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ボビーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1016
性別 男性
ホームページ http://blog.livedoor.jp/gepper26/
年齢 37歳
自己紹介 いつまでもこどもでいたいから映画は感情で観る。その一方で、もうこどもではいられないから観終わったら映画を考える。その二分化された人間らしさがちゃんと伝わってくる映画が好き。

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81.  デッドコースター
おもしろい!!けど、かなりグロかった...想像をはるかに上回るグロさに、目を何度も覆ってしまった...ホントヤバイくらい。でもストーリー的にはとても興味がわくストーリーになっていて、次は誰がどんな死に方をするんだろぉ~という興味と恐怖が一度に楽しめてとってもよかった。最後もしっかりオチがあって全体的にとても楽しめました。
9点(2003-07-22 19:55:30)
82.  海辺の家
とってもいい!たくさんの人の愛や、たくさんの人の幸せがこの映画はとっても伝わってきた。全体的にそんなに泣けるストーリーではなかったのに、ボロボロ泣いてしまった。ヘイデン・クリステンセンの演技はかなりよかった。ヘイデンが海に飛びこんだシーンはかなりいい!!!
9点(2003-06-01 22:41:45)
83.  天使のくれた時間
映画に興味のない人(れでぃ)に好きな映画教えてと聞かれると真っ先に思い浮かぶのはいつだってこの作品。この作品が好きだと言っただけで高感度が上がるような気になるのは、やはりこの作品が美しくピュアでストレートな想いを観る者にぶつけてくるからだと思う。この作品はいつか、未来の奥さんと一緒に観たいですね。
[ビデオ(字幕)] 9点(2003-05-04 14:31:20)
84.  オーロラの彼方へ
ストーリーの発想がとてもすばらしい!こういうストーリーは 新鮮さがあって、飽き難く、そしてわかりやすいとても すばらしい映画だと思います。観終わった後の爽快感もたまりません!
9点(2002-12-08 01:07:45)
85.  ディスタービア
ぼくはある問題を除けば大変楽しく観れました。主人公の見えるとても狭い空間の中だけで進む物語、序盤のティーン向けのラブコメから終盤に向けてまさかのスリラーになっていく構成、そして主要キャストの豊かな芝居。期待していた(突き抜けに馬鹿まっしぐらな映画?)よりもずっと考えて作られている作品でした。序盤の裏窓のような「覗き行為」から発展するラブストーリーと、目撃してはならないものを見てしまった故のスリラー展開。主人公の目的の移行と共に好奇心は絶やされる事無く目紛しく展開が変化するので、すごく新鮮さを得ました。その構成を思いつき、それを成立させた技量は関心せずにはいられませんでした。まさかD・J・カルーソー監督の作品でこんな新鮮さを味わえるとは思っても見なかったので大変満足しております。デビッド・モースの外見的に取り繕われた誠実さに潜んだ悪意のある役を演じる上手さは、本当にお見事です。ただこの作品には問題があり、それは指摘せずにはいられない問題です。それは冒頭の父親との離別の件が後半で伏線として回収されないのは小さくない問題だと思います。個人的に、あの事故に彼に過失はないのは一目瞭然だが、それによって後遺症のように彼の足を引っ張る要素を彼が背負っているようにまるで見えない。極端なほどの人格の落差もなければ、荒んでいる様子もない。それが彼の最終的な変化や葛藤に絡んでこないなら、いっその事、“一年後”の設定以降から物語が始まってもなんら問題ないと思います。ただ、それが上手く物語と絡んでさえいたらもっと良くなっていたと思うから、とっても残念です。
[DVD(吹替)] 8点(2012-08-03 04:28:03)(良:2票)
86.  マイレージ、マイライフ
常に出張続きの主人公の人生には、「背負う」ものが何もない。つまりそれは「何かの為には生きていない」ということの裏付けで、彼には「人生における目的意識や願望」がないというふうに見えました。そんな彼にある唯一の目的は「1000万マイル貯める」という、その件にまったく無関心な人からしてみたらあまりにもどうでもいいし、空しい目的のようにも思えます。が、彼にはそれしかないという寂しい現実です。そんな彼の内面的な部分を覆い隠すかのような爽やかでテンポの良い序盤で、“彼が紛らわしている内心”というのを重複的に表現しており、J・ライトマン監督の演出力を実感せずにはいられませんでした。ライトマン監督は「偽っている本心を無意識的に隠している偏屈な人」演出がとっても上手で、それだけでも映画を観ている実感を得られて気持ちいい。アナ・ケンドリックさんの多くを過信し、理想で心が埋め尽くされている姿はすごく普遍的で在り来たりに見えるけど、あのデフォルメなしにありのままの23歳の姿が映画内では妙に新鮮で親近感と愛しさを覚えずにいられませんでした。また、ヴェラ・ファーミガさんの心境は実に大人で、その心理を十分に理解するのは難しいけど、きっとそういう感情はあり得るんだろうなーっと関心。そして羨ましいと思うぼくの若さ!という具合に主要人物の心理描写がとても豊かで、それだけである意味成り立っている物語だと思いますし、落差を間違いなく産み、対立構造も発生するであろうその丁寧な人物設定が素晴らしい。ただ、落差はあるし、葛藤もあるのだけれど、クライマックスでもう少し彼らの今後を期待させるような情緒的な場面があっても良かったような気もします。
[DVD(吹替)] 8点(2012-07-28 05:26:32)
87.  ぼくのエリ 200歳の少女 《ネタバレ》 
エリに尽くし続けた男は、エリを守るため、 自らの額に酸をかけた。あの男も、少年と同じように、 人付き合いの下手な弱気な男の子だったのかもしれない。 あの男の昔がもしかすると少年で、少年の行く末がもしかするとあの男で、それが何年も何十年も繰り返され、それさえもエリの中では計算されているのかも知れない。 などと、いくらでも深読みはできるし、観客に勝手気ままに想像させるために意図的な説明少なな内容にしているようにも捉えれる。 透き通るような白く透明なエリの立ち姿が血に染まった時の、 背筋が凍るような恐怖は、あまりにも新鮮で、 ある意味、どんなバイオレンスなシーンよりも衝撃的に見えた。 唯一、自分の本心に気付いてくれたのがたまたまエリなだけだった。 唯一、自分の身を真剣に心配してくれたのがたまたまバンパイアなだけだった。 唯一、エリの存在を知ったのが彼なだけだった。 小さな恋のメロディのように否応なく、惹かれてしまった無垢な心が引き寄せた愛情。 殺戮と捉えたのは人間。 猫がネズミを襲い、ネズミが虫を襲い、虫が植物を食らう、 その連鎖の人間の先にいたのがバンパイアなだけ。 思い込みの枷が外れた瞬間の人間は、きっとエリのために人を殺す。 悲しみに満ちた彼の未来を想うと心が痛い。 ただ、説明がほとんどないのは素敵だが、 最後があまりにも伏線なしで、唐突に思えた。 両親はどうした?二人だけで生きて行くの?プールでの殺戮はスルーできたの?様々なもやもやが残りながらのあのラストシーンの、モールス信号でのやりとりは素敵だけど、やりたいだけだでは全てを圧倒するほどの説得力満たしていなかったように想う。でも、クオリティーはすごく高い。日本こそ、こういったローバジェットで制作できそうな脚本勝負の作品にトライすべきだとすごく思った。 
[DVD(吹替)] 8点(2011-10-04 23:41:34)
88.  エリックを探して
これまでこんなチャーミングなケンローチ作品があったっけ。優しく爽やかで、軽やかで微笑ましい。カントナ作戦とはつまり、リスクを恐れず挑戦する気持ち。そこにはテーマとして仲間を信じることや観客を喜ばせることがあった。ぼくは観客、彼らはカントナ。 エリックの中にもカントナがいて、彼の力強くて健気で、無条件な愛情が本当に気持ち良かった。 自己啓発して現れたカントナは、自分自身。無条件で自分を愛してくれるのは自分自身以外の何者でもない。 自分でみずからの背を押す、誰もがそうやってでしか決断し、前へは進めない。 ケンローチがいつも教えてくれる事と、根底は変わらない。イギリス社会で働き、家庭があり、苦しみ、迷いながら生きる庶民の話。ただ、憎しみや妬み、恨みのベクトルの向かう方向やその強さをちょっと変えただけ。 今後もケンローチさんには、この作品のような作風の映画をたまに描いて欲しい。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-23 22:23:47)(良:1票)
89.  扉をたたく人
タイトル後のファーストカットから訪問者が訪れます。 この作品は玄関や扉付近でのお芝居が本当に多く、  それがこの作品のテーマであることを意味しているように思います。 他人との繋がりの場である玄関や扉の持つ比喩的な 出会いと別れの表現が全編通して大変うまく描かれていました。 音楽以外に興味のない男が、音楽を通して他者への 興味、関心を抱いていくという内容で、作り方が 強引ではなく、とてもスマートで心地良かったです。 1人ぼっちを平然と受け入れていた男が、 他者に興味を持ったことで孤独を知り、 ラストカットでのあの俯きかげんに、寂しそうにジャンべを 強く強く叩くシーンはとても心揺さぶられました。 アップが無くても彼の涙も想いもヒシヒシと感じれました。 社会と人間を丁寧に描いた優しい映画でした。  
[DVD(字幕)] 8点(2010-05-23 20:27:52)(良:1票)
90.  ディア・ドクター 《ネタバレ》 
伊野が偽ってまで医師になろうとした動機は定かになっていないが、想像する事はできます。一つは、年間2,000万円という大金目当て。そうとうお金に困っていたのかな?バックグラウンドはあまり描かれていませんが、お金が必要な家庭で育ったようには見えませんでした。この時点で、お金目的ではないことは理解できます。西川監督の演出上でも、そのような印象を受けない人物でした。ただただ伊野は村長に頭を下げられ、心が動いたのでしょう。さほど大きな理由もなく、ただ「やってみるか」くらいの気持ちだったのではないでしょうか。だから月日が経つにつれて、高齢化の進む村での命と隣り合わせの状況の辛さや、極端なまでの期待、絶対の信頼を向けられる重圧、プレッシャーなどが募りに募り、潰れそうになっていたのではないでしょうか。命の重み、老人の苦しむ姿、家族の温もり、それらすべてが鉛のような罪悪感となり、伊野の背中に伸しかかり、逃げ出すしか術がなくなっていたのではないでしょうか。ラストのドキュメンタリータッチの描写は伊野を否定しているが、僕には肯定に見えて仕方ありませんでした。
[映画館(邦画)] 8点(2009-09-11 16:20:07)
91.  画家と庭師とカンパーニュ 《ネタバレ》 
前作「ピエロの赤い鼻」よりも断然、台詞の掛け合い具合や人物たちの動きが素晴らしくなっており、スクリーンを観ているただそれだけですごく楽しめた。幼い頃仲の良かった二人が久しぶりに出会い、余白の部分を埋めあうように様々な会話にふける。青々と美しい緑、クシャクシャで愛くるしいバカ犬、日向に横たわる美女、吊り上げた大きな魚。それらの飾らない美しさと、庭師、ジェルダンの振る舞いが同じように飾っておらず、あるがままの幸せや喜びをしっかりと噛み締めているようだった。そんなジェルダンや自然に影響を受け、次第に魅力的に変化していく画家のキャンバスを好きにならずにはいられない。優しくて暖かい物語。テンポが良くて、尺も短く、ラストシーンまでじっと集中して観続けることができた。終始、コミカルな空気で包まれているため、どんなに悲しみの結末を予感できたとしても笑顔で見届けることができた。今後の、ジャン・ベッケル監督にも期待が持てる。
[映画館(字幕)] 8点(2008-08-23 13:34:39)(良:1票)
92.  百万円と苦虫女 《ネタバレ》 
この作品はとにかく蒼井優さんが素晴らしい。 彼女が町や村を転々とするのは、彼女が寂しがり屋で臆病で、弱い人間だから。人と関わるという事は、とにかく面倒なことで、迷惑をかけたり足を引っ張られたりするものだと思う。それは社会で生きるなら逃れられないことで、それから100パーセント逃れようとするのなら、社会の存在しない無人島に行くか、生きることをやめるしかない。だけど、彼女がそこまでしなかったのは、生きていたいからで、誰かとどこかで繋がっていたから。彼女は逃げて逃げて、でも最後は逃げたのではなく、別れたのだと思う。物語はある種のオムニバスのように、目的を果たすたびに住む町を変え、そこで出会った人との繋がりが、彼女を少しずつ変化させたのだと思った。 恋に落ちた瞬間も、弟への申し訳なさも、愛した人と別れる瞬間の力強い表情も、全てが変化の着地点に見え、その全てのカットが記憶に鮮明に残っている。 でも、彼女の弱さや脆さは誰しも心の奥に持っているものだから、彼女の心の小さな小さな起伏をしっかり掴むことができたのだと思う。そして、それが掴むことが出来たのは、蒼井優さんの演技が素晴らしいからであり、それを搾り出すように引き出すことに成功したタナダユキ監督の演出あってだと思った。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-09 22:43:35)
93.  自殺サークル
年間の自殺者数は約32000人。一日約、87人の方が自らの命を絶っている。人知れず、約15分に一人のペースで今この瞬間も日本のどこかで、見知らぬ誰かが自分を殺している。作中で無垢な子どもが言っていたが、「自殺クラブ」なんて存在していないのに、毎日それだけの人たちが死んでいく。「ここがプラットホーム」という言葉の通り、日本中のいたるところがプラットホームのように、次々と身を投げ出して命を絶っていく。同時に54人の高校生がプラットホームから身を投げれば、あれだけ話題にもなるが、一人一人が別々の場所で身を投げても話題に上がることがない。また、自殺は法律で罰することができない。結局、誰にも止めることは出来ない。するのもやめるのも、自分の判断でしかない。だから、あなたはあなたの関係者ですか?や、勝手にしろという台詞が重く胸に圧し掛かってくる。ぼくはこの問題を覆う、多くの物事に無関心だった。園子温監督の想いがヒシヒシと鑑賞後に伝わってきました。やはり、映画は鑑賞後にしかないのだと改めて学ばせていただいたように思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-24 19:20:15)(良:4票)
94.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
19世紀の末から20世紀初頭に掛けての石油発掘ブームが齎す富によって、狂人と化していく一人の人間がこの作品には描かれていました。映画の基本は、とにかく人間を描くことであり、それはたとえ狂人と化していく人間であったとしても感情移入できなければ観客は置き去りにされ、そうなってしまえば後は出来事を眺めているしか出来なくなるので、そういった意味で、この作品に描かれている狂人の感情は上手く描かれていると思いました。富と権力を手にしていく主人公は、自分が大好きなのでしょう。それは僕も同じです。なによりわが身が大切です。しかし、この主人公は表面では他人を気遣いながら、隠れた人間の本性ともいえる部分で自らの欲望を妨害しようとするものを次々蹴落としていきます。その姿は、人間の真実の姿を写しているかのようで恐ろしくもあり、また感情移入し、彼の行動とその動機を理解できている自分さえ恐ろしく感じました。ある意味、その行動が理解できているうちは、彼は狂人ではなかったのかもしれません。それはぼくのフィルターを通した上での判断ですが、きっとこの作品に触れ、ぼくと同じように主人公に感情移入できた方も同じような意見だと信じたいです。また、あそこまで自分本位になれる姿は、人間の深層心理にある欲望を描いていたように思います。ぼくもできることなら彼のように自分本位な人間になりたいですが、それを抑えるのもまた人間の理性であり、彼のあの姿は人間の理性を切り取った、人間の欲の部分だったのだと思います。それはラストで彼が発する「終わった」という台詞に集約されており、自分の欲望を邪魔する者がいなくなったことを意味していたように思います。つまり、人間は理性を失えば、みな、あの主人公と同じような狂人になりかねないことを描いていたのだと推測します。あの姿こそ、人間の執着地点。人間からそうでない存在になる瞬間だと思います。あれは彼の人生の目的の終わりであると同時に、人間の終わりを意味しているように感じました。人間は誰もが彼と同じようになる可能性を秘めており、この作品はそんな人間の恐ろしい可能性を描いた社会派作品だと思いました。
[映画館(字幕)] 8点(2008-05-29 19:43:22)
95.  ミスト 《ネタバレ》 
久し振りにハリウッドの作品を映画館で観ましたが、やはりハリウッドの迫力は凄いですね。よかったです。この手の作品はどうしても超常現象などのCGを駆使した点に目が行きがちになってしまいますが、監督が描きたいのは、CGなどを使うことで極端化された人々の感情なのだと思います。「グリーンマイル」でもそうでしたが、ダラボン監督が描きたかったのは結局“人間の愚かさ”ではないかと思います。自らの想いばかりを優先してしまう、死と隣り合わせの状況下で、見えなくなってしまう他者の思い。それこそ一寸先は霧のようなものであり、人の愚かな心が霧を作るのだと思わされました。そして霧が晴れたときになってようやく気付き、後悔し、嘆き悲しむ。どの登場人物も自分、あるいは自分の身近な存在(大切な存在)だけのことしか考えられない。無関心であり、他人事だと割り切ってしまう。それがどれだけ愚かなことか思い知らされるラストになっています。この作品は、世界中が陥っている他者への無関心さに警鐘を鳴らしているのだと思いました。
[映画館(字幕)] 8点(2008-05-20 04:40:05)
96.  ジャンパー 《ネタバレ》 
このジャンパーって人種は、当然ながら空想の代物でしかないのだが、この映画の主人公があまりにも情けない人間だからリアルに感じてしまって、実際にこの世界のどこかにいるんじゃないかって思ってしまった自分がいる。現実世界に非現実的な人物をすえた時に生じるヒビや穴や溝が丁寧に辻褄あわせで補正されているので、ジャンパーが実際にこの地球のどこかにいるように感じてしまう。開始30分間では人物紹介と瞬間移動の魅力を前面に押し出して描かれている。テレビ画面に映る洪水の被害に苦しんでいる人たちを見て傘を手にした主人公を観て「お、助けに行くのか?」と思わせておいて遊びに行く様。そして鮮やかに銀行から大量のお金を盗んでいくあの爽快さ。実際あの力を持ったら奇麗事並べたって人間なんて結局欲で動いている生き物なのだから、その姿はむしろ微笑ましくて人間らしい。その姿を見ていると羨ましくて憧れてしまう。そう感じた時点で僕は感情移入していたのだろう。非道ではあるが、それこそ人間の裏、あるいは表の顔に見えた。あんなのが実際表社会に出ているはずが無いので、そういった意味でも僕らが知らないだけで実際は今この瞬間も瞬間移動は行われているんじゃないかと思えてくる。社会背景の描写も問題なく観れたのは大きいが、何よりこの作品がただのヒーローもんでないことが良かった。多くの人間を救おうとせず、一人の人間を救うことで一杯一杯になる姿に人間を観た気がした。
[映画館(字幕)] 8点(2008-03-02 01:46:33)(良:4票)
97.  人のセックスを笑うな 《ネタバレ》 
僕は好きです、この作品。基本的に登場人物たちが感情を口に出さないので、唯一三度目の濡れ場後に、みるめが語る台詞だけが感情の説明になっており、観る側として感じた違和感をきっとゆりちゃんも感じたのではないでしょうか。カット尻が長いのはその意味もあると思いました。感情の大きな起伏もなければ、大きな出来事もないので、ゆったりとしたカット尻の作品になるのは当然だと思います。また、登場人物たちの自由気侭な姿が愛しく感じれたのは、井口奈己監督の演出力に他ならないと思います。役者さんたちの魅力を引き出し、可愛く見せる力は間違いなく才能だと僕は思いました。また、ヒキとヨリの組み合わせや、唐突なポンヨリには思想を感じ、映画を観たと感じさせてくれました。
[映画館(邦画)] 8点(2008-02-21 22:11:47)(良:1票)
98.  サイドカーに犬
観終わった後の爽快感を与えてくれたのは、やはり竹内結子演ずるヨーコのキャラクターが爽やかで清々しい存在だったからでしょう。性格が実にシンプル。竹を切ったような、スパッとしたものを感じました。何事にも真剣に向かい合い、相手が子どもだろうが、下らない遊びだろうが関係なく、全てにことに真面目で堅実に向かう姿勢がとても素敵でした。とくに薫に名前を聞いた後の台詞、「美しい名前ね」という表現。綺麗だとか、素敵などという表現を使わず、あまり使わない美しいという言葉を使う彼女自身がとても美しい存在だとぼくは率直に感じました。ユーモアもあり、柔らかい表情がとても印象に残りました。薫にほんの小さな変化をさせた彼女。彼女に会いたいと思わずにはいられない。自由気侭な彼女に僕はあこがれました。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-30 15:05:06)(良:1票)
99.  街のあかり
のっぺりとした表情の変化の無い演技、独特なMの使い方、極端に少ない台詞、奥行きの無い狭い構図。どこを切り抜いてもやはり奇抜で斬新、そして唯一無二であることは観ればわかる。その演出が齎すのは、それとは対照的な場合が訪れた時に飛躍的な感動を感じることができる。例えば、刑務所内で主人公が笑う。カリウスマキ監督の演出ではないような笑い方。この瞬間、思考がフル回転する。なぜこいつは笑った?そんなに会話が楽しいのか?そっちの世界はそんなに住みやすいのか?あれだけ仲間のいないお前がなぜそんなに溶け込んでいるんだ?その演出が後に繋がってくることは無かったが、なぜかそこにグッと引き込まれた。感情は台詞やナレーションで言うのはすごく簡単で、それを安易にしてしまうと押し付けがましく、受ける側は考えなくなり、思考を止め、感情移入しなくなる。この作品にそういった説明になるような感情の描写は台詞だろうが、表情だろうが、そんなもん一切無い。あるのはほんの少し、微かに垣間見える動きである。「全て終わった…というのは嘘」という台詞が示すように、この台詞は感情の説明ではない。ではなんなのか。この主人公の人生である。そう感じ、考える事がこの台詞からは出来る。それが台詞というものなのだと改めて考えさせてくれる。このアキ・カリウスマキという監督は一見、めちゃくちゃなことをやっているのだが、彼は映画の基本をしっかり踏まえて、全ての演出を行っている。それが本当に素晴らしい。だからこの作品は素晴らしい!
[映画館(字幕)] 8点(2007-12-02 01:49:53)
100.  クローズZERO 《ネタバレ》 
この作品は速攻で撮影を行う事で有名な三池監督の作品であるが故に、多くのことを無視している。学校以外の世界の映写をせず、閉鎖的な世界にしており、まるで世の中に彼らしか存在していないような印象を受ける。理屈で考えれば、様々な事が理解出来ないし納得も出来ないが、それでもこの作品はこの世界でしっかり完結しており、違和感を覚えることはない。ストーリーと登場人物たちの設定がとても単純明快で、非常に理解しやすく、余計なことを考えなくてすむのがいい。この作品の主人公は一見小栗旬君のように見えるが、実際この作品の中で最も葛藤を抱え、最初と最後で大きく変化しているのは、小栗旬君のそばにいたヤクザのおじさんだろうと思う。大きな葛藤をいくつも抱え、それを解決しようとジタバタもがき、最終的にはヤクザの道からも足を洗う形になっている。最も弱く、不器用で、ダサい。そんな男だが、最も現実味があり、最も魅力的な人物として描かれている。僕はあの男の変化を見ているだけで、人間を見たという気持ちになった。それだけで十分良かった。
[映画館(邦画)] 8点(2007-11-12 02:07:14)(良:1票)
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