901. コクーン
現実逃避可能な宇宙人(神?)の登場。それを信じる老人たち。もうこれはSFファンタジーというより宗教ですね。余命僅かだからこそできる非合理的選択。これは賭けです。去る人・残る人。希望と不安。コレってあの世行きを自ら選択してるような気も・・・。自分ならどうするだろう?と考えてしまうが、老いの問題は実際に自分が老いてみないとわからないのだろうな。いつかやってくる老いではあるが、とりあえず今を生きるしかない。とあらためて思った。 [地上波(吹替)] 6点(2015-12-08 16:06:03) |
902. ザ・シークレット・サービス
大統領は4年毎に変わるので、現大統領人間そのものへの信頼や恨みはないハズで、記号としての大統領でしかない。その記号は命を懸けて守る価値があるのか?政治犯でもないのに怨念で殺す意味はあるのか?これは無価値で無意味なタダのゲームでしかない。という哲学的なテーマと考えれば、心情描写を掘り下げてもっと面白い作品にできたとは思うのだが、変装やら恋愛やらでちょっと薄っぺらなサスペンスになってしまったような。よって、双方がゲームに熱くなる展開がよくわからない。過去の自分と戦うほど苦しいゲームもないわけで、年取るとそういうのが積み重なるのでしょうけど、まあ双方スッキリできてよかったんですかね??? [地上波(吹替)] 5点(2015-12-08 09:58:59) |
903. 007/スカイフォール
アクション映画というより、峠を過ぎて下り坂に向かう高齢サラリーマンの悲哀映画になってしまったような。忠誠とか信頼とか上司に裏切られたとか、007でそんなチマチマした人間くさい話は勘弁してよって感じ。同境遇の人は自分を重ね合わせてそれなりに感ずる所はあるでしょうけど。冷戦終結というより国民国家そのものが消滅しつつある現代において、サイバー時代における国家公認のスパイアクションの限界というか、結局こういう人間物語にせざるを得ないというか、007は今後どこへ向かうのか?という迷いの表れとも思える。 <追記>5年ぶりに再見。MI6不要論という自虐ネタはシリーズ継続の危機感をストレートに表現しているとも言える。随所に懐古趣味共に「新旧交代」の描写もあり、シリーズ継続への模索も感じられる。同じ長期シリーズでも『男はつらいよ』とは違い、役者を交代させながら継続する事は可能であるとは言え、時代の変化にどう対応するのかという課題は今後も継続するのだろう。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2015-12-07 12:14:22)(良:2票) |
904. ゲゲゲの女房
ドラマよりはリアルな印象は受けますが、物語性がないので退屈。原作には心情表現があるのだろうが。目に見えないものを映像化するという試みも失敗しているような。高層マンションが映り込んだりして、時代設定への配慮がないのも気になる。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-12-07 09:49:32) |
905. アナザー・カントリー
《ネタバレ》 どこまで実話なのかわからないが、同性愛者故に変態扱いされて排除され、エリート街道が歩めずにスパイの道へ。自分を受け入れなかった国家・社会への復讐なのでしょうが、ただの学園ドラマで終わらせるではなく、もうちょっと長尺にしてその後を描いてもよかったのでは?LGBTの権利もようやく認められつつあるようですけど、最近もどっかの地方議員が同性愛者を異常者とか発言して辞職勧告されてましたが、保守派からみれば許しがたい存在なのは現代でも変わらないような。かといって、リベラルが台頭するわけでもないというのが、日本の現状ですけど。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-04 12:32:04) |
906. 愛を読むひと
《ネタバレ》 無知故に自分に正直に実直にそして自由奔放に生きた女と、学がある故に成長し苦悩する男のすれ違い。社会的な正義と悪や、個人的な保身とプライドや恥、そして罪と罰等々いろんなものが混ざり合い、生きる事の難しさを感じさせられる。でも、裁判ではガツンとやって欲しかったね。その方がスッキリするし、2人とも真実を明らかにしておけば、その後もウジウジ引きずらないで済んだような。それがデキナイのが人間なんだろうけど、映画なんだからやっちゃう人間を見たかった。いろんな計算をして、いろいろと計算間違いをして、後悔を重ねて年老いて、最終的にその結果を自分で引き受けるしかないんだろうな。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-12-04 10:52:03) |
907. ラブ・アゲイン
《ネタバレ》 結婚して25年で、子供達には慕われている悪くはない夫が、理由もよくわからず不倫・離婚されて、そこまではよくある話だとしても、その後モテモテになったのにバカ妻にしがみつくなんて事はありえない。妻の方も不倫相手と何か問題が起きたわけでもなさそうだし、元の鞘に戻った理由もよくわからない。とにかく話の展開が理解できない。ヤケのヤンパチでナンパされたのが実は娘だったというのもちょっとねえ。で、よき友でありながら娘の結婚には反対するってのは、理不尽な父親的でリアルではあったが。少年・少女の純粋で真直ぐな気持ちには好感がもてるし、各々の積極的な恋愛を否定はしないが、一歩間違えるとストーカーなので、そのさじ加減がいろいろ難しいな。 [地上波(字幕)] 4点(2015-12-03 11:23:09)(良:1票) |
908. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 原作は出た頃に読んだ。岐阜の田舎から出てきた二十歳の大学生が書いた作品に若さ・瑞々しさは感じられたものの、あまりの稚拙さ・幼稚さにはついていけなかった。要するに自分が年をとり、その感性についていけなくなったという事なのだろうとその時は思った。そして50前後の人による映画化。原作とは違いかなり洗練されていた。物語性のない関係性だけの青春群像がうまく映像化されていた。悪く言えば、大人の感性・感覚による「今の高校生ってこうなんですよ!あなたも昔を思い出すでしょ?」という仕掛けやあざとさも感じた。まんまと自分もそれに引っかかったように思う。所詮創作物だしそれはそれでよかった。メリーゴーランド形式だった原作を曜日形式の時系列展開にした脚本や現代的な青春群像劇としての演出、そして各々役者の演技も個性がありよかった。イオンで遊ぶという地方の高校生活にもリアリティーがあり、いろんな所で小説にはない映像の力を感じた。が、ラストで文化系クラブの復讐劇にしてしまったのは少々やりすぎというか安直ではないか?校内で撮影するなら事前の許可とか他クラブへの調整が必要なのは言うまでもない事で、それをカーストで虐げられているというのは被害妄想でしかない。映画的に映像的なカタルシスが必要だったのかもしれないが、製作者の怨念なのかウケ狙いなのかわからないが、過剰な演出というか自己満足が出てしまい、これが映画の限界でもあると感じた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-02 12:52:15) |
909. ハタリ!
現在では撮影不可能であろう50年前ならではの荒々しさには少々見応えはあるが、所詮は子供向けの動物映画で中身はない。女優陣は魅力的だったけど。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-02 11:14:26) |
910. ダイナマイトどんどん
看板役者の文太を使って、『仁義なき戦い』と『トラック野郎』を足して2で割った作品を作ればウケルとでも思ったのか。原作は何度か映画化されているようだが、これは企画と脚色の失敗だな。戦後の混乱期のエネルギー溢れる反戦・反米映画と見れなくもないが。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-12-01 11:54:34) |
911. ドクトル・ジバゴ(1965)
《ネタバレ》 現実主義で俗物の弁護士と、理想主義の革命家、そして医師としての職業倫理は高いが色に溺れて右往左往してしまうノンポリの不倫詩人。まあ、3者3様の生き様にはどれも共感できませんが、非難もできません。激動の時代に翻弄されながらも各々の生き方を貫き、そして人間は生きたようにしか死ねないという事を痛感させられました。結局「俺たちはみんな汚れてるんだ!」という叫びにつきるのかと。それでも生きていく人間の逞しさは伝わってきました。 [DVD(吹替)] 7点(2015-11-27 13:05:48) |
912. 終わりで始まりの4日間
《ネタバレ》 母の葬儀で帰郷したら、精神科の待合室で偶然にナタリー・ポートマンと出会って、なぜかそのままデキちゃって、彼女の助けによって過去のトラウマを克服したり、父子との確執も和解へと向かうという、なんとも都合のいい話なんですけど、偶然の出会いが人生を変えていくというのもまた真実なわけで。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-11-26 12:09:35) |
913. 卒業の朝
「歴史を知らない者は永遠に幼児である」教育の素晴らしさと難しさ。単なる感動作ではなく、ちょっと後味が悪い所が、単なる学園ドラマとは一線を画している。鏡に映る自分を直視した時何を思うか?「未熟な者は成長し 無知な者は学び 酔いは醒める だが愚か者は 永遠に愚かである」 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-26 10:25:54) |
914. ブロークン・トレイル 遥かなる旅路<TVM>
ずいぶんとノンビリした(よく言えば雄大な)西部劇で、中身もありきたりな勧善懲悪。中国人の人身売買や娼婦など、虐げられる女の不幸がアクセントにはなっているが。ペリー来航で文明開化を迫った張本人の地元の文化レベルはこの程度だったのかと思うと感慨深い。老年の悲哀が感じられるヒーローモノとして見れば悪くはないのかも。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-11-25 12:06:28) |
915. るろうに剣心
プロットは東映任侠とか渡り鳥シリーズとかそっくり、そのまんま。善人が悪人に痛めつけられ、一宿一飯の義により殴りこみ。こういう昭和的な勧善懲悪テイストの作品が平成の少年たちに受けいているのはちょっとイガイです。ワイヤーアクションや魔力みたいなのが安っぽい中国映画みたいになってしまっているが、子供向けと考えれば仕方ないかな。役者陣は豪華でそれなりに頑張っていたとは思うが、演技に落ち着きがなく、現代的過ぎるのとやはり往年のスターに比べると粋やカッコヨサには欠ける。まあ比較するのが酷出し仕方ないが。 [地上波(邦画)] 5点(2015-11-24 12:48:09) |
916. オペラ座の怪人(2004)
ミュージカルはエンタメ度が高くなるので肝心のファントムの苦悩が伝わりきれていないような。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-11-23 23:30:22) |
917. 白雪姫と鏡の女王
戦う白雪姫。これが現代バージョンなんですかね。よくできているとは思いますが、ちょっと狙いすぎかなと。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-11-23 15:12:42) |
918. プール(2009)
《ネタバレ》 「なぜ自分や祖母を捨てたのか?」「そうしたかったから」このやり取りにつきるのだが、もっと母娘関係にフォーカスして深堀してもよかったような。あえてそうせず、水や火や草木、動物たち等々の自然のオブラートに包んで、空気感や雰囲気で納得感を出そうとしているのだろうけど。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-11-22 12:29:26) |
919. 鍵(1959)
《ネタバレ》 原作未読だが、70歳で書いた作品という事を考えると、この「老いと性」というテーマは70歳にならないと理解できない境地であるのだろう。テーマ的にてっきり中村雁治郎の視点・心情で物語が展開するのかと思ったら、中盤から各々の登場人物の心情が交錯して、ありがちなカネと色が中心の2時間ドラマのサスペンス的なしょうもない展開になってしまい、肝心の「老いと性」というテーマがボケてしまったような。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-11-20 11:35:01) |
920. ザ・ファイター
《ネタバレ》 家族の常識は社会の非常識なわけで、どうしようもない家族をどこまで許して、どこまで付き合うのか?というのは人類にとっての永遠の課題であり、数多の映画がテーマとしてきた。イチバン盛り上がるシーンは兄貴が彼女の家に乗り込むトコですけど、各々挫折し、でも満足しようとしているお互いの人生をクソ呼ばわりしながらも、お互いにやり直そうとしているという共通項で和解する過程は中々うまくできているなと感じました。ま、多かれ少なかれ、他人の人生はクソで、自分の人生は立派だと思い込んで生きてくしかないわけですけど。が、総じて、確執から和解への過程があっさりしすぎていて、もっと葛藤の描写があってもよかったような気もします。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-11-19 12:59:38) |