861. 巨人と玩具
《ネタバレ》 「もはや戦後ではない」と言われ、高度成長に突入していく時代のサラリーマンの悲哀(というか当時の人はそれが当たり前だと思っていたんだろうけど)。周りが異常行動に突っ走る中、川口浩だけがオカシサに気づく(が、最後はキレちゃったのか?)。今見るとちょっと説教クサイ感じもするが、当時はどのように受け止められたのだろうか? [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-01-22 12:31:34) |
862. コップランド
所謂警官不祥事モノで真面目な作品ではあるのだが、あまりサスペンスにはなっておらずストーリーは退屈。物静かなスタローンは初めちょっと違和感も感じたのだが、見ているうちにこれはこれで悪くはないかなと思えてくるようになる。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-01-22 10:40:59) |
863. 3時10分、決断のとき
ダンは痛すぎるのだが、それに同情するベンの心情変化の描写が弱いというか無理があるかな。西部劇で感動するぐらいなら高倉健の仁侠映画見ろよって話なんだけど。 [地上波(吹替)] 5点(2016-01-21 23:08:31) |
864. スノーピアサー
取り残された人類どうする?ってのは『復活の日』のようなパニック系でもあり、車両毎に戦う相手が変わるのは『死亡遊戯』のようなアクションでもあり、設定は中々面白いだのが、社会階層的な政治思想も出てきたり、アレコレ詰め込み過ぎなのか、粗も目立つし消化不良。でも、決してツマラナイわけでもないので、色々と惜しい作品ではある。 [地上波(吹替)] 6点(2016-01-20 12:58:53) |
865. オーバー・ザ・トップ
《ネタバレ》 試合前「僕にいい所見せようと思わないで。負けたっていい。」と父親を気遣ういい息子だなあ思ってたら、その直後の試合中に「僕のために勝って!」と大声で叫んでいたので、ひっくり返りそうになった・・・。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-01-19 11:16:57) |
866. でかんしょ風来坊
銀座の次郎長シリーズは他のシリーズに比べマイナーなのでよく知らなかった。主演男女は魅力あるし、テンポもいいのだが、その分ストーリーが軽薄で中身がない。が、アキラのシリーズモノは見れ見るほど中毒化していく事があるので、他作を見るに従って評価も変わるのかもしれない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-01-19 09:37:42) |
867. ランボー3/怒りのアフガン
ランボーはロッキーと並ぶ記号でありスタローンのブランドでもあるわけで、ロッキーが一人の男の人生模様を描くのに対し、ランボーは国際政治や社会情勢を背景としなければならない宿命があります。どちらも1人の戦いなのですが、後者は相手が複数なのでどうしても派手で強引な展開になってしまう。当時は冷戦時代であり、3年前にロッキーもソ連人と戦うという、タイミング的には同じ時代ではあるのですが、ランボーの方はこうなってしまうのは仕方ないですね。でも中年にとっては憧れのキャラクターであり、愛すべきシリーズモノであるのは間違いありません。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2016-01-18 13:21:43) |
868. 父/パードレ・パドローネ
毒親モノで父子の確執があるわけだが、物語的には結構過酷なハズなのに、息子の演技力の問題なのか、イマイチ苦悩が伝わってこない。展開もギクシャクしていて、たどたどしいというか。日本も一応家父長制社会ではあるのだが、いまひとつ共感できないのは国民性・民族性それに伴う文化の違いが原因だろうか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-01-16 16:11:09) |
869. ジャック
《ネタバレ》 外見的異端は子供の世界では通常排除されるだろう。それがバスケの試合だけでスンナリ受け入れられたのは少々雑に思えたが、その後の友情話はファンタジーとしてみればそれなりに感動的ではある。他方、成長加速による余命消化についての苦悩の描き方が弱かったような。子供だから精神的には成長できないのかもしれないが、ラストで急に精神的に成熟してしまったのが、唐突だった。この間の過程も描いて欲しかった。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2016-01-15 13:10:34) |
870. ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
本人達はただ只管オタク的に給料の範囲内で好きなものを集めただけなのに、周りが大騒ぎしているのが滑稽でした。これがアートとマネーの関係性なのでしょうね。ドキュメンタリーなのだから、夫婦のヨイショ話で終わるのではなく、もう少しジャーナリスティックな視点が欲しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-01-14 10:51:12) |
871. きっと、うまくいく
《ネタバレ》 常識破壊者を投入して、まわりがそれに感化されていく。という構造は『男はつらいよ』的ではあるのだが、主役のランチョーが寅さんとは違って、デキスギ君で、ちょっと嫌味があり、愛されるキャラでもないので、イマイチ好きなれず話に入り込めなかった。他の3人はその辺にいそうな青年たちで群像劇としては悪くはないのだが。本当に自由に生きる人間として描くなら、同じ大学のエリート学生ではなく、違った環境で全く別の生き方をしているスナフキン青年にした方がよかった。ランチョーがスーパーマン的扱いなので、結果的に話がデキスギでやや説教臭くなってしまった。青春群像劇なら絶望や挫折や裏切り等々の苦悩的なモノがもっとあってもよかったような。数名が学内で突然自殺(未遂)してしまうのも何だか唐突だった。同窓会的青春群像なら『サニー 永遠の仲間たち』の方がいい。 [地上波(吹替)] 5点(2016-01-12 12:47:08) |
872. ふしぎな岬の物語
設定や描写に違和感。話もぶつ切り。吉永小百合の学芸会に著名役者が友情出演しているだけ。東京湾の海はキレイに撮れていたが。 [地上波(邦画)] 3点(2016-01-11 17:53:22) |
873. 放浪記(1962)
高峰秀子の熱演は認めるのだが、脚本が端折っているのか、林芙美子の人生や人間性を描ききれていない。これならドキュメンタリーを見た方がよい。 [DVD(邦画)] 4点(2016-01-11 17:47:24) |
874. 浮雲(1955)
《ネタバレ》 高峰秀子の体当りの演技はいいんだが、物語は腐れ縁が延々と続くだけのグダグダで退屈なだけ。結構危ない事してるわりには2人に緊迫感がないからだろう。都合よく奥さん死んで一応ハッピーエンド的ではあるが、どちらかまたは両方が刺されてもオカシクはない事を考えると、ずいぶんノー天気な情事ではある。時代背景的に当時としては評価された所があるのかもしれないが、60年後の世界から見ると(見ても?)どうしようもない男女のツマラナイ痴話話でしかない。男女の愚かな関係などは、いつの世も他人から見ればそういうツマラナイモノなのかもしれないが。主人公の男がちょっと太宰的ではあるかな。 [DVD(邦画)] 4点(2016-01-08 13:00:36) |
875. 花咲く港
カネより大事なモノは健康や命であって、国とか正義じゃないからね。今見ると風刺にも思えるが、当時は本気だったのでしょう。喜劇としては面白くもないし、結局は国威発揚だし、監督はどういう気持ちで製作したのかが興味深い。これが当時の限界なんでしょうけど。 [DVD(邦画)] 5点(2016-01-08 10:21:52) |
876. 炎のごとく(1981)
《ネタバレ》 幕末に実在した侠客の話。冒頭の「この女一人、幸せにしてやれるか、やれんか、してみせるに賭けて京都に参りましてん。親分と親子の盃しますと、その盃の義理を第一にして、生き死にを考えななりまへん。」の台詞に反応できるか否かで評価は左右されるでしょう。義理や大儀に縛られず、女を幸せにするのが男の生き方。義理より人情。というテーマ性はいい。これもある種の『仁義なき戦い』でしょう。でも大儀を捨てて、欲や権力を取る(これが芹沢鴨ですけど)のではなく、女を取る。そのサブストーリーとして佐々木愛次郎を持ってくるのも中々うまい脚本でよくできてます。権力や権威や慣例に縛られず、女の為に自由に生きる菅原文太は魅力的で、こういう役は彼にしかできない。旗とか記号(マーク)を掲げるヤツにロクなのはいないし、そんなのに従ってもロクな事はないし。でも、結局は自分が一家を構えちゃうので、創始者とは言えやってる事は他と同じなんですけど。ただし、実在人物でもある主人公と新撰組との絡みはちょっと創作がすぎるかな。ここまでされるとちょっとシラケル。仁侠映画の歴史や幕末史を知らない人には理解しがたい作品ではあると思います。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-01-07 11:17:58) |
877. 切られ与三郎
《ネタバレ》 本人に野心とか欲がなく流されて生きているのが主人公の魅力であり、ただ単に色男故に只管女難に巻き込まれる逃亡者的展開で、最後も優しさ故の行為がオカシナムードになってきて、てっきり妹に刺されて心中するのかと思ったら、流石にそこまでヒドイ話でもなく救いのあるラストではあった。ちょっと雷蔵があっけらかんとした善人過ぎているので、怨念とか陰みたいのが欲しかったな。それにしても女には気をつけないとね。150年以上も前の話ですけど「しがねえ恋の情けが仇」ってのは現代でも無数にあるのかと。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-01-06 12:51:02) |
878. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
宗教の話。というのは聞いていたので、前半部分からそう単純な話ではないのだろうとは思ったが、漂流中は災害による極限状態の孤独と不安という神の試練や自然の力・恵みといった神の創造物と向き合う少年の話なんだろうなという理解だった。無神論と言われる日本人も宗教的な儀式は色々とするし、311では神仏に祈った人も多かっただろうと思う。人生は思い通りにはならないし、人間は完璧ではないし、基本的に無力だ。だから神頼みをする。それが最後の最後でわけのわからないネタが飛び出してきて、鑑賞者を翻弄させる。こういうドンデン返しは基本的に好きじゃない。それまでの鑑賞時間がムダに思えるし、バカにされているように思えるから。鑑賞中にこの構造に気がついた人はどれだけいるんだろう?しかも綺麗にひっくり返してくれるならまだしも、いったいなんだったんだよ?という疑問ばかりが残る。少年の記憶も曖昧だろうし、全てが夢幻かもしれないし、納得しない日本人にエグイ創作話をしたのかもしれないし真相はわからない。そこに様々な解釈が生まれるのだろうし、そういうのを読むのもキライではないのだが、それでは作品は最後の最後で問題提起をしたにすぎなくて、作品そのものではなく皆の解釈を楽しむ作品になってしまう。それも鑑賞の楽しみのひとつではあるのだが、自分自身はどうもスッキリしない作品ではある。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-01-04 13:48:57) |
879. GIRL ガール(2012)
原作未読だが、奥田英朗の作風からしてこれは脚本が失敗したんだろうな。総じて甘ったるくステレオタイプでリアリティーもない。もっと過酷な状況にするか皮肉を入れるかしないと見てられない。この程度の事でギャーギャー騒いでるのが見ていてアホらしくなる。こんだけ役者揃えといて勿体無い。まあ、香里奈はミスキャストだとは思うが。要潤の憎たらしさはよかったが、他の男優は都合のいい御飾程度の扱いでしかない。 [地上波(邦画)] 3点(2016-01-04 01:38:24) |
880. 天地明察
《ネタバレ》 冒頭の囲碁対決で江戸城に天守が無い映像で、「おお、わかってるじゃん」と思いきや、小田原城と称して只管山登りするシーンに「なんじゃこりゃ?」と思ったら実は竹田城だったという、この作品はいったい何を考えているんだろうと序盤から翻弄された。もうこういう絵になるシーンにしておけばOK的な考えが通用しないという事が製作者にはわからないのだろうか?原作未読だし、史実についても詳しくないが、あの忍者襲撃シーンは無理矢理感がアリアリなのはわかる。岡田君も序盤善人すぎてどうかな?と思ったら、突然性格が豹変するし、これじゃあ役作りにも苦労したのではないのかと。挫折はあったのだろうが、成長や葛藤の描写も曖昧かつ不自然で、長い尺のワリには人物像を描ききれなかったような。結局は盛り上がりに欠け、予定調和で、宮崎あおいが可愛いだけの作品になってしまい、自分だったら宮崎あおいと結婚できるなら暦なんてどうでもいいと思えてしまった(それはそれで幸せな妄想ではあるのだが)。そもそもこの2人はプライベートでも騒動があるわけだし、視聴者に余計な事を考えさせる事は結局物語を崩壊させる事になるのではないのかと。要するに脚本はダメダメだし、演出はグダグダだし、配役もミキャストだったという事でしょう。まあ、現代の価値観からすれば、1~2日暦がズレたところでどうって事はないですし、それで吉凶を判断する事自体が非科学的なのですが、400年後の地震予知や火山噴火と奮闘している現代においても、科学では解明できない神の領域は存在するのかなとあらためて思い知らされる作品でもある。原作者に色々とゴタゴタがあって、本来封印されるハズの作品ではあるのだが、岡田君の山登り映画宣伝のためにやっと深夜放送できる所まではこぎつけたのかなあと余計な事も考えてしまった。 [地上波(邦画)] 4点(2016-01-03 19:31:47) |