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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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841.  007は二度死ぬ 《ネタバレ》 
シリーズも進んでくると、だんだんスケールを大きくしなければならない。特に今回は、スペクターのNo.1が指揮する作戦ですから。ということで宇宙船をまるごと強奪する話にしたわけですが……。どうもこれが大味に感じられます。前作で核弾頭を積んだ飛行機を奪取するエピソードで、いろいろ手順を踏んでじっくり見せたのとは逆です。この大味、大雑把な雰囲気が全編にあふれています。クライマックスで忍者部隊が基地を襲撃するところでも、何となく撮影しているという感じ。これまた前作の水中戦に劣ります。それ以外でも、いろいろとご都合主義が目についてきます。宇宙船強奪などというSFじみた話だからこそ、細かいところはきっちり現実的に作ってもらいたいのですが、どうも勢いだけの力業で持っていった感じです。日本の描写云々ということを抜きにしても、魅力に欠ける作品でした。 ちなみに、変装したボンドは川平慈英に似ています。いやホント。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-07-26 21:08:59)
842.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
うーん、サスペンスとしては一級でしょうね。序盤こそ2人の大暴れにガッカリしましたが、トムがフィリップの服を着て真似をするあたりから持ち直しました。フィリップ殺害後に船が波と風に翻弄されるところはとてもよかったです。それからはフィリップになりすましつつあちこち場所を変えて半逃亡生活を送るところが、サスペンスものとしては定番ですがうまく作っていたと思います。ただ、トムのいる場所がどこの街なのかよくわからなかったり、それぞれの街の位置関係もわからないのでどれくらいの時間で移動できるのかも不明ということで、ちょっと戸惑うところもあります。 ただ、犯罪ものとしてはどうでしょう。トムは全然変装していないので、アパルトマンのおばさんにでもフィリップの写真を見せれば、偽者だというのはすぐばれるでしょう。普通その程度の確認はすると思いますが。指紋についても、まったく問題にしないのかと思ったら警部が言及していますし、どう扱っているのかよくわかりません。 この映画が名作とされているのは、やはり最後の死体が引き上げられる場面、あそこのインパクトが大きいのでしょう。たしかにアイデアはすばらしいですし、意外性もあります。しかし問題点もあるので、全体としては普通のできでしょうか。
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-25 20:02:42)
843.  スター・ウォーズ<特別篇>
スター・ウォーズ、なつかしいです。当時アメリカで大ヒットしたことが大きな話題で、私も日本封切りを楽しみにしていました。サントラLPを聞き小説を読み、今から思えばその内容を確かめに劇場に足を運んだようなもの。これでは本末転倒です。きっと流行に乗っていただけで、その証拠にこれ以降の作品にはあまり関心がありません。 で、NHKでシリーズ全作を放送するというのでエピソードIVだけ見てみたら、どうやらこの特別篇だったようです。こちらは初見です。そして、意外なほど面白かった! いや~、これは大ヒットしたはずですわ。完全にオリジナルな世界を確立しています。登場する異星人・異種族のユニークなこと。パルプ・マガジンのイラストから抜け出たようなBEMがゾロゾロ登場して、製作当時の感覚からしても古いとは思いますが、そこが逆に新鮮というか、楽しかったりします。古いイメージのものをちゃんと映画として映像化したところに、大いなる価値があったのでしょう。その意味でやはりエポック・メイキングな作だったと思います。ストーリーはテンポよく、ユーモアも利いていて飽きさせません。各人物のキャラクターも古典的ですが、それだけにうまく噛み合っています。特に“若造”のマーク・ハミルと強気なキャリー・フィッシャーが、記憶していた以上に存在感があり役にハマっています。 気になったのは、ブラスターを乱射する場面で画質が変わること。ビデオ合成のように荒くなって不自然にみえます。オリジナルではもっと見やすかったと思うのですが、記憶違いでしょうか。それを除けば、楽しさ満載の2時間でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-07-24 21:21:43)
844.  大列車強盗(1978) 《ネタバレ》 
マイクル・クライトンが、自作小説を映画化したもの。1885年に、イギリスで実際に起こった列車強盗事件に取材した作品。 列車強盗といっても、西部劇のそれとはかなりイメージが違います。目的の金庫には鍵が4つついており、それぞれ別々に保管されているのですが、その型を取って合鍵を作り、堂々と金庫を開けようという寸法。そこは紳士の国、ドカンと爆破したりはしません。 で、前半は合鍵を作るための作業となっていて、どちらかというとサスペンスものです。鍵の管理者の人物もなかなか面白く、どうやって近づき、どのように型をとるのかが見ものです。ここはいろいろ工夫していてよかったです。 後半はいよいよ列車強盗本番ですが、事前にアクシデントがあり、警戒が厳重になってしまったりしています。ここでは一気にアクションものに早替わり。ショーン・コネリーが、スタントなし(たぶん)で危険なシーンにも挑戦したりしています。個人的には前半の方が好きですが、これはこれで楽しめます。 全体として展開は地味めですが、ところどころユーモラスな場面を織り交ぜいているので、飽きることはありませんでした。まあ、クライトンがこの作を映画化した理由は、19世紀半ばのイギリスを再現したかったからでしょう。この点、小説は映像の敵ではありません。私はこの時代についてそれほど詳しいわけではありませんが、ヴィクトリア朝に遊んだ気分にさせてもらえたので、監督の狙いは成功したのだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-23 20:17:56)
845.  祇園囃子 《ネタバレ》 
製作は昭和28年。新しい時代が来たのに、旧弊な扱いを受ける芸妓。新しい時代と伝統の乖離を描いていて、近頃の相撲協会にまつわる騒動を連想しました。この件に関して、新聞で「芸の世界では世間の常識は通用しない」とか言っていた人がいましたが、この映画を見ても同じことを言うのでしょう(男だし)。まあ、どんな世界にも裏というのはあるものでしょうが……。 裏といえば、本作では仕事先のお得意さんにお気に入りの芸妓をあてがって仕事をもらおうという魂胆ですから、これは要するに賄賂でしょう。ここでも裏の世界が描かれています。こうしてみると、60年近く前の映画なのに、扱われている題材の新しいこと! こういうところは、日本人は変わっていないのでしょうか。それこそ日本人が誇る(?)伝統というやつかもしれません。日本に限らない話かもしれませんが。 画としては、細い路地が多い京の街の特色を生かした、道が奥へ伸びている構図が印象的です。室内でも、すだれなどを使って手前と奥とを明確に分け、奥行きを出しています。昔の京都の街並みを見られるのが嬉しいですね。京都に生まれ育った私としては、ロケ地がどこか想像するのも楽しいです。 出演者では、弱冠二十歳の若尾文子が、いかにも当世風(当時)の女の子を演じていて愉快です。嫌味な浪花千栄子も好演。木暮実千代は、京言葉のアクセントがどう考えても変なのが残念です。 そういえば、『雨月物語』と同年の製作でスタッフもほとんど同じなのに、こちらは台詞がよく聞き取れました。不思議です。フィルムを使用する機会が少ないことが理由だったりして。
[地上波(邦画)] 8点(2010-07-20 21:00:40)
846.  ロストロポーヴィチ 人生の祭典 《ネタバレ》 
場面があっちへ行ったりこっちへ行ったりで落ち着かない。そのためもあってか、序盤はかなり退屈。監督は芸術作品として撮ろうと思っているのかもしれませんが、むしろマイナスであると感じました。ロストロポーヴィチへのインタビューあたりは面白かった。作曲家の比較など、興味ある話が聞けました。後半は、小澤征爾とのペンデレツキ作品初演と、妻のヴィシネフスカヤのレッスン風景を交互に映しているあたりがハイライトか。たしかに最初は面白かったが、だんだんと飽きてきました。ここでは、レッスンを受けている生徒ではなくヴィシネフスカヤばかりを撮っていたのが面白い。まあ実際、生徒よりも先生の表情の方がよかったです。2人の若い頃の話もあってそれなりに見せますが、全般的に掘り下げが浅いなぁという印象です。どうも監督が撮りたいのはロストロポーヴィチとヴィシネフスカヤではなく、「自分がこの2人をどう見ているか」ということではないかと感じました。 ところでこの映画、第1部と第2部に分かれています。もしかしたらもともとテレビ番組だったのでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-07-19 20:01:58)
847.  叫びとささやき
よくわからない人たちが織りなす、よくわからない映画。だから退屈で眠い。出ている女優さんは皆さんすばらしいですが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-18 16:59:02)
848.  つみきのいえ 《ネタバレ》 
アニメーションの場合、画のタッチでかなり好き嫌いが分かれますが、これはかなり好みです。 で、この映画での「上昇する水面」は、“人間の経験”のメタファーではないかと思いました。人が経験を重ねていくにしたがって、その経験は記憶となっていくわけですが、普段は忘れてしまっています。おじいさんの部屋には思い出の写真? など飾ってありますが、あれは日常の一部であり、あってあたりまえの存在になっています。しかし一旦意識下の海に潜ってみれば、さまざまな記憶がよみがえってくる。楽しかったことも、辛かったことも。それはノスタルジアですが、人間時にはノスタルジアに浸って、感傷的になるのも悪くないんじゃないでしょうか。世間一般的には、前(将来)を向いて生きていくのがいいのでしょうが、後ろを振り返ることも必要なのかも。多くの経験をしてきた高齢者なら、なおさらです。 あと、おじいさんの家から下を見ると、水中にいくつか家がみえます。あそこにもかつては人が住んでいたのです。それはたしかに人が生きていたあかし。今はいないけれど、残った家で人がいたことがわかる。今生きている私は、最後になにか残せるのか? などと考えてしまいました。 とまあ、理屈を並べることもできますが、本当はそんなことより、この短い映画を見て単純に「いいなぁ~」としみじみできたことが、一番よかったと思います。頭(理屈)ではなく心(感性)で見る映像。「考えるな、感じろ!」ってことです。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2010-07-15 22:46:56)
849.  県庁の星
はい、皆さんのおっしゃるとおりです。とにかく予定調和でご都合主義。だから全体を通しての印象が軽いし、これならテレビでいいでしょ、ということになります。まあ、それなりに面白いことは確かだし、見ていて飽きるということはありませんでした。積極的に高く評価しようとは思いませんが。これは大人(サラリーマン)のためのファンタジーだと感じました。ただ、最後の知事の行動とか妙にリアルなんですよね。本気にした観客が実際に行動に移すのもどうかと考えたんでしょうか。 私はテレビで見たのでこの点数ですが、お金を払って劇場で見たらもっと低い点数です。残念ながら、劇中の県庁さんのような志が映画そのものから感じられませんでした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-07-14 22:42:58)(良:1票)
850.  処女の泉 《ネタバレ》 
う~ん、内容はかなり濃いのですが、特に何とも感じません。何となく始まって、何となく続いて、何となく終わる……と思ったのですが、最後はさすがに「こう来たか!」と思いました。まあ、「なんで『処女の泉』なんだろう?」と考えていたので、まことにタイミングがよすぎる気もします。これも神様の戯れ? まあいずれにせよ、ずいぶん人が死ぬ陰惨な話にしては、なんともはや薄い印象しか残っていません。好き嫌い以前に、どうでもいいという感じ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-12 19:27:21)
851.  シャーロック・ホームズの冒険 《ネタバレ》 
かなり面白い。特に前半は飛ばしていて、笑わせてもらいました。原作を知る人なら、間違いなく楽しめるでしょう。後半から本格的な事件になり、最初のエピソードは何だったんだろうと思いましたが、一応伏線も隠されていました。ミステリーとしては王道ですが、ある程度観客にわかるようにしてあるのがミソ。しかし意外なオチがあり、これには不満な点もないわけではないですが、原作の某エピソードを参考にしたかのような展開で、人の心の機微を描いていたのがよかったです。原題に"Private Life"とありますが、私生活のうちでもホームズの女性関係にスポットを当てています。 残念だったのはキャスティングで、ロバート・スティーヴンスは個人的にはホームズというイメージではありません。クリストファー・リーのマイクロフトもしかり。コリン・ブレイクリーのワトソンはまあよかったのです。ただ、後半はほとんど彼一人が笑いをとっていたのですが、暴走気味で食傷しました。ジュヌヴィエーヴ・パージュが一番のはまり役でしょうか。いろいろな意味で、この人に負っている映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-11 17:22:35)
852.  007/サンダーボール作戦 《ネタバレ》 
これもテレビの洋画劇場以来ですが、ほとんど記憶になく、初見と同じです。予想以上に面白かった。そろそろ本格的なアクション映画になってきました。冒頭の格闘からしてハデですし、クライマックスの水中戦は、動きが緩慢で地味なわりには見せ方がいいのか、飽きずに見られました。また、話のころがし方がうまい。原爆を奪取するところをなぜ逐一見せるのかと思っていたら、ちゃんとつながっていたのですね。 それと、全般的にユーモアがパワーアップしている。特にM、Q、ミス・マネーペニーのレギュラー陣の会話が楽しいのは、シリーズとして軌道に乗ったことの裏付けでしょう。逆に、ラルゴやドミノはいわゆる“キャラ立ち”という点ではやや不満が残ります。ルチアナ・パルッツィの方が存在感がありました。途中退場が残念です。 途中中だるみもありましたが、全体としてはかなり楽しめました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-06 21:12:46)
853.  危いことなら銭になる 《ネタバレ》 
コメディ・タッチの和製暗黒街映画。けっこう面白かったです。メインのキャストはそれぞれ好演ですが、特にスーツに身を包んで慇懃な長門裕之が、近年とギャップがあって楽しめました。「柔道二段、合気道三段!」なのにへっぴり腰の浅丘ルリ子もおかしい。しかし出演者では、やはり左卜全・武智豊子の夫婦でしょう。文字通りの名人芸。映画全体を締めていました。特に、妙に拳銃に詳しく、ガンさばきもきまっている婆さん(役名)がステキです。 ただ、全編お笑いというわけでもなく、一瞬夢から覚めるというか、妙に現実的になる場面がありました。これは“悲惨な戦争”を経験した日本人の矜持なのか。偽金作りなら笑い飛ばせるけれど、あの場面ではそういうわけにはいかないという、真面目さを感じました。 ところで、藤村有弘はどこに出ていたのでしょう。よくわかりませんでした。もしかして、最後の中国人だったのかな?
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-07-01 21:06:59)
854.  めまい(1958) 《ネタバレ》 
『裏窓』や『マーニー』と同時期にリバイバルされた際見ましたが、全然よくなかった。それ以来久しぶりですが、やっぱりダメです。 私としては、前半はけっこう面白かったです。スコティの尾行が下手すぎるとか、問題はありますが(あれは伏線なのでしょうか)。マデリンが飛び込むあたりからロマンス色が強くなると、面白さが削がれてきます。ジュディが登場してからは、スコティの行動についていけず、かなりつまらなかったです。ヒッチコックの映画では、このスコティのような「死者に憑かれた」人物として、あと2人思いつきます。そのどちらも脇役なので問題はないのですが、本作では本来主人公である人物が常軌を逸した(と私には思われる)行動をとるので、問題です。ジェームズ・スチュワートとキム・ノヴァクという組み合わせも、結果的によくなかったと思います。 本作については、画作りを評価する向きもあるかと思いますし、たしかにレストランでのキム・ノヴァクのポートレイトなど絶品なのですが、先に挙げたようなマイナスを挽回するほどではありません。やはり、シナリオが基本でしょう。その時点で失敗していると思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-06-30 22:29:08)
855.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 
高校生か大学生の頃、三本立ての名画座で見ました。この時は字幕が読みにくいところがあったりして、全然いいとは思わなかった。 ところが今回再見したら、すばらしい映画ではないですか! いち家族を描くことによって、罪と罰、善と悪、人と人とのあるべき関係について、真理に迫るような深い考察を促されました。特に「人を許す」ことについて、いろいろと考えさせられます。人は一人では生きていけないのだ、誰かが必要なのだと痛切に感じました。もしかするとアダムやアロンは、その点勘違いしていたのかもしれません。 ジェームズ・ディーンは、役を演じるより「役になりきる」タイプなのでしょうね。おそらく本作では、演じたキャルと彼自身とがオーバーラップする部分が多かったのでしょう。その分存在感があり、非常にインパクトが強くなったと思います。それ以外のキャストもそれぞれはまり役。特にアブラとサムが記憶に残ります。 これはやはり、名画として今後も残したい作品です。時代や国を超えた普遍性があります。結局はそういうものが、人の心をつかむのでしょう。
[映画館(字幕)] 9点(2010-06-26 20:37:51)
856.  蛇の穴 《ネタバレ》 
これはけっこうよかった。記憶喪失・神経症で精神病院に入院した人妻が、退院するまでのお話。病気の原因は今日言う「トラウマ」で、それを探っていく過程がミステリー風でかなり面白かった。実際に夫の顔や結婚したことを忘れたりする症例があるのかどうか、私はまったく知りませんが。ただヒロインが、強度の強迫観念に囚われているというのは納得できました。これが話の中心ですが、精神病院の患者が増えすぎて、とても1人ひとりにきちんと対応できていないという現実も描かれています。看護師の患者に対する態度も、少々問題あり。そうした批判を含んでいるということも評価できます。しかしもっともよかったのは、なんといっても主役のオリヴィア・デ・ハヴィランド。狂気から脱しようとするヒロインの苦しみ・孤独を熱演していました。役柄上錯乱した場面も多いのですが、なかなか迫力があります。この方は『風と共に去りぬ』のメラニー役くらいしか知られていないかもしれませんが、本作や『女相続人』を見ると、かなりの演技派だとわかります。もう少し認知度が上がってもいいと思います。脇役では、担当医のレオ・ゲンがさわやかな味を出していました。知名度は低いですが、逸品です。   【追記】調べてみたら、原作は小説とはいえ、作者の実体験に基づいているようです。となると、記憶喪失になったということなのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-25 20:38:05)(良:2票)
857.  007/ゴールドフィンガー 《ネタバレ》 
ボンドが謎を解く第1作、ボンドと敵を等分に描いた第2作に続き、今作では敵であるゴールドフィンガーがメインのようです。ゴールドフィンガーがどんな男でどんな悪事を働くのかが話の中心で、ボンドはそれをわれわれ観客に紹介するガイドのようなもの。ということで、ボンドが活躍する余地はあまり残されていませんでした。 肝心のゴールドフィンガーですが、序盤のイカサマを見てもわかるように、はっきり言ってセコイ。おまけにグランドスラム計画の目的が、結局自分の金もうけ。そこまで利益追求にこだわるのはご立派ですが、やることがハデで面白いわりには、小物という印象です。あまり魅力を感じずガッカリ。部下のオッドジョブの方が、粛々と命令を遂行するしどう見てもボンドより強そうで、いい感じ。もう、ハロルド坂田あっての『ゴールドフィンガー』でしょう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-23 22:19:47)
858.  ジュリア 《ネタバレ》 
映画のタイトルはジュリアですが、話の中心はあくまでリリアンでしょう。彼女にとってダシール・ハメット(ダッシュ)とジュリアがいかに重要な存在だったか、それがテーマのようです。だから前半の劇作家としてデビューするまでのいきさつも、リリーにとっては欠かせないものなのです。個人的には翻訳ミステリが好きなので、興味深く見ました。 後半のベルリン経由でモスクワへ行く話は相当面白いのですが、それまでと雰囲気がまったく変わってしまうので、はたしてよかったのかどうか。あまりにも面白すぎて前半とバランスがとれていないとも思えます。それにしても、本当に“小説にでも出てきそうな”展開で、ある意味使い古された陳腐な設定ですが、それをこれだけ引きつけてみせるというのは、たいしたものです。もっともこれは、主人公が実在の人物だというリアル感が、大きくプラスになっているとは思います。ジュリアが亡くなった後も、素人が地下組織の壁にはばまれるというリアルな展開で、安易なハッピーエンドよりも見ごたえがありました。レジスタンス組織の徹底した秘密主義を描くことで、戦争それ自体の恐ろしさを影のように浮かび上がらせています。 リリアン・ヘルマン自身が原作を書いているということで、リリーは多少欠点はあるものの、あまりひどい人物になっていないのが、ちょっと不満でしょうか。あと、やはり前半と後半でバランスが悪い。前半が時代と特にシンクロしていないのも、残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-06-22 21:24:27)
859.  野いちご 《ネタバレ》 
ベルイマン作品初鑑賞ですが……どこがいいのかよくわかりません。見終わってもとりあえず「年をとるのは怖いなぁ」というくらいの感想しかないです。私もまだまだ青いということでしょうか。まあ、じいさんじゃなくてオッサンだし。過去の世界に迷い込むという手法は面白いのですが、正直、何がやりたいのかあまりよくわからず、ダラダラと見続けて最後まで来たという感じでした。 ネットで調べてみると、ベイルマンの映画としてはもっともわかりやすく、初めて見るには適しているという意見もあるようですが、どうも私には合わなかった模様です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-06-21 22:24:45)
860.  わが命つきるとも
『ブーリン家の姉妹』と同じ時代を描いているのですが、すでに歴史を知っていることが前提なのか、話が早く進みすぎる感じでちょっとついていけないところもありました。主人公が法律家と宗教家を都合のいいように使い分けている気がして、あまりいい印象はありません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-20 12:44:12)
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