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anemoneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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81.  アイ,ロボット
こんなに大マジなノリを期待してなかったのでのっけから動揺。しかしウィル・スミスはやっぱりいいですよ。この人は本当にスクリーン映えのする人で、ビデオで見てたんでは絶対にこの魅力はわからない。そういう意味では、本物の映画スターだと思ってます。彼の映画は劇場で観なければ。で、この「アイ,ロボット」、あろえりーなさんもおっしゃってますが元々チェコ語で「robota(労働する人)」の最後の"a"を取ったもの。何を意味しているかというと、これはアメリカ社会が今最も恐れているもの。すなわち国境線を越えて密入国して来るプエルトリコ人や、アフリカから連れて来られた奴隷労働者たちをルーツとする黒人たち、実はこの国の単純労働を一手に引き受けて来たこれらの人々の人口拡大はこの国の最大の脅威になっている。このテーマが読み取れると、実はこの主役は白人スターでは絶対いけなかったんだということがよくわかります。映像的には、あまりにもCGを多用しすぎるとうるさくなるんだということの一つの証明にもなっていますが、この賑々しさとウィル・スミスの泥臭さがうまく牽制し合えた気がしてわたしは好き。つまりあらゆる意味で、これはウィル・スミスでなければ絶対に成立できなかった映画なんだろうな、と。予想に反してミステリーとしての仕掛けもなかなか上手かったですし、意外な拾いモノというか、スマッシュヒットと言って良いんじゃないかと思います。挿入された「人間にできてロボットに出来ないもの」のエピソードもなかなか深いですし、これまで観て来たロボット物の中では頭一つ飛び出た感がありました。何度も観たい作品か?と言われると微妙に答えが難しいところではあるので泣く泣く1点減点。でもこれはお勧めできますよ。ちゃんとおもしろかったです。
9点(2004-09-20 15:40:37)(笑:1票) (良:3票)
82.  ウェルカム・ドールハウス
凄いです。苛められっ子が、ひたすら苛められ抜きながら夢も希望もない毎日をただ送る、って話なんだけど、そこに出て来るドーンの痛みが、ちゃんと笑いに昇華している。何故彼女が苛められちゃうのか、観ている人にはちゃんとわかることなんだけど、教えてあげようにも彼女はスクリーンの中。のっけから凄い衣装でどうなることかと思ったけど、後半に行くに従ってどんどんヒートアップして行きパーティのシーンではとてつもないことになってしまっている。あの衣装だけでも相当なセンスですよね、狙って簡単に出来るものではないと思います。実はこの映画で一番大事なことは「2年生は、1年生よりもいい?」というドーンの台詞じゃないかな、と私は思っているのですが、子供の世界って本当に狭いから、学校で嫌われちゃったらもうこの世に居場所はないと思ってしまう。ドーンのように家でものけ者にされていたら、本当に庭のクラブハウスしか居場所がない。でもNYがあるじゃない、っていう映画なんですよね。複雑な家庭に育った問題の多いブランドンはNYを目指す。留年スレスレのハンサム高校生スティーブもNYを目指す。それがドーンの人生に小さな突破口を与えてくれるわけです。今は八方塞がりでも、あと何年か耐えていれば自分も街を出て行けるかもしれない、って大人なら誰でもわかることなんだけど中学生が気づくのは実は大変難しい、世の中はけっこう広いんだよ、ということを再確認させてくれるという意味で、日本の苛められっ子にも是非見てもらいたい作品だと思いました。変わった作品ですし、笑いの質は暗いですが、なかなか面白い映画だと思います。
9点(2004-09-12 15:39:26)
83.  バイオハザードII アポカリプス
はっきり言って、ミラ・ジョボビッチは田舎者である。ウクライナで物凄い美人に生まれて、一旗挙げようとモデルからキャリアをスタートさせた彼女は、自分がハリウッドで黙って座っているだけでちやほやしてもらえるアメリカ人女優とは違うということを明らかに自覚している。これはニコール・キッドマンにも言えることだと思うのだが、だから彼女たちは田舎者ならではのクソ根性で、ハリウッドの美女が絶対にやらないようなことをやってのける。しかもニコールと違って、ミラの場合は明らかに顔つきが貧乏臭い。ここがミソだったりする。12年前に「カフス!」でクリスチャン・スレーターに抱きついてるだけの美女だったミラは、「ジャンヌ・ダルク」で戦うことを覚え、その生来のクソ根性で戦って来た。次々と男を変え、利用することでしたたかに築きあげて来た彼女のキャリアは、無機質でタフ、人間離れしたアクションで怪物をバッタバッタ倒しまくる前代未聞のアクションヒロインという形で開花した。頑張れミラ、あなたにはお腹を空かせた母猫の眼がある。遠く世界一の田舎都市東京からハリウッドをまぶしく見つめる私は、もう圧倒的にあなたの虜です。で、映画だけど大変楽しくスピーディで面白い作品にはなっていると思う。しかしあの下品でセンスのカケラもないエンドクレジット、あれは一体ナンですか。あれさえなければ文句無しの10点だったのですが、忘れ去るにはあまりにも痛いエンディングでした。ストーリーはまあ、あってもなくてもどっちでもいいと思う。ミラがひたすらカッコよく暴れ回る、それだけで10点、エンディングで-1点。無念。
9点(2004-09-12 15:31:13)
84.  ケープ・フィアー
私は格段にマーティン・スコセッシに点が甘い。というかほとんど盲信していると言ってよい。だからこの点数も大幅に割り引いて考えてもらった方がいい。何しろスコセッシのやることなら、大抵のことは許せてしまうんだからこの作品ももちろん傑作だ。しかし主演がデ・ニーロ、周りを固めているのがニック・ノルティにジェシカ・ラング、子役がジュリエット・ルイスというのはいくらなんでも濃すぎるんじゃないだろうか。まるでコテコテのお好み焼きとクリームたっぷりのパスタ、天ぷらとうなぎをまとめて出されたみたいである。果たしてこんなんで本当に映画になるのか、と危ぶんで見れば不思議なことにちゃんと映画になっているからスコセッシって凄い。さりげなく脇役で登場するのがロバート・ミッチャムにグレゴリー・ペックって、このキャスティングの物凄さはもうほとんどお笑いの領域に達している。普通、デ・ニーロ主演っていうだけで充分濃いと思うが。内容的にはどの監督も一度は手を出してしまう魅惑のジャンル、ヒッチコック万歳映画なんだけど、やはりスコセッシ/デ・ニーロ組だからそれなりに泥臭くはなっている。どちらかというとストーリーにのめり込むよりは配役の妙に口をぱくぱくさせているうちに終わってしまういろんな意味でかなり物凄い映画。でも楽しいし一見の価値はあると思う。私は好き。
9点(2004-09-06 02:07:01)
85.  ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ
たまたま大統領選挙も近いし、と思って観てみました。正直もう少し辛口かな、と予想してたんですが、実際のところはこれで限界でしょうね。デ・ニーロはやっぱり凄いいい味出してますし、わたしは基本的にダスティン・ホフマンって大根だと思ってるんですけど、こういう風にハマると凄いのがこの人の唯一の良さなんじゃないでしょうか。ストーリー的には後で火を吹きそうな地雷を山ほど仕込んだ割には尻すぼみ感は否めませんが、どれが火を吹くか?とワクワクしてたら思わぬところから足元を掬われるみたいな仕掛けに心地よいヤラレタ感がありました。配役とプロットからどうしてももう少しハードなものを期待してしまいやすい作品ですが、運びもタイトだしきちんと良く詰めた作品ですよね。長年、バリー・レビンソンだけは信用しないと心に誓って来ましたが、やれば出来るじゃない、って感じでした。なかなか面白かったです。
9点(2004-09-05 03:50:52)
86.  ヴァン・ヘルシング
ただひたすら「面白い」に特化した作品だけどそれ以外の何も期待していない以上これだけ面白ければ充分だろう。無理に物語りに奥行きを持たせず、ただただ映像的に面白いだけ。敢えて「厚さ1ミリで何が悪い!」と割り切ってしまった潔さは脱帽モノ。とにかくスピーディな展開、「だから何なんだ」とツッコむスキを与えず次から次へと痛快にぶっ飛ばしてくれる。予告編負けしている作品って多いけど、これは良く出来た予告編を2時間たっぷり見せてくれる感じです。何故出来ないんだろう?と長年思って来たけど、やれば出来るじゃん。冷静に考えたらけっこうツッコミどころ満載なんだけど、厚さ1ミリだからOK。ヒュー・ジャックマンはもうちょっと硬派で攻めても良さげなんだけど照れもケレンもなくハマッているからOK。アクロバティックな宙返りと駆け足のトロさとのスゴいギャップで、微妙に運動神経のニブそうなケイト・ベッキンセールのズレた存在感がこのテクニカルな作品に不思議な人間味を加えてOK。何でもアリの突き抜けたおとぎ話だが、どうせ現実離れするんだったらこのぐらいやってもらいたいと主張する立場から、これはかなりの出来。予想に反してサイズがヴィスタだったのはゴシック・ホラーを狙ったのでしょうか。でもこのサイズでここまで躍動感出すのってやっぱり凄いです。ここまでスピード感に乗れたのは、「レイダース」以来かも知れません。しかし涙とか感動とかヒューマニズムとか、プラスアルファを期待したら絶対ダメだと思う。MOVIE MAGIC、この一語に尽きますね。
9点(2004-09-05 03:38:36)(良:1票)
87.  ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生
一通り後の作品を観てしまった後で観ることになったので、どうかな?とちょっとコワかったんですけど、いえいえどうして。ほとんどこれ一本で生きて行く羽目になったジョージ・A・ロメロの熱い情熱ほとばしる傑作だったと思います。やはり予算のない中での手作り感覚を多少身贔屓的に許してしまえるのは仕方のないことだと思うのですが、様々な悪条件をクリアしてこの水準を達成できることは素晴らしいと思いますし、インディーズ作品ならではの質の高さ、作り手の思い入れの高さが素直に伺われる良い作品だと思います。後に作られる一連のゾンビ物に比べるとやはりスケール感もミニマムだし大きな仕掛けはありません。ただロメロのルーツとも言える昔のホラー映画、「フランケンシュタイン」とか「ドラキュラ」等のゴシックホラー感覚は最も強く現れていると感じます。このホラー映画に対するひたむきな愛、そして彼の生み出した「ゾンビ」という新しいモンスターへのこだわりの記念すべき第一歩として、少しもその名に恥じることのない作品だと思います。やはり市井の一映画ファンとして、作り手がどこまで映画を愛してくれているかは重要な共鳴ポイントとなると思いますので、私はこれ、観て良かったと素直に思いました。ジョージ・A・ロメロは素敵です。
8点(2004-08-29 22:56:49)(良:1票)
88.  死霊のえじき
ずっと昔に見たような気もするんだけど「死霊のナントカ」が多すぎて20年も経つとどれがどれだかさっぱりわからなくなる。これは確か劇場で見たはずなんだけど、オチまで忘れていたところを見ると当時の感想もやっぱりそれなりだったんだろう。当時ホラーは半分コメディ化が進んでましたしね。前作で非常に斬新だったギリギリのおとぼけ感が悪い方向にエスカレートした感がある。良く言えば余裕、悪く言えば馴れ合い、それが「味」だった前作と比べるのはいささか酷な気もするがどうしても観客は新しい物に飢えている。博士のニックネームがフランケンシュタインなのは純粋にオマージュなんだろうが、ちょっとオマージュのボリューム感多すぎ。体を張って助けたミゲルのその後を誰も心配してなかったり、シナリオの完成度も「ゾンビ」とは比べ物になりません。残虐シーンも規制のせいか意外に控えめだし、技術面である程度完成度を極めてしまった現在から見れば陳腐、過去の傑作に比べれば手ぬるい。よってこの映画をお勧めできるのはシリーズにある程度の思い入れのある方のみ、というシリーズ物にはお約束の出来。まあ「ゾンビ」のエンドロールで「お代わり~!」と言った人にはそれなりの懐古趣味的魅力はある。アメフトゾンビとかブライドゾンビ、バレリーナゾンビなどお馴染みゾンビ達のコスプレも見物。ショック度は高めだがその分俗っぽくなりました。まあこれで打ち止めにして正解だったかも。
6点(2004-08-29 03:23:53)
89.  ハンバーガー・ヒル
好きなタイプの映画でした。やはり同時期の傑作として「プラトーン」と比べてしまうのは仕方のないことなんだけど、あちらが「動」ならこちらは「静」と言えるのかも知れません。ドラマチックな仕掛けもなく、ただ淡々と10日間、小隊が少しずつ疲労困憊して行く姿だけを残酷なまでに描き切ってしまった。そこには両手を差し伸べて天を仰ぎながら倒れるエリアス軍曹のような姿はなく、ただボロボロに傷ついて行く若者の姿しかない。その部分が、むしろ「プラトーン」を絵空事にしてしまう部分がある。結局最後は「死者ン百名」として片づけられてしまうはずの名もない若者たちの姿をあまりにもミもフタもなく描いた結果、より生々しく戦争の無意味さを強烈に印象づけることに成功している。スター不在、見どころ不在、あるのはただ絶望感ばかりという実にマス受けしない作品だが、どことなくキレイごとになってしまいがちな「プライベート・ライアン」みたいなスター映画よりは正しいだろう。戦争って虚しいよね、というありがちなメッセージではあるが、どうせ描くならとことんやって正解だろう。「プラトーン」のドラマ性はもちろんあれはあれで必要なのだが、こういう地味なところをきっちり攻めた戦争映画も別の意味でアリだと思う。この戦争がどれだけ無駄だったか、誰もがその答えを知っている今だからこそ価値ある作品と言えるのかも知れない。私は好きですね。
8点(2004-08-24 01:31:43)
90.  華氏911
嫌な映画でした。相手がどんな人物だろうと、人の悪口をひたすら2時間2分聞かされ続けるのって、正直胸がムカムカします。ここまで徹底的かつ一方的に、1人の大統領だけを攻撃し続けるというのはモラルとしてどうなのかと思います。エモーショナルと言えば聞こえはいいですが、いったい何がここまでムーア監督の「私怨」をたぎらせるのだろう?と不思議に思いました。「ボーリング・フォー・コロンバイン」では自虐的な笑いである種の「愛」を見せてくれた監督だけに、この変貌ぶりには落胆させられます。わたしはジャン・リュック・ゴダールの映画を面白いと思ったことは一度もないのですが、この映画に対する「この攻撃は敵を利するだけ」というコメントには心の底から共感しました。ムーア監督自身「自分が金曜の晩に見に行きたいと思うような映画を作りたい」と述べているのを見て、頭がどうかしているのじゃないかと思いました。映画ではあたかもブッシュが全米の猛反対を押し切って就任したかのように描かれていますが、フロリダ以外の州でゴア対ブッシュが伯仲していたのは事実であり、そういった反証を一切省いて自論に都合の良い情報だけをこれでもかとばかり詰め込んだこの作品は、もはやジャーナリズムとは言えないと思います。もちろん「アメリカは呪われろ」と絶叫するイラク女性の姿や、WTCテロのシーンでは泣かされてしまうのですが、結局のところ憎しみは憎しみしか生まないと説いている作品に憎しみしか込められていないのではどうしようもないでしょう。だいたい満員御礼でハクをつけるためだけに単館先行ってえげつないでしょう。ミラノ座なら半日でさばけてますよ。アメリカでも同じ手口で話題性盛り上げたようですが。二度と見たくない映画です。
0点(2004-08-16 00:46:56)(良:10票)
91.  デアボリカ
極めつけのB、という感じですがわたしはけっこう好きです。こういう臆面もないB品って、かえって開き直ってて可愛い気がします。なんというか、半端にAマイナスを狙ったコケBよりは、確信犯のBが好き。って、これは単に好みの問題なんですけど。まあ見てからン十年経ってますし、コケBだったかも知れないですね。ちょっと自信なし。でも記憶の中での印象は不思議なほど良いです。ミドリも嫌だけどクロも嫌~(謎)
7点(2004-08-12 01:31:08)
92.  ボウリング・フォー・コロンバイン
いろいろな意味で、「愛」のある映画だと思います。自分の生まれた土地、自らも所属しているNRA、誰もが心のどこかで「信じたい」と思っているはずの母国、そのアメリカの「何故?」をどこまでもクールに描き抜くことで、決して他人事として糾弾するわけではなく、同じ目線で一緒に考えてみよう、という姿勢。時にユーモラスに、時に詩的に、どこかセンチメンタルに、それでも常に誰かが言わざるを得ない「何故?」に込められた深い愛情に涙しました。それは現代アメリカの抱える様々な矛盾であり、諸外国と比べた時に見出される明らかな異質性であり、そこに生まれ育つアメリカ人全てが宿命的に背負っている疑問です。マリリン・マンソンのコメントにある恐怖に支えられた商業主義は非常に核心を突いており印象的でした。ルイ・アームストロングの歌う「What a wonderful world」に乗せて綴られるアメリカとタリバンとの因縁の歴史とWTCテロのシーンではこみあげる涙を抑え切れずに泣きました。6歳児が6歳児を射殺する、高校生が校内で銃を乱射する、犠牲者となったクラスメイトたちや残る生涯を車椅子で生きて行かなければならなかった被害者、あまりにも残酷な現実の全てに向かい合い、他人事とせずに自分「達」の問題として考えて行こうとするスタンスには、あらゆることを政府の責任にして恥じない日本のマスコミには無いアメリカ人ならではの公平さを感じます。そして12万人の被雇用者を抱えるロッキード・マーチンが、この国にとって無くてはならない企業であるという現実からも、ムーアは決して目を背けてはいません。逃げないこと、目を背けないこと、それでも語るべきことを語る態度。この映画は「報道」ではなく「映画」として、ドキュメンタリーという手法に与えられた全ての使命をまっとうしていると思います。
10点(2004-08-10 01:01:25)(良:2票)
93.  リディック
どうも年齢的にSFやホラーで15分以内にのめり込めないと自分の感性が老化したためであろうと謙虚に考える癖が抜けないのだが、やっぱりどう考えてもコレはあまりにもダメだろう。とにかく設定が現実離れしすぎているために説明的な台詞が多く、ストーリーは幼稚かつ複雑。ドコを目指しているのかさっぱり目的の定まらない英雄像と、ありがちな展開、派手すぎてリアリティが完全にぶっ飛んでいるドンガラガッシャン。出演陣は地味だし、ヴィン・ディーゼルには華がない。メインキャラに黒人を多用してイスラム・エスニック色を強調したが、狙いがまったく無いために全て空振り。前半、ストロボ使ったアクションシーンとか、パーツで捉えればそれなりに面白いところもあったんだけど。やっぱり一番の重罪人はヴィン・ディーゼルだと思うなあ。これだけのスケールを全然、背負い切れてない。キアヌ・リーブスってやっぱり偉かったんだなあと妙な感慨を覚えてしまった。結局、どういう映画かと言うと見ているうちになんだか袋入りのインスタントラーメンが食べたくてたまらなくなるような映画。せめてカレーかハンバーグぐらいは連想させて下さい。とりあえず私がこれまでに見た最低最悪のブラック・ムービー。ケーソツにも「スター・ウォーズ」とか言い出しちゃった宣伝陣には、はっきり「バカじゃないのか」と言いたい。
2点(2004-08-08 02:13:18)
94.  ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版
やっぱり歴史に残る作品ってそれなりに凄いモノがあるんですよね。小さい頃にTVで吹替え版を見たっきりで、3部作のどれがどれかもよくわからなくなってたんですが、「ドーン・オブ・ザ・デッド」を機会に見直しました。背景に横たわる絶妙なテンションと、遊びを遊びとしてとことん遊び倒した作り手の姿勢は率直に言って素敵だと思います。こういう絵が撮りたい、こういうシーンが撮りたい、こんなストーリーがいい、ただ怖いだけじゃなくて世の中を俯瞰で見下ろすシュールな視線で撮りたい、「こんなに撮りたいんだから、お客さんも喜んでくれるに違いない」という突き抜けた熱意を感じる作品だと思います。この時代のホラーが私は大変好きですが、ホラーが最もホラーのためのホラーだったし、作り手がホラーをナメてない。お客もシビアに、真剣にホラーを楽しめた時代でした。回顧趣味的になってしまいますが、何につけても度を超した真剣さと、真剣すぎる遊び心というのは爽快さを生み出すものです。死者と生者を分かつもの、その深遠なテーマをとことん遊びながら、最後に呼びかけて来るものは、たとえどれだけ絶望的な状況にあろうとも決して「生」を諦めない人間たちの逞しさです。実はそれこそが、生きていることの証でもあるわけですが。ホラー映画はやっぱり、真剣に見なければわかりません。 (ああ悔しい。100番踏みそこないました。)
10点(2004-08-04 01:02:33)
95.  ロスト・イン・トランスレーション
良かったです。批評家の焼き直しになっちゃうんであんまり言いたくないですが、ここまで笑いとペーソスに溢れたハリウッド映画というのはこれまでわたしが知ってる限りでもごく僅かだと思います。ただし劇場でげらげら笑い続けているのは案の定私だけでした。こわい顔してた通路の向こうの人、ごめんなさい。名刺を差し出しまくる日本人スタッフ、めちゃくちゃな上に異常に語尾を上げまくる日本人独特の英語で自信たっぷりの通訳、こわいディレクター、ニコリともしないウェイトレス、ひたすら動揺・困惑して途方に暮れるビル・マーレイ、これはオスカー獲ってもおかしくなかったと思います。ソフィア・コッポラ32歳、既に親の七光りは通り越して恐ろしい感性を発揮してます。人生の侘び寂び、若さと円熟、異国の地ならではのセンチメンタリズム、スタイリッシュでありながら決して現実を素通りして行かない鋭さは鳶から生まれた鷹かも知れないとさえ思わされます。描かれた東京、日本の風景は厳選されており無駄がなく、登場する日本人達は圧倒的にフツーです。日本ではまずウケないタイプの映画ですが、私は大爆笑し、素直にしんみりし、じーんと感動して劇場を出ました。後味の良い映画でした。これは傑作かも知れないと思います。だからビル・マーレイって凄い。
10点(2004-07-30 01:06:49)(良:2票)
96.  TAXi2
1作目よりおバカ度に磨きがかかっていて、正直こっちの方が私は好きでした。特にお父さんの将軍、ヘリコプターの中で何であんなカッコしてるんだぁ、みたいな、ああいうワケわかんない展開っていいですね。ちょっとジェリー・スティラーに似てるし。相変わらず妙に世間が狭いというか出来すぎたホームドラマと刑事モノのアンマッチ度がいかにもバカバカしくて私は大好きです。出て来る日本人の日本語がネイティブなのも安心して観てられていいですし、今回は女性陣の活躍ぶりもなかなか華やかで楽しめました。あいかわらずどこに突っ込んでもピカピカのプジョーはバットモービルやデロリアンを凌駕しています。個人的にこの違和感がたまらなく良いので、この勢いで3も観ます。あ~やっぱりリュック・ベッソンっておかっぱ頭の女性が足を見せてるのが好きなんですよね。このぐらいの露出度がほどほど感があって良いかも。
8点(2004-07-30 00:54:44)
97.  TAXi
今までリュック・ベッソンの作品で観て良かったと思ったのは「ジャンヌ・ダルク」1本だけ、残りは全て「観るんじゃなかった」だっただけに今回の収穫感は大きい。よって著しく点数が高めに歪められた可能性はあるが、これはけっこう面白いんじゃないかと私は思った。主人公の微妙な不細工度が非常にちょうど良く、けっこうこの好感度に依存しているような気はする。他の車がボコボコになって行く中でサミー・ナセリのプジョーだけがどんなに突っ込んでもピカピカのまんま、というのが泣かせる。ホームドラマと刑事物のかなり無理目なバランスもフランス映画ならではの良い味出しているし、フランスのおバカなコメディに抵抗のない人ならわりと素直に楽しめるんじゃないだろうか。ハリウッドよりこっちの方が似合う監督なんだろうな、きっと。
8点(2004-07-30 00:48:45)(良:1票)
98.  ブレス・ザ・チャイルド
観る前からだいたいどんな映画か想像がついてしまったので、実際に観ても特に驚きもなければ落胆もなかった。クリスティナ・リッチはやっぱり好きなのでそれなりに何をやってても喜んでしまうキケンなファン心理。加えて子役はとてつもなく可愛いし、キム・ベイシンガーもクリスティナ・リッチと共演するのはさすがにキツくなって来たけどやっぱりキレイだ。(対する男優陣はパッとしない顔ばかりだ。)しかしコレに物凄い期待を賭ける人もあんまりいないと思うので、そういう意味でのリスクは限りなく低いと言える、ある意味良心的な小品。残念ながらお値ごろ感には欠ける。こういう映画は雰囲気一発、選ぶかどうかは好みの問題だと思うので、出来は悪いがわたし自身が期待した程度の内容ではあった。原語で観てたので字幕をつけてたらもうちょっとつまんなくなったかも知れない。やや点数甘め。
7点(2004-07-30 00:42:23)
99.  REM レム
たまたまマタ~リしたい気分の時に選んだので、それなりに満足の行く内容ではあったのだが、出来の良し悪しという話になるとかなり微妙かも知れないな、とは思う。全編ジェフ・ダニエルズのほぼ一人芝居だし、妄想と現実が交錯する彼の家にいろんな人が現れたり、去って行ったりする、この手の仕立てにありがちな絶妙なマタ~リ感は好きな人は好きだろうしダメな人はとことんダメだろう。ワクワクしたり、ハラハラ・ドキドキしたりは絶対出来ないので、ある程度覚悟を持って視聴されることを強くお勧めしたい。しかも全然コワくないので、就寝前にマタ~リ鑑賞してもうなされる心配も皆無。ただし困ったことに私はこういうのがかなり大好きだ。胸を張って人様にお勧めできないところが辛い。たまには「いい作品を勧めてもらって良かった」とか言われてみたいナ。現実には、なかなか難しい。
8点(2004-07-30 00:35:16)
100.  ジュラシック・パークIII
あのー。あのー。とっても言いにくいんですけど作を追うごとに面白くなって来てしまいました。とにかくストーリーがどんどんどうでも良くなってコワれて行くのがもうたまりません。これと相反して特撮レベルや人喰い恐竜の暴れっぷりは回を追うごとにエスカレートして行き、メンバーの食われっぷりも読みにくくなって来ました。果ては「恐竜は人間よりも知能が高い」と来てはもうグーの音も。グー。マイケル・ジェターとウィリアム・H・メイシーが同じ映画に出て来てしかもこんなに扱いが違うなんて。4作目にブシェミが出て来たら「ファーゴ」一巡するなあ、とかテア・レオーニって顔がニコラス・ケイジに似てるなあとか、ワケわかんない感動してるうちにあっという間に終わってしまいました。あっさりすっきり。よくわかんない後味ですけどこうなったら是非4作目にチャレンジして戴きたい。ダメか。やっぱり。喜んでるのアタシ一人だもんなあ。
9点(2004-07-21 01:31:10)
0121.86%
1121.86%
2172.63%
3264.02%
4304.64%
5517.89%
67611.76%
710416.10%
813120.28%
910115.63%
108613.31%

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