1041. ナイト・アンド・ザ・シティ
《ネタバレ》 1950年版が未見状態で本編だけを観ればペラペラ喋り倒すデ・ニーロの持ち味が良く出た可もなく不可もなくと言ったところ。しかしながら、エンドロール冒頭での「ジュールズ・ダッシンに捧ぐ」にこんなのを捧げないで欲しいと言いたいです。とりわけラストでのデ・ニーロのテヘペロ感が腹に据えかねます。 [DVD(字幕)] 3点(2021-03-28 03:39:42) |
1042. 狼男(1941)
《ネタバレ》 「透明人間」「オペラの怪人」のクロード・レインズがどのような狼男を演じてくれるのか、はち切れんばかりの期待は空振りに。しかしながら、狼男になってしまい、無自覚に人殺しをしてしまう息子の恐怖感を分かろうともしない超絶厳格な貴族役は見応え満点。この世との別れを覚悟した息子に持たされた銀のステッキを狂ったように振り下ろし続けるシーンからエンドマークまであまりにも切ない姿でありました。品格漂う怪奇モノの金字塔たる傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2021-03-28 03:16:23) |
1043. KAFKA/迷宮の悪夢
ジェレミー・アイアンズ、アレック・ギネス共演と言うことで鑑賞。理不尽系統の物語に相応しい二人は美しいモノクロ映像(+1点)に映えるのですが、置いてけぼりを食らった感で歯痒い思いであります。カフカに精通している方には楽しめるのでしょうか。本筋から外れますが「君が出世できない理由は、機械的に仕事をしているだけで、自分から仕事に興味を持つことをしないからだ」には激しく同意するところです。 [DVD(字幕)] 5点(2021-03-26 06:58:28) |
1044. ウエストワールド
1973年での着想に感嘆します。冒頭で「見たことあるけど誰だったか?」気になって一旦停止して確認した「シーラ号の謎」でジェームズ・メイソンと渡り合っていたリチャード・ベンジャミンは可も無く不可も無く。そのまんまクリスのユル・ブリンナーの彼ありきで作られたかのような圧倒的な存在感に尽きます。少し腹が出てはいますが騎乗姿はビシッ!と決まっていて、猛禽類の眼差しは相変わらず強烈。「ターミネーター」の元ネタ(に違いない)姿で何処までも迫り来る様は忘れられない恐ろしさ。テクノロジーの暴走を考えさせられた秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-03-26 06:32:23) |
1045. 脱出(1972)
《ネタバレ》 初見。急流下りのサバイバルものだと思っていたのが、殺人が絡んだ話だったというのに仰天。「豚のように鳴け」は特筆もののえげつなさ。このシーンをはじめとして映像の生々しさと迫力が強烈な印象を残します。人間の見た目と異なる本質を浮かび上がらせる展開もお見事。しかしながら、人里離れた所に住む人々の描写と罪のほっかむりを許す結末がいけません。幻滅です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-24 02:10:28) |
1046. 白衣の男
《ネタバレ》 イーリング作品らしからぬ純粋無垢な研究者(アレック・ギネス)による、汚れずに永久に傷まない「究極の!」繊維開発にまつわる騒動をイーリング作品らしい皮肉な視線がこもったライトなコメディで描かれています。成功するのが早いと思ったら、そこからが話の本番で、労使が揃って時代の変化を恐れる姿がなかなかに考えさせられました。好感が持てたアレック・ギネスの外連味無き真っ直ぐな演技が光る良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-23 01:51:51) |
1047. 名探偵登場
二転三転・・・何転したのか、どうでもよくなった結末は、ミステリー小説への皮肉なのか。謎解きとしてもコメディとしても素直に楽しめない微妙な作品。アレック・ギネス&ピーター・セラーズの芸達者ぶりに3点ずつ。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-21 22:39:40)(良:1票) |
1048. カナディアン・エクスプレス
テンポ良く起承転結が展開され、スーパーマンではない検事補のビリー・ワイルダーを思わせる一言一言の台詞でもっての機転を利かせた理詰めな奮闘ぶりに手に汗握ります。ラスボスだろうとの予感が当たった人物との対決に脱力させられたのが非常に残念です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-03-21 15:08:35) |
1049. オペラの怪人(1943)
《ネタバレ》 原作未読。数ある版どれも未鑑賞。怪人は娘を盲愛する哀しき人物で(最後まで父娘をはっきりさせなかったのはヘイズコード(近親相姦)に触れた為だそうです)あり、半分だけ焼けただれた顔(クロード・レインズ出演条件だったそうです)と共に彼らしいキャラクターでありました。故にヒリつく怖さが無かったのが残念です。見惚れたオペラシーンや恋の鞘当て模様など「陽」の印象が強いのが意外な作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-21 14:38:56) |
1050. ホブスンの婿選び
お金と時間を湯水のように使う超大作監督の小品は、小粋でカラリとした物語で流石のクオリティ。チャールズ・ロートン通常運転の名演でもってこれ以上ない程の憎まれ口での暴君ぶりを見せる父親に笑わされ、彼と彼の長女に腰が引けながらも徐々に男らしさを増してゆくジョン・ミルズの好演にも魅入りました。後味も爽やかな秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-03-19 03:10:19) |
1051. ウィンダミア夫人の扇
お目当てロナルド・コールマン若かりし姿は、そこそこな美男子であっても哀愁の「あ」の字も無く、あの渋みのある声も彼の魅力の一つなのだと実感する拍子抜けな脇役ぶりでした。「オバハンの風上にも置けない腐れ・・・(以下自粛)」なアイリーンを軸にした物語は、ヤドンの如きテンポで進んでゆき、哀れみさえ誘う有閑階級の姿にリタイア寸前。これがアイリーンのたった一つの善行(4点)の前振りだとしたら、「監督さん、焦らし過ぎでっせ~」と言いたくなる出費の元は辛うじて取れた一品。 [DVD(字幕)] 4点(2021-03-17 16:51:26) |
1052. 長い散歩
50歳を超えてから涙腺が弱くなったのですが、それ以前に映画で泣いたのは2作のみで共に緒形拳さん。敬愛する俳優さんの中で永遠に絶対一位の存在であります。15、6年ぶりのお姿はやはり沁み入るもので、正座して慟哭する姿は「鬼畜」が重なりやはりすすり泣きが止まらない堪らないシーンでした。虐待されて育った母親がわが子を虐待する連鎖、妻子を蔑ろにして仕事を勤め上げた男の懺悔。最小限の台詞と最小限の回想シーンは出来事の本質を考えさせられるもので、監督の手腕が冴える秀作です。 人生は長い散歩・・・ですね。 [インターネット(邦画)] 9点(2021-03-16 15:25:44) |
1053. 幌馬車(1923)
全財産を積んだ幌馬車100台を超える隊列が進むカンザスからオレゴンに向かう3,200㎞の道のりは、西部劇がその昔は西部人情劇と呼ばれていたというのが納得の人々の喜怒哀楽が描かれており、一行が見舞われる最大の苦難には考えさせられました。物凄くお金をかけていると思われる大物量の映像は当時の苦難を想像させられるもの。登場人物達が華に欠けるのが物足りなくもありますが、目くじら立てる程でもありません。映画史的価値を感じる良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-13 21:33:43) |
1054. 欲望の砂漠
南アフリカ、ダイアモンド採掘地帯を舞台にしたドラマ。チーム「カサブランカ」の面々に囲まれて奮闘するバート・ランカスターですが、年季の違いを感じるのは仕方のないところでしょう。MIPはお目当てクロード・レインズ、ではなく、ポール・ヘンリードで下劣で残忍というイメージとは真逆の人物を彼らしい生真面目さで演じています。国籍不祥のピーター・ローレ、何を考えているのか善悪どちらか分からないクロード・レインズはお約束な人物像で貫禄の存在感ですが突き抜けたものがなく、結末と共に歯痒さが募る残念な作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-11 16:50:02) |
1055. あなたは私の婿になる
サンドラ・ブロックの硬軟織り交ぜた好演のお陰で偽装結婚ものの「グリーンカード」から感じた胸糞悪さはなかったのですが、邦題に見合ったベタな展開でライアン・レイノルズの心模様の曖昧さに明後日には忘れているであろう平板な作品です。 [DVD(字幕)] 4点(2021-03-10 16:51:03) |
1056. ニューヨーク 最高の訳あり物件
略奪婚で奪った夫を略奪された女と略奪した夫の元妻が同居する物語。二人の価値観や好みの違いをコミカルに描いているものの、旦那が何の魅力もないただの尻軽男なので、いくら映画の絵空事とはいえ現実味のない結末に白けるばかりで明後日には内容を忘れてしまうであろう凡作です。余談ながらエレベーターが住居に直結しているというのに「?」「へぇ~」であります。 [DVD(字幕)] 4点(2021-03-10 02:19:19)(笑:1票) |
1057. 素敵なウソの恋まじない<TVM>
ロアルト・ダール、リチャード・カーティス、ダスティン・ホフマン、ジュディ・デンチ、豪華組み合わせに興味津々での鑑賞。 8年ぶりのダスティン・ホフマンは白髪で太めになったものの加齢の衰えを感じさせなく、口角がグ~ッと上がる笑顔は相変わらず素敵でありました。彼自身が重なるような完全主義的凝り性なホッピーさんに、呆れると共に想いの深さに胸熱に。 100匹が亀というのが絶妙です(臭いを想像すると萎えるのですが) 硬派なジュディ・デンチしか見たことが無いのでシルバーさんには驚くやら戸惑うやら。78歳と81歳のキスシーンにプラスマイナス色々な思いがよぎりました。 二人に大馬鹿者プリングルスさんを絡ませた脚本も流石の仕事ぶり。小品ながら味わい深い逸品です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-10 01:57:59)(良:1票) |
1058. ロビンフッドの冒険
冒頭で紹介された善からぬ人物王弟ジョンはお目当てクロード・レインズに間違いないとワクワクしていたところでの登場に呆然。イヤミが浮かんだパッツンパッツンの前髪に「別人なのか?」「いやいや、鼻は彼に間違いない、しかしまぁこのヘアメイクは無いわ~」そしてゼルダの伝説リンクに見えて仕方なかったエロール・フリンにも「この衣装は無いわ~」 わかりきった起承転結で悪の化身として爪痕を残すクロード・レインズに寄せた期待も空振り(悄)。そういうお目当てを抜きにして観る分には冒険活劇として楽しめる製作費200万㌦興行収入400万㌦を誇る力作です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-07 20:25:56) |
1059. 有頂天時代
狡っ辛いポップへの拒否反応と、強引なストーリー運びに白けてしまいます。華麗なダンスのお陰でリタイアは免れました。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-04 16:30:58) |
1060. ラベンダー・ヒル・モブ
オードリー・ヘプバーンにそっくりだと思ったらご本人でした。アレック・ギネスは彼女のスター性を感じ取っていたそうです。そのアレック・ギネスですが、ラストまでニコルソン大佐の面影を見いだせませんでした。(泣)ロバート・ショウは再見で発見。(嬉) アカデミー脚本賞が納得出来る飄々とした犯罪もので大オチまで見応え充分、大いに楽しめました。 傑作「カインド・ハート」を生み出したイーリングスタジオ作品に相応しい逸品です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-04 01:56:27) |