881. 路上のソリスト
《ネタバレ》 実話を元にしているためか、映像的にもドキュメンタリー・タッチの雰囲気がありました(一部除く)。昔NHKで放送していた、佐々木昭一郎のドラマのような感じです。 最初は喋りまくるナサニエルに面喰らいましたが、次第に慣れてむしろ彼の個性として認められるようになりました。昔から芸術家には奇人変人が珍しくありませんし、本人も路上生活に満足している様子。見ているうちに、路上生活も悪くないんじゃないか、なんていう気にすらなってきます。 しかしロペス記者は、常識人としてナサニエルを路上生活から救おうとする。まあ一般的にはそれが当然なのでしょうが、このケースはそれでいいのかなぁ、なんて思いながら見ていました。結果として2人の価値観がぶつかり合い、種々の相克のあと、ついにナサニエルが爆発します。結果としてこれがプラスの方に作用して、助ける者と助けられる者の関係から、対等な真の友人関係を築けたようです。結局は、そこがポイントなのでしょうか。どうも、どういう点に絞って鑑賞すればいいのか、今ひとつわかりにくかったです。ナサニエルの側から見たからでしょうか。ロペスと元妻の間も、どういうことなのかピンと来ません。もしかして、「実話だから入れました」ってことなのでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-17 20:53:24) |
882. のだめカンタービレ最終楽章 後編
《ネタバレ》 ひとことで言うと、詰め込みすぎ。おかげで後半は駆け足で、のだめの心情がコロコロ変わる。これでは説得力がないし、なんといっても見ているこちらが共感できません。ただ筋を追っているという風でした。シュトレーゼマンとの共演あたりまでを中編にして、それ以降でもう一本作る三部作の方がよかったと思います。諸般の事情で無理でしょうが。 よかった点2つ。まずは上野樹里嬢のピアノ(を弾く芝居)。これはもう、“野田恵というピアニストは実在する!”と言っても過言ではないほどの表現。特にラヴェルでのルイとの対比で、それが生きていました。もしかするとテレビドラマ以来もっとも完成されたのが、彼女のピアノかもしれません。もうひとつは、モーツァルトの2台ピアノ。「音楽家とは、音楽を使ってコミュニケーションをとる人である」と考えている私にとって、それを画と音でちゃんと表現してもらえたのは、嬉しいことでした。役者の2人のみならず、実際にピアノを弾いた方にもブラボー!を送ります。それだけに、そこに至るまでの経過がほとんどセリフで説明されているばかりとなったのは、残念でした。 [映画館(邦画)] 6点(2010-05-16 19:54:59) |
883. チャンス(1979)
《ネタバレ》 風刺劇としてはそこそこ面白い。一番笑ったのはテレビに合わせてぐるぐる回るところでした。チャンスは着ているものもあってビジネスマンと勘違いされるのですが、それは勘違いしている方がついつい自分の経験の範疇で判断してしまうから。要するに、みんな世の中の一部しか知らないという点で、チャンスと同じなのだな~、などと思いました。最後はどう解釈すればいいのか、よくわかりません。「奇跡を起こす男」みたいな感じでしょうか。唐突にああなって説明なしで終わったので、カタルシスは感じられませんね。ただ、もう一度見てみたくなるような終わり方です。マクレーン演じるヒロインにあまり好感が持てなかったのは、ちょっとマイナス。 チャンスはテレビ大好きですが、これも当時の世相を風刺しているのでしょうね。リモコンで次々とチャンネルを変えることも含めて。21世紀のチャンスは、おそらくネットにはまっていることでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-15 18:33:31) |
884. 大阪ハムレット
あまり小難しいことを言いたくなくなる映画ですね。悩みながらもまっすぐ生きている子供たちと、それを暖かく包んであげるおかん。不器用で遠慮がちながらナイスなフォローをするおっちゃん。それぞれ持ち味を発揮していたと思います。派手さはないけど、じわじわ効いてきて、見終わるとなんとなしに暖かい気持ちになれました。ただ、学芸会の場面はわざとらしくてちょっと辛かったです……。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-12 21:18:28) |
885. ピアノ・レッスン
映画にしろドラマや小説・漫画にしろ、主人公に魅力がないと見ていて(あるいは読んでいて)つらいです。この映画のヒロインも、妙に依怙地でピアノにこだわりまくり、ピアノを手に入れるためならなんでもやってしまうところが、あまり感心しません。そのくせ誘いかけてきた男に惹かれるというのが、よくわからない。ピアノがあれば誰でもいいようにみえます。「声が出なくてピアノしか拠り所がない」ということなのでしょうが、そういうハンディがあれば許されるというものでもないと思いますが。男女の三角関係はごくありがちで、あまりにもパターン通りなのが興ざめです。あとは映像と音楽をほめる人が多いようですが、それほどでも。特に音楽は、表面的な響きはたしかに美しいですが、上っ面だけでまったく印象に残らない。そういう点では、映画の中身に釣り合っていたかもしれませんが。映像・音楽なら『プライドと偏見』の方がまだよかった。娘役のアンナ・パキンちゃんのみ好印象が残っています。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-11 16:18:51) |
886. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
《ネタバレ》 最初の劇場公開版の方が評価が高いようですが、私はこちらの方がよかったです。前半は、復元されてやっと話が見えたところもあったし(隣村の映画館と連携するところなど)、単純に鑑賞しやすくなっています。後半、帰郷したサルヴァトーレがエレナと再会するあたりが、評判よくなさそうですね。が、あの一連のエピソードがあるから、サルヴァトーレの過去が清算される。つまり、「アルフレードの死」、「エレナとの再会と、最後の日にあった出来事の真相」、「エレナが残したメッセージの発見」、「ニュー・シネマ・パラダイス座の破壊」はすべて、サルヴァトーレが“アルフレードの呪縛”から解き放たれるために必要だったのです。そのとどめがアルフレードの最後の贈りもの、つまり、彼が「俺が保管する」と言っていたフィルムを返してもらうことだった。あのフィルムを見ることによって、サルヴァトーレはやっと自分自身の足で歩くことができるようになった、本当の意味でふるさとから旅立つことができたのだと思います。それからのサルヴァトーレは、心から愛し愛される人とも巡り会うことができるでしょう。私は劇場公開版を「懐古趣味の映画」、つまり過去にとらわれた物語だと感じたのですが、この完全版は逆に未来を向いており、その点でこちらに軍配が上がります。 それにしても、編集することでこれだけ印象の変わる映画に仕上げるとは、この監督には恐れ入ります。と同時に、改めて編集の重要性を認識しました。まあ、重要なエピソードがカットされていたのが、もっとも大きな原因でしょうが。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-04-10 13:38:35)(良:2票) |
887. ペーパー・ムーン
ハートウォーミングな話なんですけど、ベタベタ・メソメソしたところがないのがいいです。2人の距離がだんだんと縮まっていったあげく、最後はああいう風になるのもいい。それもこれも、頭の回転が速くてこましゃくれたアディを演じきった、テイタム・オニールがいればこそ。彼女にとっても一期一会の作品であり、ベストの芝居になったようですね。それがよかったのか悪かったのか。なんにせよ、笑えてホロリとさせられ、最後にはニヤリとさせられる、おしゃれでステキな映画です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-04-07 19:21:34)(良:1票) |
888. シベールの日曜日
《ネタバレ》 悪くないです。が、見ていてどうも居心地が悪い。あからさまではないにせよ「これは感動的な映画だ!」っていう雰囲気がただよってきて、天邪鬼な私にはその辺が面白くない。シベールよりマドレーヌの方が魅力的に思えて、肝心のピエールとシベールの関係を妙に客観的に見てしまったことも、原因かもしれません。まあ、映像は美しいし、最後の心からの“叫び”もいいとは思いますが……。あまりあとを引かない映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-06 19:15:23) |
889. マイレージ、マイライフ
《ネタバレ》 どうも今ひとつ、なにが言いたいのかよくわからないところがありました。「リストラ宣告人」の主人公が、あくまで相手と直接向かい合って仕事をすることにこだわることは、面白いと思いましたが。おそらくこの人は、人間が大好きなんでしょうね。その点がたいへんいいと思ったのですが、劇中ではなにやら批評されているようで不思議でした。いわゆる「いい人」ではないけれど、実直で誠実、クールではないけれど熱くもないという、バランス感覚のとれた人物像が魅力です。それに比べると、女性2人はちょっと……。主人公が2人に振り回されてお気の毒、という感じだったのですが、それであまり高く評価できないのかもしれません。 [映画館(字幕)] 6点(2010-04-05 19:33:00) |
890. チャップリンの独裁者
数十年ぶりに見ましたが、あいかわらずおかしい。子供の頃の『全員集合』のコントのようで、チャップリンの影響力がわかります。この笑いの要素があるからこそ最後の演説が生きてくるわけで、そこが一番うまいと感じました。とりあえず、演説がなくても満足。あくまで希望を持たせる終わり方も好きです。 [映画館(字幕)] 8点(2010-04-02 13:58:29) |
891. 浮草
ありゃ、意外と点数が低いですね。いい映画だと思いますが。定まった家のないヤクザな浮き草暮らし、もちろん金もない。それでも親であり女であるということを、とてもあざやかに見せていました。主要なキャストは鴈治郎をはじめみな好演していただけに、川口浩のぎこちなさが目立って残念でしたが。罵りあったりやたらと女をはたいたり、世の中の底辺で生きている人々ばかりが出てくるのに、ある種格調のようなものが感じられるのは、監督の手腕(人柄?)でしょう。終盤の展開は、人の心の襞を描ききって間断するところなし。グイグイと引き込まれます。製作会社がどうのこうのとかいうような先入観を持たなければ、普通に高く評価できると思いますが。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-04-01 11:05:24) |
892. フレンチ・コネクション2
《ネタバレ》 「続編はできがよくない」というジンクスを破る映画として有名……なはずですが、久しぶりに見ると、前作よりかなり落ちるという印象。なぜかと考えたのですが、やはりドキュメンタリー・タッチではなく普通のドラマになってしまったことが大きいと思います。警察と組織を並行して描いていたのが、今回は完全にポパイが中心になったので、彼のキャラクターが好きかどうかで映画の評価自体が決まってきそうです。私自身はそれほどでもないので……。また、麻薬中毒にされてから立ち直るまでが冗長でした。あの婆さんはよかったと思いますが。捜査の過程がたいしてなかったような気がしますが、それは刑事ドラマとしてどうなんでしょう。こうしてみると、ポパイに頼りきった映画だという感じですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-03-31 11:18:33) |
893. OK牧場の決斗
《ネタバレ》 『荒野の決闘』と比べると、元が同じ実話だったとは思えないほど、別の映画になっています。こちらは正統派の西部劇という感じ。ただ、複数のエピソードがつながっているので、中だるみの気があります。アープとドクの友情物語に絞ったためか、ほかのキャスト(特に女性)がかすんでしまったのは、プラスマイナスどちらにも作用したようです。最後の決闘場面は、こちらの方が見ごたえがありました。あと、主役のはずのランカスターよりカーク・ダグラスの方がかなり目立っていたのはご愛嬌。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-03-28 18:56:13) |
894. 花のあと
《ネタバレ》 これは酷い。まず北川景子や佐藤めぐみを始めとする若手タレントの台詞回し。あまりにも下手くそで、時代劇にも不似合い。もっとまともなキャスティングはなかったのか。それと、前半は単調でかなり退屈。というか、ムダなシーン、カットが多かったように思います。以登が才助に相談を持ちかけてからやっと話が転がっていくのですが、それまで1時間以上というのは時間がかかりすぎ。最後に主題歌を流してダラダラとした映像を流すのも、見ていて痛々しいです。年老いた以登が若い頃を語るという設定も、あまり成功しているとは思えません。というか、必然性が感じられない。語りはなしでよかったのでは。 國村隼の父親はさすがに存在感がありますが、食事中に孫四郎が自害した話をしなくてもいいのでは……。こうしたところも、脚本がダメというか、ヘンなところです。唯一よかったのは才助役の甲本雅裕。飄々としてとらえどころのない人物を巧みに演じていました。しかしそれでも、この失敗作を救うなどとても無理です。 [映画館(邦画)] 4点(2010-03-27 13:15:00)(良:2票) |
895. ライムライト
《ネタバレ》 古さは感じさせますが、「とにかく生きろ!」という呼びかけは、生きづらいこの時代には重く響きます。そういうところに普遍性があり、今でも十分鑑賞は可能。ただ、カルヴェロへの恋愛話を入れたのは、よかったのかどうか。これはチャップリン自身の願望が出たということでしょうか。素直にネヴィルとくっついた方がよかったと思いますが。あと、ちょっと説教臭いところがありますね。それ以外はよかったです。ラストでのキートンとの競演など、みごとすぎて言葉もない。 それにしても、あれほど生きることにこだわるというのは、裏を返せば年老いてあとどれくらい生きられるかを意識した結果ではないかと思います。年老いたからこそ作れる映画。変に若作りするよりもよほどいいです。 [映画館(字幕)] 8点(2010-03-26 11:43:30) |
896. ハスラー
酒が飲めないうえギャンブルもしない私にとっては、まったく縁もゆかりも関心もない世界の話でした。ジャッキー・グリーソン演じるミネソタ・ファッツがイカしてた。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-25 19:23:25) |
897. 扉をたたく人
《ネタバレ》 うーん、「惰性で生きていた初老の男が、前向きに生きる力を取り戻す」という点は、よく描かれていたと思います。特にそのきっかけが、異邦人やそれまで縁のなかった楽器(ジャンベ)だったというのも説得力があります。が、それと同時にアメリカでの中東移民の扱いについても取り上げています。これについては、タレクが収監された拘置所の所員がなぜか黒人ばかりだったり(実際そうなんでしょうか)、壁に自由の女神の絵が書かれていたりと、なかなか細かい配慮がうかがえます。モーナの「(ここはアメリカなのに)まるでシリアのよう」という台詞も記憶に残ります。ただ、その両方にウェイトが置かれたためか、中途半端なできという印象を受けました。タレクが不法滞在者となったのは役所からの通知を(母親が)無視したからで、本人は「何もしていないのに」と言っていましたが、何もしなかったから不法滞在になってしまったというのは深いアイロニーです。要は本人の“自己責任”なわけですから、これを以て移民政策がどうのとか、役人の態度が冷たいとか言うのは、ちょっと見当違いではないかと感じます。そのあたりがうまく処理できていれば、よかったのですが。でも、地味ですがなかなかの佳作です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-23 15:30:21) |
898. 明治天皇と日露大戦争
《ネタバレ》 空前の大ヒットを飛ばした映画だそうですが、見て理由がわかりました。とりあえず、単純に面白い。かつては雲の上の人であった明治天皇や乃木将軍を、苦悩する一個の人間として描いたところが見どころでしょうか。アラカンの明治天皇が、はまっています。あそこまで人格者だと、美化何%だろうと考えながら見ていたのですが、統治者の理想として描かれています。前半、陸戦をロングで捉えたところも、スペクタクルらしくてよろしい。ただ、バタバタ死んでいく兵士の芝居はわざとらしかったです。後半の海戦は、ミニチュアはのちの技術に及ばないものの、ロシア船の様子もある程度描かれていたので、前半よりはよかったと思います。 印象的だったのは、たしか井上馨だったかが「軍部が開戦を決定してはならない」と言ったこと。これはあきらかに、昭和時代に戦争を起こした軍部への批判でしょう。また、たいへんな数の死者が出たにもかかわらず、国民がそれを悼みもせず勝利に浮かれるラストシーンには、慄然とします。こういうことがあるので、なかなかどうして一筋縄ではいかない映画ではないかと感じました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-03-22 11:06:01) |
899. つぐない
《ネタバレ》 前半はかなりよかったです。特にブライオニーを演じたシアーシャ・ローナンはすばらしい。人物の心理の移り変わり、そのきめ細かな描写に引きつけられました。が、ロビーが逮捕されて戦争になると、なぜこうも退屈になるのか? ダンケルクでの長回しも、飽きてしまいました。話がタリス姉妹に戻ると、そうでもないのですが。しかしラスト、年老いたブライオニーが登場し、“真相”を語ったことがトドメとなりました。あれのせいで、あくまでブライオニー個人の物語に収斂されてしまい、普遍性が感じられなくなってしまったのです。普遍性を持たせるために戦争を背景にしたのかと思ったのですが、それも差し引きゼロになってしまいました。あくまで個人のお話ということで、共感はできません。 ……というような感想を持ったのですが、ネットでこの映画について調べてみたら、キリスト教の観点からレビューしたものがみつかりました。それによると、ロビーはイエスの役割を与えられていて、たとえばダンケルクで足を洗われるのは、マグダラのマリアがイエスの足を洗う場面を意識したもの。ブライオニーはペトロと同じように、ボビーを三度裏切る(窓越しに見たとき、手紙を読んだとき、図書館)などなど。言われてみればなるほどと思いますが、キリスト教に縁遠い人間にはとうてい考え及ばないことでしょう。敬虔なクリスチャンの方はこの映画や原作小説をどう見るのか、もっと意見を聞いてみたいところです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-21 13:59:05)(良:1票) |
900. 顔(1957)
《ネタバレ》 松本清張の小説はいくつか読んだのですが、どれもつまらなかったので映像化作品も全然見ません。これは岡田茉莉子が出ているので見てみたのですが、やっぱりハズレでした。 とにかく、ご都合主義が多すぎ。誰もが思うのが、ちょっと見ただけの人物の顔をいつまでも覚えていられるのかということ。一応劇中で「一度見たら忘れられない顔」と言われていますし、なにしろ岡田茉莉子のような美女なので印象には残るでしょうが、やはり疑問です。あと、事件現場にコンパクトが落ちたり、殺そうと思った人物が交通事故で死んだりと、うまくいきすぎて興ざめです。また、主要人物が倫理観のあまりない小悪党ばかりなので、同情できません。このため一応サスペンス映画ですが、こちらが主人公の立場に立つこともなくハラハラドキドキ感を欠いています。 よかったのは笠智衆のひょうひょうとした刑事と、おばさん役の千石規子。どちらもドラマを締めていました。ところで、千石規子は余貴美子みたいだなぁと思って見ていたのですが、考えたら逆ですね。しかし、ああいう感じでいい味を出していました。 それと、目撃者は労働運動の闘志だったという設定で、それがあとで効いてきます。が、脚本でよかったのはそれくらいで、全体としてはそれほどとも思いませんでした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-20 09:02:07) |