぁと。 しかし一方でリアルでないなと思うのは、数々の著名人の豪邸が何のセキュリティもなしで易々と入れる点。 一体どうなっているのでしょう?実話をベースにしたとありますが、どこまで実話なのかちょっと気になります。 キルスティンダンストやパリスヒルトンなどが本人役で出てくるのはちょっと愉快でした。 最後まで悪びれることなく、釈明会見まで自分の宣伝にして終わるブラックユーモアに思わず失笑。 [DVD(字幕)] 5点(2016-07-16 23:59:11) |
808. ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
《ネタバレ》 テレビでたまたまやってたんで観たんですが、これ続編なんですね。 あれ?なんか物語がいきなり始まった?と思って混乱しちゃいました(笑)。 モスラのあの小さい二人組が43年ぶりの登場で、ファンには嬉しいのかもですけど、 でも当然ながら別人ですよ。片一方は長澤まさみちゃん。もう一方は誰かわかんなかった。 ゴジラは自然の畏敬の対象で、骨から武器とかふざけたことするとしっぺ返しがありますよ、という 一応の意味合いは込められてますが、某女優の大根っぷりが気になってそれどころではありませんでした。 [地上波(邦画)] 5点(2016-07-16 16:57:18) |
809. クロノス(1992)
《ネタバレ》 ギレルモ・デル・トロ監督の長編デビュー作。 クロノスの昆虫ギミックとか、吸血鬼というモンスターへの興味とか、 彼の出来上がった作風というものが既に見てとれますね。 やたらと痛めつけられボロボロになっていく老人というのもなんだかシュールでした。 [DVD(字幕)] 5点(2016-07-15 21:16:55) |
810. 大巨獣ガッパ
《ネタバレ》 半世紀も前の作品。なので「うわ!めっちゃ着ぐるみやん!」とか、「島の住民たち、どう見ても黒塗りしただけの日本人やん!」とか、 いろいろと突っ込みたくなるシーンが多いんですけど、そういう手作り感も含めて楽しめましたね。 子供ガッパのあのなんとも言えない表情や、壊すためだけに作られた街のセットの数々など、当時の職人魂が感じられる。 ストーリーも、これでもかというぐらいシンプルですね。そんで終盤の親子愛みたいなベタな展開も思わず失笑しちゃうんだけど、 基本子供向けですからまぁいいでしょう。とにかく、年代物の怪獣映画ということで興味深く拝見させていただきました。 [地上波(邦画)] 6点(2016-07-09 20:22:13) |
811. 白鯨との闘い
《ネタバレ》 なかなか面白かったです。巨大な白鯨と戦うシーンとかほとんどCGなんだろうけど、映像的にすごく良く出来てました。 こちらのページを見て、あぁなるほどそういうメッセージが込められているのかと納得いたしました。 人間の尽きない欲望。際限なく資源を食い漁る人間に対する戒めのような存在なのですね。 白鯨の目を見た時、なぜオーウェンは戦うことをやめたのか。白鯨の目に映る自分の姿を見て、自分を省みたのかなと思いました。 オーウェンは最初から最後まで見識高い人間でありましたが、ジョージ船長は最初は嫌な奴でしたね。 でもだんだんと変わっていって、最後には彼は真っ当な人間になる。 そういう変化を考えると、オーウェンよりむしろこの船長の方が物語の主人公かなという気もします。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-06-28 21:01:49)(良:1票) |
812. ギャラクシー街道
《ネタバレ》 嫌いじゃないですよ。こういう気の抜けたSFコメディって。 でも、酷評されるのもよくわかる。多分劇場ではシーンと静まり返っていたんだろうなって、 その凍りついた映画館内の様子が容易に想像できる(笑)。 豪華な役者陣を使ってはいますが、好きな人だけにわかればいいよっていうニッチな作品として作ってるんじゃないかな。 この人がこんな役柄をやってますという面白さもあるし、妙なシュールさに浸る楽しみ方もある。 でも、大爆笑はしないよ。くすって笑える程度。だからもう一度見たいと思わせるだけの力はない。 暇つぶし程度に見て楽しめれば御の字よ。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2016-06-27 22:34:55) |
813. 俺物語!!
《ネタバレ》 なかなか面白かったですね〜。もう忘れかけていた、青春時代の甘酸っぱい恋愛心というものが蘇る思いでした。 猛男くん、いくらなんでも鈍すぎるだろうというのが正直な感想ですが(笑)、まぁこれまでの境遇や彼の優しさ故なのかなと大目に見ましょう。 そんな猛男を演じた鈴木亮平さんは、日本のカメレオン俳優と呼ぶにふさわしいくらい素晴らしい役者さんになりましたね。 本作でも見事なまでのはまり役を見せてくれました。凛子ちゃん役の永野芽郁さんもすごく良かったです。 [DVD(邦画)] 7点(2016-06-24 00:01:54) |
814. ミケランジェロ・プロジェクト
《ネタバレ》 ミケランジェロ・プロジェクトって邦題がなんか安っぽい感じですが、キャストはものすごく豪華ですよ〜。 ジョージ・クルーニーとつながりの深い役者さんたちが揃ってくれたんでしょうね。 恥ずかしながら美術品を救出するための部隊が存在していたなんて知らなかったものですから、 とても興味深かったですね。なんせおっちゃんだらけでとてもじゃないけど兵士に見えない。 人の命をかけてまで、美術品を救う価値はあるのか?という台詞がありますけど、それに対する ストークスの回答がウンウンとうなづけるものでした。美術品は、文化そのもの。 特に写真などの記録技術がなかった昔の人たちを知る上でとても貴重。 文化を守ることはとても尊い。それがなかったら、人類の営みは無味乾燥で空虚そのものであります。 戦時中は特にそのことが見失われがちで、戦争が終わった後の時代のことを考えての行いなのだと考えると、 この部隊の存在は本当に重要ですね。 映画としては少々散漫な印象も否めませんが、そういうことを知れただけでも見る価値はあったかなと。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-06-21 22:55:02) |
815. ザ・ウォーク
《ネタバレ》 3D映画というものの底力をいかんなく発揮できる題材ですね。さすがはロバート・ゼメキス。 クライマックスの綱渡りシーンはさすがの見せ場。 一度渡っておしまいなのではなく、警官を翻弄するかのように行ったり来たりを繰り返す。 それも心底穏やかな気持ちで楽しみながら。ごろんと寝っ転がった時はヒヤヒヤしましたよ〜。 人間ドラマもなかなか魅せてくれます。気難しいけど親身な師匠の存在とかグッときますし、 1メートルの高さでも震えるような高所恐怖症のフランス人が、よくもまぁあそこまでやってくれたなと(笑)。 そういう仲間の協力にもグッとくる。それでいて、あの彼女ですよ。 無事綱渡りの成功を見届けたら、今度は私が夢を追う番よって去っていく。 恋人としては終わっていても、最後まで彼を助けてくれてたその姿勢になんだかじんときます。 永遠のパスをもらったんだって、それで世界貿易センタービルのラストショットで終わるシーンが いろいろと考えさせられる。静かな感動の余韻に浸れる。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2016-06-19 21:40:47) |
816. I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE
《ネタバレ》 スヌーピーって本国では「ピーナッツ」ってタイトルなんですね。初めて知りました。 スヌーピーはかわいらしいなとは前々から思ってたけど、調べてみたらビーグル犬なんですね。 似てるようで似てないような気もしますが、まぁ可愛いので良しとします。 ストーリーは王道そのもので、可もなく不可もなく。 チャーリー・ブラウンが天才だとして途中子供達に待ちあげられる下りが笑った。 CGアニメだけど、カクカクしたクレイアニメみたいな動き方を表現していて 漫画の世界観を損なわないようにしているのは良かったです。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2016-06-13 00:28:11) |
817. オデッセイ(2015)
《ネタバレ》 とても淡々とした淡白な作風でしたね。いい意味で軽いというか。 オープニングは火星探査してる飛行士たちが砂嵐に襲われるというところから始まる。前日談みたいなのは一切なし。 このへんのバッサリ感が今風で良い。こう言うストーリーだと、地球では全人類が今か今かと待っている、 みたいなシーンも多く挿入するけど本作はそういうのも最小限でしたね。 そしてクラシック音楽で感動的に盛り上げる、というパターンも多いけど、本作は主人公が言うところの センスの悪い軽音楽で占められておりました。これがまた新鮮でしたね。 リアルでハードなSFをサクッとしたノリで彩るというような。 火星の風景をリアルに再現してくれたのは宇宙好きの自分としては嬉しいです。 火星でああやって芋を栽培できるのであれば、火星の植民地化も実現可能のような気がしてくる。 なんだか希望が湧いてきます。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-06-10 23:14:20) |
818. スター・ウォーズ/フォースの覚醒
《ネタバレ》 一言で言えば、無難だなと。冒険せず手堅い作りだけど、同時に目新しさに欠けるのもまた事実。 全体の雰囲気もエピソード1〜3ではなく4〜6の感じだし、往年のファンが喜びそうな、同窓会的な内容。 そういう新鮮味のない懐古的な作りの中で唯一新しいのは主人公が女性ということ。 彼女は目の力とか存在感があって、とても良かったなとは思います(黒人の彼も)。 普通に楽しめはしましたが、カタルシスは少なかったな。オンボロの船動かして逃走するシーンが唯一ワクワクできた。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-06-07 21:41:06)(良:1票) |
819. 人狼ゲーム クレイジーフォックス
《ネタバレ》 シリーズ第三弾ということですが、これまでで一番クオリティの低い出来でした。演出的にも、シナリオ的にも。 高月彩良ちゃんも自分の女優イメージを覆そうと頑張っているのはわかるんだけど、まだ突き抜けきれてないんだよなぁ。 今回は狐という新たな役職が加わってるわけですが、より一層複雑なだけ。最初に一目惚れするという展開もなんだか強引だし。 最初にゲームへの違和感を訴えていた坊主は正しいですよ。他のみんなはなんですんなり受け入れてるのかしら。 [DVD(邦画)] 4点(2016-06-06 11:55:18) |
820. ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度
《ネタバレ》 リチャード・ギアは役作りのため、実際にニューヨークの街中で ホームレスになり切ったそうですけど、誰もギア様だと気づかず、 その時の人々の冷たい視線、それから一人だけ自分に優しくしてくれた女性、 そういう経験は自分は一生忘れないと語っていましたね。 本編中にも、おそらくこれはゲリラで撮影したんだろうなというシーンが出てくる。 すごく真に迫った内容で、自分がニューヨークでホームレスになったら こういう生活になるんだなというのが追体験できる。 大御所でありながら、こういう役に挑戦するギアはすごいなと痛感しました。 [DVD(字幕)] 6点(2016-06-06 11:48:09) |