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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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981.  デス・レース(2008) 《ネタバレ》 
設定も展開もやりたい放題なのだが、『デスレース2000』に比べるとまだある程度の辻褄が合うような未来世界になってる。刑務所外の熱狂が数値でしか出てこないのでイマイチその未来世界の顔が見えてこないのも「逃げ」の演出か。ブラックさも自由さも先の作品に遠く及ばない。のだが、展開もさることながら車も「チキチキマシン猛レース」な前作に対して「マッドマックス」な今作ということで全く趣向が違う作品になっており、これはこれで楽しかったのも事実。というかアクション主体のこっちのほうが楽しいかも。人の命を米粒ほども思ってない前作と違い、妻を殺され陰鬱な気分にさせてくれる展開はまさに『マッドマックス』。ナビ役が女子刑務所からのビッチ系キレイなオネーチャンたちというグラインドハウス映画的アホらしさがステキ。どうせならもうちっとエロが欲しかったけど。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-10 11:28:37)
982.  栄光のル・マン
昔はよく見たなあ、ル・マン24。チャージ・マツダが活躍してた頃。で、マツダが総合優勝した翌年にロータリーエンジンが締め出されちゃって、それからあんまり見なくなった。見るっていっても当然24時間見てるわけじゃなく、でも途中途中でただ延々と走ってる車を見てた。レースってのはそれでも面白くって、たぶんそれは一歩間違えば死ぬことだってありえるスピードで走っているという緊張感が伝わったり、チーム一丸ってのがガンガン伝わってくるからなんじゃないかと思うんだけど、娯楽映画という媒体は車といえばクラッシュで、だから公道を違法にぶっ飛ばす車のほうが映画にしやすくって、画的に単調なレースってのは映画にしにくいはずで、実際のところカーレース本来の面白さってのを見せた映画ってあまりない。そんな中でこの映画はクラッシュシーンは控えめながらあるんだけど、とにかく緊張感とか高揚感とかレース本来の面白さを映し出そうとしている稀有な映画。後期のマックィーン出演作って、マックィーン自身がなんらかの形で製作に関わっていることが多く、関わった作品の大きな特徴がリアリズム。この映画もクレジットこそされていなくても間違いなくマックィーンが作った映画だと思う。娯楽映画としては物足りなさもあるんだけど、彼のリアリズムの世界に彼が佇むともうそれだけで絵になってるのは確か。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-09 17:06:41)
983.  コクーン 《ネタバレ》 
欲望の塊のような老人たちの醜悪な行動がはるか彼方から仲間を救いにやってきた宇宙人たちのその仲間たちを無残にも殺してしまう。とんでもない蛮行である。にもかかわらず宇宙人たちは老人たちを死の訪れない世界へ招待してくれるという。我も我もと群がる老人たち。友好的宇宙人と接触するには子供、あるいは子供のように澄んだ心の持ち主と相場は決まっていたが、この映画の超友好的宇宙人たちはなぜ老人を選ぶのか。それは老いた者にとっていかにこの世界で生きてゆくことが厳しいものかを宇宙人たちがその醜い蛮行の中に見たからだろう。でも宇宙人たちにはそれがわかったが、我々にはいまひとつそのへんの絶望とやらが伝わりきれていないかもしれない。娯楽映画なんだし、あんまりリアルな絶望を見せられても困るのだが。あまり必要とは思えない若い男と宇宙人の女との恋とか触れ合わない愛の営みとか別れとかいうのは無理矢理にでも入れなきゃならなかったに違いない。ハリウッド資本というのはいろんな縛りがあって当然。そんななかで無難に仕上げてみせたロン・ハワードの力量は相当なものだと思うが、一方で物足りなさも拭えない。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-03 17:51:04)
984.  ノーバディーズ・フール
ポール・ニューマンはどの映画に出てもポール・ニューマンで、しかもいるだけで目立っちゃう人。スターだから。ブルース・ウィリスもまたどの映画でもブルース・ウィリスで、やっぱりこの人もいるだけで目立っちゃう人。クセのある人気俳優だから。メラニー・グリフィスもどの映画でもメラニー・グリフィスで、やっぱりこの人もいるだけで目立っちゃう人。容貌なのかキャラなのか、なんか濃いから。なのにこの映画、三人ともがそれほど目立たず、我を張らず、地味なストーリーに馴染んでいる。元来持ち合わせた存在感が際立っているぶん、でしゃばらなくてもそれなりに印象に残る。言い換えればこの三人だからこそ、この地味なストーリーを引っぱってゆけたのかも。ジェシカ・タンディも、ちょい役フィリップ・シーモア・ホフマンも含めてけっこう個性的な面子が揃ってるのも効果的。キャスティングがうまい。にしても地味だ。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-02 15:27:00)
985.  抱擁のかけら
盲目のおじさんが親切な若い女性になにやら介助されているところから始まったと思ったらこのおじさん、その女を口説く。で、やっちゃう。で、それがどうも毎度のことらしい。もうここから引き込まれてしまう。この冒頭の短いエピソードの小さな驚きの連続とさりげないユーモア。ところがある男の死を知り、またべつのある男の訪問からミステリアスな展開へと。そしてこのおじさんがまだ視力を失う前、映画監督だったころのお話がスタートする。男と女の愛憎劇。まさに愛憎劇で、とにかく濃い。たしかに入り組んだ関係と入り組んだエピソードをつなげてゆく展開といい、劇中劇といい、テレビに映し出される映画(今回は『イタリア旅行』)といい、ゲイの登場や親子の葛藤などアルモドバル印満載なのだが、いつものユーモアがここ(映画の大半である過去シーン)には無い。劇中劇をコメディとすることでごまかしてるような。そもそもその劇中劇が自身の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』をまんまコピーというのはどうなんだろう。これがユーモアのつもりだとしたら失敗しているような。全体的に重さをひきずった展開同様に今回のペネロペの美しさも異質に感じた。うまく言えないが美しさがいつものアルモドバルの女たちよりも濃厚。印象的なシーンがいくつかあって、その中でもとびっきりかっこいいシーンが読唇術のところで、決定的セリフのアフレコしながらの尋常じゃない美しさの女優ペネロペ登場。ここは唸った。このアフレコ以外にも過去の「かけら」を紡いでゆく物語と「編集」を重ねるメタ映画な構成もまたアルモドバル的なんだけどちょっと懲りすぎの感も。
[映画館(字幕)] 6点(2010-08-25 18:31:30)
986.  ああ結婚 《ネタバレ》 
人生の苦汁が全部顔に出てますみたいなソフィア・ローレンが出てくる。なんだか重そうな雰囲気だ。時を遡り十代のうぶな彼女が出てくる。同じ人物とは思えない変化にびっくり。『昨日・今日・明日』の三変化も凄いけどこの年齢からくる変化に人生経験のあるなしを加味した変化がまじで凄い。男は女が好いていることをいいことに都合の良い女中のように扱い続ける。女は女で三人の子供のために男の金を当てにし続ける。どうしようもなくドロドロである。仮病を使って結婚とか、自分の子供はどの子か捜すところなんか、かなりコメディな様相を見せるんだけど、これとてドロドロの賜物なわけで。ところが突如ハッピーエンディングへ。なんだかんだいって心のずっと深いところで愛し合っていた、なんて、んなあほな、という納得しがたい展開なんだけど、マストロヤンニとソフィア・ローレンだもんでまあそれもありかと。いやほんと、この二人でないと無理でしょ、この展開。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-23 18:20:29)(良:1票)
987.  コレクションする女
今まで見たロメールの映画で唯一面白くないと思った作品だったのだが、ロメールが亡くなった際、録画しておいたビデオテープを引っ張り出し勝手に追悼鑑賞をしたのだが、そのとき選んだのがこれ。面白くなかったのは作品のせいではなく私のせい、などと思いたくもないがこれ以外の作品はどれもこれもめちゃくちゃに面白いもんだからあえてこれに再チャレンジ。だったがやはり退屈。恐ろしく美しい空の色とか窓の光とか透き通る水とかが挟まれてもやはり退屈。しかしそれも当然。主人公は退屈な休日を送ろうとしているのだから。あと、終わり方が『クレールの膝』同様に楽しかったが『クレールの膝』同様に主人公がいけ好かない。ただ二度目の鑑賞ゆえにこのいかにもロメールな、いかにも教訓話的なエンディングを知っているわけで、そのおかげでこのいけ好かない男に対する嫌悪感はずいぶんと薄れていたように思う。女の子は映画が進むにつれてどんどん可愛くなってゆく。二度目の鑑賞で主人公が振り回されるのも納得の可愛い笑顔を見てしまった。たぶんまた見ると思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-03 17:06:21)
988.  NEXT-ネクスト-
『ジャンパー』じゃないけど特殊な能力ってのはやっぱり秘かに自分のために使うもんだ。たったの2分先が見えるくらいで何ができるのかって思ってたけどなるほどカジノね。ナンパも。でも核爆弾持ってるテロリストはどうにもならんだろ、2分じゃ。と思ってたら自分のことは2分だけど運命の人にかかわることならずっと先までわかっちゃう。あきらかにストーリーを成り立たせるための例外を強引に作ってる。この例外ってのが後に効いてくるんだけど、ある意味痛快。主人公だけに見えている未来の映像を未来の映像だとばらさずに我々に見せるという方法で2分先が見えることの効能をわかりやすく且つ面白く見せていると思う。2分先が見えるから落石のコースとか撃たれることとか前もってわかるってのとその岩や弾丸をよけれるってのはまた別の話だと思うんだけど。ま、それも含めて多少強引ではあるんだけど見所を絞っている点では好感が持てる。テロリスト側をほとんど無視したストーリーのわかりやすさも然り。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-30 16:39:08)
989.  ジャンパー
なぜにこれほど酷評されるのかわからない。けして絶賛するつもりもないんだけど。感情移入できないとか共感できないとかという意見の多さにも驚いてる。特別な力をどう使うか。その力を世界中の人々に還元するスーパーマンやスパイダーマンよりもずっと共感できるような気がするんだけど。こういう身勝手さに共感しちゃうほうがおかしいのだろうか。『インビジブル』で透明の体を手に入れた男の悪行に比べりゃかわいいもんだ。のび太だってドラえもんがいなけりゃけっこう「悪いこと」に道具、使ってるぞ。『ジャンパー』にはドラえもんがいないのだ。それよりもこの映画の醍醐味、バン!と瞬間移動するその映像を楽しもう。と言ってもいざってときに使うんじゃなくてバンバンバンバン使っちゃうもんだから段々飽きてくるんだなこれが。バンバンバンバン使いまくるところのスピード感を楽しむものなのかもしれないし、たしかにそれを堪能できたところも確実にあるんだけど、うーんイマイチ盛り上がらん。
[映画館(字幕)] 6点(2010-07-26 17:34:29)(良:2票)
990.  バンディッツ(2001) 《ネタバレ》 
脱走して押し入った宅でカップルが『大脱走』見てたり、ボニー・タイラーの「ヒーロー」BY『フットルース』をバックにヘッドバンキングしながらの野菜カットがあったり、『或る夜の出来事』のジェリコの壁が出てきたり、『エディ・コイルの友人たち』のお泊り強盗があったり、最後に襲う銀行がアラモ銀行だったりといった引用の嵐はそれなりに楽しめた。中でも『或る夜の出来事』の引用はスクリューボールコメディ、つまりいがみ合う二人が惹かれあうようになることの伏線でもあったわけで、ジェリコの壁を引用した二人ではなくそのときいがみ合っていた二人のその後を暗示していたというニクイ演出に唸った。ブルース・ウィルスが冒頭一人で暴走しているときは良かったんだけど、徐々に三人の中の一人って立ち居地に落ち着いてくると妙に浮いてきた。バリー・レビンソンはいつも大物俳優をうまく使いこなしているんだけど今回はブルース・ウィルスの我が勝っちゃったってかんじ。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-22 17:12:31)(良:1票)
991.  ブレイキング・ニュース
その映画の中で何かを延々とやり続けているというのはジョニー・トー映画の特徴でもあろうかと思うんだけど、その延々となされているものが銃撃戦であればそりゃもう興奮するしかない。と思ったら興奮はさほど感じない。あれだけ至近距離であれだけ銃弾の雨あられの中堂々と歩いてる、で当たらないってのもあるかもしれないけど、無表情、あるいは表情がとらえきれない距離で見せる長い市街戦シーンは単なるシーンを越えてそれ自体が映画になってるというか、もう銃撃戦そのものがドラマというか。ビル内での攻防の見せ方も実に工夫が凝らしてあって分割映像の部分はかなりうまいと思った。途中から唐突に謎の二人組が登場するのだが、こっちのリーダーとあっちのリーダーが最後に見せてくれる男の美学は間違いなくメルヴィルから受け継いだものであってなかなかにしびれさせてくれるのだが、そうなると実は映画のストーリー上のメインとなってる警察側の社会風刺的且つ安易な意表突きドラマなんぞは無駄以外のなにものでもないと思うのだが。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-14 11:32:07)
992.  スターシップ・トゥルーパーズ
『ロボコップ』や『トータル・リコール』でもそうだったんだけど、この監督の未来世界の未来世界たる部分への皮肉めいた描き方っていかにもSFミステリー小説みたい(実際、原作がSFミステリーなんだけど)。現代の視点で現代の諸悪や問題を誇大にしてみせて未来世界とするという、皮肉を言うために作ったような世界を背景としている。単純化された人間の行動パターンによって短絡的に進んでゆくスカスカのストーリーそのものが皮肉となり、スプラッター描写を強調することでさらなる皮肉を生み出す。終わってみればその完成された皮肉の塊に感心しきりなのだが、はたしてこれは面白いのだろうか。いや、面白いんだけど、見ている間の興奮ってのは単純なインパクトの羅列のせいで(もちろん意図的に)中の下ぐらいなわけで、所謂ヴァーホーヴェン・ワールドは堪能できたんだけど、うーん、どうなんだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-23 14:26:19)
993.  アナザー・カントリー 《ネタバレ》 
80年代のロシアを現代としてそこから30年代の英国パブリックスクール時代を振り返る。というのが冒頭部。物々しく登場するインタビュアーが老いた主人公になぜスパイになったのかを取材しているのだから、当然その後の映画の舞台となるパブリックスクール時代にその答えがあるということになる。なかなかに興味を持たせる冒頭部なのだが、終わってみると、インタビュアーの質問から時代を遡ってゆくこと自体はいいのだがそこまでの物々しさは不必要だったんじゃないかと。物語はファシズムが頭をもたげようとする30年代。スクールに充満するブルジョア、エリート社会の内ゲバが描かれる。トップエリートを目指す主人公はゲイであることを暴露されて道を閉ざされる。簡単に言っちゃうとそんな話。スパイになった原因は、ファシズムの台頭、ブルジョアの退廃、そして自分を受け入れなかった社会への復讐。ならば冒頭の物々しさもありかもしれない。が、最大の理由は老いた主人公の部屋に飾ってある写真にある。共産主義者という異端者として堂々と生きる親友の存在があったからこそ主人公は逃げずに鞭打ちの罰を受けゲイという異端者として生きることを選んだのだと思う。共産主義に殉じた親友への純愛こそがスパイとなった理由。このあたりの多くを語らないさらりとした演出と冒頭部の物々しさが全く合わないように思ったのだ。冒頭部に合わせるなら多く語ったほうがいいし、さらりといくなら冒頭部もさらりといったほうがいいと思うのだが。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-17 16:48:41)
994.  いまを生きる
詩読サークルというものが若者たちを惹きつけるってところでどうしてもひっかかっちゃうわけで、夜な夜な詩の朗読を秘密裏にすることの喜びが理解できない私としてはどうしてもそこに同性愛的なものを感じ取ってしまうんです。いかにもいい人そうなロビン・ウィリアムスがまたそっち系に見えてきちゃうから困る。見ている間になんとか国民性の差異や時代性を考慮し軌道修正に漕ぎ着けたものの、元来教師になんら期待を抱かずに高校生活を過ごした自分としては教師に導かれる生徒という構図自体がどうも白々しいというかアホらしいというか。そんな苦手意識の中でも好感を得たといえば、この教師の生徒の導き方が映画としてよかったということ。生かされるんじゃなくてちゃんと生きろ、要するに自立しなさいってことを言ってると思うんだけど、けして声に出してそういうことは言わない。規則に従うのも破るのも自分で決めなさい。なんてことも言わない。でもそう導こうとしているのがわかる。そのあたりの言葉を廃したシナリオがうまい。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-16 10:37:27)
995.  レスラー 《ネタバレ》 
オープニングに鳴り響くLAメタルの先鋒クワイエット・ライオットの「Metal Health」は主人公ランディの入場曲である。恋心を抱くストリップバーのダンサーと仕事を離れて街でビールを飲むその店で流れるのがLAメタルの真打ちラットの「Round and Round」! この名曲(でしょ?)を二人で歌い踊るのだ。そしてランディは言う。80年代は良かったと。ガンズ&ローゼズ、モトリークルー、デフ・レパードは良かった。90年代はクソだ!ニルヴァーナが出てきてぶち壊した!って・・(笑)。たしかにとりあえず頭振っときゃいいみたいな陽気なLAメタルと比べるとオルタナティブロックは辛気臭いってのも解からないではない。少なくとも実に単純明快な生き方をするランディには絶対合いそうにない。しかし時代は変わるのだ。時には時代に寄り添うことも、先を見据えることも大事。でもランディは変わらない。それがかっこいいからじゃない。そこに夢があるからでもない。ただ不器用で、それ以外の生き方ができないのだ。あまりに哀れな男が哀れなまま終わる。泣くしかないではないか。最後の試合での入場曲はガンズの「Sweet Child O’Mine」。LAメタルの時代の終焉をきらびやかに飾ったガンズとランディの最後の試合をだぶらせる。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-11 16:53:11)
996.  告発のとき 《ネタバレ》 
長男は戦死し、二男までもが無残な死をとげる。それでも冷静に真実を見極めようとする愛国心の塊のような父は元軍人。死の真相に近づきつつあるなかでギャングがらみなら復讐心に火もつこうものだが、真実は彼の想像の範疇を超えるものだった。それは単に戦友が殺すはずがないということではなく、愛国心を揺るがすもの。『クラッシュ』はどこかブラックジョーク的なシニカルさがあまりにうますぎて嫌味な感じもしたが、この作品においては題材がよりシリアスゆえか前作のようなシニカルはない。脚本は相変わらずうまく、見た目には異常さを見せない帰還兵たちの異常さは、俳優たちの演技でも監督の演出でもなく、やっぱり脚本の力が大きいのだと思う。子供が素直な疑問を投げかける。ダビデはどうして王様に自分が戦うって言ったの?と。母親はわからないと言う。戦う理由がわからない。アメリカは迷走している。けっこうズシンとくるものがあった。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-02 16:02:22)
997.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 
冒頭数分がめちゃ怖かった。爆弾をリモコンで爆破させようとする者がいないかを探す映像と、もしかしたら爆弾を爆破させようとしている人間の視点かもしれない防護服を着た処理兵をとらえた映像。こんな恐るべき緊迫がこのあとずっと続くのかと思うとうんざりするぐらいにドキドキした。で、爆破から逃れるために走る兵士。これだけ離れればアクション映画の主人公はTシャツ一丁でも間違いなく生きているのだが、この映画では宇宙服のような防護服を身に着けていても生き延びることができない。過酷だ。主人公はこの死んだ男と交代でここに現れる。ところが冒頭ほどの緊迫感はこの後訪れることはない。たしかに一人で爆弾までの長い道のりを歩いてゆくシーン、一つ解体したと思ったら芋のようにゴロゴロと出てくる爆弾、車体爆弾解体シーンの射撃班の視点映像などそれなりに緊迫するシーンはあるのだが、主人公の落ち着き振りが最低限の安心感をもたらしている。この落ち着きぶりがいわゆる「戦争は麻薬」というオープニングの言葉のとおり、生と死の狭間にいることを積極的に望む主人公ゆえということなのだろうか。わからないでもないのだが、ちょっともったいないようにも思う。砂漠地帯での銃撃戦はこの映画一番の見所でもあると思うんだけど、ここは顔に積もる砂とか動かない腕とかが映されて初めてその凄まじさが伝わってきたのだがそれでいいんだろうか。なんかここももったいないなと。任務明けまでのカウントダウンはうまい。危険と隣り合わせのNY市警を定年退職したあと生きがいをなくし自殺した男が登場した映画(フライシャー『センチュリアン』)や熊や狼に襲われるかもしれない世界でこそ生きていることを実感できることを綴ってもいた話(星野道夫「旅をする木」) と同様に主人公は生きていることを確認するためにまた戦場へと向かう。
[映画館(字幕)] 6点(2010-05-31 15:24:21)(良:1票)
998.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
いやはや、マトリックスだったわけですね。アイデアの勝利だ。そのアイデア以上にサスペンスに満ちたシナリオがうまい。そのサスペンスを大いに堪能させてくれる演出がうまい。どこから見ても怪しいレイ・リオッタの存在もサスペンスを盛り上げる。人格統合の舞台がなぜモーテルなのか(しかも大雨!)は、精神科医が多重人格について検察官や刑事たちにレクチャーしながら同時に観客に説明するという同じシーンをもつヒッチコック『サイコ』のパロディなのかな。モーテルってのはアメリカ映画のホラー・サスペンスの定番的舞台でもあるのでなんとも言えんけど。てか、あのレクチャーのほうがパロディか。展開がスピーディなので今どきな消費型作品の様相もあるんだけど、サスペンスがしっかりしているので2度目3度目も楽しめると思います。まだ試してませんが。
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-28 15:39:31)
999.  シャッター アイランド
けっこう期待して観に行った。精神を病んだ犯罪者を収容する施設から一人の女が消える。それを追う捜査官。古き良き(?)ハードボイルドが拝めそうだ。ましてや『ディパーテッド』で豪華な大作路線から初期のインディペンデントとまではいかずとも本来の小回りのきく作品に回帰したスコセッシだ。その期待に応えるようにまずティム・バートンよりもずっと魅力的な灰色の世界で幕を開ける。舞台は誰が撮っても絵になりそうなニューヨークの雑踏ではなく閑散とした孤島。しかしこの孤島が雨によってなんとも怪しく光りだす。結果として上出来だった。上出来すぎるぐらいに。偽の回想であることを示しているのだろう、横移動するカメラに合わせてドイツ兵を虐殺してゆくシーンの残酷なファンタジックさや灰になる女のCGの素晴らしさ、あるいはその女が登場するシーンの色鮮やかさはこれまでのスコセッシ像を大きく上方修正するものだった。それでもやっぱり『ディパーテッド』同様に欲求をじゅうぶんには満たしてくれなかった。今さらロボトミーって・・てのもあるけど、一つ目のオチ、つまり灯台シーン、このオチってはっきりいってここまで引っぱるようなオチでもなんでもない。それにしてはそこにたどり着くまでが長すぎる。その間ずっとディカプリオの険しい表情を見続けなくちゃならんのだからこの長さはたまらん。もうちょっと遊びがほしい。硬いよ。
[映画館(字幕)] 6点(2010-05-25 15:18:07)
1000.  木と市長と文化会館/または七つの偶然 《ネタバレ》 
文化会館建設にまつわる意見交換であっても、ロメールのいつもの恋する男女のたわいなく、どうでもいいような内容の会話同様に、どうでもいい会話なのだった。ただし大人、しかも政治がからんでるのでいつも以上に理屈っぽい。こんなどうでもいい会話を延々と聞いていたってちっとも面白くない。ところがラストシーンでひっくり返される。子供によって。 <超ネタバレ注意> 小さな女の子が大人顔負けの政治的見解を述べる。文化会館よりもみんなが楽しめる公園を。みんなが歌いだす。笑顔で楽しそうに。このラスト数分にはまいった。全てはこのエンディングのための「フリ」だったのだ。ちょっと長かったけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-12 13:48:54)
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