961. 仕組まれた罠
《ネタバレ》 冒頭での列車疾走シーンに「何かが起こりそう」釘付けで、何も起こりません「ん?」でしたが掴みはOK。ブロデリック・クロフォード、グロリア・グレアム夫妻にグレン・フォードが絡む展開は、クロフォードに何時バレるのか、グレアムが何時裏切るのか、フォードがどんな最期を見せるのか、興味津々で結構ハラハラさせられました。見立てが外れた結末は監督のいくつかの作品で感じた身を捩る物足りなさがありました。とは言うものの、ささくれだった3人を表す演出は監督ならではと思える佳作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-07-15 00:13:30) |
962. 何がなんでも首ったけ
オープニングでの行き交う車の「ありえへん」模様に大笑い(+1点)で期待が高まったのですが。そこで終わってしまった作品です。他愛ないにも程があるストーリーでBBに魅力を全く感じられないとなると、どうしようもありません。 [DVD(字幕)] 4点(2021-07-14 15:42:08) |
963. トゥモロー・ウォー
《ネタバレ》 amazonがパラマウントから購入した金額2億ドルの値打ちがある作品です。極悪感満載ながら動きが綺麗だと感じたエイリアンに魅入ってしまったのは我ながら不思議なところ。描かれる親子3代の絆は、こちらが主で戦闘模様はアクセントに思えるもので、脚本が上質。名作でのアラン・リックマン名シーンが蘇るミューリ落下シーンはトリハダもの。大いに楽しめた快作です。 [インターネット(吹替)] 7点(2021-07-13 03:05:33) |
964. ヘブンズ・アバーブ
《ネタバレ》 事務手続き間違いで派遣された牧師(ピーター・セラーズ)が巻き起こす大騒動。今作に於けるセラーズは深い信仰心に基づく人間離れした神のような人物を、持ち味である「いかがわしさ」を封印して演じており、その語り口に魅入ります。チョコッと笑わされはするものの、大部分が皮肉な視線がチクチク刺さる風刺劇。「福祉で生活出来るから働くなんて(アホらしい)」な意地汚いド腐れ外道ホームレス一族を筆頭に全員が見せる、信仰 < お金、過激な姿が・・ 間違ってはいないのでしょうが・・もうね・・ため息が出ます。 一律平等で、働く事が出来る人にも神の名の下に施しをする、ここが間違っていると思わされました。 ここまでズタズタにされても変わらぬ穏やかさを見せる牧師が切ない。意外過ぎる幕切れも味わい深い秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-07-12 14:18:57) |
965. アメリカン・ジゴロ
《ネタバレ》 大の苦手であるリチャード・ギア出演と知っていながらの鑑賞理由は、私のテンション爆上がり曲 Riding High が本作主題歌 Call Me のパクリであるかどうかの確認。パクリでした。ビックリです。イキッてペラッペラな男娼役ははまっており、スッポンポンでアソコもボカシ無く丸見え(驚)(思わず一時停止しそうになったのを、確認無用! 踏み止まる)姿も披露しておりました。サスペンスのサの字も無い殺人事件ネタは丸ごとカットで良かったかと。予想通りで落胆も無い凡作です。 [DVD(字幕)] 3点(2021-07-12 03:07:20)(笑:1票) |
966. ウソから始まる恋と仕事の成功術
嘘が無い世界とは如何なるものか。興味を惹いたのですが、脚本家の役柄と全く同じな冴えない脚本で何一つ盛り上がる事無く終了した邦題同様に滑っている感満載の作品。 本サイトでのフィリップ・シーモア・ホフマンに即再見で発見「へぇ~」に+1点。 他の生物には出来ない嘘つき行為は他の生物に出来ない礼儀・思いやりが伴ってこそで、損得絡みではできる限り慎むべきと思うところです。 [DVD(字幕)] 4点(2021-07-11 14:04:33) |
967. 夜霧の港
クロード・レインズ、ジャン・ギャバン、トーマス・ミッチェル共演で、こんな愚作を見せられるとは。お粗末過ぎる脚本は原作もお粗末なのだろうか。こんな作品でもキッチリ仕事している3人は流石の名優と言えますが無駄遣いもいいところ。レインズ台詞「クタクタになって帰ってくる亭主の為に家はバーよりも魅力的な場所であるように」で、「ハァ?」「結婚7回レインズの素で思うところだろうか?」印象に残ったのがこれだけというガックリ・グッタリな作品です。 [DVD(字幕)] 3点(2021-07-10 19:46:10) |
968. 大追跡(1965)
《ネタバレ》 オープニング音楽に、子供時分の旅行で電車が動き出した時のワクワク感が浮かびました。流石名匠ジョルジュ・ドルリュー。撮影アンリ・ドカエに、刑事もの?ギャングもの?音楽と合わないなぁ?本編始まって直ぐの接触事故でバラッバラになった車と当事者同士の掛け合いにコメディ作品だとわかりました。この二人、私は知らなかったのですが、フランスで知らぬ者無い喜劇役者というのが納得の存在感で、プッ、クスクス、アハハハ、ア~ハッハ~、大小取り混ぜて笑わせて貰えました。フランスならではの哲学的な台詞も印象的な2人の女性とのロマンスも盛り込まれた展開結末はお見事。あ~面白かった~、芯から楽しめた快作です。1965年度フランス興行収入第1位獲得も納得です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-07-09 15:49:22) |
969. シェーン
《ネタバレ》 子供時分に何度か観ているもののラストショット以外記憶無く40年以上の時を経ての鑑賞。アラン・ラッドの華奢な体つきと過去を背負った男に見えない線の細さがもどかしい。出演が嬉しかったヴァン・ヘフリン、ジーン・アーサー(最後の映画出演)、ジャック・パランスもステレオタイプなキャラでこれまた歯痒い。ただ、ホームステッド法に於ける牧畜業者と開拓農民が争う中での意外に理性的なライカーの言い分に、そもそもその土地は先住民から力づくでむしり取ったものであって、「力だけが正しい」生々しさを感じるところが印象的。そして特筆すべきはラストシーン。画の美しさとスターレット一家にとっての流れ星のような存在であったかの去り行く姿は私的に「第三の男」と並ぶ鑑賞史上屈指の幕切れです。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-07-09 02:10:32) |
970. 日日是好日
茶道の奥の深さに圧倒されます。素敵ですが敷居が高くてガサツな私には手が出ません。ただ、ガタガタゴチャゴチャ理屈こね回してマウント取り合い吠えたててヘンな湿疹が出てしまう身も心もカサカサに荒れた時にこそ、「考えずに感じる」ひとときを過ごすのが有効だと思わされた樹木希林さんの姿でした。この国が持つ潤いにも考えが及んだ秀作です。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-07-07 23:51:21)(良:2票) |
971. 円卓の騎士
当初の剣劇及び展開のキレが無いのにリタイアの予感でしたが、尻上がりに面白くなっていき完走できました。アーサー王(メル・ファーラー)、ランスロット(ロバート・テイラー)、王妃(エヴァ・ガードナー)、描かれる友情と不倫模様は王妃の脇の甘さに白けつつも見るに堪えるものでした。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-07-07 00:46:05) |
972. 我等の町
トーマス・ミッチェル&ガイ・ギビー、それぞれらしからぬ落ち着いた善人ぶりを見せるほのぼのホームドラマ。ウィリアム・ホールデン(22歳)良く言えば初々しい悪く言えば青臭い演技は観てるこちらが気恥ずかしい。進行役ナレーションは全削除でよろしいかと。頻繁にしゃしゃり出てくるのにイライラ。「観たら分かりますから」 [インターネット(字幕)] 4点(2021-07-06 12:09:06) |
973. エリザベス
ヘンリー8世とアン・ブーリンの遺伝子を受け継いでいるというのが並の人間ではないところが表れているエリザベス。こじんまりとした歴史もので全編を覆う辛気臭さに興に乗れず期待外れ。MIPはジェフリー・ラッシュ、まさにはまり役でお見事。宗教って神って何なのか、本作でも思わされました。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-07-06 04:02:08) |
974. 山羊座のもとに
家政婦さんにのみ監督らしさを感じました。以外は神経質な夫婦に好青年が絡む有りがちなメロドラマ。名優三人の熱演で作品として整ってはいますが、名匠ならではの作品とは到底思えません。脚本ヒューム・クローニンに100へぇ。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-07-05 16:34:56) |
975. キリマンジャロの雪(1952)
「ダーウィンが来た」「野生の王国」に恋愛模様をくっつけたような作品。豪華俳優でありながらご都合主義な展開にピクリとも感情高ぶらず。あぁ残念。 [インターネット(字幕)] 3点(2021-07-04 23:22:49) |
976. 霧の中の風景
テオ・アンゲロプロス初体験。各方面絶賛の映像は個性は感じますが美はラストショット以外では感じられず。詩的なエピソードを交えつつ幼い姉弟の目を通して生きる厳しさを表したかったかのようなストーリーがダメでした。二人が一度も発する事がなかった「ありがとう」の一言。二人に感情移入できなかったところです。名匠が示した世界は「ツライ、つらい、辛いと喚いているばかりじゃ心にシワが増えるだけ♪」が浮かぶ辛気臭さで疲れました。唯一揺さぶられた、青年の「こんな別れ方をしたくなかった」に点数の全てを。この世は出会いと別れの繰り返し。どんな別れ方をするのかが肝心なのです。 [DVD(字幕)] 4点(2021-07-04 21:19:16) |
977. ツイステッド・ナーブ 密室の恐怖実験
《ネタバレ》 「マダム・グルニエ」監督作という事で鑑賞。ゲテモノホラーに身構えさせられた副題は「何も実験してませんね、作品を観てからつけなさい、愚か者」な鑑賞史上屈指の酷さであり、傑作サイコサスペンスです。再生直後に出るダウン症に関する断り書きを示すシーンは今では発禁ものです。その部分以外での丹念な語り口が見事。病気のふりをして偶然出会った女子大生宅に入り込みその母親をも取り込み継父殺害を企む性格異常者の青年にじわりじわりと浸食される母娘の姿は次の展開が怖くて一服しながら(ヘタレました)の鑑賞となり、最後は「早く!!」お祈りポーズに。キャスト全員の好演、不穏な音楽も併せての大当たり掘り出し物の逸品です。 [DVD(字幕)] 9点(2021-07-04 00:02:19) |
978. ステップフォード・ワイフ(1975)
《ネタバレ》 ブライアン・フォーブス監督作と言うことで鑑賞。クレジットの原作アイラ・レヴィン、脚本ウィリアム・ゴールドマンに、怖い系の物語に期待が高まったのですが、変わったハナシだけど全く怖くなく着地点が浮かばないダラダラ展開に嫌気と眠気が。ところがどっこい!1時間20分経過時点で「あっ、これは」目が覚め、刺しても血が出ないところで「あ~、そういう事か~」さぶいぼが。自分の感性の鈍さを思わされた作品。特典映像での監督がリライトして脚本家が激怒したの件に、元はどうだったのか気になるところです。リメイク作があるそうですがニコール・キッドマンというのでスルーです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-07-02 15:12:03) |
979. 歩兵の前進
リチャード・アッテンボロー目当ての鑑賞。要領よくしたたかに立ち回るところに加えてシャープな顔立ち男前にまずまず満足。以外は抑揚無い展開の笑えないコメディで、期待外れ度合いが年に一度あるかないかの甚だしさ。デニス・プライス、イアン・バネンとクリストファー・リー(驚)の出演場面を一応再確認。軍隊・公務員への皮肉な視線はタイトルロールだけだったという思わせぶりが呆れる愚作です。 [DVD(字幕)] 2点(2021-07-01 16:29:59) |
980. 空から赤いバラ
鑑賞後の確認で、監督、脚本、撮影、タイトルデザイン、それぞれが超一流というのも納得の仕事ぶり。地中海を舞台に眩い健康美ラクエル・ウェルチ心憎い粋な台詞での全編に亘っての大活躍。彼女に絡むイケメン、ブサメン(失礼)、悪はどっちか最後まで判断がつかなかった二転三転四転五転・・・見応えたっぷりの展開結末。ルパン三世実写版のような痛快冒険アクションを芯から楽しめた快作であり傑作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-07-01 13:58:05) |