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53羽の孔雀さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 245
性別 男性
自己紹介  映画史や映像技術には全く詳しくないので、単純に面白いと感じた度合いで点数をつけさせていただきます。
 よろしくお願いします。

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81.  暴力脱獄 《ネタバレ》 
う~~ん良い作品。邦題に騙されることなかれ。大脱走やアルカトラズからの脱出、パピヨン、あるいはショーシャンク系統の「脱走もの」ではなく、テーマとしてはまず間違いなく「ニューシネマ」です。シーンのほとんどはム所で、確かに主人公は脱走を行うけど、本筋はどう考えても脱走にはありません。「ずっと計画してたのか」に対するポール・ニューマン扮する主人公の答え、「計画などしたことはない」、ここに全てが集約されます。自由が渦巻いていた時代に、管理社会が訪れる。もはやむしろ「自由人」は少数派。自由にあるがままに生きるのがが正解だ!と誰もが心の中では思っていても、容赦ない権力と管理の波が自分をそれに向かわせない。だからこそ、周りの人々は本作主人公のような自由にありのままに生きる人間に憧れを覚える一方で、あと一歩そちらには踏み出せない。もはや自由を支持することは圧倒的少数派になってしまっているから、自分を曲げてでも「管理社会側」につくしかない。この社会で「自由側」につくにはあまりにもリスクが大きい・・・。と、いう一連の描写がとても良かったです。ただターニングポイントで本作の主張を表す露骨な台詞がいくつかあって、いい感じの流れで作品に入り込んでる最中にブレーキがかかる感じが勿体なかった気がします。あと全体的に動きは少なめでテーマありきなので、ニューシネマがあまり好きではない人にとっては若干退屈かもしれません。
[DVD(字幕)] 7点(2015-07-04 01:39:55)
82.  牛泥棒 《ネタバレ》 
傑作ですね。テーマは「冤罪」、裏テーマは「法(良心)」でしょうか。現代日本でも往々に起こりうる冤罪というテーマを通し、良心を説く。  ラストシーンの手紙の「法こそは良心なんだ」。深いですね。捉え方によってはそんなわけない、ともなりそうです。「法こそは良心」つまり「良心こそは法」であると。手紙の「法」を「良心」に読み替えるとすっきりします。「法(=良心)とは正義のすべて、そして善悪のすべてだ」「人々が良心(=法)を持たないと文明は成立しない」。なるほどその通りだなと。この場合の「法」は法律とかの成文法のことではなく社会一般のルールのことですね。  また、冤罪にされた男が手紙に記した、自分に私刑を施した連中に対しての「彼らは善い人だ。あおられていたんだ。彼らが可哀想だ」という一文。一番の良心を持っていたのは、良心に従わない者たちによって私刑に処された彼だったと。なんというか、グッとくるものがあります。  本作は登場人物が多く上映時間も短いですが、それぞれきっちりとキャラが立っており、会話劇の面白さがより際立ちます。  なおDVDでの視聴ですが、パッケージ裏のあらすじは開幕からほぼ閉幕までの完全なるネタバレでした。笑
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-02 22:57:25)
83.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
自分がコンピュータに全く詳しくないからでしょう。全体的にすごくフワッとした印象を受けました。何が起こったから何が起こり、何をすれば良く、何が起こると駄目なのか、なぜそうなるのか、一体どういう状況なのか・・・。筋はもちろんわかるのですが、何かおぼろげというか、どうもモヤッとしたまま進んでしまった。また、視聴者からはゲームとわかっているので、ソ連の攻撃だ!と言われてもいまいち緊迫感に欠けてしまった感もあります。 ただ、テーマ自体は面白く、コンピュータに無益さを学ばせるという発想とその手法には感心させられました。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-28 02:09:07)
84.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
あらすじを見た段階での予想:主人公はお人好し。周りの全員はそれ故に主人公を好きでもあるが、ここ一番って時に自分優先でそれを利用しようともする。ついに心が折れた主人公は自殺を図るが、天使が現れる。天使の力で、主人公は死んだものと見せかけつつ幽体離脱的なことが可能となる。天使となり客観的に自分が死んだ後の世界を見た主人公は、本当は自分は愛されていたんだということを知る。天使の力で一度だけ生き返り、大団円。 実際:何もかも上手くいかない主人公がいっそ死んじまえ!となるが、天使の力で自分がこの世に生まれてない世界を見せてもらい、結果、あ、自分なんかでも生きる価値あるんだ、と思い直し、心を入れ替えて大団円。  要は、期待した内容とは全く違ったということですね。笑 ファンタジーはファンタジーなんですが、天使要素は割合的にかなり少なく、リアルな人生描写がほとんどです。夢があるのに周囲のしがらみがそれを追うことを許さない。その鬱憤を抱えたまま家族を持ち、いよいよ引き返せないって時にその「現実」のほうも絶望的な状況になる。俺の人生は何だったんだ!という感情、しかも自分が死ねば他人は幸せになるのではという状況がプラスされて、ついには自殺を図る。いやーリアル、リアルです。まさに現代日本じゃないのかこれはと。しかしそれ故に、「その程度で死ぬな」「もっと辛い人間は大勢いる」という発想が頭の隅に浮かび、どうにも共感しづらいまま後半に突入。  しかしそれでも、後半のさらに後半、最後の最後の怒涛の恩返し幸せラッシュでうるっときてしまった。今までの人生の不幸をその一瞬で帳消しにしてしまうほどの他人からの暖かさ。これがあるから、素晴らしき哉、人生、ですね。
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-27 03:58:28)
85.  ブリジット・ジョーンズの日記
「32歳」の主張が弱かった気がします。というか、やってることが結果的に10代20代のそれと一緒なので、そっちに目がいっちゃって32歳という設定が相対的に弱く見えちゃった、というところでしょうか。真面目な男とチャラ男に同時に言い寄られ云々・・・ってもはや32歳関係ない普通のラブコメなのでは。あと太ってる扱いされてましたが、これも主張が弱く、痩せたと言われても、え、そう?と思う程度でした。まあそこは映画なので難しい。普通のラブコメが主で、32歳とか太ってるとかは味付けな本作でした。恋愛ものとしてはそうなるのも当たり前なのかもしれないけど、何か勿体ないというか・・・。それにしても、良い友達だなぁ。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-22 05:55:19)
86.  アポロ13
面白い!結果どうなるかは誰でも予想がつくところだけど、それを置き去りにしてなお引き込ませる緊迫感・臨場感が本作にはありました。いつの間にか見入り、「こちらオデッセイ」で一緒にガッツポーズですよもう。宇宙とか有人飛行とかの知識が全く無かったのがむしろ良かったのかも。逆にいえば、入り込めないと「結局こうなるんでしょ」となって退屈なのかもしれません。  科学的な専門用語は多いですが、一般向けのわかりやすい説明が随所に入ります。それくらいわかるよ笑、というところでも入ってきます。なので、知識が無くても無問題と思います。医療ものじゃないのに医学に対する批判が若干強めで「ん?」と思いましたが、結果的な事実に基づいた映画的演出と考えれば、あ、そういうことか、となります。   それにしても、自分の無知さがはっきりわかると同時に、新しい知識もつきます。「月に行く」「事故の映像」だけ見ると、発射さえ成功しちゃえば言うて大丈夫なんでしょ?といつの間にか思っちゃってた恥ずかしさ。実際は当然そんなことはなく、各分野のプロフェッショナルが一体となって全身全霊を賭して挑むのが「月」という夢なのだと。自分の全力を発揮して、でも一人じゃどうにもならないから協力して、一つの目標に突き進む。これは綺麗すぎる見方ですが、でもやっぱり熱いし、そういう環境に身を置けることが羨ましい。クルーでも管制塔メンバーでも、あの一員になりたいなーと思わせられる今日この頃です。  【追加4?周目】  最高。「宇宙ものSF」の時点で好きなんですが、いやー何回見ても良い!というか、実話なんて信じられないです。ていうかほんとに実話ならSFじゃねえし。それほどに「マジで!?」と思うシーンの連続。「演出的に強くいったんだな」と強がりつつも、それを抜いてもハラハラドキドキ、皮一枚スレスレ。演出も演技も、何よりキャラクターが素晴らしい。「こちらオデッセイ」時のガッツポーズが周回を重ねるごとに派手になっていく私。  トムとジーンが最高にカッコイイ。というか、管制室の皆(一部除く)がカッコイイ。トムは悔しかったはずなのに、本当に悔しかったはずなのに、それでも仲間の生還のために死力を尽くす。何が何でも電力を絞るためにたどり着いた発想「LEMからオデッセイへ電力を」はもうさすがとしか言いようがない・・・。ジーンは判断力がやばい。自分の身分がどうのとかそんなことは知らんが、とにかくあんな判断できんて。そして皆が皆全力を尽くす。1つの目的のために全員が全身全霊全力で挑む。元々頭の良い奴らが集まって、それでも対処がわからないそれまでのパターン外の状況でも、諦めず、積極的に、強気に、できる限りの力を尽くす。いつパニックになってもしょうがない状況でも冷静に思考し、振る舞い、動く。カッコイイとしか言いようがないよ。
[DVD(字幕)] 9点(2015-06-22 03:11:52)
87.  トレーニング デイ
面白いとは思います。しかし、終始アロンゾがうざすぎる。そのための胸糞悪さ、モヤッと感がずーーっと続いてしまった。シーンとしては衝撃の連続で見入らされるんだけど、もっともらしくわけのわからんことをドヤ顔で言うアロンゾにイライラしっぱなしでした。故にラストは当然の結末ですね。
[DVD(字幕)] 6点(2015-05-25 20:42:37)
88.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
コメディと涙、この2点に特化しまくってますね。笑わせながら泣かせてくる。次点で「あ、そうそう!」という感じのさりげない伏線が良かった。135分という上映時間はあってないようなもので、見入ってるうちに終わる。あっという間でした。  9つの恋愛パターンということで、それは未来でもあり過去でもあり、どれかに当てはまってしまったり、共感できてしまうのがずるい。少年時代の初恋であったり、実らないとわかっている片思いであったり、立場の壁であったり、夫婦の愛であったり・・・。多分見る時々の状況によって、入り込み方が変わる作品かと思います。  個人的に好きなのはポルトガル人との恋と、アーティストのおっちゃんの友情シーン。ほぼ絶望パターンなのに奇跡を願って互いの言語を勉強している愛、一瞬の欲よりも今までの感謝と友情を優先する愛・・・いやー良い。良すぎます。  あと映画だからなのかお国柄だからなのか、日本人ではこうはならんやろ、という点がちらほら。その感覚は羨ましくもあり納得できなくもあり。しかしそれを含めてプラスにできるだけの面白さが本作にはあると思います。
[DVD(字幕)] 7点(2015-05-25 04:31:17)(良:1票)
89.  逆転法廷 《ネタバレ》 
裁判をテレビで放送し、さらに視聴者が判決を下すという設定自体は面白い。が、それ以外が残念・・・。 ■設定について■ こういう設定にするのであれば、人々の狂気を描くとか設定を番組関係者以外が逆利用するとかもっと設定を活かしてほしかった。結局単なる正義感溢れるおじさん弁護士の話になってしまっている。 ■テーマについて■ 結局何が言いたいのかがわかりづらすぎる。というのも、アメリカ司法制度への苦言ないし皮肉なのか大衆社会への批判なのか「正義とは何か」なのか等々、あちらこちらにふわっと寄り道するので消化不良というか、イマイチ入り込めず。 ■展開について■ 主人公の家族の描写がザ・中途半端だった。裁判が感情論のオンパレードだった。結局死刑執行されるんかい!の後にお決まりの先読み可能パターンがきて、拍子抜けだった。 ■カメラワークについて■ 動きすぎて見づらい個所が特に序~中盤に多く、しかも長い。一部酔いそうだった。
[DVD(字幕)] 3点(2015-05-20 00:44:18)
90.  ジョンQ-最後の決断- 《ネタバレ》 
合わず。それは自分が子を持つ父親ではないからなのか、アメリカの医療・保険システムの知識がないからなのか・・・。  自分の愛する人が実質実現不可能な心臓移植が必要となったとき、何が何でも救いたいという気持ちは凄くわかる。しかし本作はそのやり方が大問題な気がしまくりました。要は「息子を助けなきゃ一般人を殺すぞ」と。そうさせたのはアメリカの医療・保険業界だ、社会のせいだ、という主張。ですがやはり私の感覚では共感できない。  「医療は奉仕ではない」、至極その通りだと思います。患者が「医者は患者を救って当然だ」というのはコンビニの客が自ら「お客様は神様だ」という主張と同種な気がします。サービスを提供する側が言うならともかく、サービスを受ける側、やってもらってる側が自ら主張しちゃうのはどうなのか。文句があるなら別に病院に来なきゃいい。自分が医者になればいい。というのは暴論かもしれませんが、どうもそういう感覚が拭えません。なので、病院で院長やドクターに喧嘩をふっかけ、他にも同じ状況の人がいるだろうに彼らを無視して自分だけ特別扱いを強要し、あろうことか犯罪に走るその姿は、ヒーローどころかむしろ悪役にしか見えませんでした。そういう意味では、過去に血の滲む努力したが差別やいわれなき理不尽で医者になれず金も稼げず八方塞がりで、あの状況になるしかなかった、という描写があれば見え方が変わっていたのかもしれません。
[DVD(字幕)] 3点(2015-05-14 01:24:13)(良:1票)
91.  カサブランカ 《ネタバレ》 
恥ずかしながら今更初見。いやーうん、素晴らしいですね。タイトルは嫌というほど聞いたことがあり、恋愛ものということも知っていました。そしてこの年代の作品なので、まあ今でいうベタで王道、先読みが効いてしまう系の作品なんだろうなーと思っていたら、そうではなかった。  メインテーマは恋愛なんだろうけどそれと同じくらい時代背景がかなり強く出ている作品だった。「恋愛もの」というより「第二次世界大戦下の恋愛もの」です。いわゆる名作で未見のものは前情報無しに見ることにしていますが、見終わった後気になったのが製作国。で、本サイトでアメリカ作品と知って「あ、やっぱりね」という感じ笑。みなまで言わないまでも、そんな作品でもありました。  さて内容に関して、「納得いくか」と言ったら納得できない点はやはりある。焦点はズレますが、最も納得できなかったのは「情」によってルーレットで当たりを引かせるシーン。気持ちはわかるけど、オーナーとして特定の客に意図的に利益をもたらす行為は(事前に賄賂を受けたとかいう個対個の事情を除いて)絶対にやっちゃいけないことだと思います。客にもそれぞれ、遊び目的で捨て金でやってる客、ちょっと腕に覚えがある客、そして素人ながら人生を賭けている客と様々です。過去の経緯はともかく、それらは実力が同じなら確率的に平等に扱われなければならない、それがいわゆるギャンブルの大前提だと思います。この場合の確率はもちろん「ディーラーは意図的に特定の目に振れる」ことを前提とした確率です。ディーラーの腕、イカサマの可能性、そして自分の腕、それら全てを総合してなおかつトータルプラスにすることこそが実力だと思います。  ・・・逸れましたが、結局、「納得いくか」の減点を超える面白さが本作にはありました。恋愛ものの十八番である心理描写の深さもやはり良く、男女の考え方の違いや立場の違い、「この立場だったらこう考える」の表現が絶妙でした。そこに友達、商売仲間、恋人、というどっちかというと「個」主体の関係だけでなく、戦争、国という「全体」主体の関係が見事にそれぞれのキャラクターに集約されて、誰が出てきても飽きさせないし、どのシーンをとっても魅入らされる作品になっていると感じました。
[DVD(字幕)] 8点(2015-05-13 00:33:44)
92.  禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 
名作ではあるんだけど、当時としては問題作でもあったんじゃなかろうか。  十字架を足蹴にし、墓から引っこ抜き、死を前提とした「お墓づくり」を楽しむ子供たち・・・子供たちに深い意図などあるはずもなくただひたすらに純粋なのだけど、それ故に怖い。すごく怖い。
[DVD(字幕)] 7点(2015-04-13 22:34:25)
93.  グローリー 《ネタバレ》 
西部劇ではお馴染みの南北戦争ですが、内部も内部、最前線のしかも黒人部隊を描いているというのが驚き。  黒人といえば南部で、被差別側で、白人は敵!という描かれ方がマジョリティなもんだから、北軍(白人)の掲げる自由に依り、誇りをもって一丸となって南軍と戦う黒人、という描かれ方は衝撃で、また、よくよく考えば確かにそういう人たちだっているよな、と納得もしました。  現代でいうところの「管理職の辛さ」を味わいまくるショー大佐ですが、部下からの信頼は絶大。それはひとえにレッテルに囚われずに黒人であろうと一人の人間として平等に接したというのが全てでしょう。黒人であろうと白人であろうと悪い奴は悪い、というのが焼き討ちシーンを筆頭に示されていました。  あまりにも素直すぎる黒人たちや結局アメリカ賛美の映画っぽい描かれ方には多少なり違和感もありますが、純粋に個の尊厳を扱った人間ドラマとして、良い作品だと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2015-04-05 03:18:07)
94.  遠い空の向こうに 《ネタバレ》 
シンプルに良い作品、という印象です。一口に夢といっても色んな形があるんだなぁと思いました。周りの誰もが応援してくれて、自分も迷いなく突き進んでいたら実現した夢、周りには反対する人も賛成する人もいて、自分自身も迷い、決断した結果成功した夢、周りはほぼ皆反対で、最悪全てを捨てる覚悟で自分を貫いた結果実現した夢。本作は2つめにあたると思います。1つめと2つめ、3つめの決定的な違いは、周囲の目です。1つめならば迷うことなく夢を目指せば良いだけですが、2つめと3つめは必ず迷い、葛藤し、苦しみを味わうことになる。そしてまた、夢の実現を考えるとき必ず考慮しなければならないと思うことは、成功した人の影には数限りない無数の挫折・失敗した人がいるということだと思います。そういう意味で、本作はその挫折の描写が若干不足していたように思います。もっと主人公に絶望を味わってほしかった。この上なく苦労する描写がほしかった。もっと深く考え、計算して動いてほしかった。その上で、成功してほしかった。もちろん現実にはそんなものは無いに越したことはないのですが、映画として描く以上、そういった描写が深ければ深いほど感情移入し、感動できたのでは、と思います。
[DVD(字幕)] 7点(2015-04-05 00:39:28)
95.  フォレスト・ガンプ/一期一会 《ネタバレ》 
あんまり合わず。主人公フォレスト・ガンプの半生とアメリカの歴史を融合させた本作は、フィクションを超えた「おとぎ話」という表現がまさにピッタリかと思います。アメリカの歴史はよくわからんので内面に焦点を当てたレビューになりますが、ただ純粋に真っ直ぐなフォレストは結果として周りの人々を勝手に引きつけ、いつの間にか本人も大成功といういわゆる三方両得、win-winの関係を築きます。フォレスト自身が自分にピッタリと言うように、軍人のような真っ直ぐ(偏見ですみません)な人や信仰ランナーのような純粋な人への影響は早く、ジェニーのような幼少期から社会の理不尽に巻き込まれた人への影響は遅く、中尉のような成人してから理不尽に見舞われたような人への影響は軍人よりは遅くジェニーよりは早く訪れる、つまり全ての人はすべからく「プラス」の影響を遅かれ早かれ受けるという描き方がなされている、と思いました。もしフォレストのような人がトップだったら、大統領暗殺やベトナム戦争を回避できたかもしれないというおとぎ話としての側面も本作にはあるのでは、と思います。  ただ、純粋でない私が目に留まるのは、上手くいきすぎだろ、という点です。『ルディ』に影響されまくり、全くの無知識ド素人にもかかわらずアメリカンフットボールを舐めるな!と思ってしまったり、他の人生捧げてる漁師さん差し置いて運のみでエビ獲ってんじゃねえ!とか思ったり、幼少からの大恋愛を絶望状況から成就させてしかも幸せ全開で子ども育ててんじゃねえ!とか思ったり、大部分です。まあおとぎ話なんだから何やったっていいわけですが、如何せんそれが尺の大部分を占めすぎで、そこに目がいってしまいます。  もし伝記、ノンフィクションなら素直に感動するところだし、本作の主張はそこじゃないというのもわかりますが、単純な面白さでいえば初見5点、それが率直な感想です。
[DVD(字幕)] 5点(2015-03-27 01:48:19)
96.  ルディ/涙のウイニング・ラン 《ネタバレ》 
やばいぼろ泣き。現在進行形であっても過去形であっても、夢を持ったことがある人にはグッとくるものがある、そんな作品だと思います。  主人公ルディは「熱意」だけは誰にも負けない選手として描かれる。しかしもうひとつ、夢の実現のために必要なのは「勇気」だと思うんですよね。ルディでいえば、例え彼女と別れても、親に反対しても、体格や運動能力に恵まれていないとわかっていても、夢の実現のためにここぞ!というターニングポイントで一歩踏み出す勇気。それこそが最も重要で、最も決断が難しい要素だと思うのです。例え勇気を出して一歩踏み出しても、それが報われるとは限らない。ルディのように夢を実現できなかった人たちが、それこそ数限りなく存在すると思うのです。しかしそこに全てを賭けるからこそ成し得る夢があるというのもまた事実。「人生とは賭けの連続だ」とは言うものですが、それが正しかったのかどうかは本人にしかわからない。逆に言えば、本人が後悔しなければそれは最上の選択なのではないでしょうか。だからこそフィールドの整備士さんの「今辞めたら一生後悔することになるぞ」「証明とは自分自身に対してするものだ」という言葉が突き刺さります。  また一方で、「自分の夢を追うことは他人を傷つけることになる」というのもその通りだと思います。他人の思いを犠牲にして、自分の夢に投資する。もちろんそれが正しいとは絶対に言えないし、自分の夢を犠牲にして家族や彼女の幸せをとる、それは全く間違ってない選択だと思います。だからこそ決断が難しく、自分だけにしか答えの出せない(しかも賭けを含む)難問なのでしょう。そういった意味で涙を禁じ得ない、なんともニクい作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-24 03:10:01)
97.  ビッグ・フィッシュ
非常に練られているし、考えさせられもする。かなり良い映画です。しかし、如何せん自分の苦手分野であり、正直なところ合わなかった・・・。見るタイミングが悪かったのかもしれない。全体的には、ファンタジーとリアルを合体させ、文学的な表現が多い作品だったと思います。前半はファンタジー9割で、後半に進むにつれリアルが浸食、そして全編通して文学的表現が他の映画より強め。国語が得意で、ファンタジーが好きな方にはストライクかと思います。私はその逆なもんだから、「素晴らしい」よりも「合わない」が前面に出てしまった。前半は申し訳ないけど退屈でした。前半にばら撒かれたパーツを後半に綺麗に回収していく様は見事だったけど、「どこまでがリアルか」を含め、全体的にぼやける感じの描き方はどうにも苦手なんですよね・・・。ただ一つ、親父の人生・価値観は凄く羨ましいものであるというのは間違いなかったです。
[DVD(字幕)] 4点(2015-03-08 01:51:01)
98.  アメリカン・ヒストリーX 《ネタバレ》 
また素晴らしい作品に出合った。「人に影響を及ぼすのは常に人である」。そんな内容だ。本作で描かれるのは白人至上主義、人種差別問題であるが、それ自体は表面であり、本質はもっと深いところ、人の深層だ、と言っているように感じた。  現代日本でも、デレクやダニーのような人は身近にいる。主張が正しいとか正しくないとかそういうことではなく、「自分が絶対的に正しい」と信じて突き進む人。この場合問題なのは本人の中では理屈が成り立ってしまっていることと、それ故に方向転換が非常に効き辛いということだ。故に、発想は「周りが間違っている」であり、そこから自力だけでベクトルを移すのは容易ではない。とすると、つまるところ、自分もデレクやダニーと同じということを否定しきれない。デレクの場合は刑務所という強制力によってベクトルをずらすことに成功したけれど、特殊事例だ。つまり、逆に大多数の人はそれに気付けないことになる・・・。  ラストシーンで黒人が白人を射殺する描写は、いわゆる「黒人だって同じ人間なんだ」「人類皆友達なんだ」という、ありがちなある意味上から目線なテーマを退けている。黒人かどうかなど関係なく、結局重要なのは「人との相互作用による変化だ」と言っているように思える。まあ相互作用による良変化の結果行き着く先は、「人類皆友達」なのかもしれないけど。とにかく、シーツのシーンに集約されるように、荒っぽく(本作でいう「怒り」)だけじゃなく柔らかさをもって接しよ、というのがこの映画の主張なのだと思う。  本作では、白人主義や人種差別という、「潜在的自分主義」が最も顕著に表面化される(映像化し易い)イベントを描き、同時に人が人に影響を及ぼす過程を綿密に描くことで、入り込みやすく、考えさせられる作品に仕上がっていると思う。時にプライドを捨てて、納得できなくても他人の意見に耳を貸すこと。わかっていても、これが中々に難しいんですよね。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-07 03:24:36)
99.  ミッドナイト・ラン 《ネタバレ》 
いやー非常に面白い。ロードムービーといっても、「スケアクロウ」や「レインマン」、「パーフェクトワールド」等とは全然違い、エンターテインメント性がかなり強いですね。渋みや哀愁、郷愁などはほぼ皆無で、どちらかといえば「天使にラブソングを」の屋外版といったほうがしっくりきます。小気味良い会話、シリアスな場面なのに軽快なBGM、そして何より、おっちゃんなのに愛らしいそれぞれのキャラクターが私にはストライクでした。  賞金稼ぎの主人公とそのターゲット、マフィア御一行、FBIの皆様、同業の賞金稼ぎ、それと金貸し屋。この5グループが互いに関連しあいながらドタバタと絡み合い展開されるストーリー。常に目が離せない展開。ちょっとした笑いや決め台詞もきっちり決めて、また見たいなあと思わせるような素晴らしい作品に仕上がっていると思います。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-05 23:28:49)(良:1票)
100.  フォックスキャッチャー 《ネタバレ》 
「面白い映画」というより「良い映画」ですね。終始言葉少ないしっとりと落ち着いた雰囲気で、ちょいちょい強すぎないアクセントが入る。いかにも伝記ものという感じの大人向け作品です。  レスリングを題材としていますが、戦略を練ってチームの皆で力を合わせて勝利!とかいうものでは全くなく、主役級3人による人間ドラマが9割です。よって、レスリングのルールが全くわからなくても無問題です。   マーク、デイヴ、デュポンの3人はレスリングを通して繋がる。それは互いにとって有益なものとなるはずが、心のすれ違いによって真逆の結果を生む。世界一を望むマーク、家族(マーク含む)の幸せを願うデイヴ、自分の居場所を見出したいデュポン・・・その全てが叶わない悲劇。もしそれぞれがもうちょっと上手く関連しあえれば、きっと最強のチームになっていただろうし、全員が幸せになれたのでしょう。なんともやるせないというか、もの悲しい結末です。
[映画館(字幕)] 7点(2015-03-02 16:15:16)
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