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81.  ワイルド・ギース
多分、「戦争の犬たち」と同じ年に映画館で観た作品だと思うが、先日、馴染みのレンタル・ショップに置いてあって、久し振りに見る機会を得た。が、「戦争の犬たち」よりも、やっぱり本作の方が印象的だったらしい。細部とまではいかないが、殆どおおまかなストーリーは覚えていた通りだった。軍事訓練や軍事行動、政治的な兼ね合いや裏切りが、本作の方がより鮮明だったせいだと思う。特に、マフィアのバカ息子に麻薬を食わせるシーン(ロジャー・ムーアだった)や、脱出の時に零れたひとりが「私を殺してくれ」と叫ぶシーン(あれは、リチャード・ハリスさんだったんだなぁ)は、印象的というか、衝撃的だったみたいだ。改めて見て、何げに凄いキャストだったことにびっくり。それに、リチャード・ハリスの子供役の子役(男の子)が、それこそ天使のように可愛かった。「白と黒の戦いが終われば、黒と黒の戦いが始まる。今のままではアフリカに自由はない」メッセージ性も強い作品だった。変に女が絡んでこないとこも、いい。けど、本作の「Ⅱ」が作られていたとは知らなかった。
7点(2003-05-04 14:02:51)
82.  恋愛小説家
「この生活は現実的過ぎるんだ」このセリフが一番印象に残ったかな。佐伯かよのの「口紅コンバット」に「愛は金で買うことは出来ない。だが、愛を育て家庭を守るためには金がいる」というセリフがあるけど、そのまんまのストーリーだったなぁ。どっか変でも、こんなパトロンが現れたらいいなぁと、生活に追われる日々の中では思ってしまう。怒ってもなじっても「君は最高」なんてのは、ちょっと不気味だけど。個展に失敗して窮乏の最中、将来の見通しも立たない時に、「描く意欲」を取り戻して、それだけで「生きる意欲」まで出たシーンが、作り手のサガを感じさせて、好きだな。ただ、庶民の現実生活も出てるだけに、金にも時間にも余裕のない庶民には、ロマンティックな恋愛は無理だよぉと、言われてるような気がした。
7点(2003-05-01 00:35:01)(良:1票)
83.  イノセント
当時、ヴィスコンティ・ブームの時、とにかくどっかのこじんまりとした映画館で観たんだな。ヴィスコンティの遺作であり、彼の遺作らしい作品ではあるんだけど、映画館を出た時、何だかとっても理不尽な不愉快さを感じた。今思えば、庶民の不愉快さだったと思う。「庶民が汗水たらして働いてるっていうのに、あんた達貴族はぁぁ!」って感じかな。でも、頽廃と没落の終焉にあった貴族階級のいやらしさに不愉快さまで感じさせた本作は、やはりヴィスコンティの遺作らしいのだろう。ジャンニーニの情けなさはムカツク程見事だったけど、赤ん坊を見下ろすジャンニーニの目は、狂気を孕んで、怖かった。そういえば、本作で初めて、「ボカシ」というのを見たんだった。けど、それが気にならないほど、ある意味、圧倒された映画だった。
7点(2003-03-23 22:38:02)
84.  妹の恋人
ジョニー・デップの、この物憂げな雰囲気っていうのは、デップならではだなぁ。主演はアイダン・クインのはずなんだけど、主役はやっぱりジョニデだったな。精神障害者っぽさでは、主演の女優よりも、余程デップの方が知恵遅れっぽくて、それが逆に、「コメディアンの才能」を引き立ている。だからどうという映画ではないんだけど、ジョニデって、やっぱり雰囲気のある役者だなぁ。アイダン・クインがかすむわけではないんだけど、ジュリアン・ムーアも悪くはないんだけど、この二人に、もうひと押し欲しかったかも。可愛い映画だった。
7点(2003-03-23 21:29:01)
85.  インターナショナル・ベルベット/緑園の天使
主演女優がテータム・オニールだったことだけしか覚えていないが、舞台は英国で、母親の再婚相手のお堅い作家の義父や母親との交流を、馬術競技を中心にして描いた家族愛の物語。本作中、お堅い作家だった義父が柔らかすぎる大衆小説を書いていると知ったテータムが母親に、「どうして、彼がこんなもの書くの!」と食って掛かるけど、逆に、「あなたが馬術を続けられるのは、その為に自分の節を曲げている人がいることを忘れないで!」と逆切れされるところが印象に残ってて、それが、テータムのトレーニング・コーチだかの「国民はメダルは歓迎するが、金は出したがらない」という言葉にリンクする。ラスト、自分の恋人に、「私の両親」と誇らしげに紹介するシーンで、実に爽やかに収束して、見終わった後、何だかほんわかして好きだったな。馬の動きが、とても綺麗だった。
7点(2003-03-15 22:30:08)
86.  戦争の犬たち(1980・アメリカ)
「見てから読むか、読んでから見るか」。フォーサイス作品に限っては、読んでから見ているせいか、映画はどうしても大味に感じてしまうんだけれど、衛星放送で久し振りに見て、どうも、公開当時、同じ頃に公開された「ワイルド・ギース」とゴチャゴチャになっていたらしいと気付いた。本作の醍醐味は、ドンパチそのものより、その下準備と駆け引きとか裏工作で、戦争っていうのは、こうして起こっていくものだというプロセスは、ちょうど今の、世界規模の戦争への駆け引きに符号するものかもしれない。クリストファー・ウォーケンの突き放したようなシニカルさは、シャノンのイメージを際立たせている。最後の、「買い戻せ」って冷たく言い放つところは、好きだなぁ。
7点(2003-02-25 22:31:08)
87.  ハムレット(1996)
シェイクスピア劇の映画としては、よく出来た作品。衣装もセットも風景も豪華で壮大。ただ、台詞回しは、どうしても演劇的に冗長的になるのは避けられないのか。あるいは、意識して、そう作ったのか。市川崑の「鹿鳴館」を思い出した。華やかだし、流れは原作に忠実ではあるんだけれど、忠実であるだけにインパクトとしては、ローレンス・オリビエの「ハムレット」の方が強い。舞台やシェイクスピアに興味のある人なら、見ておいて損はない。
7点(2003-01-05 23:28:22)
88.  うたかたの戀(1936)
終焉のオーストリア帝国の皇太子ルドルフと令嬢マリーとの悲恋を描いた一作で、初めて観たのは、まだ学生の頃で、その頃は、なんでか知らないが、TV向け御正月映画の定番だったと思う。その頃は、悲恋の御話をロマンティックに観ていただけだったけど、今、改めて観ると、新しい発見にビックリ。本作序盤で、皇太子ルドルフが父皇帝フランツ・ヨーゼフと会話するシーンでは、室内の壁に皇后エリザベートの、後世にも伝わっている肖像画が、しっかり掛かっていた。シシィが自慢の髪を胸前で交差させている肖像だが、今まで、全く気付かなかったのは、それまではエリザベートのことには関心なく観てた証拠。だから、今となっては、もう少し当時の社会情勢に踏み込んで描いても? と思うのだが、そうなると1時間30分枠では、辛い。舞台を思えばカラーで観たいなぁ。ダニエル・ダリューが、物言いたげな瞳と唇が印象的で、何より綺麗である。
7点(2002-12-26 02:21:13)(良:1票)
89.  ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
リッチー監督には申し訳ないが、ブラッド・ピットのファンの功罪として、「スナッチ」を観た後に観た。デビュー作で、叩き込まれ、巻き込まれるような勢いは、リッチー監督のセンスというもの。ただ、デビュー作だけに、前半はドタバタと何だか混沌としていている。その雑然としたところが魅力でもあるんだろうが、どうにも整理がついていない。逆に言うと、そういうところを殺ぎ落として、煮詰めて、ある意味、ハリウッド的な映画を意識して(挑む意味で、だが)出来たのが「スナッチ」なのだろう(オープニングの段階から明確な敵役が分かる辺り)。ただ、「スナッチ」が好きという方は、「ブラピが出てないから観ない」というのでは、勿体無い一作である。ガイ・リッチーの真価は、やっぱり3作目にかかっているだろう。
7点(2002-11-14 23:52:50)
90.  ファイナル・カウントダウン
基本は、「パール・ハーバーを忘れるな」という映画だが、「パール・ハーバー」よりは、日本人には取っ付きがいい。当時は、少年漫画で「エリア88」が人気を博していた頃で、その便乗のように、トム・キャット見たさに、5回は映画館に通った。この当時は、VTRでさえ、やっと普及し始めた頃だったからで、TV放映された時に、せめて音だけでも取ろうと録音したカセットが残っている。夢中で見た記憶がある。が、その割りには、配役の名前は、チャプマンしか覚えていない。あ、そうそう。犬の名前は覚えている。「チャーリー」という。大型犬で、確か、コリーだったと思う。ヒロインが車の中から、最後に、「チャーリー」と呼ぶんだった。この当時から、アメリカ映画で「犬」は必需品らしいし、クレジットに載ってもいいくらい、ポイントのある役だったように覚えている。ストーリー性はともかく、戦闘機の空母への発着シーン、ゼロ戦とトムキャットのドッグ・ファイト、空中給油のシーン、空母の中での兵士の生活などは、リアルで面白い。だから、マニア向け、かな。当時、着眼点としては、面白い発想だった。
7点(2002-11-08 00:45:13)
91.  インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
本作を象徴しているのは、ダンスト=クローディアの「私達の絆は憎しみね」の科白である。先ず、原作者アン・ライスに「彼程この役に似合わない役者は天国にも地獄にもいない」と攻撃されてしまったクルーズ=レスタトの過熱気味に入り捲くった気合い(役者の自負があれば当然だろうが)、女優としてのステップ・アップへの野心満々のダンストの漲る気迫(当時12歳だ、これで)、そして、撮影開始当初からクルーズに張り合われた挙句に、徹頭徹尾慢性鬱病の役にうんざりしていたピット=ルイ(何しろルイが面白げに笑うシーンは、たった1シーンで、それもほんの少し笑うだけというのでは、うんざりもするだろうが)という有り様だが、彼らの精神状態は、図らずもキャラクターの持ち味を存分に活かし、皮肉な相乗効果となっている。観る側が、ルイよりもクローディアやレスタトに共鳴するのは、仕方がない。「自分に合わない世の中なんざ、ブチ壊してやりたい!!」とは、人の素直な欲求というものだが、大方は切れることなく、うんざりする世の中に対して、時に愚痴り、時に癇癪を起こしながらも、精々飄々と生きるのが常で、ルイには同族嫌悪を抱くしかない。とはいえ、なんだかんだと愚痴りながら飄々と生きてきたルイは世渡り上手というもので、レスタトやらアーマンドやらの古豪吸血鬼がルイを欲しがる理由も分かるというものだ。それにしても、「いい加減に止めてくれよ」と言いたいだろう賛辞「君は美しい」を連発され、相手役をブン殴りたい気分だっただろうブラッド(とはいえ、美しい形容をされて笑っちゃわない男優は、そうは転がっていない)は、シアター全焼シーンでは、それなりにストレスを発散させていたようだ。いずれにせよ、このルイ役で溜めたストレスが「セブン」や「12モンキーズ」のピットの熱演・怪演を生んだのだとすれば、満更無駄な役ではなかったのだろう。
7点(2002-11-06 00:37:48)
92.  復活の日
日本沈没よりも、ある意味、よりリアリティのある怖い素材の映画である。バイオハザードは今でこそ一般的だが、この当時に、この作品を書いていた小松左京が、凄い。映画としては、邦画を見直したスケールの大きい作品であると同時に、原作を超える映画は、やっぱり、そうは転がってはいないということ。映画の脚本から書き下ろしたのならともかく、小説を原作したら、やっぱり小説の方が細かい心理描写が出来るからねぇ。何より、何故無理矢理、色絡み、女絡みを入れなければならないんだ。原作に忠実に描いても、十分、通用する内容だったぞ。「南に行くんです」「でも僕は、南に行くんです」と、ボロボロになって、ただただ南を目指す草刈のひたむきさが、とても良かった。
7点(2002-10-18 00:00:32)(良:2票)
93.  リック
以前に、「アンビリバボー」だかで、太陽の光(紫外線なのかな?)に当たると死んでしまう特殊な病気を持った子供と母親の再現ドラマを見ていたせいか、妙に感情移入してしまった。それにしても、親の愛情というのは、凄い。父の必死な思いが、ひしひしと伝わってくる。自分自身のことならば、人間として、人間らしい知的活動が出来なくなったら安楽死させて欲しいと願っているが、それが家族で、治療費を払い続けることの出来る身だったら、たとえ植物人間になっても生きていて欲しいと願う。それこそ、「もしかしたら、明日には治療法が見付かるかもしれないじゃないか」と。逆説が、母親。なまじ知性があるから辛いんであって、本人に自覚が無い症状なら、本人はいっそ幸せというのは、結構、シビアな描写かもしれない。若きブラッド・ピットは、綺麗でしたねぇ。瑞々しい美しさという表現が、誇張じゃないほど綺麗。演技が若いのは、仕方が無い。ただ、若い故の率直でストレートな演技は、嫌味もなく、限られた時間に全てを燃焼したいという「リック」にピッタリ嵌まっていた。でも、万年青年、万年若造のイメージのあるブラッドも、やっぱり、ちゃんと歳食っていたんだなぁ。
7点(2002-10-10 23:27:55)
94.  犬神家の一族(2006) 《ネタバレ》 
既に何回となく製作されているシェイクスピア作品なんかだと、それぞれの監督さんや俳優さんが、演出や演技で凌ぎを削ってきましたよね。前作を見てしまっている上、前作の評価は満点だっただけに、本作は、構成や演出が殆ど変わっていなかった分、どうしても前作の役者との比較に終始してしまって、映画自体を楽しむことが出来ませんでした。 本作のみの評価なら、きっと、それなりの味わいがあるのだろうとは思うのですが、いかんせん、前作の出来が良かったので・・。正直に言えば、オリジナルを酢水でゆがいて灰汁を抜いた感じ、でした。 
[映画館(邦画)] 6点(2006-12-23 23:14:08)
95.  ブロークバック・マウンテン 《ネタバレ》 
これを、ゲイの真実の愛の物語とされると、ちょっと困惑する。ぶっちゃけて言ってしまえば、性欲の延長線上に真実の愛があるのか、あるいは、現実と乖離した世界で愛を語るのか。桃源郷で暮らす仙人ならいざしらず、社会生活を営むのなら、それでは困るし、だからこそ、本作の二人は成就し得ない。本作は、ゲイ映画というよりは、現実という社会での相克を描いた作品で、今流行の純愛を期待して見ると、ちょっと辛いだろう。実際、客観的に見れば、イニスはジャックと出会わなければ、普通に暮らしていた人だろう。思い過ごしも恋のうち、というが、二人だけの世界から現実に立ち返れば、しがらみは山ほどあるのは、何もゲイを引き合いに出す必要もない。では、真実の愛とは、「青い珊瑚礁」のように、桃源郷でしがらみのない二人だけの世界を守ることだろうか? 一見曖昧で、ジャックの情熱に引き摺られながらも、優柔不断に見えるイニスは、だが、そのしがらみも引き受けていた。だからこそイニスは社会に生き残り、ジャックには死という結末で閉じるしかなかったのだろう。とはいえ、片方を死なせ、桃源郷(ブロークバック・マウンテン)の残り火を永遠というのでは、それまでの相克劇の終幕としては、あまりにも安易す過ぎるような気がする。
[映画館(字幕)] 6点(2006-03-31 00:07:29)(良:1票)
96.  Mr.&Mrs. スミス 《ネタバレ》 
気軽にノリを楽しむには爽快感がなく、ストーリーを楽しむには底が浅くて、なんとも中途半端な作品でした。ダグ・リーマンって、こういう作品作りの人なのかなぁ。「ボーン・シリーズ」の時にも、なんとも言いようのないダラッとした中途半端な感じを受けたから、きっとこの人の作り方は性に合わないのかもしれない。でも、1度は映画館で見ておいても損はない。アンジーが、いい。今が最高に乗ってる女優さんというパワーが、スクリーンからパワーッと出ています。でも、最後、カウンセラーで終わるのはいいとしても、もう少し、科白に工夫が欲しかったですね。 
[映画館(字幕)] 6点(2005-12-25 22:34:51)
97.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 
リンカーンが自分達はクローンだと気付くまでの展開は、かなり引き込まれて見てた。クローンの培養や、その処理など、黒人の奴隷制度やホロコースト、人体実験等を行ってきた人間なら、多分、これくらいするだろうおぞましさであり、実際既に、実験段階くらいのレベルにはなっているんじゃないかという怖さもあった。実際、臓器売買の段階には、踏み込んでいるのだし。だが、それも、リンカーンがジョーダンを連れて逃げるまでだった。そこから先は、「生命とは?」「存在意義とは?」「人は神の領域にどこまで踏み込めるのか?」などとは、考えてはいけない。確かにアクションは派手で過激だから飽きることはないが、今の段階では、ビジュアルで見せるのは、もう限界だろう。「××があれをやったから、あれ以上のものを」となったら、ただひたすら、救い難い過激さに走るしかないだろう。しかもそれが、映画自体の持つテーマのフォローになっていないのだから、なおさら救い難く、まして、アクションに食われて、ドラマ性はひたすら希薄になっていく。そもそも、フンスーの傭兵隊長ってば、殺していい指令が出てたって、どっちがどっちか曖昧なのに、リスト・バンドだけで、そんなに簡単に射殺していいのか。普通、脚とか肩とか、行動不能な発砲をしないか? この傭兵隊長が最後に依頼主を裏切るのは、彼が黒人であることだけを理由付けにしているようだが、黒人女性が国務長官を勤める今では、それこそ、却って余計なことだったように思う。その前に、オリジナルのトムを、あっさり射殺してしまったことも含めて、逆に、白人の意識を逆なでしたような気がしないでもない。それに、いろんな映画のごちゃ混ぜって感じがした。「ガタカ」っぽいところもあれば、「マトリックス」のようなところもあり、「トータル・リコールか?」なところもある。あ、「青い珊瑚礁」もあるね。でも、あれだけおぞましく、あれだけ派手なアクションがあるのに印象に残らないのは、前半と後半のバランスが悪いせいでしょうか。
[映画館(字幕)] 6点(2005-09-09 23:30:23)(良:1票)
98.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
私は映像技術や撮影技術には詳しくないので、映像的には十分迫力があったと思うけど、ストーリーの方は正直、がっかりした。トムは一生懸命頑張っているし、俳優陣もフル・パワーで頑張っているのは分かるけど、いかんせん、散漫なストーリーに空回りしているよう。圧倒的破壊力を誇るトライポッドの威容も武器も、マト・レボよりも余程クリアで、いかにも駆逐という感じが出ている。なのに、肝心の感動はいつまでたっても出てこなかった。っつうか、時間が経つごとに白けてしまった。車を奪い合うシーンは、呆気に取られるほど定番過ぎてお粗末だったけど、地下室でのオグルビーは、正直、いらない。これでは直前に起こった爆発で、もしかしたら死んだかもしれないロビー=息子の存在意義が全く薄れてしまう。意図は分かる。ただ、初めからフェリアー親子の絆を視点に描いているなら、死なせてしまったかもしれない息子を思いつつ、親子二人で息を潜めているところに現れた異星人への復讐心と、娘を守る為に堪えろという親父としての葛藤を描いてくれた方が好かった。ロビンスの演技が悪いのではないが、オグルビーに時間を割くくらいなら、ここでワン・ショットでも、潰走する軍隊と混じって逃げるロビーを映して、ここでロビーに「ダディ」と呟いて欲しかった。ラストで、何故かそこだけ無事なボストンで、いきなり沸いて出たロビーと再会されても、ご都合主義としか思えない。終息も、どこかで「原作とは違う」と書いてあったから、どう違うのかと期待していただけに、「なぁんだ、原作通りじゃん」だったけど、それだけに、最後に取って付けたような軍事的勝利はあまりにも蛇足。これもまた、潰走してきた軍隊の中に見つけた息子と再会の喜びも束の間、追ってきたトライポッドの出現で「もう駄目だ」な時、急に動きを止めて、何がなんだか分からないうちに終わっていた方が真実味があるような気がする。それにしても、半世紀前ならともかく、200mも300mも、場合によっては1kも掘り下げてビルおっ建てる時代に、「奴らは地下に埋まってた」設定はないよなぁ。初期のウルトラマンの設定かと思ったよ。ついでに、レイチェルはダコタでなくてもよかったと思う。最近のダコタは、主張が強くて子役としてはうるさく感じるのは私だけ? ただ、映像の迫力は、確かに映画館で見た方がお得。
[映画館(字幕)] 6点(2005-07-04 01:13:45)
99.  マスター・アンド・コマンダー 《ネタバレ》 
予告を見て、青池保子の帆船物漫画か?と思っていたけど、ほんとにそうだった。そうだったけど、青池氏の帆船物の方が、よほど面白いように思うのは、やはり、あまりにもオーソドックスでスタンダートな作りだからだろうか。展開は読めるし(落ち零れ士官が身投げするとことか、負傷した軍医が自分で手術するって言うとことか。ブラック・ジャックするよ、きっと。と思っていたら、本当にするもんなぁ)、ここ!って時に、画面は暗くなるし。当時の戦況からして、そこまで固執する必要があるんだろうかとも思うし。ラストは強引だし。ただ、映画には公開時期というものもあって、本作が公開された当時、マトリックス続編狂想曲に代表される、CG多用映画に振り回されていたこの時期には、こういうオーソドックスな作りが却って新鮮だったのかもしれないなぁ。面白くないとは言わないけど、ワクワクもしなかった。全編、思い切って女っ気無しにしたとこや、軍医が自分の趣味に固執せずに動物達を放してやるとこがいいけど、展開を思えば、これも予定調和なんだなぁ。
[DVD(字幕)] 6点(2005-06-29 23:55:26)
100.  ビルとテッドの大冒険
アメリカのコメディは日本人に受けないという例に洩れず、面白いことは面白いけど、作品そのものはバカ受けするほど面白いとは言えなかったかな。ただ、本作が、何故、全米で未だにカルト的な人気を博しているのかは、テッドの在り方なんだろうな。テッドって、全編弾けているビルの横で、間抜けているんだけど、どこかそわそわと落ち着きがなく、どこかおどおどとぎこちない。自分のやりたいことはあるけど、厳格な父親には逆らえ切れない。勿論、テッドが何故こうなのかは、本作終盤で、名のある心理学者が語ってくれるが、このテッドの在り方が、当時のXジェネレーションズの反映であり、今も尚、当時の年代、あるいは今の年代すらも抱える問題を代弁していたのかも。本作は、言わばキワモノのコメディだけど、厳格な父=社会規範に逆らえ切れないけど、迷路の中で爆発寸前の出口を探しているテッドが出口もなく成長したら、それは例えば「ファイト・クラブ」の僕であり、「アメリカン・ビューティ」のビデオ・マニア&薬の売人の彼にもなりうる不安定さ、あるいは危険性を孕んでいる。本作のカルト的人気を支えた人は、そんな匂いを嗅ぎ取ったんだろうな。無論、当時のキアヌが、そこまで考えて役作りをしたとは思えないし(撮影時期を思えば、これがハリウッド映画のほぼ初作品のはず)、監督も、そこまで考えて撮っていたとは思えないけど、テッドの、どこかおどおどとした雰囲気が、空気の中で呼吸が出来ないようなXジェネレーションズの感性を掴んだのだと思った。それがあまりにも絶妙だったおかげで、キアヌ=テッド=Xジェネレーションズの代表としてしまうんだろうな(苦笑)。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-06-16 00:34:54)(良:1票)
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