981. セメントの女
トニー・ローム殺しの追跡の続編で気乗りしないまま鑑賞。予想通りの凡作でした。監督がシナトラのお抱えだという事で、サミュエル・フラーが言う「映画は戦場のようなものだ」とは無縁のお気楽な撮影現場が浮かぶところが脳天気な音楽と併せて何ともはや。 [DVD(字幕)] 4点(2021-06-08 12:35:47) |
982. トニー・ローム殺しの追跡
敬愛するジーナ・ローランズ目当ての鑑賞。重要な役どころでありながら持ち味の静かな迫力が今一つ感じられなくとても歯痒いところで、脚本の拙さにもよるのでしょう。妙に入り組んだ?部分が多々あり、停止して戻して考えての繰り返しで(DVDの利点)くたびれました。シナトラのやさぐれ探偵振りはイキっているは言い過ぎとしても何かこう軽い感じが否めず、もう一人のお目当てリチャード・コンテも味わいに欠ける姿で、総じて興に乗りきれない残念な作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-08 02:12:55) |
983. 女ガンマン・皆殺しのメロディ
《ネタバレ》 ラクエル・ウェルチ繋がりでの鑑賞。再生1秒後にさぞかしお色気溢れる無双な活躍を見せるのだろうと苦笑したのですが、続くクレジットでロバート・カルプ、アーネスト・ボーグナイン、ジャック・イーラム、クリストファー・リーに「ひょっとしたら、当たりかも」座り直しました。ハイエナのような3人兄弟に亭主を殺され犯され家を焼かれたハニーと賞金稼ぎトーマスの出会いから結末までの、殺しの理論と気構えと虚しさの実に丹念な描写は、ウエスタン復讐話では初めて見るもので、恨み骨髄の相手を呪い殺しは出来ず復讐するには力をつけなければならない事を実感させられました。MIPロバート・カルプのこれ程までの漢な姿を拝めたのは大収穫で、浜辺のウェルチを眺めるカルプを見るクリストファー・リーの人殺しの虚しさが胸に刺さるシーンが絶品。スティーヴン・ボイドのような(でした 驚)黒づくめがもう少しだけ話に絡んでくれれば(-1点)並びに3悪人にもう少しだけ知性があれば(-1点)歯痒いところですが、大当たりの快作でした。 [DVD(字幕)] 8点(2021-06-07 15:07:32)(良:1票) |
984. 愛の勝利(1939)
ベティ・デイヴィスのラストの眼で語るところはグッとさせられたのですが、キャンキャン吠え立てる棒読み一本調子な語り口には嫌気がさしました。顔見せ程度のハンフリー・ボガートにもガッカリ。若かりし大根役者ロナルド・レーガンの顔だけは超絶男前でビックリしたところに+2点。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-07 01:17:16) |
985. マルクス兄弟デパート騒動
ウットリ見惚れてしまった、力の入れ具合が半端ないミュージカルシーンとチコ&ハーポの演奏シーン、追いかけごっこを始めとした思わず吹き出してしまうシーンも多々有り。芯から楽しめた快作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-06-06 22:25:57) |
986. マルクスの二挺拳銃
「キートンの大列車追跡」「周遊する蒸気船」のいいとこ取りをしたかのようなラストの機関車大暴走シーンに点数の全てを! [DVD(字幕)] 7点(2021-06-06 22:05:59) |
987. ミッション・ワイルド
この時代のアメリカは大変だったと言いたいのでしょうが辛気臭さの極みで、意味不明なストーリーを分かろうとするのを諦める。登場人物全員に対して(鑑賞目的のジェームズ・スペイダーに対しても)感情が湧かない。ジョーンズさんの独り善がりに思えた、凡作愚作駄作とは種類の異なる残念な一品。 [DVD(字幕)] 2点(2021-06-06 01:45:35) |
988. グランド・ジャーニー
申請、許可、承認、書類偽造といった地上の出来事とは無縁な雁の群れとその親である14歳少年トマの大冒険。実話でCG無しの映像というのが信じ難いところです。人情は万国共通である彼等を見る人々の視線の暖かさと、子(トマ)(アッカを始めとした雁達)はかすがいを動画表示したような親子の姿が染み入ります。劇場鑑賞であれば更なる感動請け合いな傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2021-06-05 15:02:33) |
989. 黒い画集 あるサラリーマンの証言
清張作品で橋本忍脚本とくれば良質な筋立ては保証されています。平凡なサラリーマン課長の因果応報な転落模様は都度次の展開が浮かんできて、肩の荷がどんどん増えてゆく思いで滅入ってゆきます。小林桂樹が見せる喜怒哀楽はリアリティあふれる名演で、ラストショットの後ろ姿は残酷でありながら救いも感じました。「40そこそこならやり直しが利くはず、杉山夫妻と妻子への罪を償って」地味ながらも見応えある良作です。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-05 04:40:39) |
990. 極楽特急
本作は鑑賞時のコンディションに左右されるかも。「しょうもない、アホくさ」なお話でもほろ酔い加減で観ると心地よさを感じる、ケイ・フランシス&ハーバート・マーシャルの艶のある存在感。素面であっても、損な役回りながら熱演するミリアム・ホプキンス、持ち味のおとぼけキャラぶりを発揮していたエドワード・エヴェレット・ホートン、colet company コマーシャルからパリのオフィスに飛ぶシーンを始めとしたテンポの良い演出といった見るべき点はある佳作です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-05 01:10:31) |
991. バンドレロ!
《ネタバレ》 ラクエル・ウェルチは華としての存在感が薄い。ジェームズ・スチュワートの悪漢ぶりは「アメリカの良心」としてこれが精一杯だったのかと思える中途半端さ。彼の弟(ディーン・マーチン)と彼等を追うジョージ・ケネディとの大ラス対決に寄せた期待は脚本の酷さを噛みしめる大ハズレ。荒涼とした風景に染み入るような音楽(ジェリー・ゴールドスミス)に+2点。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-04 02:25:46) |
992. 気まぐれ天使
デヴィット・ニーヴンこそ天使役に相応しいと思うのですが、司教役もそつなくこなしているのは流石。2級天使演ずるのがケイリー・グラントというのに冷めた思いがしていましたが、本作では嫌みも暑苦しさも無い控え目な言動が生来のルックスの良さも手伝い好感が持てた嬉しい誤算。ロレッタ・ヤングはジュリアのような地味目なキャラでこそ映えるのを実感。ジェームズ・グリーソン、エルザ・ランチェスター、グラディス・クーパーといったいぶし銀の脇役陣も併せて、低温の原泉に浸かっているような心地よさを味わった良作です。善行に見返りを求めないどころか感謝の気持ちも求めない天使の姿に、邦題の不適切さを感じるところです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-04 02:01:25) |
993. マイラ
《ネタバレ》 監督ラリっての自慰行為を見せつけられたひととき。その手の駄作は他にもあるものの、本作はローレル&ハーディ、マレーネ・ディートリッヒ、リチャード・ウィドマーク、ジュディ・ガーランド他多数のカット映像がふんだんに挿入されているところが、「偉大な先人をアンタの妄想に引っ張り出すな。阿呆!ド阿呆!」胸糞悪さの極み。メイ・ウエスト&ジョン・ヒューストンにも「恥ずかしくないんか!」罵声を浴びせたい。御大イーディス・ヘッド女史が「作品に参加したのは一生の不覚」と嘆いたと言うのも頷ける動画。 [DVD(字幕)] 0点(2021-06-02 16:49:38) |
994. ペリカン文書
主役2人の他に有名どころがずらりと脇を固めていて「これはなかなか」期待上昇しましたが。それぞれが手堅い演技をしていても脚本が拙くて興に乗れません。2人が誰に追われているのか(FBI、CIA、他)最後まで分からず、危機回避(するのは分かっていますが)も「そんなあほな!」白ける演出でした。最後まで分からなかったもう一つがロバート・カルプ(刑事コロンボ犯人役三羽ガラスの1人)が何処に出ていたのか。まさかの合衆国大統領役だったとは、出世しましたねぇ、面影は目元に微かに残るのみ。本作1番の「へぇ~」に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-02 01:05:33) |
995. 戦慄!プルトニウム人間
悲しみの巨大人間といった感ある起承転結が小じっかりとしていたのが意外。出ずっぱりの婚約者が都合良くしゃしゃり出てくるも安い台詞しか吐かず物語に機能していなく、かといって華があると言えない存在に段々と嫌気がさしてきて、あのまま一緒に落ちればいいのにと思ったのは言い過ぎか。ラストの攻防が住民の反応も含めて至極アッサリした演出であるのも残念。それを差し引いてもまぁまぁ見応えある佳作です。 [DVD(字幕)] 5点(2021-05-31 13:39:31) |
996. リターン・オブ・ザ・キラートマト
聞き覚えあるテーマソングでのクレジット2番目に出た George Clooneyに、ん? 同姓同名? 本人? 程なく登場したピザ店スタッフは目元涼やかなまさしく本人で最後まで出ずっぱり。イケおじ代表若き日のチャラ男姿に2点。 前作よりはストーリーらしきものはあるものの、怖くなく笑えなく熱くなく、お遊戯会のような演出がイタ過ぎる。 [DVD(字幕)] 2点(2021-05-31 00:47:49) |
997. 札つき女
ベティ・デイヴィスは物凄い邦題からどれだけ外道な役どころなのか身構えて観ましたが。経営者であるギャングの悪業に立ち向かう鉄火肌なホステスという役どころ。共演に興味津々だったハンフリー・ボガートも正義感溢れる次席検事役で、二人の絡みも単調な台詞回しに興に乗れず仕舞いに終わった一品です。冒頭の「登場人物は架空の人物である・・・・偶然の一致にすぎない」はラッキー・ルチアーノとトーマス・デューイを指すのを鑑賞後知りました。(驚)(+1点) [DVD(字幕)] 6点(2021-05-30 21:33:24) |
998. 大地(1937)
《ネタバレ》 名著原作未読。オスカー受賞異議無しのルイーゼ・ライナー演ずる女の一生が描かれています。夫に「大地はお前だった」と言わしめる土地に対する意地を貫き通した生き様をあの桃の木が表しているようで鳥肌が立ちました。ただ、野暮な事を言うようですが、乞食に身をやつしていたのが、内乱の最中宝石を拾った事をきっかけとして大地主への道を歩むのに、今で言えば宝くじ1等当選したようなもので何だかなぁとひっかかるところであります。 「民族の精神は底辺の人々の生活に、より顕著に表れる。この中国の農民の物語に見い出せるのは、中国の魂……つつましさと勇気、古い伝承と明日へのたゆまぬ努力である」冒頭の一文偽りなしな内容の昭和12年製力作です。 蝗害の恐怖が生々しい映像も桃の木同様に忘れ難い。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-29 00:59:53)(良:1票) |
999. 残酷!女刑罰史
《ネタバレ》 鑑賞理由は、「公開当時は失神者多数で上映禁止締出し策に発展、日本でも税関で議論を呼び自粛という形でのみ上映出来た大問題作」という宣伝文とハーバート・ロム出演。 97分1本勝負に臨む感じで身構えて観ましたよ。瞬殺されてアベシ、ヒデブで終わるのかと思いきや。 ウド・キアの若き妖艶な美しさに「あらまぁ」ウットリ釘付け。己の欲得を満たす為に神の名を借りて(この点が大問題だと思うのですが・・)魔女狩り・拷問・暴行を行う悪の化身ハーバート・ロム(見た目は品あるどす黒さが絶品)との師弟対決という筋立てに拷問シーンが織り込まれています。男性も責められており、「よくこんな事思いついて道具まで作るんやなぁ」と呆れるものの、盛りすぎの広報戦略に思えるもので、税関での議論の内容を知りたいものです。後味最悪な結末に「神さんがあの男に罰を与えなくて誰が与えるんや」怒り心頭であります。 欲を言えばヴァネッサ役のキャスティングを頑張って欲しかったですね。ソフィア・ローレンあたりなら1点追加でしたが。 ダメージ無しの完勝に終わった佳作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-05-27 02:21:24) |
1000. スクリーミング 夜歩く手首
《ネタバレ》 嫁ぎ先のお屋敷で数々の恐怖に見舞われる新妻。館にまつわる因縁話を口にしようとする者が次々と殺害される。明らかになった忌まわしき悲劇とは。ありがちな筋立てでウツラウツラしかけた時にお目当てピーター・カッシング、ハーバート・ロムがご登場。1時間ほど経過しているのは「待ってました~」というより「遅すぎるわ(怒)」であります。しかしながら、尺取り虫のような手首がチョイチョイ登場する他愛の無い祟り話から風格を感じられたのはお二人のお陰でしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2021-05-27 01:22:03) |